ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜 作:たかしクランベリー
――3年前。
「「「ォォオオオオオ!!」」」
会場はアツい歓声に包まれていた。
『チーム・ヴァルハララビット。
今年度も奇想天外な策略が功を奏し、
総合eスポーツジュニア大会の
優勝をモノにしましたァ!!』
2年連続での優勝トロフィー獲得。
ぺこらがトロフィーを掲げると、
チームの連中もやりきった笑みを
浮かべ、肩を組んで騒ぎ始める。
湧き上がる観客の声に、
拍手喝采の音。華々しいBGM。
心も、喜びも……全てが満たされていた。
でも、そんな栄光の日々は
突如として消え去る。
己の過ち、そして甘い誘惑の仕業で。
それから3日が経ったある日。
いつものように
コーチのゲームハウスで
PCゲーム練習に勤しんでた時だった。
ポチ……ポチ。
「よォ、兎田。
今日も気合い入ってんなぁ。」
背後からかけてくる声に、
ゲーミングチェアを回して向きを合わせる。
「あっ、川口コーチ。
……今日もお疲れ様です。」
「良いって良いって。
君の頑張りのおかげで、
我がチームは大躍進を遂げ
多くのスポンサーから脚光を浴びた。
感謝しても感謝しきれないよ。」
「そ、それほどでも……ないぺこ。」
急に褒められると変に照れ臭くなる。
やっぱ慣れないな。こういうの。
「ところで兎田。」
「はい?」
「半年後にももう一つ。
あの大会より、やや規模が小さい
eスポーツジュニア大会があるのは
覚えているな?」
「勿論、覚えています。」
「それなんだが、
どうも例年と異なり
優勝の難易度が極めて高い……
という情報を掴んでいる。」
「――!?
マジぺこか! 燃えるなぁ!」
そんなぺこらの盛り上がりとは反対に、
コーチの表情からは陰りが見えていた。
ぺこらの成長と
実力を最も見てきた彼がだ。
チームに入りたて以来。
全くといっていい程
感じた事のない
重苦しい空気感に、緊張が走る。
「…………。」
「……コーチ?」
「次の大会は、日本人だけでなく。
海外で名を馳せた
天才ジュニアゲーマーが
多くエントリーしている。
当然、実力は未知数……
この意味が分かるな。」
「はい。」
「これまでとはまるで次元の違う……
酷く険しい激戦になるのは必須だ。
しかし勝ち星を上げれば、
『キャプテン兎田』の異名を
世界に知らしめる絶好の機会だ。
そして、
我がチーム『ヴァルハララビット』
の存在もな。」
「……はい。」
そうか。
そりゃ心配されても仕方がない。
日本規模でイキってたぺこらが、
いきなりそんなグローバル規模の
大決戦に立たされるんだ。
「だが幸いな事に、
知人の協力で彼ら海外ジュニアの
プレイデータを元に
シュミレーターAIを生成できた。
それを相手に予習していこう。」
「え、それってズルなんじゃ……」
「ズルではない。
その理屈で言うと、
SNSで模写やAIイラストを
アップロードしてる
人間も『悪者扱い』する事になるぞ。」
「…………。」
「資料を参考にして
レポートを提出する大学生は
果たして〝悪〟なのか?
エビデンスの無いレポートなど、
タダの妄想紙切れじゃあないか。」
「うっ……」
「残された時間はそう長く無い。
頼むぞ。」
「………………はい。」
そこからだろうか。
あたいの良識の歯車が軋んで、
ゆっくりと歪んでいったのは。
シュミレーターAIとの
予習訓練を始めて1ヶ月。
ぺこらは何の成果も得られなかった。
こんな体験は初めてだ。
必死こいてやってんのに、
勝てるビジョンが一切見えない。
あんだけ楽しかった
PCゲームが、いつの間にか
地獄のように感じてしまっていた。
ポチ……ポチポチ。
『You lose』
「くそっ、くそっ、くっそぉお!
