ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜   作:たかしクランベリー   

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30話・急襲

 

『さぁ〜、いよいよ本大会も

残るはABブロックの

準決勝と決勝戦のみッ!

一体どのチームが

決勝に行くのでしょうか……!?』

 

「「「「ォォオオオオオ!!」」」」

 

『本日はBブロック準決勝、

帆呂雷中vs栄都学園で

ございますぞォ……!!』

 

〜SIDE『兎田ぺこら』〜

 

妙だな。栄都学園が

ここ数年で準決勝に

勝ち上がったデータは

無いぺこ。

 

……となると。

奴ら、ようやくお出ましか。

 

相手側の入場口から、

見覚えのある面々が

サッカーコートに歩んでくる。

 

「お久ぁ〜♪ まぁまぁ皆さん、

そうピリピリしないでくださいよぉ。

ようやく迎えた私たちの

華々しい再会なんですから。

ここは一同、

感動で涙ぐむ場面でしょう?」

 

「大層な戯言言うペこじゃねェか。

ベータさんよォっ!!」

「ふふっ。その威勢……

どこまで続くか見物ですね♪」

 

 

[ミミーチン・ドメイン]

 

監督-ホーリィ・ネモーソン

 

FW-ベータ、おかにゃん、

荒らし国万歳、

MF-湯月さくな、雨垣るるか

海月羽もあ、ユーヴァリA

 

DF-128番坑道、

マリア=二ウズ、ナギーギさま

 

GK-ハトタウロス

 

 

[帆呂雷中サッカー部]

 

監督-花園さやか

マネージャー陣-AZKi、博衣

 

FW-風真、兎田、轟

MF-ヴィヴィ、木曽路、雪花、

 

DF-輪堂、一条、桃鈴、ニコたん

GK-JFT

 

『今ッ、キックオフです!!』

 

ピピーッ!

 

「さて、見せてもらいましょうか♪

あなた達がどのような成長を

遂げたのか。」

 

『栄都学園のキックオフで

試合開始ッ!

ベータ、軽快なドリブルで

切り込んで行きますぞォ……!』

 

「ここで会ったが百年目や!

ウチらの成長、

とことん味わって貰うで……!」

 

「ヴィヴィてめっ、

闇雲に突っ込んだら

相手の思う壺っ…………」

 

ダッ。

 

初戦を経験したとはいえ、

相手の実力は未知数。

下手に作戦も練れない状況で

攻めたら、無駄に体力を

消耗するだけだ。

 

「痛ーーいっ❤︎」

 

ポフッ。

 

「——!?」

 

思いの外、あっさりとベータは

尻餅をついた。

 

「へっ、どないやぺこら先輩っ!

ヴィヴィだって

やれば出来る子なんやで……!!」

 

「ホント……

見事な成長ぶりですね♪」

 

ベータは余裕綽々な顔付きと

声色で呟いた。

こりゃあ、あの初戦の時と同じだ。

 

成長を讃えるフリをして、

敵はじっくりと実力を

測るつもりなんだ。

今のぺこーら達が、全力を尽くすに

値する脅威かどうかを。

 

「おーし、このままガンガン

攻め込んだるで!」

 

ドッサァァアアア!

 

「なんやっ!?」

 

前回は

突発サイクロンで場を乱す

ギミックスタジアムだったが……

今回も例に漏れず、

厄介なギミックが

潜んでたぺこだな。

 

床が砂場な時点で充分怪しかった。

 

『出たぁああッ!

デザートスタジアムの

妨害ギミック、〝流砂〟ァ!

不規則に発生し、選手らの

行く手を阻んでくぞォ!!』

 

「まーた

変なギミックかいな!?

ええ加減にせぇやホンマ!」

 

茹だるような直射日光に、

熱気を含んだ砂地。

タダでさえスタミナを

消費しやすいのに、

前後の動きも制限されるのかよ。

 

「ヴィヴィたんっ!

どうこう言っちゃってゃ

しょうがにゃい!!

はじめに譲ってくりゃ……!」

 

「わーかったよ!」

 

前線に進んだのを

無駄にしない為、

ヴィヴィはすぐに

番長へパスを回した。

 

パッ。

 

『おおっとォ!

帆呂雷中、序盤から怒涛の

攻め上がりだァ!

