休憩を終えて三人での鬼ごっこを開始したのだが・・・。
「ダメだな、これ」
三人での鬼ごっこでは緑谷が負け越しているというよりかは、爆豪と焦凍が強過ぎるんだ。
簡単に言えば地力が違う。
例えで言うなら、
だからこそ、緑谷を底上げする必要があるんだが・・・。
というか、あの二人エンデヴァーに押し付けようかな?
最初から個性を宿している二人とは違って、緑谷は後付けで個性を得ている。
ある意味、今の状態はバックボーンがない状態だ。
それを原作まで続いたから身体を壊しながらの使用に繋がった。
個別で鍛え上げるにしてもあいつらをどうやって押さえ込むか、だな。
「おーい、焦凍」
そんな事を考えていると、燈矢が現れた。
「燈矢兄、どうしたの?」
「どうしたのじゃないだろ、今日は外食行く日だって言われてただろ」
「あの、それ初耳何すけど?」
そう、そんな話を聞いていればもっと早くに切り上げる予定も組めたのにどうしたんだ?
「ごめんなケンマ君、お母さんがその事を伝えるの忘れてたって言うから急いできたんだ」
「あぁそうだったんすか、じゃあ今日はこの辺で終わりにするか」
「最後はお前が相手しろや!!」
「そうすると帰る気だった焦凍がやりたがるからダメに決まってんだろ」
そう言って焦凍の方を指差すとうずうずさせている焦凍がいた。
「うぐぅっ!!」
さすがに予定の決まっている奴まで巻き込んではいけないと思っているようでこう言ってくる。
「明日の鬼ごっこは全部お前が
「おう、いいぞ」
そうして、今日は解散となった。
その日の夜、夕飯と風呂の支度をすませて洗濯物を畳んでいるとシルが帰ってきたあので出迎えると一人の女の子がいた。
「嬉しいニュースですよケンマさん、今日から新しい家族になります渡我被身子ちゃんです!!」
「よろしくね、ケンマくん」
「は?」
【急報】家族が増えました。
いや、報連相はちゃんとしろよぉおおおおおおおおおおっ!!
内心荒ぶりながらも新しい家族を怯えさせるわけにもいかないのでひとまず全てを飲み込み、夕飯と風呂の支度を終えていることを伝えると二人は先に風呂に入るのだった。
「……」
俺は洗濯物を畳みながら状況の整理を始める。
いや、状況整理にもなにも渡我被身子が新しい家族になりましたってどういう経緯でそうなったんだよ!!
いや、
しかも、原作では
急展開過ぎて脳が追い付いてこねぇわ。
そうやって悶々とさせながら夕食のビーフシチューを温めながらかき混ぜるのだった。
一時間後、風呂から上がってきた二人にビーフシチューと焼いたパンとサラダ出す。
「喰え」
「いただきます!!」
「い・・・いただきます」
おずおずとそう言いながら食べ始める被身子は一口ビーフシチューを食べると、気に入ったのかスプーンが加速する。
「慌てるな、たくさんあるからどんどん喰え」
「うん!!」
「解りました!!」
「お前は後でキッチリ話があるからあと一回だけな」
「そんなぁ!?」
シルの嘆きを無視しながら俺もビーフシチューを食べるのだった。
夕食を食べ終えると、満腹になった被身子は眠りについた。
そして・・・。
「で、話を聞かせて貰おうか」
シルへの尋問を開始する合図となった。
「ケンマさん、顔が怖いですよ?」
「その原因が何を言ってんだ」
「だって、仕方がないじゃないですか。ヒミコちゃん、ご両親に見捨てられてしまったんですから」
「・・・・・・・・・」
シルの話を聞くと、被身子の両親は娘である被身子の血液嗜好を『異常』と見なし『普通』になることを強要し続けたが改善が見られないため、ヒミコが出かけている間に夜逃げする形でいなくなった。
残された被身子は家だった場所で座っていたところをシルが発見し保護をした。
しばらくは保護施設で過ごしたのだが、其処でも孤立しているのを知ったシルが養子縁組をして今日家に連れてきたと言うことだ。
うん、気持ちは解るけどな・・・。
「報連相が基本だろうが、それを家族である俺にせずに勝手に決めるのはどうかと思うんだが?」
「それについてはごめんなさい。でも、一人にしておけなかったから」
あぁ、だめだ。この顔をするシルに俺は勝てない。
「・・・・・・・・・はぁ、家族が増えるのに反対はしねぇが報連相はちゃんとしろ。受け入れ準備とかもあるんだからよぉ」
「はい、気をつけますね」
そうして、家族会議は幕を閉じた。
私は渡我被身子、ひとりぼっちのカアイソウな女の子。
お父さんとお母さんはあたしの居ない間にいなくなっちゃった。
私は血が好き、ちうちうするのが大好き。
だけど、それは『普通』じゃなくて『異常』なんだって言われ続ける。
カウンセラーとか言う人達が来て決まってこう言ってくる。
『「普通」になりましょう』
『普通』ってなに?
