苦労人転生者はヒーローの世界へ   作:鬼塚虎吉

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変化の激流

俺はあまりの出来事に思考が停止し、宇宙猫を背負う。

 

何故なら、原作主人公(緑谷出久)が俺に弟子入りしたいと言ってきたからだ。

 

いや、なんでだよ・・・。(二回目)

 

確かに、俺は爆豪にいじめられている緑谷を助けはしたがその後はすぐ居なくなったじゃん。

 

なのに、なんで弟子したいとかって言ってくるんだよ・・・。

 

いや、マジでどうなってんの?

 

待って、そんなキラキラとした真っ直ぐな眼で俺を見るな!!浄化されるだろうが!!

 

しかし、いつまでも黙っているわけにも行かず俺はどうして弟子入りしたいのかを問いかける。

 

「お前、いきなり弟子にしてくれってどう言うことだよ」

 

「えっと、その、すごかったから!!」

 

やめろ、そんな真っ直ぐな言葉と眼をしないでくれ。

 

焼かれて召されてしまう。

 

「格好良かったら誰にも弟子入りするのか?それになんでいきなりそんな考えに至ったのかを教えろ」

 

「えっと、実は僕無個性で・・・それでもヒーローになりたくて・・・!!それで・・・」

 

「無個性でヒーローか・・・」

 

そう、緑谷出久は無個性であるが故最初からヒーローの道を断たれていた。

 

幼馴染(爆豪勝己)との確執

 

個性への羨望

 

平和の象徴(オールマイト)への憧憬

 

様々な思いが緑谷の中で渦巻いていた。

 

しかし、オールマイトとの出会いが全てを変える。

 

それを変えてしまってもいいのかと悩んでしまう。

 

しかし・・・、緑谷の目を見ているとベルを思い出す。

 

目標に向かって馬鹿正直に・真っ直ぐに突き進んで英雄(俺達)の「洗礼」を浴び続け英雄なんて存在(もの)に至った少年と同じ眼している緑谷(こども)を見据える。

 

似ている、本当によく似ている。

 

だからこそ、俺は・・・。

 

「お前、名前は?」

 

「緑谷・・・緑谷出久です!!」

 

「・・・解った、今日からお前は俺の弟子にしてやるよ」

 

「本当!?」

 

「あぁ、だから俺のことは師匠と呼べ」

 

「はい、師匠!!」

 

こうして、俺は原作主人公(緑谷出久)の師匠となった。

 

「んじゃあ、今日から修行始めるぞ」

 

「はい!!」

 

そうして、俺と緑谷は移動を始めるのだった。

 

その光景を影から見ていた者が居た。

 

「出久?」

 

それは緑谷の幼馴染である爆豪勝己。

 

「出久の奴、あいつと何処に行く気なんだよ」

 

そう言いながらこっそりと後を付けていくのだった。

 

 

 

 

 

自宅に帰り、俺は買い物袋をシルに預けて緑谷と共に公園へと向かった。

 

「今日から体力強化の修行を始める」

 

「体力強化?」

 

「簡単に言うと、オールマイトみたいな疲れにくくするための修行だ」

 

「なるほど、確かにオールマイトいつも元気一杯だ!!」

 

こいつ、オールマイトをだしにしたら何にでも納得するんじゃないのか?

 

そんな不安が過る中、俺は説明を再開する。

 

「やることは簡単だ、この公園全体を使って鬼ごっこをする」

 

「えっ、それって遊んでるだけじゃ・・・」

 

「それは違う、ただ漠然と走るよりも目的の為に走るとではやる気も違うだろ。そう、今から俺が逃走中の(ヴィラン)でお前がそれを追うヒーローの役だ」

 

そう言うと、緑谷が興奮した様子を見せる。

 

「僕がヒーロー!?やるやる!!」

 

やる気満々になったところで、俺は今も隠れている奴に声を掛ける。

 

「お前も参加しろよ、爆豪」

 

「気付いてたのかよ」

 

「かっちゃん!?」

 

俺の言葉に反応して物陰から登場する爆豪を見て驚く緑谷。

 

「お前もヒーロー役な」

 

「上等だ、すぐに捕まえてやるよ!!」

 

「やってみな」

 

こうして、俺VS幼馴染コンビの鬼ごっこが始まるのだった。

 

 

まぁ、結果はお察しの通りで俺の圧勝。

 

「ぜぇ・・・はぁ・・・ぜぇ・・・はぁ・・・」

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

息絶え絶えになりながら肩で息をする二人をジャングルジムの上で見下ろしながらこう言った。

 

「爆豪は動きも判断も悪くねぇけどもっと余裕を持っていこうぜ。緑谷は全体的に足りねぇけど根性が買うぜ」

 

爆豪は前に出ての動きの方が良いな、原作以上の冷静さを持てたら更に伸びると思う。

 

緑谷は原作並の観察力や考察力とかがない上に爆豪よりも身体を動かすタイプじゃないから色々鍛えなければいけないな。

 

気がつけば、もう夕方となっていて日が沈み始めている。

 

「じゃあ、今日はここまでにしておくぞ」

 

「明日は何をするんですか!?」

 

「今日と同じ」

 

「なんだよ、つまんねぇの」

 

「勝ち逃げされたままでいいのか?」

 

「させるかよ、上等だやってやる!!」

 

「よろしくお願いします!!」

 

そうして、俺達は帰路につくのだった。

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