INFINITE EVOLUTION .~ 無限の進化 ~   作:ライドロル缶

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「前回のあらすじぃ !!!」


「今回から、ちょっとした冒頭コーナー的なのやっていこうと思うぜ ぇ?まッさっさと本編をみたい!ってやつはスルーしても構わねぇからそこんとこよろしく頼むぜ ッ ☆」


「ってとこて、前回は俺が新世界らしき世界になんか来ちまったんだよな〜 。」



「ったく、エボルトリガーにんな力があるなんて知らなかったぜ …… 。」


「まっ! 命が助かったんだから結果的にゃ良かったんだが… 、エボルドライバーが大破損、トリガーは再び石化し、パンドラボックスはあるのかも分からねぇ 。しかも、ハザードレベルは大幅低下で力の九割を失ったと言ってもいい。」


「あぁ ……どうすっかなぁ…、またゆったりカフェのマスターでもやって気長にやるかなぁ … 。せめて、トランスチームガンでもありゃなぁ …。」


「なんて考えていたその時!空から神の恵み…トランスチームガンが降ってくる!!」


「神なんざ信じちゃいないがこの時は感謝したぜぇ?(馬鹿みたいに悪態をついていました。) 」


「まぁ、壊れていちゃ意味ねぇから動作確認やらなんやらをやってたら。この世界の人間 …、しかも女の警官に遭遇する。」


「いや〜とんだハプニングだったが、その警官は随分とお優しいやつでねぇ?この世界の常識やらなんやらを、優しくおしえてくれた!!(脅した挙句用済みになって消してます。)」


「まぁ、そいつから貰った情報だと。どうやらこの世界には女しか扱えない最強の兵器――インフィニット・ストラス通称ISってのがあるらしい。」


「どうやら……、結局人間は破滅の道を進むのが大好きらしい 。兵器に、か弱いお嬢ちゃんらを使うときた...!思わず笑っちまったよ 。人間は何処まで愚かで、何処まで俺を楽しませてくれるんだってなぁ?」


「おっと、つい楽しくなっちまった。」


「そろそろ、あらすじも終いにして本編に行くとしよう。」



「新世界らしき世界に来てしまった地球外生命体ッ!!そこは、女しか扱えない兵器のある超男尊女卑社会の世界であった!!果たして、力を取り戻すことはできるのか、パンドラボックスは果たしてあるのか!どうなる!第2話!!」




第2話 学園に潜入せよ

 

  

 俺の名はエボルト。

 

 惑星を喰らい、生命も文明も余さず吸収してエネルギーに変える── そういう種類の、地球外生命体だ。

 

 

 本来なら、この惑星もすでに存在していないはずだった。

 だが……まあ、色々あってな。

 

 本当に色々と、やらかしちまったんだ☆

 

 

 結果として、地球を滅ぼし、吸収するという壮大な計画は完全敗北。

 

 

 そして今の俺はというと──

 

 

 この“新世界”。

 元の地球と、驚くほど酷似した、しかし確実に別物の地球へと流れ着いた、 哀れな敗残侵略者ってわけだ。

 

 

 

 

 ……ん? 

 

 

 

 そんな俺が、今なにをしているのかって? 

 聞いて、驚け!見て笑え!

 

 

 

 なんと──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バイト探しだ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回は冗談でも嘘でもじゃねぇ。

 

 マジのガチの方のバイトだ。

 

 

 星を滅ぼすはずだった存在が、履歴書も持たず、スーツも着ず、昼下がりの街をぶらつきながら「求人募集中」の張り紙を探してる。

 

 

 笑えるだろ? 

 

 俺自身が、一番笑いてぇよ。

 

 

 この世界に来てから、すでに数日。

 

 その間、俺は他人の記憶を拝借して社会構造、法律、常識、マナー ─―この世界の人間として最低限の知識は一通り頭に叩き込んだ。

 

 

 

 よし! これから気長に計画を進めていくぞぉ!

