ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜   作:たかしクランベリー   

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19話・恐怖! 尾刈斗中の妙技

 

来たる

Bブロック予選セカンドマッチ当日。

御影専農戦の

盛り上がりが影響したのか。

 

以前よりも多くの観客が

来てる気がする。

 

けれど。緊張に呑まれはしない。

特訓で更なる力をつけた

風真たちなら……イケるでござる。

そんな確信がある。

 

厳しい特訓の積み重ねが、

退く気持ちと背中を

押してくれている。

 

乗るしかない。この追い風に。

 

[帆呂雷中サッカー部]

表記省略

 

[尾刈斗中サッカー部]

 

FW-フワワA/モココA

MF-ネリッサ/オリー

MF-赤井はあと/荒咬オウガ

DF-古石ビジュー/森カリオペ

DF-影山シエン/夜十神封魔

 

GK-シオリ・ノヴェラ

 

『ladies'&gentlemen

お待たせしましたァ!

今、キックオフですッ……!』

 

「ぺこら先輩っ、ちゃちゃっと

決めるでござる!」

 

パッ。

 

「おうよッ!」

 

パッパッ パパッ。

 

『おっと何という事だァ!

帆呂雷中、以前よりも洗練された

動きでパスを繋ぎ

前線へ上がって行くゥ!

コレには、尾刈斗中の面々も

追いつけていないぞォ!!』

 

イケてる。

パルクール特訓が活きてるんだ。

 

無駄なく最小限で、

最速のパス出しがポンポン打てる。

 

ぺこら先輩やはじめちゃんの

素早い動きと

上手く噛み合ってる。

 

もうシュート射程圏内。

 

後はぺこら先輩に託そう。

 

パッ。

 

「決めちゃってください!」

 

「言われなくてやってやんよッ!

――〝白兎ダッシュート〟」

 

出た。

疾走の勢いを乗せた必殺シュート。

並大抵の反応速度じゃ

止められまい。

 

「――〝歪む空間〟」

 

ギュオオオオンッ。

 

シュート発生寸前。

キーパーの彼女は不敵に笑い

両手を奇怪に動かす。

 

紫色の波動が広がり、

ボールは中央に引き込まれるよう

彼女の手に収まった。

 

「……嘘ぺこでしょ。」

「何でござるか、あの妙技……」

 

「良いシュートだったわ。

でも私の敵じゃない。

さて、お礼に

私たちも攻めに転じるわ。」

 

ポフンッ!

 

『WAO!

尾刈斗中、キャプテン兎田の

シュート技を難なくキャッチし

一転攻勢だァ!

彼らも負けず劣らず、

華麗なチームワークで前線に

切り込んで行きますぞォ……!』

 

速いっ。

あちらも、全国出場に向けて

かなりの特訓を

積んでるでござるな。

 

マズイ、中盤ラインまで

あっさり抜かれた。

このままじゃ……

 

「モゴヂャン、アレやるよ!」

「オッケー!」

 

姉妹っぽい2人の長髪ちゃんが

跳び上がり、下の子が

上へボールを蹴り上げる。

 

上がったボールはヘディングで

下降し、連携シュートへと

派生した。

 

「「――〝ツインブースト・アビス〟」」

 

『出たァ、アビスガード姉妹の

連携必殺シュートぉ!

息の合ったコンビネーションが

遺憾無く発揮されてますぞ!』

 

「止めて見せるだよ。

〝バーニングキャッチ〟!」

 

「千速殿……」

 

ガガガガガ。

 

「うぐぐっ、ぐっ……

ぐわーーーー!!」

 

シュポォンッ。

 

『ゴールぅぅううう!

先制点を

決めたのは尾刈斗中だァ!』

 

「「「「ォオオオオオオ!!」」」」

 

「「BAUBAU〜♪」」

 

「くっ! やっぱり、

ぶっつけ本番でアレを

やるしかない…………」

「千速、まさかやるんか。

GWの時に

こっそり鍛えとった新技を。」

 

「大丈夫だよヴィヴィたん。

ちは、絶対に成功させるから。」

「頼むで。」

 

ヴィヴィ殿と千速殿……

何か秘策があるようでごさるな。

となると、問題なのは

攻めの布陣。

 

尾刈斗中のゴールキーパー、

シオリ殿を突破する

何かを見つけなくてはならない。

 

下手に風真の手の内を

見せる訳にもいかない。

 

「どう崩すつもりでござるか、

ぺこら先輩……」

「分析して攻める。

ただそれだけぺこ。」

 

ピーッ!

 

『さぁ試合再開のホイッスルっ!

風真のキックオフで

スタートですッ!!』

 

「もっかい頼むでござる、

ぺこら先輩!」

 

ポンッ。

 

ボールを受け取ったぺこら先輩は、

少し立ち止まり指示を始めた。

 

「ねねち、アンタは

前線に駆け上がれ!

ラミィちゃんはあの技を

頼むぺこ!」

 

あっ、そうか。

その手があったでござるな。

 

ストライカー3人のスタミナを

温存しつつ攻める策が。

この手段、使うには

やや速い気がするでござるが

苦虫を噛み続ける状況よりは

マシか。

 

「分かりましたぺこら先輩っ!

――〝氷の矢〟!」

 

シュワァンッ

 

『おっと何だァ!

it's frozen!

雪花、凍てつく鋭いロングパスを

放ったぞォ!

更に更にィ、先陣に駆け込んだ

桃鈴にボールがフィットしていくゥ!

