ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜 作:たかしクランベリー
〜Side『兎田ぺこら』〜
紆余曲折あったが、想定通り
FF本戦出場が決定した。
しかし、本戦こそが真の闘い。
ここからは未知の領域。
名をフットボールフロンティア・
Reboot holy loadに改めた辺り、
かつての FF・holy load同様。
ランダムステージギミックに
苦戦を強いられる事必至。
その上待ち受けるのは、
プロコトル・ミミーチンの急襲。
全国制覇の常連王者・
雷門の対総力戦。
そして最も近い相手、
本戦ファーストマッチは……
新進気鋭の強ルーキー校。
『南雲原』……か。
ぺこーらと同じく、
優れた戦略家が策で
敵を立て続けに制したらしい。
南雲原の名策士・笹波雲明に、
はじめちゃんの宿敵ダンサー
忍原来夏まで居るとなると。
(一筋縄では行かないぺこだな。)
はじめちゃんのエゴが
暴走すれば、
試合のペースはすぐに敵側が
握る事態となる。
いずれにせよ
帆呂雷中のパワー不足は否めない。
「化身の体得……
しかねェぺこだな。」
チーム内で最も適性の高い奴は、
こよりちゃんの
助力もあってすぐ見つかった。
流石は
データプロフェッショナル。
なにはともあれ……
本戦前までに化身を完成させ、
チーム各自の
ステータスアップに注力するのが
最優先事項。
その手筈だった。
(なのに……)
「なぁなぁ、なんでウチら
デパートで
コソコソ隠れてるん?」
「ウッセーなぁ。
バレたら面倒だろうがっ!」
小声で注意しながら、
ヴィヴィの野郎と2人で
地獄の隠れんぼをしている。
トコトコトコ……
通路の影に潜み、
サッカー部の連中が
通り過ぎたのを確認。
安堵の息を吐き、
ヴィヴィに会話OKの
合図をグーサインで送った。
「ふぅ、やっと喋れるわ。
それにしても見栄っ張りやなぁ
ぺこら先輩。
忍者ごっことショッピングの
両立なんてだいぶ無謀やで。」
「んなモン分かってるっての。
ヴィヴィと猛特訓するって
言っちまった以上は
しょうがねぇぺこだろ。」
「あっははっ♪」
——そう。
アズちゃんの
バースデーパーティに続いて、
千速ちゃんの誕生日プレゼントを
用意する事になった。
あと8時間以内に用意しなきゃ
千速のバースデーが過ぎちまう。
もうパーティを開く余裕は無い。
だからこそ、質の良い
プレゼントを用意せねば……
それに。
木曽路に化身を
習得させる名目で
ねねちといろはちゃんまで
巻き込んで野山に放り投げた今、
この体たらくが
チームにバレれれば
タダじゃ済まない。
友達と音楽コンサートに
出かけてる千速ちゃんを除き
残るメンツ……Kozmy、
ニコはじめ、りりらで、
辺りの動向には
極力注意ぺこだな。
「なぁぺこら先輩。
いつまで黙っとるん?」
こんな時に、なんて呑気なんだ
ヴィヴィちゃん。
「喋くりながら策練れるほど
器用じゃねェんだよあたいは。
そういうオメーこそ、
千速に渡すモン考えてんのかよ。」
「当然や。よくヴィヴィの事
嗅ぐから、お気に入りの
マイ香水(新品)を
プレゼントしたるで!」
「フッ、やるペコじゃん。
そんじゃ最初は、
フレグランスショップへ
凸るぞヴィヴィ。」
「ぺこーら先輩のプレゼントは?」
「そんなモンはなぁ、
後でいんだよ。」
「ほーい♪」
危ねえ。ネットストアーの
セール中ゲームを
プレゼントするなんて事……
もし口走ったら、
流石のヴィヴィちゃんでも
反感を買ってしまう。
ドケチ兎田なんていう
不名誉なあだ名が擦られ、
先輩としての威厳が終わっぞ。
取り敢えずは、
目先のミッションに
集中させよう。
「じゃ、エレベーターで
ちゃちゃっと……」
「バカタレがぁ、開閉した時
鉢合わせたら終わりだっての!
