ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜   作:たかしクランベリー   

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27話・コート上のペテン師

 

 

『風吹き荒れる戦場を制すのは

果たしてどちらかッ!

帆呂雷中vs南雲原中。

今、キックオフですッ……!!』

 

〜SIDE『兎田ぺこら』〜

 

始まっちまったな。

本戦ファーストマッチ。

 

試合開始までスタジアムの

ギミックは未発表。

 

そんで

いざ蓋を開けてみれば、

ロングパス封じの

サイクロンスタジアムときた。

 

holoX一同が

共同で組み立てた

『仙人式猛修行』が

どこまで通じるかも不明。

 

オマケに、キックオフの

スタート権は南雲原中ぺこか。

 

「忍原、空宮……

分かってるよなぁオイ。」

 

パッ。

 

やはり、FWトリオの

スリーマンセルアタックで

切り込んできたな。

 

カウンターに備え

MFもそこそこ追従してる。

 

……うむ。

ボール奪取は狙えなくもないな。

 

「おし、行くぞアンタ達ィ!」

 

「……あのぅ、ぺこら先輩。」

「ん、どうしたんだよ。」

 

いろはちゃんが、焦った顔つきで

ぺこらを呼んだ。

 

「はじめちゃんが1人で……」

「あんにゃろー。」

 

予測できてはいた。

しかしいざ直面すると

厳しいぺこだな。

 

……くっ、チーム戦を意識しないと

不利になるって念を押して

伝えた筈なのに。

 

まぁ、

そう簡単に割り切れねぇよな。

 

これまでの積み重ねと想い。

心で分かってはいても、

抑えられない衝動とエゴ。

 

しかし、

その爆発力とエネルギーは

敵も想定していない。

アドリブで戦略を練り直せば

逆転は充分に望める。

 

「どないすんねんぺこら先輩っ!

見た事ない顔しとるで

ばんちょー!」

 

「分かってらぁヴィヴィ。

けどな、今はアイツの

やりたいように

させるしかねぇぺこ。」

「…………。」

 

かつてのダンス友達は、

遂に対峙する事となった。

 

「来夏ぁあああああっ!!」

「へー。噂には聞いてたけど、

本当にサッカー始めたんだね

はじめちゃん。」

 

「今度こそ、お前と同じ土俵で

勝ってやりゃ……!」

 

スッ。 ザッ、ザザッ。シュッ。

ザンッ。タッ。

 

なんて激しいボール争奪戦だ。

無駄のないボールタッチで

翻弄しつつ、身体のしなやかさを

極限まで活かし……

あのはじめちゃんを

出し抜いてやがる。

 

……が。

はじめちゃんもはじめちゃんで

流石ぺこだな。

相手にパスの隙を見せない

喰らいつきプレー。

 

互いの理解度と実力が

拮抗してるからこその激戦。

 

0・5秒でも気を抜いたら、

あっという間に

この合戦はケリがつく。

 

「やるじゃんはじめちゃん。

こんなに苦戦するの、

私初めてだよ♪」

「こちとりゃ、勝つ為にゃ

特訓してきてゃんでゃよぉっ!!」

 

ドンッ!

 

ボールが両者の蹴りに挟まれる。

持久戦ではなく、

強引なパワープレイに持ち込んだか。

 

どうやら、ただの

お気持ちプレーじゃないようだ。

 

(……良いぞ、はじめちゃん。

相手の意表を上手くつけてる。)

 

「へぇ。今度は力比べ?

面白いね。見せてごらん、

はじめちゃんのパワー。」

 

「うぉおおおおおっ!!」

 

鬼気迫る顔でありったけの

パワーを彼女はぶつける。

 

あっさり押せると思ったが、

相手も相手で鍛えてるようだ。

 

(力勝負もほぼ互角か。)

 

となると。

……長引いちまうぺこだな。

 

前半のタイムが多少削れるのは

まだ許容できる。

けれど今回ばかりは

話が別だ。

 

同じ場に留まるプレーは、

悪手そのもの。

サイクロンスタジアムの

いい餌食になっちまう。

 

「はじめちゃん、嫌な予感がする!