 

 

 

 と、思っていたら。

 

 

 思わぬ壁にぶち当たった。

 

 

 人生──いや、宇宙人生で初めてと言っていい壁にぶち当たっている。

 

 

 

 

 それは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肝心のバイトが、全然、見つからねぇ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……流石におかしいだろ、これ」

 

 

 

 飲食店。

 コンビニ。

 ファミレス。

 ファストフード。

 

 

 油の匂いが漂う店。

 レジの音が鳴り響く店。

 昼時で忙しそうな店。

 

 

 目につく店には、片っ端から声をかけた。

 好印象を得れるように愛想よく。

 とっても陽気に人当たりよく。

 それなりに良い人ってのを演じながら。

 

 

 

 だが、返ってくる言葉は、どこも似たり寄ったりだ。

 

 

「間に合ってます」

 

「履歴書がないので……」

 

「今回はご縁が……」

 

 

 

 断り文句のテンプレでもあるのかってくらい、全部同じ回答。しまいにゃ、バイト志望の話をする前に、俺の顔を見ただけで断られる始末だ。

 

 

「おっさんな俺に、そんなに用はねぇかァ?」

 

 

 思わず、口元が歪む。

 いやいやちょっと待てよぉ。

 

 

 この顔だぞ? 

 俺が擬態している石動惣一の顔。

 

 程よく刻まれた皺。

 

 落ち着いた目元。

 

 年齢を重ねたからこそ滲み出る、余裕と色気。

 

 溢れ出るダンディさ! 

 

 どっからどう見てもイケてんだろぉ? 

 

 宣伝ポスターに使えば、主婦層だろうが若い女だろうが、客の一人や二人、余裕で釣れるぐらいだ。

 

 

 

 それなのに、この扱い。

 

 

 

 

「へっ……」

 

「こ〜んなにイケてる男を雇わねぇたぁ、見る目ねぇなァ……?」

 

 

 

 

 強がって、笑ってみせる。

 だが、内心は穏やかじゃねぇ。

 現実は非情だな。

 

 

 

「……流石の俺も、金欠はどうにもならねぇ」

 

 

 

 無一文。

 財布の中は、空っぽ。

 ポケットを探っても、出てくるのは空気だけ。

 

 

 

 この状態は、冗談抜きで致命的だ。

 

 

 

 金がなけりゃ、

 飯も、寝床も、情報も手に入らねぇ。

 

 

 

 銀行強盗? 

 スタークになりゃ、造作もねぇ。

 

 

 だが今は──

 

 目立つのが、最悪だ。

 ブラットスタークという姿が世間に知られてしまえば、他組織や勢力に警戒され動きにくくなっちまうからな。

 この世界に仮面ライダーはいないだろうが、それで安心できるほど俺は能天気じゃない。

 仮面ライダーとは他に、俺の知らない何かがいる可能性だって十分にある。

 

 

 無駄なリスクは、取らねぇに限る。

 

 

「どうすっかなぁ〜……」

 

 

 と考えた末、

 休憩と情報収集を兼ねて、俺は某有名な大型電気店へと足を向けた。

 

 

 冷房の効いた店内。

 蛍光灯の白い光。

 電子音と、客のざわめき。

 

 

 

 

 一番の目当ては──

 

 

 

 

 

 テレビコーナー!!!

 

 

 

 

 

 大半の知識は、記憶や資料で仕入れた。

 だが、それは“過去”の記憶であり情報だ。

 

 今、この瞬間に世界がどう動いているのか。 それを知るには、新たな情報源が必要になってくるって訳だ。

 

 

 

 その点、このテレビコーナーは実に優秀でねぇ。

 

 

 金を払う必要がねぇ。

 特に怪しまれもしねぇ。

 ただ立ってるだけで、情報が勝手に流れ込んでくる。

 ……まぁ、 あんまり長居すると店員に睨まれるがな。

 

 

「便利な世の中だよなァ〜」

 

 