外付け階段を経由して
行くぞォ……!」
「わ、わーかったよ。」
聞き分けのいい奴で良かった。
これで安心して
ミッションを遂行できる。
今は一階フロアだから
目的地はえーと……5階かよ。
まぁ、決めてしまった
モンは仕方ない。
足腰のトレーニングだと
割り切って乗り切ろう。
ギィーーッ。ススッ。
ヤケに年季ある重たい扉を
2人で開閉し
5階フロアへ侵入する。
人目のつかないルートに
移動して、一時休息へと入る。
「ハァ……ハァ。
ごっつキツいねんけど、
スパイ映画の主役みたいで
おもろいなぁ〜ぺこら先輩っ♪」
どんだけポジティブなんだよ。
だからといって、
甘やかす気もないがな。
「へっ、生意気ぺこだぜ。」
パシッ。
両の手を叩き、
休息の終わりを伝える。
「もう終いやて!?
厳し過ぎやろ……!」
「試合中、律儀に待ってくれる
敵が居るかよ。
一刻の猶予も許されねぇ
スピード勝負って事忘れんな!」
「気合い入っとるなぁ……」
「おら行くぞヴィヴィ!」
「はいっ!」
ダッ。
物陰から同時に駆け出す。
例のフレグランスショップは
アレだな。
フッ、思いの外近ェじゃねえの。
捉えた……!
射程内ぺこ。この勝負貰っ……
「——っ!?」
「どしたん、ぺこら先っ——」
シュンッ。
あのケモ耳ピンク髪、黒髪、青髪。
間違いなくKozmyの3人だ。
アイツらも香水に
目を付けていたとは……
こりゃあ、
思いがけない誤算ぺこだぜ。
「へぇ〜、ラミたんって
この店舗でよく買ってるんだね〜。」
「まぁね。こよりちゃんに合う物も
きっとあると思うよー。」
「…………」
「急に黙り込んでどうしたの
アズちゃん。」
「あのさ……さっきぺこちゃんが
居たような気がして。」
マズイな。
下手に動けばアズちゃんに
GUESSされちまう。
近くに偶々服屋の
試着室があったから
間一髪身を隠せたが……
隠れ切れるかどうかは
五分五分ぺこだな。
「ヴィヴィちゃんと
ぺこら先輩が特訓をサボってる
確率54・6%……」
「えっ?」
「なーんてね♪」
「確率の数字、よくよく考えたら
こよちゃんやないかーい!」
「ラミたん、
ナイスツッコミだよ!」
「「「あははははっ♪」」」
地味に確率当たってるの
怖過ぎだろ。
しかし、軽い杞憂で
笑い飛ばして
くれたのは不幸中の幸いだな。
これで心置きなく、
タイミングを見計らって
香水ショッピングできる。
……が。
1人用の試着室に、
2人詰め寄ったのは
かなり無理があるな。
正直、めちゃくちゃ窮屈だ。
「ぺ……ぺこら先輩。
ヴィヴィ、いつまで張り付いて
たらええんや……」
「耐えろヴィヴィちゃん。
もう少しの辛抱ぺこ。
バレたら全てがパーだぞ。」
「でもヴィヴィ走ったばっかやし、
気にならへん……色々。」
「……別に気にしねェよ。」
「………うぅ。」
オイオイなんだその柄にもない
しおらしい顔はァ!?
確かに身体のあちこち
密着してて落ち着かねぇ
ペコだけど、気にしたら
負けなんだよ。
畜生っ。
選手生命終わるから
気にしない様にしてたのに
こっちまでドキドキ
してきたじゃねェか。
悔しいが、
千速ちゃんが惚れちまうのも
分かるぺこだぜ。
何だよこのいい匂いは。
少しでも気を抜いたら、
千速に続いてヴィヴィ吸い中毒者の
仲間入りしかねんぞ。
オマケに大人しくしてたら
なんか凄ぇ美少女だし、
肌も綺麗過ぎやしねェか……。
あーやべぇ。
雑念の火が燃え上ってやがるぺこ。
心身を整えろあたい。
泣く子も黙る大天才、
兎田ぺこら様だろうがッ……!