血が好きなのがダメなの?
ちうちうするのがダメなの?
何で私を否定するの?
何で私を見てくれないの?
ありのままの私を受け入れてくれないの?
どうして怒るの?
どうして変わらないといけないの?
これが私なのに・・・?
【本当の私を見てよ!!】
「ハッ!!」
飛び起きたあたしの身体は大量の汗で濡れていて布団までびっしょりになっていた。
次に、目に入ってきたのは私を受け入れてくれた優しい人・シルお義母さん。
「ケンマさ~ん、被身子ちゃ~ん、待って~」
どんな夢を見ているのは解らないけど、私ともう一人の家族のことを追いかけている夢のようだ。
「お水・・・」
大量の汗を掻いて喉が渇いた私は水を求めて台所に向かうともう一人の家族である藤堂ケンマくんが起きていた。
「目が覚めたのか」
「うん、ケンマ君も?」
「いや、俺はいつもこの時間には起きている。朝飯の支度とかもあるからな」
「シルお義母さんはしないの?」
「掃除洗濯なら任せるが・・・飯だけは絶対に任せたくない」
私の質問にケンマくんの目が黒く濁ったような気がした。
「それで被身子・・・って、お前寝汗がヤバいな。そのままだと風邪引くからシャワーでも浴びてこい」
「一人じゃ使えない・・・」
「ですよねー」
そう言ってケンマくんがシルお義母さんのいる寝室に行きました。
[いたっ、何するんですかケンマさーん]
[被身子の寝汗かいたままで居るから風邪引いちまうからシャワー浴びせてやれ]
[ケンマさんお願いしまーす]
[・・・・・・・・・]
そんな会話が終わった後、ケンマくんが戻ってきてこう言ってくる。
「シルの奴が残念な奴だったから俺でも良いか?」
「? はい、かまいませんよ」
そう言ってくるケンマくんに疑問を持ちながら了承する。
シャワーを浴びてすっきりした後は朝ご飯までテレビを見ていることにしました。
でも、私は不安でしかない。
ケンマくんも私のことを知ったらお父さんとお母さんみたいに『普通』を強要するかも知れない、そう考えてしまう。
「被身子、お前のことはシルから聞いてる」
「!!」
それを聞いた私の身体が小刻みに震え出す。
「だが、
「へ・・・?」
ケンマくんの言葉が私には理解できなかった。
「全部を全部真に受けんな、疲れるだけだ。誰だって普通の定義なんざ解っちゃいねぇんだからよ」
「で、でも・・・」
「でももへったくれもあるかよ、自分自身にもなれねぇ奴が誰かになれる訳ねぇだろ。せっかくの人生を謳歌せずにどうするよ。それによ、これは意趣返しでもあるんだぜ?」
「意趣返し?」
「そうだ、お前の全てを否定してきた両親がありのままのお前で大成した事を知れば最高の意趣返しだろ。そいつらの考えは完全否定されるんだからよぉ、考えるだけで笑えてくるだろ?それにまだ他に文句言ってくんなら俺やシルだって黙ってねぇからな。家族を守るのは当然だ」
ケンマくんに頭を撫でられながらその言葉を聞いて顔が熱くなっていくのを感じた。
「ありがとう、ケンマくん。私、ありのままに生きるね」
「おう、気にすんな」
これが私の初めての恋だ。
トガちゃんの表記は?
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漢字のままで
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カタカナが良い
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ひらがなが良い