 今テレビ画面に映っているのは、意味の分からねぇアニメお大袈裟な演技のドラマ。そして、癒し全振りの自然豊かな映像。

 正直、退屈ではあるが求める情報源は別にある。

 

 

 

『本日のニュースです』

 

 

 

 その一言が耳に入った瞬間、

 無意識に背筋がわずかに伸びた。

 

 

 ──来たな。

 

 

 そう、俺が求めていた情報源とはこのニュースのことである。このニュースは、日常的な事件の話しやらなんやらもあるが、その中にIS関連の情報を多く含まれている。

 

 

『本日、第二世代ISを超える次世代機──()()()()I()S()に関する情報が、一部公開されました』

 

 

 

「第三世代ねぇ ……」

 

 

 眉が、わずかに跳ね上がる。

 

 第二世代ですら、国家が保有する数々の兵器を鉄屑に帰る最強兵器。戦争の抑止力であり、外交の切り札であり、 最悪の場合は脅迫の道具。

 

 

 

 ──それを、もう次の段階に進めたって? 

 

 

 

「科学の発展ってのは……本当に止まらねぇな」

 

 

 口元を歪め、苦笑する。

 画面の中では、専門家が難解な言葉を並べ立てている。

 

 

『第三世代ISは、実験的にIS学園へ投入される可能性も──』

 

 

「……なるほど」

 

 

 小さく息を吐く。

 

 IS学園は教育機関。

 同時に──最高の実験場。

 若い操縦者。

 実戦に近い環境。

 膨大な戦闘データ。

 これ以上、都合のいい場所はない。

 

 

「にしても……よく堂々と流すよなぁ」

 

 

 まぁ、表向きはスポーツ競技としても栄えているISだからな、ある程度は触れない方が不自然ってもんだ。

 その裏では、れっきとした兵器開発をしっかりしてる。

 

 

「どこの世界でも同じか。 国も政府も……結局は“力”に飢えた生き物だ。」

 

 

 前の世界でも同じような国家、同じような人間が多くいた 。核をも超えるエネルギーを秘めるパンドラボックスを求めて戦争をする日本三国首相。そして、富に名声に力という欲に溺れたどっかの会長もいたなぁ 。懐かしいねぇ。なんて、物思いにふけていたその時。鬼気迫るような声が響く。

 

 

 

『──臨時ニュースです!』

 

 

 

 立ち去ろうとしていた足がぴたっと止まる。

 テレビ画面に映るアナウンサーの顔は先程とは売って代わり、明らかに強張り緊張を見せていた。

 

 

『IS学園入学試験にて──男性である織斑一夏(おりむらいちか)くんが……ISを起動したとのことです!』

 

 

「…………なに?」

 

 

 周囲が、一斉にざわめく。

 

 それもそのはずだ、だって普通に考えりゃあり得ない。

 ISってのは女性しか使えない兵器。だからこそ、この超が着くほどの女尊男卑社会が形成されている。

 

 

「え、男が!?」

 

「嘘でしょ!?」

 

「ヤベェーイ!」

 

「パネェーイ!」

 

 

 有象無象が騒いでいる中、俺は黙ったまま画面を見つめ続ける。

 

 

 そして──

 

 

「……はは」

 

 

 自然と、俺の口角は吊り上がった。

 

 

 

「いいことを思いついちまった☆」

 

 

 

 日本政府は、この織斑一夏をどう扱う? 

 

 異物として排除? 

 研究所で研究材料? 

