ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜 作:たかしクランベリー
〜SIDE『綺々羅々ヴィヴィ』〜
怒涛の1週間やった。
サッカー部と野球部の特訓場を
かけた大勝負。
翌日は、その裏で動いていた
ぺこら先輩と生徒会との
難しいお話が勃発。
そんで来たる今週放課後。
サッカー部再興がトントン拍子に
決まり、ついに残り5人を選抜する
大作戦が始動した。
今、体育館に大勢
集まっているのもそれが原因や。
その数、ざっと100人ちょい。
……緊張するなぁ。
そして、なぜか代表みたいな面で
ヴィヴィはぺこら先輩と
ステージに立たされている。
どうやらヴィヴィは、
ビンゴマシーンを回す役らしい。
なんでやねん。
『あ、あー……
聞こえるかぁアンタたち〜。』
「「「ォオオオオオオ!!」」」
ぺこら先輩がメガホンの
テストをすると、
体育館に熱い返事が湧き上がった。
生徒会が言ってた通り、
サッカーの熱は多くの人々を
奮い立たせて
いるっちゅー事やんな。
『入り口で配布したビンゴカードで
お察しの通り……
これより、先着5名の
ビンゴカード式入部試験を
執り行うぺこ。マネージャー枠は
既に埋まってるので、
泣いても笑っても
これが今年最後の入部チャンス。
いいぺこな。アンタ達ィイ!!』
「「「ォオオオオオオ!!」」」
なんでそんなノリ気やねん。
約5%の狭き門なんやぞ。
……いや、これも
ぺこら先輩の口八丁のおかげか?
深く考えてもしゃあない。
今は与えられた役割に没頭しよう。
『では、
第一回転目に取り掛かるぺこ!
ヴィヴィちゃんッ!』
「わーかったよ。」
カラカラカラ……ポトッ。
ビンゴカードマシンをクルクルと
回し、何回も数字が刻まれた
球を落とす。
ぺこら先輩がメガホンで
番号を読み上げ、淡々と
志願者の穴埋めが進んでいく。
7回目くらいで早くも
1人の生徒がビンゴした。
「ビンゴビンゴぉ!
ビンゴでござるぅ〜〜♪」
「「――!?」」
志願者の群れを押し除け
ステージ上に
ひとっ飛びして来たのは、
まさかの人物だった。
「テメーは……風真いろはッ!」
「ミラクル過ぎるやろ……」
ふんっ、と息づくと。
自慢気に彼女は
ビンゴカードを見せる。
本当に一列の穴が出来ていた。
敵として大暴れしてくれた
いろは先輩が味方になるのは、
とても心強い。
「くっ、
認めるしかねェぺこだな。」
ぺこら先輩はメガホンを
口元に寄せ、宣言する。
『エントリーNo.7・風真いろはの
入部を決定する。
残り4枠。アンタ達、
気を引き締めるように!』
球が落ちる度、場の緊張感が
どんどん増していく。
そうして……
入部枠も続々と決定していった。
『エントリーNo.11、桃鈴ねね』
『エントリーNo.38、雪花ラミィ』
『エントリーNo.42、一条りりか』
『エントリーNo.77、儒烏風亭らでん』
『――以上の5名で締め切るぺこ。』
*
新入部員が決まって30分後。
部員以外の志願者は解散して、
各自の自己紹介から始まった。
運任せ選抜のおかげか、
初期メンバーにも匹敵する
個性豊かな面々がやってきた。
元剣道部で、初陣で敵として
大暴れした超フィジカル生徒。
風真いろは先輩。
昆虫愛好家、桃鈴ねね先輩。
元書道部、雪花ラミィ先輩。
元演劇部、儒烏風亭らでん先輩。
破天荒と噂の元料理部、一条莉々華先輩。
改めて考えると。
(なんか……ホンマに大丈夫か
この人選。)
ちょっとした心配がありつつも、
今日のところは軽い紹介だけで
解散となった。
ヴィヴィはぺこら先輩と
帰路を歩く中、
その疑問をぶつけてみる。
「なぁ、ぺこら先輩……」
「分かってる。半分くらい人選が
ヤベぇ的な事ぺこだろ。
らしくねェな。そんなん
心配したってしょうがねぇさ。
いつも通り、やったるでぇ!
