申し訳ありませんでした。
今、俺達はエンデヴァーの誘いを受けて四家族でキャンプ場に来ている。
「広いです!!」
「そうですね~、今すぐ駆け出したいです!!」u
「いや、早く皆と合流するぞ」
朝から気分最高潮のヒミコとシルを押さえながら轟家・爆豪家・緑谷家と合流を促す。
「もう、ケンマさんってば初めてのキャンプなのに普段通り過ぎませんか?」
「ビックリするくらいいつも通りです!!」
シルの言葉に便乗してヒミコもそう言ってくる。
「俺が可笑しいのか、普通なこと言って文句言われる事ってある?」
いや、あったな。【フレイヤ・ファミリア】時代にフレイヤの無茶苦茶に正論で返して
「師匠ーー!!」
そんな寸劇をしていると、緑谷が迎えにやって来る。
「悪いな、遅くなった」
「いえ、大丈夫です!!」
俺の謝罪に緑谷はそう返してくる。
そうして、集まっている場所に向かうと・・・。
「おせぇぞケンマ、ヒミコ!!」
「コラ勝己、なんて口聞いてんの!!」
「痛ぇんだよ、ババア!!」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」
いつも通りの爆豪家。
「今日はよろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします!!」
見ているだけで癒やしになる緑谷家。
「今日はよしくね」
「ケンマ君、ヒミコちゃん今日はよろしくね」
「これだけの人数で遊ぶのなんて学校以外だと初めてだなぁ」
「ケンマ君ヒミコちゃん、よろしくね」
「楽しみだなぁ・・・」
そして、いつも通りの轟家。
「よし、始めるか」
『おぉー!!』
エンデヴァーの言葉でキャンプが始まるのだった。
まず俺はBBQをするためにグリルの準備を始める前に大人の姿に変化する。
それを見た三家族は驚いていたが、後で対応するとしてさっさとグリルなどの準備を整える。
グリル笠が開ききって乾燥している松ぼっくりと炭を多めに入れて、洗って乾燥させた使用済み割り箸を削って散りばめて後はエンデヴァーのヘルフレイムで着火させれば完成。
次に、食材の準備だが今回食材は持ち寄りになっているため俺は塩鯖とタレ漬け肉と塩むすび(五合)を持ってきた。
机と椅子はキャンプ場の備え付けのものを使用しているが、エンデヴァーや勝さんは自分用に用意したチェアを出していた。
「エンデヴァー、グリルに火焼べて下さい」
「解った」
炭に火が灯り、ここからは・・・。
「ケンマさん」
「どうしたシル」
「交代です」
「は?」
「交代です」
「・・・おう」
俺はシルの圧に屈した。
「いやぁ、驚いたなぁ。勝己君と同い年であんなに手際が良いなんて」
「勝さん、完全に慣れている動きでしたよ」
「シルさん、よくキャンプに行かれるんですか?」
「いえ、初めてです」
『嘘でしょ(だろ)・・・』
この時、大人組の心の声が一つとなった。
「キャンプが決まったときから何かブツブツ言いながら考え込んでいたので、よっぽどキャンプが楽しみだったみたいですね」
「そうか、喜んでくれているのなら良かった」
「そうね、炎司さん」
エンデヴァーはそう言い、冷も同意するのだった。
「ケンマ、お前のそれ個性なのか!?」
「おう」
爆豪いや、勝己の言葉に反射的に答える。
「凄いなぁ」
緑谷いや、出久がキラキラと目を輝かせながらそう言ってくる。
止めろ、個性じゃなくて
「それでケンマ君の個性って何なの?」
冬美の言葉で全員の視線が俺に向かう。
「俺の個性は【フレイヤ・ファミリア】っていうんだよ」
「何ですかそれ?」
個性を明かすとヒミコがそう言ってくる、全員が同意見のようだ。
「簡単に言うと、美の神の眷族の力を使えるって事だな」
「つまり、どういう事?」
「まぁ、癖強個性って事だな」
俺がそう言うと、全員が一応の納得を示すのだった。
そして、いつも恒例となっている鬼ごっこをしていると昼になってBBQをしに戻ると、何故か疲れ切っているシル以外の大人達。
あっ(察し)・・・!!