 

 

 ──否。

 

 

 そんな選択肢、最初から存在しない。

 必ず、保護する。

 管理下に置き、 その可能性を確かめることだろう。

 

 

 だったら──

 

 

「俺も、()()1()()()()()()()()()()()()()() ……」

 

 

 思いついてはいたが、試せば必ずあの織斑一夏と同じように報道され、色々な面倒事に巻き込まれることだろう。

 

 だからこそ選択肢からは外していた。

 

 だが、前例ができた。

 

 ファーストペンギンは血を流す。

 だが、セカンドペンギンなら流さずに済む。

 

 

 

『政府は、織斑一夏くんをIS学園へ正式入学させると発表しました!』

 

 

 

「……決まりだな」

 

 

 

 そう呟いて、俺はテレビに背を向けた。背後では、まだニュースが続いている。アナウンサーの早口、専門家の困惑した声、それらがざわめきとなって、店内に渦を巻く。

 

 だが、もう聞く必要はない。人混みへと身を滑り込ませる。驚きと興奮で浮き足立った人々の間を、俺は何事もなかったかのように歩いた。

 

 ざわつく街。いつもと同じはずの景色が、どこか落ち着きを失っている。誰もがスマホを覗き込み、誰もが同じ話題を口にする。

 

 

 

 ──男が、ISを起動した。

 

 

 

 その衝撃が街全体に伝染していく。

 

 

 

 公園に辿り着くと、喧騒は少しだけ遠のいた。木々の葉が風に揺れ何も知らぬ無邪気な子供の笑い声が、やけに平和に響く。空を見上げれば雲ひとつない、馬鹿みたいに澄み切った青空。 さっきまで、世界の常識が崩れ落ちたとは思えないほど、あまりにも穏やかだ。

 

俺は木陰のベンチに腰を下ろし、背もたれに身を預ける。

 

 

「さて……問題はどうやって保護されるか、だなァ」

 

 

 誰に聞かせるでもなく、呟く。

 正面から入り込んで、俺もIS使えるから保護して! 

 なんてやれば疑いMAX。侵入者だから言い訳のしようもない、使えるところを見せても最悪、犯罪者扱いで牢獄送りで実験材料だろう。

 

 

「……ちょっと強引に行くかァ?」

 

 

 侵入者なのは避けようもないし疑われるのは確実だ 。

 

 ならば疑われはするが言い訳の効くこれしかねぇな。

 

 

「多少の強引さは……“前例”で片付けられる、か?」

 

 

 ある程度考え終わると、ベンチから立ち上がり身体を伸ばし、歩き始めていた足を公園の入口付近に立つ案内図の前で止めた。多少色あせた地図に描かれた区画を、指先でなぞる。

 

 

「……IS学園……IS学園……」

 

 

 視線を滑らせ、ようやく見つけたその名前は、他の施設から不自然なほど離れた場所にあった。

 

 

「って、やっぱ孤島なんだなァ?」

 

 

 湾の沖合。

 陸地とは細い連絡路で繋がれているだけの、人工島。

 学校というより、隔離施設。閉じた空間で、閉じた管理。

 

 

「行くのがめんどそうだが……」

 

 小さく息を吐き、

 

「俺の目的のためにはやるっきゃねぇな」

 

 

 現在地からIS学園までは、距離にしておよそ五キロ。地図上で見ると大したことはなさそうだが、実際に歩くとなると話は別だ。

 

 

「けど、徒歩は……流石に遠ぇなぁ」

 

「金がありゃ、タクシーだったんだがなァ……」

 

 

 と自嘲気味に呟く。

 星を喰う存在が移動手段一つで頭を悩ませている。

 

 

「……世知辛ぇなぁ」

 

 

 それでも、立ち止まっているわけにはいかない。俺は案内図から目を離し、 IS学園のある方向へと視線を向けた。

 遥か遠くに霞む、人工島の輪郭。

 

 

「ま、長めの散歩だと思えばいいか」

 

 

 そう自分を言い聞かせ、歩きやすそうな道を選んで足を踏み出し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 *

 

 

 

 

 

 

 

 

 東京湾の沖合。水平線の向こうに、人工島が姿を現す。

 

 

 ──IS学園。

 

 

 遠目に見ても分かる、その異様さ。

 

 一つの学校、というよりは──

 完全に都市のようだ。

 高層の研究棟。訓練用アリーナ。居住区画。港湾設備。

 