(そうだ。大した敵じゃない。)
心頭滅却すれば火もまた涼し。
雑念の炎ごと、気合いで
焼き払ってやるわ。
「ふぅー、いい買い物したぁ。」
「偶にはこういう買い物も
楽しいねラミたん♪」
「AZKiも、勉強になったよ〜。」
よし。厄介な連中も
ショッピングを終えたな。
「ほら、さっさと出んぞヴィヴィ。」
「…………。」
「ヴィヴィっ、テメーっ。」
「あっ、すまへん……
気ぃ抜いてたわ。」
とても気を抜いてた風には
見えねぇが、
当初の目的を
思い出してくれれば充分だ。
「そうかよ。じゃあ準備は
いいぺこな。
油断せずに行こう。」
「はいっ……!」
「——ありがとうございました!」
店員に見送られ、
ミッションの買い物を終える。
いつ間にか互いに、
謎の達成感を感じていた。
「ミッションコンプリートやな
ぺこら先輩。
で、結局何プレゼントするん?」
「え、えーとそれはだな……」
マズイぞ。
香水ミッションに夢中で、
自分のヤツを
全く考えてなかった。
取ってつけたような
プレゼントじゃ、
ドケチ兎田という
レッテルを貼られるぞ。
まだ、何か策がある筈だ。
諦めねぇぞ。
カンカンカーン!
「「!?!?」」
あのベルの音は……
「A賞、A賞でーーいっ!
おめでてぇなァ坊や。
この『旅行チケット』で、
両親と沢山楽しんで行きな。」
「わーい。ありがとう
福引きのおっちゃん!
ボク、楽しんでくるね!」
「おうよっ!
土産話、いつでも待ってるぜ!」
福引き……
そうか。その手があったぺこ。
「福引き、行くぞヴィヴィ。」
「待ってーな!
本気でやるんか?
下手したら、何も得られず
有り金パーなるで!?」
「へっ、旅行券が出たら
超絶ラッキーだが……
B賞とC賞も結構良くねぇか。
ラインナップ、
よく見てごらん。」
「ホンマや!
それなら、ちはも
喜んでくれそうやな。」
「あぁ、目ェかっ開いて
よーく見ときな
ヴィヴィちゃん。
豪運ウサギと呼ばれた、
あたいの力をなァ……!!」
カランカランカラーン!!
「おめでとう嬢ちゃん達ぃ!
B賞、激レアモデルの
ガン●ラでっせーー!」
「うっしゃあああっ!」
「ラッキッキー♪」
*
一方その頃。
ケシン仙人との修行を
キャプテン兎田に命じられ。
野山に放り投げられた
風真いろは、桃鈴ねね、
木曽路の
3人は道の険しい山林地帯を
歩み続けていた。
〜SIDE『木曽路・兵太』〜
面白そうだから
サッカー部に入部した。
ただそれだけだった。
人数が集まり切るまでは、
正直サッカー部なんて
野郎が集まってむさ苦しい
青春を謳歌する運動部……
なんだろうと考えてた。
しかし
どういう運命の巡り合わせか。
俺以外部員が全員女子と来た。
ついでに全員アイドルやれそうな
ルックスレベルの美少女。
……アウェイ感が半端ない。
創作物のハーレム主人公は
なんで堂々としてられるんだ。
実際は事故らないように
接するので精一杯だぞ。
心身は常に緊張の連続。
そんな俺でも、
ある先輩のおかげで
サッカーに集中して
みんなと歩める様になった。
ガシッ。
考え事に耽ってる俺に、
突如腕を絡めて来たのは
桃鈴ねね先輩だ。
「おいおいおーいっ。
ボンヤリしちゃあいけねぇなァ。
……いけねぇよ。」
「あっ、もも先輩。
すんません。
修行の最中でしたよね……」
そう。彼女のおかげだ。
イマイチ馴染めない俺に
親身になってくれた。
どちらかというと
気のいい兄貴分みたいな人だ。
仕草や言動、会話内容が
特にその認識を強めてる。
大体は下ネタか昆虫か
ガジェットの話なので、
部員の中でも会話が
し易いし楽しい。
「おーい、2人ともー!