って精神でいいんだよ。」
「せ、せやな。
ヴィヴィが杞憂したって
しゃあないねんな。
おーし、明日から頑張るでぇ!」
パンパン。
両頬をピシッと叩き、
自身に喝を入れる。
「ん〜〜、ヴィヴィ〜っ!!」
「いいねぇ……
アンタはそうでなくちゃあ!」
「――ハッ!」
「どうしたぺこ?」
杞憂が晴れたのはええ。
でも、一つまだ問題がある。
問題言うても個人的な話。
この怒涛の1週間。
ヴィヴィの見えない所で、
ヴィヴィよりずっと
ぺこら先輩は張り切っていた。
猪突猛進に突き進んだヴィヴィの
フォローを完璧にこなし、
ここまでに至れた。
だからこそ、何かしてやりたい。
とっておきの……
「ヴィヴィ、恩返ししたいねん。
ここ最近ぺこら先輩ばっかに
大きな負担かけてはったから。」
「別に、見返りなんか
要らなェぺこ。なんなら
ぺこーらも、ヴィヴィちゃんに
恩がある側だしな。
お互い様って話でいいさ。」
「それじゃあ気が済まないねん!
ちゅー訳やから、今週の日曜……
サシでお出かけ行くでぇ!
家から引っ張り出したるわ!」
「えぇえええっ!?」
今に思えば、
絶好のタイミングやった。
近々フットボールフロンティアが
控えてる帆呂雷中サッカー部が
余裕を持って時間を取れるのは……
ここくらいしかないから。
(ヴィヴィの
最強おでかけプランで、
ぺこら先輩を全力で癒したる……!)
そうして迎えたおでかけ会当日。
アホ毛センサーを頼りに
ぺこら先輩宅へと着いた。
ピーンポーン。
インターホンを鳴らして
呼びつける。
先輩の足の速さなら
速攻で来ると思うたが……
(ちょい遅いな。忘れとんのか。)
いやいや、あの悪知恵の働く
ぺこら先輩や。
きっとドッキリを仕掛けて
脅かそうって魂胆やな。
カチャ。
「はーい♪」
ほら来たっ……て、ちゃうな。
オカン直々のお出ましや。
「あらあら〜、
ぺこらちゃんのお友達?」
「そっ、そうです!
綺々羅々ヴィヴィって言います!
ぺこら先輩に会いに来ました。」
ぺこらママは頬に手を当て
微笑んだ。
「うふふっ♪ あの子が
友達を連れてくるなんてねぇ〜。
いいわ。上がって来なさい。」
親の許可を得たので、
ズカズカとお宅に上がり込む。
嬉しいことに、
リビングでお茶まで頂いた。
毒舌と悪巧みに
ステを振りまくった
ぺこら先輩とは、
真逆の様な対応すぎて驚く。
「美味しいですね……。」
「うふふ。ぺこちゃんの
お友達なんだし、
畏まらなくてもいいのよ。」
「あ、あの……
やっぱりヴィヴィ、直接
ぺこら先輩に
会った方がええんやろうか……」
「そうね。あの子休日だと
中々部屋から顔出さないから、
ガツンと行った方が良いわよ。」
「あ……はは。そうなんやね。」
案の定すぎる。
インターホンを鳴らした時点で
若干怪しさを感じてたが、
嫌な予感は見事的中したようや。
「大丈夫。何かあったら
私がフォローするから、
ぺこちゃんを元気付けてあげて。
私の旦那さんに似て
口は悪いけど、
根はいい子なの。」
(あの毒舌おとん由来なんかい。)
ジャラッ。
心の中でツッコミを入れた所。
ぺこらオカンが
部屋の合鍵を手渡した。
「これで行けるわ。頼んだわよ。」
頼んだというか何というか……
ハナから引っ張り出すつもりで
来たんや。
託されたこの鍵、絶対無駄にせーへん。
「はい……!」
ガチャリ。
1分の猶予も許さない。
2階に素早く駆け上がり、
PEKORAと書かれたプレートが
吊り下がった部屋の
鍵を開けて入室する。
「起きろやぁっ!