 

 

「おぉ〜……」

 

 

 

 まるでテーマパークかのように派手で、思わず感嘆の声が漏れる。

 

 

「実物は想像以上だな」

 

 

 

 ──IS学園。

 

 

 

 アラスカ条約に基づいて設立された国立高等学校。

 IS操縦者と、それを支える技術者を育成するための施設。世界でも類を見ない、兵器と教育の融合体。

 

 外部との出入りは、原則として海上モノレールのみ。

 警備レベルは、下手な基地より上。

 共学──とは名ばかりで、実質は女子校。

 地下には、教員の一部しか知らない極秘区画が存在するという噂。

 国家から独立した中立地帯──

 

 ……もっとも、その中立性は、とっくに形骸化しているらしい。

 

 

「っと……」

 

「今ある情報は、こんなもんか」

 

「さて……」

 

 

 視線を学園全体に巡らせる。

 

 

「ここまでデカいとなると──」

 

「警備員でも掻っ攫って、情報を頂きてぇな。」

 

 

 と思ったがすぐに首を振る。

 特別警備員らしい人影は見当たらねぇし、

 そもそも人員管理は厳重だろう。

 

 

「……流石に甘くねぇか」

 

 

 とはいえ、完全に手詰まりというわけでもない。今は──世界が混乱している。 “男がISを起動した”その事実だけで、政府も、学園も、余計な仕事が山積みだ。例外が生まれ規則が歪み、多少の異物が入り込む隙が生まれる。

 

 

 口元が、ゆっくりと笑みを浮かべて吊り上がる。

 

 

「色々──」

 

「頑張ってみるかァ!!」

 

 

 こうして──

 

 星を喰らう侵略者は、

 

 

 作戦── 頑張る!!! 

 

 

 を元に、IS学園への潜入し保護計画を執行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 *一方、その頃──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 IS学園は、入学試験を終えた直後ということもあり、年に数度しか訪れない“繁忙期”の真っただ中にあった。

 

 合格者の最終選抜。各国への報告書作成。操縦者データの整理。保護者・関係機関との連絡調整。

 

 教員も職員も、休む間など存在しない。連日深夜まで続く業務によって、疲労は確実に、そして容赦なく蓄積していた。

 

 

 ──だが。

 

 

 そんな状況に、追撃が加えられた。いや、追撃などという生易しい言葉では足りない。降ってきたのは、もはや隕石だ。試験会場に偶然迷い込んだ一人の少年──織斑一夏。彼が、誰もが“不可能”だと信じて疑わなかった

 

 

 ”男性によるIS起動”を成し遂げたという事実。

 

 

 その情報は、瞬く間に世界を駆け巡った。そして同時に、IS学園は──真正面から、その隕石を叩き込まれた。

 

 

 結果。

 学園の業務は、完全にブラブラブラックした。

 

 

 

「出ても出ても、問い合わせの電話が止まりません!!」

 

「対応しようにも、人手が全然足りないです!!」

 

「ヤベェ〜イ!」

 

「スゲェ〜イ!」

 

「モノッスゲェ〜イ!!」

 

 

 

 混乱、悲鳴、絶望。

 それらが入り乱れ、職員室はもはや戦場と化していた。電話の呼び出し音がひっきりなしに鳴り響き、 机の上には処理待ちの書類が山のように積み上がる。職員たちは走り回り、怒鳴り、転び、謝り、また走る。 室内の空気は常に震え、 一瞬たりとも静寂が訪れることはなかった。

 

 

「落ち着け!!」

 

 

 張り詰めた空気を切り裂くように、怒号が飛ぶ。

 

 

「人手が足りないなら、ありったけの人員を呼び出せ! 学園長が正式な声明を出すまで、なんとか耐えるんだ!!」

 

 

 怒鳴り声と電話音が交錯し 職員室は繁忙期と隕石により混沌を極めていたぁ! 