栄都学園追いつけず、

このまま失点を許して

しまうのでしょうかッ……!?』

 

「はじめだってゃ、

日々進化してんでゃにょおッ!」

 

ピュイーーッ。

 

口笛の音がいつもと違う。

それどころか、

現れるペンギンまで……

 

はじめちゃん。更なる強敵に

備え、身につけて来たか。

自分だけの新技を。

 

「——〝ググガーガペンギン〟」

 

「ミームじゃねェかァァアアア!!

もう古ぃんだよ。半年前に

ネタの旬過ぎてるぺこなんだよォ!」

 

パシュンッ!

 

『ゴーーーールッ!

轟、強力な新技でキーパーを

貫き得点しましたぞォ……!!』

 

「イケるでぺこら先輩っ!

ウチらの成長がしっかりと

身ぃ結んどるで!!」

 

「んーや。それはどうぺこかな

ヴィヴィちゃん。

どうもきな臭くて

しょうがねぇぺこ。」

 

初戦の時と同じだ。

じっくりと様子見してやがる。

おそらく。

油断を誘いつつ、

1番ベストなタイミングで

奴ら……一気に仕掛ける気だ。

 

「……せやけど、ウチらの

やることは変わらへん。

みんなで点を決めて勝つ。

せやろ? ぺこら先輩っ♪」

 

「ああ……だがヴィヴィちゃん。

そう簡単に手の内を明かすなよ。

なるべく、勝ち筋を

増やしたいぺこだしな。」

 

「わーかったよ。

んじゃ、程々にかましたろや!」

 

そうだ。

ヴィヴィちゃんの言う通り、

警戒に注力し過ぎた所で

状況が好転する訳じゃ無い。

 

結局は、

多く得点を取ったモン勝ち。

だったら今やれんのは、

あたいらなりのサッカーのみぺこ。

 

「おうっ!」

 

ピーーーッ!

 

試合再開のホイッスルが

会場に鳴り響く。

 

「——〝白兎ダッシュート〟」

 

「——〝オーバーヘッドペンギン〟」

 

『帆呂雷中、絶好調だァアア!

流れるような

チームワークで圧倒ッ!

立て続けに2得点を

決めこみましたぞォ……!!』

 

圧倒だと……

んな訳ねぇぺこだろ。

 

もう、こんな茶番も

終わりにしてくる頃合いだ。

こうやって軌道に

乗って来たときに限って、

真の絶望を見せてやるのが

趣味だからな……連中は。

 

「くるっぽぉおおおおっ!!」

 

「「「「!?!?」」」」

 

キーパーを務めてた

鳩の怪物が、耳を裂くような

雄叫びを上げる。

 

「あーあ❤︎

彼、もうあなた達を許せなく

なっちゃいましたぁ〜♪

悲しいですけどぉ〜……

忖度ゲームはここまでですねっ★」

 

成る程、彼の堪忍袋が

切れるのを待ってた訳か。

差し詰め……怒りの狼煙と

言ったところぺこだな。

 

指示とはいえ。

3点も失点すりゃあ、

キーパーとしての

プライドはズタズタ。

 

あの憤慨にも納得がいく。

 

「ベータさんよぉ、

言ってくれるぺこじゃねェか。

丁度ウチらも、

ウォーミングアップには

飽き飽きしてたんだぜ。」

 

「威勢だけは一丁前ですね❤︎

それじゃ、あなた達の成長……

たっぷり見せてくださいね♪」

 

ピーーーッ!

 

『試合再開のホイッスルぅ!

荒らし国万歳がベータに

パス出しし、切り込んで……

おおっと、もう

立ち止まりましたぞ!?』

 

「何のつもりぺこか?

ベータ。」

 

ゴールはまだまだ

先にあるというのに、

彼女は不敵な笑みを浮かべ

ボールを踏み付けた。

 

「私ぃ、ロングシュートには

自信があるんですぅ♪

悔しかったらぁ〜……

止めてみてくださいね❤︎」

 

「そう調子に乗れんのも、

今の内ぺこだぜ!」

 

「はぁああっ!」

 

バシィンッ。

 

ベータが踵落としでボールを

分裂させ飛び上がる。

このシュートモーション……

見覚えがあるぞ。

 

「——〝シュートコマンド07〟」

 

ダブルショット。

 

出たな。なんか分裂して

合体しながら直進する

必殺シュート。

 

確かに良い威力とスピードだ。

 

以前のぺこーら達なら

反応も出来ずに

失点を許してただろう。

 

……だが。若者の成長ってのは

案外速いモン

なんだぜ悪党さんよ。

 

「ねねちぃ、やっちまいなァ!」

 

「任せてよぺこちゃんっ!