何でッ……
何で勝てねェぺこなんだよォ!」
「……兎田くん。もう1ヶ月も
経っている。まさか、
一勝も出来ていないのか。」
「その通りです。川口コーチ。」
彼は深く息を吐き、声を出す。
失望の溜息を
漏らしたようにも聞こえた。
「そうか……それは非常に不味いな。
兎田くん。君が勝てなければ、
私だけでなく、チームみんなの
期待を裏切る事になる。
親御さんがくれたこの莫大な
特訓時間も、全てが無駄になる。
――〝全てを裏切る〟。
それが、どれほど最低な行為か
分かっているかね。」
コーチの言う通りだ。
チームのみんなは
勝つために特訓を頑張ってる。
両親はいっぱい特訓の時間をくれた。
なのにあたいは、何をやっているんだ。
勝てないシュミレーターに言い訳して
怒鳴って……勝手に諦めようとして……。
(でも、どうすれば…………)
「…………。」
「いつまでも俯いていたって、
状況が変わる訳じゃあない。
――そこでだ。
私に一つ、提案がある。」
「提案?」
「サポーターパッチを使ってみないか。」
サポーターパッチ?
それって、外付けの
システムサポーターだっけ。
いや待てよ。そもそもあれは……
「待ってください川口コーチ。
それってはっきり言って
〝改造チート〟ぺこなんじゃ……」
「ああ。チートだ。
しかし、大会当日に
使わなければ何も問題はない。
一回手段を問わず勝ってみて
敵の動きを冷静に観察してみるんだ。
さすれば、サポーターがなくとも
太刀打ちできる手立てが浮かぶだろう。」
まさか。
コーチはそこまで見据えて
この一ヶ月、準備を整えてくれたのか。
なんて優しいんだ。
「分かりました。
一回やってみようと思います。」
「その意気だ。ではまず、
サポーターの入手からだな。」
「………………。」
「私の知人に『闇商人ミミーチン』
という男がいる。
彼は神出鬼没であるが……
今回幸いな事に
コンタクトが取れた。
勿論、支払いは済ませてある。
明日の19:00、
私の指定した場所で彼と合流し
サポーターを受け取ってくれ。」
「ありがとうございます……!!」
その時にでも気がつくべきだった。
この言葉が天使の囁きではなく、
悪魔の呟きであることを。
サポーターを付けてからというもの、
今まで味わってた特訓の苦しさが
嘘のように消えた。
簡単に勝てるようになった。
敵の撃破速度も次第に速くなっていき、
上達が実感できる。
恣意的に造られた偽物の喜びで、
妥協できる自分が居た。
そうして迎えた大会当日。
サポーター無しで勝ち越し、
優勝まで漕ぎ着けた。
でもプレイ中、
妙な違和感を感じてはいた。
まるでサポーターを付けているかの
ように快適に動けた。
きっと無意識の内に上達したんだと。
自分を誤魔化すように
心のノイズをシャットアウトしていた。
でも……嫌な予感は的中した。
全部―――〝偽物〟の勝ちだった。
『さぁ、今宵も素晴らしい
快進撃を続けたチーム
ヴァルハララビット。
遂にッ……遂にこの大会の優勝を
飾るチームが決定いたし……
―――おおっと、ここで緊急速報です!』
「――!?」
いや……何かの間違いに決まってるぺこ。
焦る必要は全然……
『なんとなんとぉ、チーム
ヴァルハララビットの
操作PC1台から改造パッチが
検出されたとの事です!
その席に座していたのはなんと、
エースとしてチームを引っ張っていた
キャプテン……兎田選手ですッ!!』
「え……?」
背筋が凍る。
(嘘ぺこでしょ……
大会当日には使わないって、
コーチは確かに言っていた。)
どうしてだよ。
どうしてぺこだよ川口コーチ。
動揺で心が凍りつくぺこらを
置いて、コーチはマイクを持ち歩き。
観客の注目が集まる場所で
大きく頭を下げていた。
「この度は、
誠に申し訳ございませんでしたァ!!
無礼な選手に代わって
私に謝罪させて下さい!」
おい。勝手に話を進めるなよ。
早く、あの男からマイクを
奪って。奪って。奪って。
あ、ダメだ。
足がすくんで口も身体も
思うように動かない。
全部終わりだ。
「以後、このような事態を起こさぬよう
我々は精進し、細心の注意を払います。
ですから!