ぺこら先ぱぁあいッ!」
「………………。」
掛け布団に篭り、
ゴロゴロとスマホを覗く
ぺこら先輩の姿がそこにあった。
「おい自分、そのウサ耳
飾りやあらへんやろ。
返事の一つくらい返したらどーや。」
「んあー、ヴィヴィちゃん。
ごめんだけど、ドタキャンって
事で帰ってくんない?
今あたい、ガ●ダムシリーズの
履修で忙しいぺこなんだよねー。」
「どこがや!? 骨の髄まで
ダラけ切っとるやないか自分!」
「分かってないなぁヴィヴィ。
これは〝卍戦士の休息卍〟って
ヤツぺこ。来週に向けて
英気を養うなら、
こうするのが1番なんだよ。」
「ぺーこーちゃーん。」
「「――!?」」
突如背後からゾワッとした
気配と声がする。
この声は……
ぺこら先輩のオカンか?
おっとりしとる割に、
一瞬なんか戦慄を覚えたで。
バッ!
布団にうずくまっていた
ぺこら先輩が、
ヴィヴィの5倍くらい
警戒心を剥き出しにして
立ち上がった。
「ママママ、マミーっ!?
どどどどうしてここにッ!」
おいおい。
いつものぺこら先輩と思えへん程
動揺しとんなぁ。
……まぁ。オカンっちゅーのは、
どの家庭でもボスなんやな。
「どうもこうもないでしょ。
私ね、友達のお誘いを
無下にするような
悪い子を育てた覚えないのよね〜。
うふふ♪
卍戦士の休息卍って話、
詳しく聞かせてくれないかしら。」
「行きます行きます!
超行きたい!
うわーっ、楽しみぺこー!
ヴィヴィちゃんどこ行く、
ねぇねぇ……!」
めっちゃ笑顔引き攣っとるやん。
声と顔に
ヘルプサイン貼り付いとるし。
「へっ、ようやく行く気になったんか。
ええで!
ヴィヴィが連れてったる!」
「あらあら。青春ね♪
お母さん嬉しいわ。
はい、お小遣い2万円。
友達とのお出かけ、
思う存分楽しんでちょうだい。」
オカンの圧のおかげで、
ぺこら先輩を外に引きずりだず
ことに成功した。
何はともあれ、
やっとお出かけが始められる。
なのに……
「ぺこら先輩、なんやその私服。
もっとマシなのないん?」
お手本の様なゴスロリ服。
近代風でロックな感じが
良い塩梅で融合しているけど、
いかんせん妙な厨二病感が
滲み出ている。
「べっ、別にいいだろ
外出てやったんだからさぁ!
アンタこそなんだよ
その内側抉り取られた
ダボダボズボンはよォ!」
「ふっ……ファッションや。」
「じゃあお相子ぺこだろ!」
「あっははっ♪ わーかったよ。
この話やめへんか。降参や。」
「分かれば良し!
さぁ、どこへ行こうというのかね。」
明らかに追う側のセリフやが
これ以上のツッコミは
時間と体力が勿体ない。
予算も手にした事やし、
さっさと行動に移ろう。
「決まってるやろ。
先ずは腹ごしらえや。
ぺこら先輩好みの良いお店
見つけとんねん。
とりま、そこ行くで!」
「……お、おう。」
ヴィヴィが決める店に
あまり期待できないのか、
不安そうに返事を返すぺこら先輩。
(……大丈夫や。
なんせ、ヴィヴィだけで
決めたプランやないしな。)
「そんじゃあ、レッツラごー!」
【後書き】
どうも、たかしクランベリーです。
作者のホロメン性癖チーム……
あつらえた様だ。
(言葉遣いが妙だな。慎め。)
という訳で、バーチャルYouTuber
よくばりセットの可能性があるので
皆さん気をつけましょう。
よろしくお願いします。