「皆さん、うちのシルがすみませんでした」
「気にしないで、大丈夫だから」
「あぁ、子供が気を遣わなくて良い」
そう返してくれるけれど、申し訳なさでいっぱいである。
今度ゼリーとか送っておこう、そう思った俺だった。
そうして、BBQが始まるのだった。
グリルの上にはアヒージョに高そうな肉に有頭海老などの魚介に野菜類が焼けていた。
緑谷達が一斉に肉にありつく中で俺は炭火で焼いた塩鯖を塩控えめの塩むすびとキンキンに冷えた緑茶で味わっていた。
油がバチバチに爆ぜるくらいに炭火で焼かれた塩鯖を一口食べてすかさず塩むすびを頬張り緑茶で流し込む。
「ふぅ、美味い」
『何故だろう、あの歳で酒飲みの風格を感じさせられる・・・』
シル以外の大人達はまたも心が一つとなった。
肉・野菜・魚・米・茶の順番で食べていく。
「ケンマ君、じゃがバタ食べるかい?」
「いただきます」
そうして、じゃがバタを受け取ると一片にマヨネーズと七味を掛ける。
「はふはふ」
次に、アヒージョのニンニクを軽く潰してからオイルを少し掛けてじゃがバタに乗せる。
「はふはふふー」
次がキムチを乗せて食べる。
「はふはふ」
そして、最後はシンプルにそのままで食べる。
「うん、美味い」
そうして、次に〆の焼きそばの制作に取りかかる。
まず、鉄板に油を敷かずに干しエビを煎って粉末状にする。
豚・小エビ・イカ・タコを塩と少し強めに胡椒をして油で炒めていく。
十分に焼き色が付いたらキャベツ・にんじん・玉ねぎ・ニラ・もやしを入れて更に炒める。
野菜にも火が通ったら湯通しで酸化した油を落とした焼きそば麺(太麺)を十五玉投入して混ぜ合わせていく。
そして、最後にシルが大阪の焼きそばが食べたいと言って買ってきて押収した焼きそばソースを掛けて混ぜ合わせて粉末干しエビ・あおのり・鰹節・紅ショウガを乗せて焼きそばの完成!!
全員の口に合ったようで良かったが・・・、シルだけは不服そうだった。
「私が作りたかったのに・・・」
「集団食中毒になるから止めろ」
こればっかりは全力で阻止するに決まっている。
焼きそばの後はデザートにアイスを食べて終了となった。
休憩したその後はというと・・・。
「ふぅ、これで最後だな」
鉄板などの後片付けをしてから合流をする。
「やっと来たな、ケンマ!!」
「待ってました師匠!!」
「鬼ごっこ、鬼ごっこ!!」
「ケンマ、早く!!」
何故か勝己と出久とヒミコと焦凍が鬼ごっこに対してやる気満々で、その横では息絶え絶えの燈矢・冬美・夏雄がいた。
「ぜぇ・・・はぁ・・・ぜぇ・・・はぁ・・・、焦凍も、出久君も、勝己君も、ヒミコちゃんも普段どんな鬼ごっこしてんの!?」
「ふぅ・・・ふぅ・・・、追いかけられたかと思ったらすぐに捕まっちゃった」
「ゲホッ・・・ゲホッ・・・、これ、俺の知ってる鬼ごっこじゃない・・・」
死屍累々だった。
そう、三人が
ちなみにだが・・・。
夏雄はヒミコが追いかけてその先に焦凍が待ち伏せするというもので、その際焦凍は茂みに潜んでいた模様。
冬美は勝己に単純に体力と思考を削られて捕まった。
燈矢はまず走力的に勝己と焦凍が追いかけると同時に出久の居る方へと誘導させるも、逃げられた場合はヒミコが二の矢として仕掛けられてそれでも逃げられたら後詰めの勝己と焦凍と出久がおそいかかり捕まった。
それからやり方を変えてきて捕まること合計三十回ほどやって体力の限界が来たようだ。
「なんというか・・・、お疲れ!!」
「「「本当に疲れた・・・」」」
そう言う三人に取ってきたお茶を手渡す。
「ねぇ、ケンマ君本当に・・・普段どんな鬼ごっこしてんの!?」
「今体験したでしょ」
「いや、容赦なさ過ぎでしょ・・・」
燈矢がそう言ってくるのに対してそう返した。
普通の子供だとここまで容赦のない追い詰め方はしない。
だが、散々辛酸舐めさせられている四人からしてみればこれくらいやらないと捕まらない認識になっている。
まぁ、それでも俺は捕まってないけどね。
「次はケンマが
「了解」
そう言ってくる勝己に俺は了承する。
そうして、俺が
「捕まんねぇーーーーーーーっ!!!」
「木に登ったかと思えば猿みたいに飛び移って木から木へと移動してるし・・・。下に降りたとしても木や茂みに岩陰を利用して隠れたりもしてるから見つけるのに一苦労だ」
「いつもと違う環境なのにいつも通りなのです!!」
「師匠、凄い!!」
「いや、凄すぎるでしょ!?」
「うん、四人の動きが容赦ないのも解った気がする・・・」
「てかさぁ・・・、ケンマ君本当に焦凍と同い年?」
まぁ、色んな所から言われているが気にしないでおこう。
そうして、夕方まで遊んだのだった。
「今日のキャンプは楽しかったですか?」
「あぁ、最高だったよ」
「すぅ、すぅ・・・」
「ヒミコちゃんも遊び疲れて寝ちゃったみたいですね」
「あぁ、かなり走り回っていたからな」
「それはケンマさんもですよね、眠たくないんですか?」
「ない」
そんな会話をしながら家路に着くのだった。