この場は『兎田ぺこら』選手の
〝謹慎処分〟という形で収めるよう
お願いします……!」
あの日、数百はある
冷たい非難の目に囲まれた覚えている。
クレームの言葉が響かずとも、
突き刺さる無数の黒い視線は
全てを物語っていた。
文字通り、翌日からぺこらは
謹慎処分という名の
eスポーツ界永久追放を受けた。
この不祥事は瞬く間にネットへ
広がり、ぺこらの通う学校にも波及。
キャプテン兎田と持て囃していた
クラスメートらは
みんな掌を返したように悪態をつき、
距離を取るようになっていた。
オマケに、
『バッドマナー兎田』という
とんでもねェ悪名まで貼られ……
終いには孤立してしまった。
まぁ、実際卑怯者だから
そう呼ばれるのも妥当か。
そうした冷え切った日々の中。
病んじまったのか、
帰路の河川敷で座り込み。
夕景を何も考えずに
小一時間眺めるのが日課になっていた。
どんなに気持ちが冷たくても、
この風景と夕陽はあたいを
温めてくれてる気がしたからだ。
そんな空虚な日々を3日くらい
続けた日だろうか。
転機が来た。
ヒューン、ゴツンッ!!
「――痛ってェええええっ!」
顔面にサッカーボールが
クリーンヒットした。
サッカーボールを拾い、無礼な奴を
探そうと辺りを見回す。
すると、申し訳なさそうに
駆け寄ってくる赤髪の少年がいた。
「すみませーん。そのボール、
オレに返してくれませんかー。」
「テメェかコラぁっ!
おいっ、謝れやー。」
「ちっ……反省してまーす★
めんごめんご〜。」
「反省してねェだろテメェ!」
「おっ、
石像の姉ちゃんの顔が変わった!」
「誰が石像の姉ちゃんだコラぁ!
……て、え? 石像。
どういうことぺこだよ。」
「あ……はは。
いやさ。オレたちここの河川敷で
よくサッカーするんだけどさ、
姉ちゃんが石像みたいに
全然動かないから
みんなでそう呼ぶ事にしたんだよね。」
「へー。そうか。
それはそれとして謝れ。」
「ごめんなさい。」
「…………よし、許してやろう。」
「で、姉ちゃんはどうして
こんな所で石像ごっこしてんの?」
「石像ごっこなんかしてねぇわ!」
「じゃあ、何をされてる方なの。」
何をしてる……か。
ホント、
自分でも何をしてるんだろうな。
細かい事情を一々説明した所で
コイツにとっちゃ
わけわからん話だろうし、
簡潔に伝えた方がいいよな。
「暇してた。」
「へー、暇かぁ。姉ちゃん、暇なんだね。」
「そうだよ。」
「勉強はしないの?」
「それはアンタらも同罪な。
あと勉強煽りやめてね。
そもそも、今のメンタルじゃ
やる気も起きねーっての。」
「めっちゃ分かる!」
「変な所共感すんじゃねぇぺこ。
ほら、しっしっ!」
退散するように手で払って促すが、
少年は退く気配を見せない。
「……なんだよ。」
「姉ちゃんさ、
オレらとサッカーやらない?
ここで暇してるよりは絶対楽しいぞ。」
「余計なお世話だ。
それにアンタら、あたいより年下だろ。
体格差的に弱い者いじめに
なっちまうぺこだよ。」
「へぇ、じゃあサッカーで
オレらをいじめてみてよ。
オレらからボールを奪えなかったら
姉ちゃんの負けな!」
こんのガキんちょ。
言わせとけば調子に乗りやがって。
「ああ分かったよ参加してやんよ!