いい加減下がるぺ……」

 

ヒュゥウウウウッ!

 

くっ、遅かったか。

 

『出たぁーーッ!

サイクロンスタジアム名物、

突発cyclone!!

忍原と轟の競り合いに

割り込む非情なる厄災!

That's so creepy!!』

 

「ぐわぁああああっ!?」

 

相手の方が一枚上手だったな。

直撃寸前に身体の支軸を

後方に倒し、

アクロバティックに退避しやがった。

 

対して、お気持ちプレーに

夢中になってた

はじめちゃんは退避が

遅れて直撃。

 

持ち前のバランス感覚で

受け身を取れたのは

ナイスだけれど、

大ダメージを負ったのは

間違いねェ。

 

「……ぺこら先輩っ。

はじめは、まだやりぇみゃす。」

 

バシッ。

 

軽く肩にチョップをし、

戒めてやる。

 

「なっ、なにゅを……」

「しらばっくれても無駄ぺこ。」

「うっ……でもっ。」

 

頭に血が昇って

自分の抱えてるダメージに

鈍くなってるな。

 

ここはキャプテンらしく、

ビシッと言ってやるか。

 

「まだまだ試合の時間は

たんまりある。

最後の最後に押し切れるパワーを

溜めておけ。いいぺこな?」

 

「……分かりゅみゃした。」

 

よし、ひとまず

はじめちゃんの

クールダウンには成功。

 

それに。

思わぬ収穫もあったぺこだな。

体力面に於いて。

相手の方も……上手く

道連れにしやがった。

 

「ハァ……はぁ。

はじめちゃんの成長っぷり、

凄いなぁ……。」

 

「忍原テメー、つまらん私情に

付き合って何のつもりだ。

体力大分持ってかれてる

じゃあねェか。」

「どーでもいいでしょ桜咲。

試合はこっからなんだから……!」

 

「へっ、大した威勢だな。

しゃあねぇなァ、

尻拭いは俺らに任せとけ。

その代わり、しっかり充電しろよ。」

「オーケー!」

 

『ボールは荒れ狂うサイクロンに

呑み込まれ、

明後日の方向へ飛んで行くゥ!

一体これは、どちらのチームに

渡るのでしょうかッ……!?

白上、ハラハラ

ドキドキでございます!』

 

ヒュルルルルゥ。  シュポォンッ!!

 

全く、ツキがねェぺこだな。

相手側のコートにボールが

飛んじゃあ

奪いようがない。

 

シュタッ。

 

「ナイストラップだ黒原。

このラッキーチャンス、

無駄にすんじゃねェぞ。」

 

「当然ですよ桜咲様。

それに、

本当に面白いショーは……

ここからです。」

 

桜咲に返事を返す

おかっぱ男は、口角を上げ

舌舐めずりをする。

 

「フッ、相変わらずの

ジョーカーっぷりだな。

そんで、今日は

どのカードを切る気だ?」

 

「この戦局にて

最も有効なカードは、

今しがた決まりました。

後は、『ご主人様』の

意向次第です。」

 

「——だそうだ。雲明。

どうするよ。」

 

桜咲にそう問われた雲明は、

グッドサインを返し

承諾の意思を示した。

 

「ご主人様の指示ならば、

遠慮は要りませんね。

さぁ、始めましょう。」

 

ブヴゥウンッ!

 

「「「「——!?!?」」」」

 

「嘘ぺこでしょ……

そんなのって、ないペコじゃん。」

 

「ぺこら先輩……

はじめ、幻覚でもみゅてゃるの

かにゃあ。来夏たんが、

〝2人居る〟ようにみゅえるにょ。」

 

なんの冗談だ。

暑さでやられてるとはいえ、

そんな馬鹿げた蜃気楼を

見る訳がねェぺこ。

 

……だが、

ぺこーらとはじめちゃん。

それに、チームの面々の

リアクションからして、

全員同じ異変を

目にしてるのは間違いない。

 

となると。

……相手の能力か。

こりゃあ、厄介極まりねぇぞ。

 

「やっほーはじめちゃん!