超exciting!』

 

なんという速いロングパス。

山形の軌道であの速さとなると、

敵プレーヤーのインターセプトは

ほぼ不可能。

 

でも強さはそれだけじゃない。

丁度の着地点で、隙のない

完璧なトラップを決めた

ねね殿もやりおるでござる。

 

息の合う親友だからこそ

出来る芸当。

 

ボールの速度に敵チームも

追いつけてない。

このままイケるかも……!

 

「受け取ったよラミィ。

さぁ、今度はアンタらが

恐怖する番だぜ。

――〝センチピード・ラッシュ〟」

 

「ギャオオオオンッ!」

 

『出たァ、

桃鈴の必殺シュート!

巨大なムカデがボールと共に

ゴールへ迫っていきますぞ……!』

 

まただ。

またあの怪しげな笑み。

まさか……

 

「〝歪む空間〟」

 

フシュゥウウウッ。

 

「――っ!?」

 

怯むねね殿に対して、

ボールを掴み取ったキーパー。

シオリは高らかに笑い始めた。

 

風真たちは、大きな勘違いを

していたのかもしれない。

センチピード・ラッシュの強み。

それは、

大きな虫に戦慄と嫌悪を抱き

SAN値が擦り減った相手を

ゴリ押しできる部分だ。

 

その仕様上、

相手の肝っ玉がデカければ

強みが半減する。

ましてや、相手が虫好きの場合は……

 

「ふふっ、あははははははっ!」

 

「何が面白のさアンタ!

デカいムカデが飛び掛かって

来てんのに怖くないの!?」

 

「怖くないわ、寧ろ嬉しいの!

私と同じ虫好きの同志に、

ここで出逢えるって事が!!

だって虫が好きじゃなきゃ、

あんな技打てないでしょう!?」

 

「へ、へー……そうなんだね。」

「私はシオリ・ノヴェラ。

今度良かったら、私と

昆虫発掘キットで遊びましょう!」

 

「う、分かったよ……今度ね。」

 

嘘ぺこでしょ……

よりにもよって昆虫好きの

キーパーと当たるなんて。

 

しかも、ムードメーカー側のねね殿が

彼女のテンションに

気圧されてるでござる……。

 

これじゃセンチピード・ラッシュでの

得点は無理ゲーだ。

 

残るストライカーは、

はじめ殿と……

 

「はじめちゃん。

蹴る準備は出来てるぺこか?」

「とゃぜぇんでゃ!」

 

「さぁ、もっと私に

あの技を魅せて……!!

もっと肌で、虫を感じさせてよ!」

 

ポシュンッ!

 

『おおっと挑発か!?

シオリ、桃鈴へ

ボールを返したぞ!?』

 

「…………くっ。」

 

ダメでござる。

自分の主力技が封じられた上に、

相手の悪意ない

コミュニケーション。

 

こりゃ相当参っても仕方がない。

 

「オイねねちィ!

棒立ちしてる暇あンなら

ぺこーらにボール寄越せッ!

説教は後でたっぷりしてやんよ!」

 

「……はいっ!」

 

ポヒューンッ。トンッ。

 

『おっとぉ。

桃鈴、怯んだと思いきや

後衛にパスを回したァ!

帆呂雷中、再度戦略を

立て直すつもりでしょうかッ!?』

 

「アップは充分ぺこだろ

はじめちゃん。そろそろ

一緒に上がんぞ!」

「うっす!」

 

ダダダダドド!

 

今までの試合と違って、

敢えてはじめ殿のシュートを

温存していた。

 

恐らくは、敵の分析を遅らせる為。

ぺこら先輩、

ナイスゲームメイクでござる。

 

『ここで兎田と轟の2人が

並列陣形を組み

切り込んでいくゥ!

両者、序盤で体力のセーブを

していたのは……この為の

布石だったのでしょうかッ!?』

 

「BAU〜♪

またあのシュートでもするのー?」

「BAU〜♪

そう簡単にさせないよー!」

 

立ちはだかるは、フワモコ姉妹。

続けて後方にはMF、DFの布陣が

待ち構えてる。

 

ツーマンセルで越えられるか

心配でござるが……

 

「「――〝ブリタニアクロス〟」」

 

「「ぐはぁっ!?」」

 

あのオフェンス技、

確かグリットオメガの時に

2人がエアクッションを作るために

やった技だ。

 

凄い威力だ。

土煙が舞って敵チームも

2人を見失ってる。

 

こうなれば、シュート圏内に

潜り込むのも容易い。

 

ピュイーッ。

 

この口笛は……

遂に打つでござるか。

帆呂雷中の主力シュート。

 

「――〝オーバーヘッドペンギン〟」

 

「〝歪む空間〟……

うっ、くっ……………………」

 

パシュンッ。

 

『ゴーーールッ!!

帆呂雷中、お馴染みの

必殺シュートで

得点を返しましたァ!

まだまだ試合の行方は

分かりませんぞォ!?』

 

 

[得点表]

帆呂雷中  /  尾刈斗中

1 <1st> 1

0 <2nd> 0

1   <total> 1

 

ピッ ピッ ピーッ!!

 

『こぉこで前半終了の

ホイッスルぅぅう!

アツい、実に良い試合ですッ!

こっから先にリードするのは

はたしてどちらなのかッ!

後半戦、

乞うご期待でございますッ!!』

 

「「「「ォオオオオ!!」」」」

 

 

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