泣きべそかいても知らねぇからな!」
「良いね良いねその調子ぃ♪
オレは赤倉・陽介。
姉ちゃんの名前は?」
「――『兎田ぺこら』。
テメェらをぶっ潰す魔王の名だ。
よく覚えておけ。」
謎のサッカーバトルが決定し、
赤倉少年に持ち場へと案内される。
河川敷を進むと、簡易的な
サッカーグラウンドが姿を現した。
「おーいお前らぁー。
今日は特別ゲストで、
石像の姉ちゃん連れてきたぞーー!」
「「「ぇええええっ!?!?」」」
どんだけ動かねぇと思われてんだよ
ぺこらは。
別の意味で失礼すぎるだろ。
「おいおい陽介、
なんで連れてきたんだよ。」
「まぁ、サッカーって人数多い方が
面白くね? 的な。
ほら、悪い人じゃなさそうだし。
なんか暇人みたいだし……
ま、そんな感じ!!」
「「「確かに!」」」
どこに納得する要素あったよ。
「で、具体的にはどう遊ぶんだ?」
「んー、そうだなぁ。
オレが兎田の姉ちゃんとタイマンで
フォーカスするから、お前らは
オレと姉ちゃんの勇姿を見てくれ!」
「了解だ。しっかり防げよ陽介。」
「分かってるって!」
ヒュゥゥウウ。
そよ風が河川敷に吹き抜ける。
いや、マジでタイマン張るのかよ。
度胸あるなぁこのガキ。
「オレはここでボールを守備するから、
事前に言った通り
ボールを奪えなかったら
姉ちゃんの負けな!」
「おうよ!」
良い機会だ。ぺこらがどんなに
卑怯な奴かってのを、
ガキんちょ共の身体を以てして
体験して貰おう。
そうすりゃ、こんな球蹴り遊びに
誘われることもなくなる。
体当たりだ。
ワザとファウルでボールを奪って
好感度を削ぎ落とす。
これが1番手っ取り早い。
「行くぞ赤倉ぁ!」
「かかってこい……!」
ダッ。ダダダダ。
座ってPCゲームばかりしてた身体を
無理矢理全力で走らせる。
インドア過ぎて想定してたほどの
スピードは出なかったが……
(この体格差とスピードなら
充分決まる!)
バンッ、ドタタッ。
おっしゃ、
タックル&ボールドロップ成功。
ふっ、所詮は
ガキの強がりだったぺこだな。
ピピーッ!
一連の動きを見てた仲間の1人が
笛を鳴らす。
予想通り、ファウルの笛か。
これで幻滅したに違いない。
「勝者、石像お姉ちゃん!
陽介っち、負けーー!」
「え? あ、え?」
「っ痛ててぇ……
やるなぁ兎田の姉ちゃん。
ナイスプレーだったよ。」
土埃を払いながら、赤倉くんは
立ち上がり野次馬フレンズに
声をかけた。
「みんなぁー、見たか!?
今のキレッキレな
『ショルダーチャージ』!
ほらな!? オレの面白くなるって
予感は的中したぜ!!」
「「「うん!!」」」
※ショルダーチャージ・・・
・・・肩で体当たりを喰らわせ、
力技でボールを奪い取る。
肩以外の部位で仕掛けた
恣意的な衝突や、プレー範囲外の
タックルである場合は
ファウル判定になる。
(なんか分からんけど、
無意識にサッカーの
体技を使ってたって事?)
後で調べる必要がありそうぺこだな。
「兎田の姉ちゃん。
今日はありがとなっ!
また明日、みんなでサッカーしようぜ!」
「お……おう。
ぺこらでよければ……」
「決まりな!
みんなも良いよな!?」
「「「うん!!」」」
サッカー、兄貴が元々部活でやってて。
たまに話してくるし、
テレビでも見る機会があるから
その存在は知っていた。
されど。実戦は初めてだった。
ただ一回、
ガキからボールを取っただけ。
サッカーのほんの1ミリしか
触れていないのに、心が躍った。
PCゲームに初めて触れた時の
ワクワクと熱が、
一瞬胸の内に溢れ出した。
ずっと忘れていたアツさ。
一縷の希望が……
光が見える気がした。
(サッカーなら、行けるかな。)
その晩、絶望して空っぽだった
頭の中はサッカーで
いっぱいになっていた。
夕飯食べて、デンタルケアして
お風呂上がって。
毎晩のルーティンに則り
グダグダと自室へ歩き始める筈の
足は、兄貴の部屋へと動いていた。
否。
言葉に表せない衝動が
ぺこらを動かしていた。
あのガキ共を見返してやりたいと
思ってた節もある。
そんなお気持ちもあり、
何日振りか。
兄貴の部屋のドアを自力で開ける。
バンッ。
「おい兄貴ッ!」
「――!?」
兄貴は目を丸くしてぺこらを見る。
「ど、どうしたんだよぺこら。
あれ……なんだか今日活きがいいな。
どしたん? イケメンに告られたか。」
「違ぇよッ!