残念だったね♪

実はね。私って2人居るんだ!」

 

「ふざけるにゃああっ!

どうせタダの見掛け倒しに

決まってりゅ……!」

 

「へー。見掛け倒しかぁ〜。

酷いなぁ、はじめちゃん。

私、ショックだよ。」

 

「ふざけんにゃあっ!

その顔その声で、

来夏たんを

騙るなぁあああっ!!」

 

スッ。

 

あの躱し方。

認めたくねぇペコだが、

コピー先と全く同じだ。

 

見せ掛けの

ハリボテなんかじゃねェ。

 

「——じゃあさ。

本当に見掛け倒しかどうか、

しっかり

目に焼き付けときなよ!」

 

ダッ。

 

『出たぁーッ!

黒原の〝イリュージョン〟

容姿、声、プレースタイルまで

完全にコピーする脅威の大変身!

まさしく

相手を錯乱させる

〝コート上のペテン師〟っ!

帆呂雷中の面々も

驚きを隠せません……!!』

 

ダダダダッ。

 

「どーお桜咲ぃ♪

私イケてる?」

「ったくよォ、オメーはホント……

敵に回したくねェな。」

 

速いっ。

なんつーコンビネーションだ。

 

ウチらのMFとDFが

あっさり抜き去られるとは。

 

剛と柔のバランスが

綺麗に噛み合って、

ボールを奪える隙が

全然見えない。

 

「よーし。もうゴール直前だし、

そろそろ撃っちゃう?

ウチらのオーバーライド技。」

 

「あぁ。」

 

ヒュォオオオ……

 

1人が地面でブレイクダンスして

竜巻を発生させる。

ボールはその渦に呑まれ急上昇。

 

それを追うようにして

もう1人が跳び上がり、

更なるパワーをボールに叩き込み

撃ち出した。

 

「「——〝春雷〟ッ!!」」

 

ドジャァアアンッ!

 

撃ち下ろされたボールは、

激しい砂塵を巻き上げる。

 

「何も、見えんばい。」

 

「アカンでぺこら先輩、

何も見えへん!

このままじゃシュートが……!」

 

「分かってらぁ! 勿論、

それも織り込み済みぺこ。

修行の成果を見せてやれ、

ねねちぃ!!」

 

「ねね殿、この状況……

思い出すでござるよな。

あの修行を。」

 

「——〝ブラックジャックナイフ〟!」

 

「「!?!?」」

 

ドォォンッ!   パシュンッ。

 

『ゴォーーーールっ!』

 

砂塵が晴れた時。

帆呂雷中側のゴールネットに

ボールは転がっていなかった。

 

否———。

ボールが捉えたゴールネットは。

 

「どういう事っちゃん。

今のは、絶対に失点したと

思うとったばい……」

「奇遇だね。

ラミィも同感だったけど、

ねねの顔を見るに……

やってくれたみたいだよ。」

 

修行の成果、上々じゃねぇかよ。

ねねち。

 

「おいおい。こんなちゃっちい

目眩し程度で得点を

確信しちゃあいけねぇなァ。

——いけねぇよ。」

 

「対策済みって訳か。

強ェな、帆呂雷中……!」

「えー。アレを返すとか

聞いてないんだけどー!」

 

「どーん!」

 

『it's amazing!!

窮地からまさかの

ドンデン返しッ!

不意のカウンターシュートを

炸裂させ先制点を決めたのは、

帆呂雷中だァァァ!!』

 

「「「「ォォオオオオオ!!!」」」」

 

 





【後書き】

どうも、たかしクランベリーです。
ノリとライブ感で、
黒原玲文(イナイレV産キャラ)に
謎強化入れました。この男、
スカウト産にしては
結構面白い子なんですよ。

という訳で。
最近は、テニヌアニメに
どハマり中です。
よろしくお願いします。
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