無理しすぎるなでござるよー!」
気がついたら、
約100m先でいろは先輩が
大声を出している。
てか、移動速度早くね。
「おいおい、早すぎるっしょ
いろはちゃん。」
「負けてられないっすね。」
「当然だ!」
喝を唱え、走り始める。
奥へ奥へと。
しかしここでアクシデント。
いろは先輩が地図をふるふると
握りしめ、困惑の顔を見せた。
「どったのさ、いろはちゃん。」
「先輩っ、何事なんですか!?」
「風真の、見間違いじゃないで
ござるよな……?」
疑念が強まるのも仕方のない
状況だ。
なんせ今俺らは、
デカい崖を前にして
絶賛立ち往生中だから……。
「HAHAHA★
ここは都会じゃないんだぞ
いろはちゃ〜ん♪
困った迷子ちゃんだねぇ。
ほら、ちょっとねねに
貸してごらん。」
「どうです? もも先輩。」
「んーと、崖登れって
事ですねこりゃ。」
「あの断崖絶壁をですか!?
冗談キツいっすよ。」
「それが本当なんですなー。
かなり険しいけど、
やるしかねぇなぁ……
やるしかねぇよ。」
「マジっすか。」
キャプテンが言ってた
ケシン仙人とやらは、
どんな秘境に住んでんだよ。
って。グチグチ心で
喚いてる暇もないな。
気合い入れて挑もう。
「そうと決まれば正面突破
あるのみでござる!
ぅうぉおおおおおおお!!」
ダッ。ダダダダダダ!
「「!?!?」」
信じられない。
ほぼ直角の断崖絶壁を
さも当たり前の様に、
ダッシュで駆け上がってる。
体幹とフィジカルを
極めると
あんな芸当も出来るのか。
「あれじゃ侍っつーより
忍者じゃねぇか。
ホント、大したモンだよ
いろはちゃんも……
そんでさ、木曽路くんは
ロッククライム経験
とかある?」
「まぁ、齧る程度には……」
「よぉし、
一緒に踏ん張ってこー!」
「お、おー。」
長い徒歩の次は崖上り。
もも先輩にレクチャーしながら
コツコツと上へ登ってく。
何時間経ったかも
分からないほどそれは続く。
身体にはひたすらに
疲労が溜まってく一方。
見上げるといろは先輩の
姿は何処にもなかった。
そんな俺が退屈しないよう、
先輩は気遣って
話をしてくれる。
「木曽路くん、こうしてると
しみじみ思うよ。」
「なんっ……ですかっ。」
ガッ。 ガッ。
「蝉って凄いなって。
成虫になる為土から出て、
安全に羽化できるよう
木に登り続ける。
しかもっ、天敵だらけの
環境でさっ……!」
「確かにっす!」
ガッ。
「これを乗り越えれば、
ウチらきっと羽搏けるよね!」
「うっす……!」
そんなかんやで、
もも先輩のトークに度々
勇気付けられながら……
崖のゴール付近まで辿り着く。
「あともう少しです
もも先輩っ。」
「…………。」
「あれ。もも先輩……」
「ねっ、ねねは大丈夫だから。
木曽路くんはちゃちゃっと
行っちゃいなよ。」
そう告げる顔は……
心配させまいと
愛想笑いしてるが、
どうみても体力的な辛さが
滲み出ていた。
「何言ってるんすか。
ここでもも先輩を見捨てて
登っても……
何の意味もないっすよ。
みんなで乗り越えましょう!」
「そ、そうだよね……」
ガッ。 ズルッ。。
「——ッ!?」
危惧してた事態が起きた。
彼女の握力は衰弱し、
支えの手を一つ失う。
勢いでそのまま体勢が崩れる。
そうなれば、
自重を支えられなくなり
彼女は転落するのみ。
——もちろん、そんな結末は
俺が許さない。
「しっかり掴んでくださいよ
先輩っ!」
ガシッ。
間一髪で先輩の手を掴んだが……
俺もそう長くは保てない。
「…………放しなよ。
木曽路くん、
ねねは大丈夫だから。」
「大丈夫なモンかっ!!
こんだけ高かったら
無傷じゃ済まない!
死んでもこの手は離しません!」
俺には彼女たちのような
秀でた能力がある訳じゃない。
ただボールを味方に繋ぐのが
そこそこ得意だけだ。
故につけられたあだ名は、
『繋ぎのソジ』。
しかしまぁ、その異名も
ここまでだな。
俺の最後の役割……
〝繋ぎ〟はここまでだ。
「もも先輩っ!
あなたは俺と帆呂雷中の
みんなを繋いでくれましたッ!
