士郎さんとのリハビリのための稽古を約束した次の日
「士郎さんとの稽古は良いんだけど体が持つかが問題だな」
[病み上がりですし流石に無理をしないのでは?そのためにマスターは釘を刺したのでしょう?]
「うん、そうだけどね。万一にも何かあったら危ないからノームに手伝ってもらうかな」
『呼んだかいの?樹』
『あぁ、士郎さんとの稽古の前にシフトして防御を上げておこうと思っているんだ、士郎さんは大人だしまず大丈夫だと思うけど、一応ね』
『そうじゃの、んじゃ当日の朝にまた呼んでくれのしっかりやってやるけん』
『ありがとうノーム』
[マスター、ノームはなんと?]
「当日手伝ってくれるってさ、これで防御の方はいいとして後は私の棒術の練習だね。
残り2日でどこまで出来るか判らないけど、成長速度を限界まで上げて技の練習だ」
[マスターの現在の限界は3倍です。初期と比べると丁度倍ですね]
「1年で結構限界が上がっていたんだね、なら3倍で練習をしよう。それから棍の長さだけど今まで3尺でやっていたけど体も成長したし4尺でいこう」
[それはいいのでずが、間に合いますかね?]
「なに、間に合わないなら間に合わせるだけだよ。今までの基礎で長さの違いを調整しながら練習すればできるさ。
もちろんニンフにも協力してもらわないとできないけどね」
[もちろんお手伝いさせていただきますマスター]
そんなこんなで稽古当日の朝
『おはようノーム起きているかな?』
『無論起きておるぞい』
『早速だけどシフトするよ【エレメンタル・シフトノーム】』
『ふむ、問題なくシフトしたぞい』
『今回ノームにはかなりお世話になるからね頼りにしてるよ』
『任せておきなさい、わしが憑いておる限り樹にはケガさせないからの』
ノームとの会話を終え最後の棒術の型を確認し、棍を振り回す
「ふむ、棍の長さの違いはなんとかできたね、ニンフどうかな」
[私から見ても棍はスムーズに回ってます、以前と変わりませんね。距離感や技の微調整もできています]
「かなり苦労したからね」
ニンフとの会話に私は苦笑する。実際かなりの無茶をしたのだ、食事、睡眠、トイレ以外を練習に当てたのだ。
普通なら倒れても可笑しくはないのだが、そこは精霊のウンディーネにシフトして体力の減少を防いだのだ。
『ウンディーネありがとうね』
『お礼はいいんやけどな、あんまり無茶はするもんじゃないで、樹はんが壊れてしまうわ』
『心配してくれてありがとう、それと士郎さんにあげたエリクサー擬きの効果は出てるのかな?』
『そこは士郎はんが飲んでいるかで変わるやけど、飲んでいれば今頃はケガする前に戻っているはずや』
『そうか、それじゃ実際に会って確かめるしかないんだね、分かったよ』
「時間になったしそろそろ行こう」
私は着替えの道着をバッグに入れ、手に棍を持ち出かけたのだった
*************
「御免下さい」
以前と同じようにチャイムを鳴らしドアの前で待っていると
「やぁよく来たね待ってたよ」
前に会ったよりも明らかに元気になった士郎さんが迎えてくれた
「こんにちわ士郎さん約束した通りやって来ました」
私は士郎さんを上から下までマジマジと見て
「前に会ったよりも随分と良くなっているようですね」
「ああ、樹ちゃんの贈ってくれた品が効いたのかもしれないな、ありがとう」
「いえ、体の調子が良くなって何よりです」
「さぁここで話すのもなんだ、上がってくれ」
「それでは失礼します」
そんな会話をしつつ内ではウンディーネと話していた
『ウンディーネ、貴女から見て士郎さんはどう見える?』
『そうやね、見たところケガしてたと思われる箇所は完治してんな。危惧してた麻痺も大丈夫みたいや』
『アイテムの効果もあるかもしれないけど、完治が早くない?そんなに効果の高いアイテムだったの?』
『あれは恐らく本人の治癒能力が高いからやな、そこにアイテムが加わったからこない早く完治したんやな』
後に付いて歩きながらアイテムの効能と士郎さんの治癒能力の高さに感心していたら道場に着いた。道場には恭弥さんと美由紀さんがいて二人で何やら稽古していたようだ。
お互い本気を出していないようで、素人である私でも目で追える速度で打ち合っていた。
「恭也、美由紀手を休めてくれ」
士郎さんが声を掛けて二人は手を止めて此方を向いた
「こんにちわ恭也さん美由紀さん」
「やぁ、こんにちわ樹ちゃん」
「こんにちわ樹ちゃん、今日はどうしたの?」
「今日は士郎さんのリハビリ兼私の稽古の為伺いました」
「稽古だって!?父さんいつの間に樹ちゃんと約束したんだい?」
「三日前に樹ちゃんがお見舞いに来てくれてな、その時に約束したんだ」
「なっ!?父さんだけずるいじゃないか、俺だって樹ちゃんと剣を交えたいんだ!」
「あの…私だったら構いませんよ、一応途中だったとはいえ約束でしたので」