 

 

 

 その中心に立つのが──

 

 

 

 IS学園の教師であり、元日本代表操縦者であり、地上最強(ブリュンヒルデ)の称号を持つ彼女。そして、この騒動の原因でもある少年・織斑一夏の姉。

 

 

 

 織斑千冬(おりむらちふゆ)だった。

 

 

 

 彼女もまた、他の教員と同じく、対応に追われる一人に過ぎない。次々と差し出される書類に目を通し、短く指示を飛ばし、電話に応対する。

 

 

 だが──

 

 

「……(なぜ、今になってISを扱える男性が現れた……)」

 

 

 ふと、資料から視線を落とし、思考が逸れる。

 

 

「(しかも……よりにもよって、一夏が……)」

 

 

 無意識のうちに、奥歯を噛み締めていた。

 

 

「ちっ……」

 

 

 教師であり、元日本代表。その肩書きは、誇りであると同時に、今の彼女を縛る鎖でもあった。

 

 弟を守りたい。

 姉として、当然の感情だ。

 

 だが、動けない。

 いや、動いてはならない。

 

 

「……(姉として、不甲斐ないな……)」

 

 

 教師として。

 姉として。

 二つの立場に引き裂かれながら、

 

 それでも彼女は選択した。

 

 一夏をIS学園へ入学させること。

 

 それが、姉としても、教師としても、最善だと信じて。

 だが、その決断の結果が──今まさに、現実となって押し寄せている。

 

 

「(……いや、今は教師としての責務を果たすべきだ)」

 

 

 一夏はすでに学園の管理下にあり、保護されている。

 ここでさらに私情を挟めば、状況をさらに悪化させるだけだ。そう自分に言い聞かせ、 千冬は再び目の前の書類と電話対応へ意識を戻そうとした──

 

 

 その時。

 

 

 控えめな声が、背後からかかる。

 

 

「……織斑先生」

 

「……山田先生。何か?」

 

 

 振り返ると、そこに立っていたのは山田真耶(やまだまや)。来年度、千冬と同じクラスを担当する予定の教員だ。 何かお茶かコーヒーでも淹れてくれたのかと思ったがその表情は、どこか硬い。

 

 

「どうやら……この学園内に侵入者が発生したとのことです」

 

 

「なに…?」

 

 

 思わず、声が鋭くなる。

 

 

「……場所は?」

 

 

 短く、しかし重みのある問い。

 

 

「分かりません……ですがこの校舎内であることは確かです」

 

 

 一瞬、千冬は目を閉じ、深く息を吐いた。

 

 

「……わかった。すぐに探そう」

 

 

 この異常事態の最中に、侵入者騒ぎ。

 軍事施設並みを誇るセキュリティはどうなっているのかと、 学園長に文句の一つでも言いたくなったが──今は、それどころではない。苛立つ感情を押し殺し、千冬は踵を返して、職員室を後にした。

 

 

 

 

 足早に向かった先で、織斑千冬は思いのほか早く“侵入者”を発見することになった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──廊下の中央で、堂々と寝っ転がっている侵入者と思われる謎の男を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……侵入者というのは、貴様か?」

 

 

 鋭く放った声は、冷たく廊下に反響する。

 

 だが──返答はない。

 

 

「……?」

 

 

 千冬の視線は自然と床に伏す男へと固定される。

 視線の先にいたのは、茶色のジャケットを羽織った壮年の男。引き締まったまるでモデルのような体格。 そして、整いすぎているほどの顔立ち。

 

 ここはIS学園。軍事施設並みの警備を誇る、閉鎖空間。侵入者がいるとすれば、もっと切羽詰まった様子か、あるいは敵意を剥き出しにしているはずだ。

 

 

 だが── 

 

 

 目の前の男は違った。

 何かに襲われたの痕跡もなく。

 捕らえるための拘束具もなく。

 逃走の素振りすらなく。

 まるで“そこが自室であるかのように”、床に背を預けて横たわっている。

 

 

 