なんで相変わらず鈍感ぺこなんだ!」
「……じゃあなんだよ。」
「アンタさ、元サッカー部なんだろ?」
「おう。ってまさかぺこらお前……」
「そのまさかだよ。
あたい、見返したい奴らが居るんだ。
だからアンタの知ってる
サッカー全てを教えろ。
いっそ叩き込んでくれ!!」
「………………。」
兄貴は少し俯き、
いつになく真剣な目で
此方を見つめ返した。
「PCゲームは、もういいのか?」
そうだよな。
いきなりあんな不祥事を働かした
妹がこう言ったら。
錯乱したように
見えてしまうのも無理はない。
「ああ。心の整理は一応ついた。
他にやりたい事が見つかったんだ。
だから兄貴、頼む……!」
ポンッ。
兄貴の手が、ぺこらの頭に乗る。
ついでに撫でられた。
ちくしょう。なんで
まだ子供扱いされにゃいかんのだ。
「久しぶりだな。お前が俺に頼るの。
兄として、
こんなに嬉しい事はないぜ。」
「べ、別にいいぺこだろ……。」
「サッカーの特訓、
めっちゃキツいけど頑張れよ。
まっ、負けず嫌いの
お前なら問題ねェか。」
「へっ、兄貴の方こそ
先に弱音吐くなよ!」
*
「……それでさ。ぺこらは
サッカーを本格的に
兄貴と猛特訓始めたんだよね。」
「ほーん。」
「サッカーをやってる時だけは、
ボールの事でいっぱいいっぱいでさ。
惨めな自分を忘れる事が出来た。」
「…………。」
「みるみる上達してって。
気がつけばガキんちょ共よりも
上手くなって。尊敬の眼差しを
向けられるようになった。」
「無理やり姉御呼びさせてた
訳やないんなやな。」
「失言やめてね。」
「そーして今のぺこら先輩が
生まれったって訳。って事やんな。」
「……ああ。これで分かったろ。
テッペン獲るなら、ぺこらと
居るべきじゃあないって。」
ポフッ。
ヴィヴィは優しく微笑んで、
再度ぺこらの真隣に座り込んだ。
「よー分かったわ。ぺこら先輩が
サッカー好きだってこと。
なぁ? もっぺん『キャプテン兎田』
やってみーひん?」
「今までの話聞いてたかテメェ!?
あたいはもう
キャプテン兎田なんかじゃあないッ!
バッドマナー兎田なんだよ!」
「………………。」
「分かってるぺこだろ。
一緒に同じ道歩んだって、
結局ぺこらはズルをする。
そしてアンタやチームの
期待を裏切り、顔に泥を塗る。
それでもいいのかよ……。」
「そりゃあ、よくない事やね。」
「だったら――」
トンッ。
立ち去るように言おうとしたその時、
ヴィヴィはぺこらの手に
自分の手を乗せてきた。
「そんで、ヴィヴィが
バッドマナーを見過ごすほど
甘ちゃん思うとんのか自分。」
「…………。」
「ぺこら先輩に
卑怯な手なんてさせへん。
それにさ、ヴィヴィ分かるんや。
ぺこら先輩はサッカーに嘘つかない。
なんせ、
しっかり反省しとるからな!」
「ふっ、
アンタにゃそう見えてんのかよ。」
「もちのロンや!」
信じて賭けてみるか。
その情熱と信頼に応えて。
「分かったよ。ヴィヴィちゃん、
改めてよろしくな。」
「――おっしゃあああああああ!!」
【後書き】
どうも、たかしクランベリーです。
まずは祝! イナイレVアレスルート解放。
この時を密かに待っておりました。
イナイレのGO3とアレオリシリーズは
まだ未履修なので
じっくり楽しもうと思います。
よろしくお願いします。