「本当かい!だったら父さんが終わったら続けて俺とやってくれ」
「あー、お父さんも恭ちゃんもズルイ!私だって樹ちゃんとやりたいー!」
「えっと、流石に連続で三戦も出来る体力があるか判らないので次の機会でもいいですか?」
「むー、仕方ないか。でも次に来た時は私が最初にやるんだからね!」
「はい、約束します」
「じゃあ今日は大人しく皆の見学にするかー」
「あの、道着に着替えたいのですがどこか部屋はありますか?」
「それならこっちだよ」
私は美由紀さんの後に着いて部屋に移動し着替えをした。美由紀さんは案内をした後は「じゃ道場で待ってるから」と言って先に行ってしまった
[『マスター頑張ってください、私は今回何も出来ませんが応援しています』]
「『ありがとうニンフ、どこまで出来るか判らないけど、やれるだけやってみるよ。今の自分の実力がどこまでなのかも知りたいしね』」
ニンフと短い念話をして私は棍を持ち道場へ向かった
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「お待たせしました」
道場に入ってきた私を見た三人は「ほう」「おっ」「へぇー」と三者三様の反応をしたのだった
「それでは士郎さん、よろしくお願いします」
そう言って私はお辞儀をし、棍を構えた
「うむ、よろしく樹ちゃん。ところでその棍は扱えるのかい?」
「一応基本は出来るはずですが、何せ今まで一人で稽古していたので自分の実力が分かりません。
なのでこれから棒術の型を見せますのでどこまで出来るか士郎さんが判断してください」
「なるほど、了解だよ。じゃあ一旦私は下がるから型を見せてくれ」
「ではやります」
私は棍を持ち半身になると棍を振り始めた。
棍の中程を持ち突く、持ち手を変えつつ棍を回転、さらに棍を頭上や、腰の後ろに回したり左右に振り回す。これを最初はゆっくり確実にそして少しずつ早く。
その様子を観ていた士郎達は
(ふむ、樹ちゃんの年齢からすれば素晴らしいな、一人で稽古していたと言っていたがまるでそうは見えないな)
(本当になのはと同い年なのか?すごい才能だ)
(や、やばい私まけt…い、いやまだ負けてないはず。でも負けないようにもっと特訓しないと…)
しばらく型を披露しそして止まる
「これで一通り披露しました、どうでしょうか」
「なかなかの腕だね、よしそれじゃ後は稽古をしようか」
その後、士郎さん恭也さんと順番に稽古をし私の体力が尽きるまで相手をさせられた
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稽古が終わったあと
「恭也、樹ちゃんの動きどうだった」
「そうだね、まずなのはと同い年とは思えないほどの動きだね。もしかしたら美由紀になら勝てるかもしれないね」
「ちょ、恭ちゃんそれどういう事よ」
「じゃあ美由紀は確実に樹ちゃんに勝てるのか?」
「うぐっ…か、勝てるもん」
「まぁ今の常態なら勝てるだろう。だが樹ちゃんはまだ幼い、武術の腕もまだこれから上がっていくだろう、向上心もあるようだしな」
「そういうことだ、樹ちゃんに負けたくないようならこれからも精進していくことだな」
「はーい解りました…」
こうして樹の知らぬ所で美由紀の死亡フラグ?が立ったのだった
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ところ変わってここは樹の家
「うーーん、流石に疲れたよ。士郎さんも恭也さんもとんでもなく強いね、まるで歯が立たなかったよ」
[お疲れ様ですマスター、サーチャーを使って稽古の様子を録画しておきました]
「ありがとうニンフ食事の後に見直して今後の為に考察しよう。あと『ノームお手伝いありがとうね』」
『なんのあの二人が上手く手加減して寸止めしておったからの、わしは暇だったわい』
「ふぅ…そろそろ実戦をして経験を積まないとな」
[しかし、この世界だとマスターの歳では実力的に些か不自然になります]
「やっぱりそうか、なら別の世界に行かないといけないよね。そうなると次元転送魔法が使えないと…」
[マスターの魔力も順調に上がっています、そろそろ次元転送も扱えるかと]
「なら中止していた魔力上げと並行して転送魔法の訓練だね」
その二ヶ月後、魔力上げ訓練で魔力ランクがBからAに上がり、転送・次元転送魔法を習得したのだった
第7話終了です
今回ノームの付加効果が判明しましたね。ノームの付加効果は防御のアップです。
普通の打撃はもちろん、マグナムの弾ですら無傷になりますが、衝撃までは完全に防ぎきれません。
魔力弾も防げますが強力過ぎる魔法は防御魔法も併用しないといけません。
例:なのはのスターライトブレイカー
フェイトのフォトンランサー・ファランクスシフト