だから今度は——
俺がもも先輩を
〝未来に繋ぐ番〟です……!!」
「ふざけた事言わないでよ!
自分を大事にしろって!!」
絞り出せ。
自分の持てるエネルギー全て。
先輩を絶対に崖上まで
送り届けるんだ。
「——ぅぉおおおおお!!」
力が湧いてくる。
今ならなんでも出来そうだ。
「いろは先輩ーーっ!
もも先輩の事、
頼みまーーーす!!」
ブゥウウンッ。
「木曽路ぃーーーーっ!!!」
(力、出し切ったな。)
後は落ちるだけだ。
ありがとうみんな。
俺はもう……さよならだ。
「あぁ……今日は空が綺麗だな。」
バサッ。 パフッ、シューンッ。
「!?」
地面に落ちるかと思いきや、
背中は柔らかい羽毛に沈んだ。
「翼……赤い翼。」
(不思議だ。
何処かで、見覚えがある。)
微睡む視界の中、
力を使い果たした俺は
脱力感と共に目を瞑った。
次に目を覚ました時、
俺はデカい葉っぱの
上に寝転んでいた。
「目が覚めたようじゃの。
化身の資質を持つボーヤよ。」
「っ!?」
声の方へ顔を向けると、
シルクハットとサングラスをした
怪しい人が居た。
「あなた……誰です?
あと、付け髭ズレてますよ。」
なんか、どっかで
見たよーな気がするんだよなー。
「髭ズレの訪れってな……
ハッハー↑ 」
「寒いギャグはいいんで。
何者か教えてくださいませんか。」
「……ふむ、良いじゃろう。
私はケシン仙人。遠路遥々
会いに来てくれるとは、
実に嬉しいわい。」
「ま、待ってください!
俺より先に、崖上に
登って来た女の子
2人居ませんでしたか!?」
「ああ。居るぞ。
君の安否をずっと心配しとった。
着いてこい。会わせてやる。
ハッハー↑」
着いて来たら本当に会えた。
「木曽路の大バカ野郎っ!
ねねを心配させやがって!!」
「あっ、すいません……」
ぶん殴られる覚悟で
頭を下げたが、
殴られなかった。
「全く、無理は禁物でござるよ
キソジ殿。
所でルイ姉——」
「ケシン仙人じゃ!
口を慎まんか小童ァ!!」
「すまんでござるっ!」
凄い剣幕だ。
あのいろは先輩を黙らせたぞ。
「こほんっ!
改めてよろしくな。
私がケシン仙人じゃ。
今日からビシバシ鍛えるてやる。
覚悟しなされよ小童ども。」
「あ、あのー。」
「なんじゃ?」
「木曽路くんがねねを
投げ飛ばす時、背中から
大っきくて黒い影を
出してたんですけど
アレはなんですか。」
え。俺あの時
そんなモン出してたの?
必死過ぎて分からなかったぞ。
「うむ。
アレは『化身の片鱗』じゃ。
ボーヤには、
其奴を体現するための
特別訓練を設ける。
だが、お主らにも
ハードな修行を設けるぞい。
ハッハー↑」
「合点承知でござる!」
「なんでいろはちゃんは
そんなノリ気なのさ。」
「まぁ、やるしかないっすよね。」
「つべこべ私語を重ねるでないっ!
時間は有限じゃッ!
とっとと修行を始めるぞい。
いいか小童どもォ!!」
「「「——はいっ!!!」」」
*
FF・RHL当日。
『ladies&gentleman!!
遂にやって来ました
FF・RHL本戦ファーストマッチ!
映えある初陣はァ〜〜、
じゃじゃんっ♪
『サイクロンスタジアム』ですっ!』
[南雲原中]
ベンチ陣-笹波雲明、etc
FW-桜咲、忍原、空宮
MF-品乃、柳生、古手打、星
DF-古道飼、黒原、雨道、
GK-四川堂
[帆呂雷中]
監督-花園さやか
ベンチ陣-AZKi、博衣こより
FW-風真、轟、兎田
MF-木曽路、ヴィヴィ、輪堂
DF-一条、桃鈴、雪花、ニコたん
GK-JFT
『風吹き荒れる戦場を制すのは
果たしてどちらかッ!
帆呂雷中vs南雲原中。
今、キックオフですッ……!!』