「……気絶……しているのか?」

 

 

 

 慎重に一歩、距離を詰める。

 呼吸はある。脈も正常。致命傷も見当たらない。

 

 

 

「……どういうことだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──石動side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話は、数分前に遡る。

 

 

 案外──いや、拍子抜けするほど容易く、IS学園の校内へと潜り込めてしまった。警備が堅牢なのは確かだが、今はそれどころじゃないらしい。

 

 世界規模の混乱。

 人員の分散。

 判断の遅れ。

 

 その“隙”を縫うのは、存外たやすかった。

 

 

「いやぁ〜……にしても広いねぇ……」

 

 

 少し汚れてしまったジャケットを軽く払いつつ、俺は廊下を歩く。足音がやけに響く。それだけ、人の気配が薄いということだ…人気はほとんどない。監視カメラはありはしたが、そいつらの位置は事前に把握済み。死角を縫うように進んできたため写ってはいないが、それでも侵入がバレるのは時間の問題だろう。この手の施設は、異常が起きてからの対応が早い。

 

 

「そろそろ、やっとくかな」

 

 

 石動は、静かに自分の胸へと手を当てた。

 それは思案の仕草でも、気取った癖でもない。

 ──これは、気絶する“ふり”をするため準備だ。

 

 

 自身の意識を深く沈め、自身の内側へと干渉する。

 遺伝子を操作し「石動惣一」という側だけを分離し、この場に残す。

 

 

 呼吸は続き、心臓も、脈も、正常そのもの。

 だが──そこに“俺”という意識はいない。

 

 

 分離されるのは、意識や思考。

 自己認識そのもの。

 

 その感覚は幽体離脱に酷似しているがこれは錯覚でも、幻覚でもない。“抜け殻”を意図的に作り出す行為だ。

 

 

 力を失った身体が、ゆっくりと廊下に倒れる。石動惣一の抜け殻は、仰向けのまま微動だにしない。

 これならば誰が見てもただの気絶者としか映らない。

 

 

 

「……これで、あとは見つけられりゃいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──千冬side

 

 

 

 

 

 

 

 

「……よくわからんが」

 

 

 床に倒れている男を見下ろし、織斑千冬は短く息を吐いた。侵入経路、目的、素性──どれ一つ判然としないが、少なくとも敵意は感じられない。

 

 

「気絶しているのなら、丁度いい」

 

 

 今は時間が惜しい。問い詰めるにしても、ここでは邪魔が入る。

 

 

「話を聞くためにも、確保しておこう」

 

 

 そう結論づけると、千冬は躊躇なく男の身体に手を掛けた。肩口を掴み、持ち上げる。体格の割に重さは想定より、僅かに軽く違和感を覚える。

 

 

「……」

 

 

 一瞬だけ、眉が動いた気がするが変に深追いはしない。

 男をまるで米俵でも担ぐかのように肩へと乗せ、そのまま歩き出す。侵入者を担いで移動するという異様な光景。だが千冬の足取りは揺るがず、迷いもない。廊下を抜け、隔離用の別室へ向かう。

 

 

 

 

 

 一方、粘体エボルトは、自分を建材のように担ぎ上げるその女──織斑千冬に対し、はっきりとした“驚き”の感情を覚えていた。

 

 

 

 

 

 なぜならば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──ハザードレベル 4.2……だとぉ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はいど〜も皆さんおはこんばんにちは!
今回は若干今までと比べて長めになってます〜!


そして!
皆様、このINFINITE EVOLUTION を見て下さり本当にありがとうございます!
並びに、お気に登録にしおりに感想まで!もうモチベ爆増しております!!
この調子で、できる限り頑張って書いていきます!
ですが!ほんっとうに大初心者なので 、アドバイスなどもいただけると嬉しいです!
それと、このキャラはこういうこと言わない!解釈違い!とかもありましたら是非〜!!!
それでは!また次でお会いしましょ〜!
Ciao ッ ☆










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