十種影法術で逝く青春記録   作:段差ダンサー

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プロローグ

――学園都市キヴォトス。

生徒の運営する学園の自治区とキヴォトス全体の行政を担う連邦生徒会が管理する地域で構成された超巨大学園都市、日夜銃乱射騒ぎが絶えない透き通った青春をかぶったGTA。

国家にも似た性質を持つ学園間の政治的関係が非常に大きな意味を持つ世界。

 

そんな透き通った世界である学園都市キヴォトスに『呪術』なんて全く透き通っていないモノを持って生まれたのが俺ってワケ。

 

ドオォン

 

どこかでの爆発音により目が覚める。

 

「随分な目覚ましだな...いつもの事だけど」

 

ベッドと簡単な家具しかない、一見ミニマリストが住んでいるように見える家。

ベッドの上で背伸びをして、洗面台に向かい顔を洗い、歯を磨く。

歯ブラシを咥えながら服を着替えた。うがいをして、六枚切りの食パンを取り出してそのままモソモソ食べる。

 

「仕事いくか」

 

スマホを掴み、FaceIDを突破して今日の仕事内容を確認する。

 

「ブラックマーケットで開催されるオークションの警備か」

 

玄関を開け、タクシーを捕まえる。

目的地を伝えて車両に乗り込む。

 

さて、ここらで俺の自己紹介をしなければならない。

まず前提として俺は転生者だ。呪術廻戦はまあまあ知ってるし、ブルアカも少しだけなら知ってる。

名前は伏黒シユウ、()禪院家の坊ちゃんだ。性に合わなくて逃げ出してきたけどな。

苗字は禪院家から逃げ出した先達を参考にした。

学籍は無い。下手に学校に所属して禪院にちょっかい掛けられるよりブラックマーケットでふらふらしてる方が生きやすかったからだ。

 

日銭は傭兵で稼いでいる。結構儲かるんだなぁこれが。

ちなみに禪院家は由緒ある位の高い家系ってだけで呪術とかはなかった。呪術を使えるのは俺以外いなかったから多分そうだ。昔は知らない。

 

先述した通り、俺には呪術が使える。

呪術廻戦では禪院家の相伝術式だった十種影法術だ。呪術が無い世界で相伝だから何だって話だが。

呪力操作もできるし、呪力で肉体を強化することもできる。

まだ反転術式や領域展開は使えないけど。手がかりすらつかめてない。

呪力量や呪力出力は比べられる相手が居ないから多いかわからん。けど万象を一日中出してても余裕なくらいはある。

ちなみに式神は魔虎羅以外は既に調伏している。魔虎羅は調伏出来る気がしない。

 

「着きましたよ、お客さん」

 

「ありがとう。代金だ」

 

「まいど!」

 

目的地に着き、代金を払う。

タクシーから降りて集合場所に向かった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「今回は頼むぞ。『百獣』」

 

「金は払えよ」

 

「無論だ」

 

百獣ってのは俺の通り名みたいなもんだ。百種類も居ないが、噂には尾ひれがつくってこった。

 

「玉犬・白。黒」

 

会場を囲むように玉犬の白と黒、そして俺で警備する。

俺以外にも警備員は居るようだが、所詮有象無象だ。警戒しておくのに越した事は無い。

 

「襲撃が来たら遠吠えで知らせろ」

 

「「ワン」」

 

玉犬が散開する。

 

「これであとは待つだけだな、楽な仕事だ。」

 

――ヒュン

 

「おっと」

 

半身になって銃弾を避ける。

元々俺の頭があった場所を通過して弾丸が掠めた。

 

狙撃か、何処からだ?

 

呪力感知の範囲を広げて狙撃手を探す。

 

「南、1kmか」

 

次弾が来る。

影を操り、実体化させて狙撃手がいる方向に壁を作る。

 

拡張術式『影操術』

十種影呪法の影を操る部分に焦点を当てた拡張術式。

影に呪力を通し、実体化させ操作する俺のオリジナルだ。

 

俺の十種影法術は式神の召喚と影の操作を主に扱っている。

体に纏えばバリアになるし、潜れば潜入もできる。その上物も格納できる。

こっちが術式の本体なんじゃないかと思う程使いやすい。

 

影の中からこちらも狙撃銃を取り出す。

名前とかは憶えていない。適当に買ったやつだ。

 

キヴォトスで生きていく以上、銃の扱いは慣れている。

姿勢を整える。スコープを覗き、照準を合わせた。

 

パンッ

 

「ヒット」

 

当てた。他にまだ襲撃者がいるはずだ、単独で来ているとは考えにくい。

息を殺して気配を探る。

 

近くに五人で固まっている。コイツ等か。

この距離なら銃を使うまでもない、呪力強化した拳で十分だ。

 

影に潜みながら近づき、襲撃者の背後に移動。

 

SMGが三人、MGが二人か。

余裕だな。

 

勢いよく影から飛び出し、その勢いのまま一人目を後頭部にクリーンヒットさせる。

 

「ひとつ」

 

突然のことに反応できていない。このまま畳みかける。

 

一番近いヤツの顎を蹴り上げる。

 

「ふたつ」

 

蹴った後の足で踏み込みんだ。地面にひびが入り、砕ける。

 

常人では目に見えない程加速する。

漸く銃を構え始めたやつの腹に拳を叩き込む。

 

「みっつ」

 

気絶したヤツを掴み、残りの二人が居る方向に投げる。

その直後に影に入りそのまま残っているやつらの背後に移動した。

 

「は?」

 

「ッ!?なんだ...これ」

 

音も無く影から出る。

両方の頭を掴み、ぶつけ合う。

 

「これで全部」

 

戦闘開始から数秒。銃弾を放つ暇も与えず、鎮圧。

 

「ほんと、楽な仕事だな」

 

それから襲撃は無かった。あれで全部だったらしい。

玉犬を配置してた意味無かったな、全部俺の方に来たし。

 

「まあ、報酬はよかったし。いいか」

 

これで一ヵ月はなんもせずに暮らせるぜ。傭兵最高!

 

 

 

 

 




主人公くんの呪力量は宿儺と乙骨の間くらいです。
でも呪力操作はそんなうまくありません、五条悟や宿儺の足元にも及ばないです。
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