アビドス高等学校。
かつてはキヴォトスで最も長い歴史を誇り多数の生徒が通う、キヴォトス最大の学園として名を馳せており、生徒会長が70人いたと言う群雄割拠の混乱期を経ての全盛期では、圧倒的な兵力や資金を誇るほどの繁栄を謳歌し、他の自治区からは羨望や畏怖の目で見られていた。
数十年前からの砂嵐で衰退しまくって今じゃ緑のないクソ田舎だけどな。
最近じゃ全校生徒が二人とかそんな実態らしい。
今日の仕事はそこに襲撃を掛ける事だ。
この前ブラックマーケットに迷い込んだ(?)少女を助けた善院シユウくんはどこ行ったかって?
仕事とプライベートは分けるタイプなんだよ、それはそれこれはこれってやつだ。
アビドスは明らかに厄ネタな
依頼人はなんでこんな学校を襲撃してほしいんだろうな。明らかに厄ネタな何かが関わってるとしか思えないが。
「所詮過去の栄光すら潰えた弱小校。楽な依頼だな」
ん?あれはアビドス生徒か?
アビドスの制服を着た、明らかに...デ...デケェ!?
何サイズだあれ...舐めてたなアビドス。
「つまり今、学校は一人だけ。それ以下もあり得る、狙い目だ」
鵺の足につかまり、アビドス校舎の近くのビルに飛ぶ。
「見つけた。あれがもう一人か」
影から狙撃銃を取り出す。
右膝を地面につけ足首を立て、その上に上体を載せて左膝を立てる。左膝の上にサポートハンドの肘を載せた。左目でスコープを覗く
「目標をセンターに入れてスイッチ」
パンッ
「一回言ってみたかったんだよな、コレッ!?」
当たった...よな?あいつ微動だにしてないように見えるんだが...
スナイパーだよな、この銃サブマシンガンとかじゃないよな?
あんな化け物が居るなんて聞いてねえぞ、楽な仕事だと思ってたのによ。
――楽しくなってきたじゃん
とにかくマズいな、場所がバレる。せっかくの奇襲だ、うまくアドバンテージを使っていきたい。
隣に待機させていた鵺の足を掴んで他の狙撃ポイントに移動する。
「狙撃が効くとは思えない。奇襲してぶん殴るか、それとも満象を落とすか...」
「ここでしたか」
マズい。
すぐ後ろにいる。
咄嗟に影で壁を作る。その間に奴の方向に向き直り呪力を全身に巡らせる。
直後、横の壁が崩れる。
「マズい!?」
シユウの口から言葉が漏れ出た瞬間、既にシユウの意識は飛んでいた。
「カハッ」
体がビルの壁を突き破り、外に飛び出す。
意識がなくなった隙をホシノが逃すはずもなく。
シユウを追いかけ、ビルを飛び出したホシノが思いっきり地面にたたき落とした。
「グハァッ!?」
そこでようやくシユウの意識が戻る。
(意識が飛んでいた、全身が痛い。ものすごい勢いで落ちている。受け身...?否、無理。大蛇!)
「大蛇」
大蛇を召喚し、俺を咥えさせ振り子のように勢いを下方向から横方向に変換する。
「そのままそいつに食らいつけ!大蛇!!」
「奇怪な術を使うんです...ねっ!」
食いてきた大蛇を空中で身を翻して避けたか、大蛇はいったん戻す。
「玉犬・白、黒」
こりゃアビドス襲撃なんてできねえな、依頼失敗だ。
つまり逃げることになる。出来たらの話だが。
「散開しろ、機を伺え」
「「ワン」」
呪力を思いっきり込めた、いつものサイズではなく小型トラック程の大きさを持つ玉犬を左右に散開させる。
(さっきの猛攻で既に体はボロボロ、呪力でなんとか動かしているに過ぎない。決めるなら短期決戦)
「あんな犬っころで何ができるんですか?」
「数は力さ」
不意打ち気味に大蛇を出す。
当然のようにそれを避けられるが、本命はそれではない。
「そして力はパワーだ!!」
渾身の呪力強化を込めたシユウの拳。
それがホシノに完全に入る。だがそれをホシノはその場で踏み込み、耐えた。
「マジか」
「大マジですよ」
もろに入ったぞ、なんで平気なんだよ。少しは狼狽えとけよ人間として。
てか神秘デカすぎだろ、だから硬いのか?
「チッ、白!」
「ワンッ!!」
物陰から白が飛び出す、小型トラック程度のサイズを持っているやつが突進してくるだけで普通は有効打になるだろう。だが、ここに居るのは普通の奴じゃない。
そっちにホシノの意識が向いた瞬間に、シユウが踏み込む。
アスファルトが砕け、地面が鳴動する。
白が向かってきているはずなのに、こちらの警戒を一切解かない。
逃げることを警戒しているのだろう。
「ガウ!!」
ホシノが白の噛みつきを上に跳び、避ける。流石に無事では済まないの感じたからだ。
そこにシユウから電気の呪力特性を持った呪力が放たれる。
「くっ」
動きが固まったのを好機と捉えたシユウがホシノに跳び出す。
そのままホシノの頭部を殴り飛ばした。
踏ん張るものがないホシノは、受け身も取れずに吹き飛ぶ。
「ぐうっ!」
(やったか...?やっべ、これフラグだ)
「ここまでダメージを負ったのは久しぶりですね。自分の血なんて長らく見ていませんでした」
土煙の中で、起き上がるシルエットが浮かぶ。
砂埃が晴れた、そこには少量の血を鼻から流したホシノが立っていた。
「...化け物が!」
「第二ラウンドって所ですか?」
過去おじさんの口調わからない...スピキヲイジメヌンデ...
今のシユウ君の実力はキヴォトスの準最強格くらいです。