ふっ、丸わかりだねぇ

その軌道っ!

〝ブラックジャックナイフ〟!!」

 

残念ながら、

カウンター式ロングシュート

だってあるぺこなんだぜ。

ウチのチームは。

 

さぁ、こっからが真の宴だ。

威力もスピードも倍返しで

プレゼントしてやんよ。

 

ギュォオオオンッ!

 

「すっごぉおいっ❤︎

こんな技を

隠し持ってたんですね♪

見事な成長っぷりですけどぉ〜……」

 

「……クルッポォ。」

 

ガシッ。

 

『惜しいっ!

帆呂雷中渾身の

カウンターシュートは

あっさりとキャッチされて

しまいましたぞォ……!』

 

嘘ぺこでしょ……。

あの強力なカウンターシュートを

たかが片手で?

 

技も使わずにキャッチするだと。

 

あの筋肉の怪物、

どんだけパワーを持ってんだよ……。

 

「どうです兎田ぺこらさん?

これが実力の差です♪

彼の筋肉は全てを捩じ伏せる。

『技』なんて小細工は、

そもそも

彼に必要がないのです。」

 

「フィジカルの極地こそが

最大の防御ってか?

随分とデケェ驕りぺこじゃねぇの。

バニラカードは

どう足掻いたってスキル持ちの

カモって事覚えとけ。三流。」

 

「さーて。それはどうでしょう♪」

 

「くるぽぽぉ!」

 

『ハトタウロス、ナギーギに

ボールを

繋ぎ攻勢に出ましたぞ!?』

 

DFを守備範囲外まで

進行させてるって事は、

アイツ……リベロか。

 

あっちもあっちで、

隠し球を持ってたぺこみてぇだな。

唐傘を被ったあの女……

何を仕掛けてくる気だ。

 

「時に、銀髪の童よ。

ペンギンについてどう思う?」

 

彼女は淡々とした声色で

はじめちゃんに問いかけた。

 

「何のことにゃ……」

 

「ググガーガペンギンと云ったか?

あれを見るのは妾も初じゃ。

久々に愉快な気分になった。

褒めて遣わす。じゃが……」

 

「おみゃあ、さっきから何が

いいてゃい!?」

 

「足りんな。

妾の皇帝ペンギンは、

『108号』まである。」

「暇人かにょ!?」

 

スッ。  ササッ。

 

『ここで栄都学園、

一転攻勢。ナギーギが相手を

翻弄しどんどん

切り込んで行くゥ!』

 

やべっ。

もう相手のシュート圏内まで

侵攻を許しちまった。

 

しかし、108号まで

あるなんてのはビビらす為の

ハッタリぺこだろ。

 

寧ろ、ペンギン系の技は

はじめちゃんのおかげで

見慣れてるまである。

らでんちゃんだって止められる筈だ。

 

ピュイーーッ。

 

「——〝皇帝ペンギン1号〟」

 

おい待て。あの赤いペンギンは……

 

「らでんちゃん、

気をつけろぺこ!」

 

「絶対止めるば……

ぐわーーっ!!」

 

パシュンッ!

 

『ゴーーーールッ!

栄都学園の痛烈な復讐劇!

DF陣も介入できない

高速シュートで

点を叩き込みましたァ!!』

 

シュゥウウウッ。

 

「あの技……

ぺこら先輩、相手チーム。

本気でウチら潰す気やで。」

 

「はっ、最初からそのつもりで

戦ってんだよヴィヴィちゃん。

でもこれで相手のリベロも

機能停止して……」

 

「ふぅ。

先ずはこんなモンじゃな。」

 

「「——!?!?」」

 

何だアイツ。

皇帝ペンギン1号を打ったのに、

顔色一つ変えず

平然としてやがる。

 

「おい自分っ、

何平然としとんのや!

あの技打って

平気な訳ないやろがいッ!!」

 

そうだ。

リオナが腰をぶっ壊すレベルの

反動技をノーリスクで

放つなんてあり得ない。

 

ヴィヴィちゃんも

考えてる事は同じだよな。

 

「……下らん。小童の

思考範疇で妾を測るな。

1号の発動で崩れる程、

妾の身体は柔くない。

傷を負うとしたら其れは……

術者の肉体が未熟なだけじゃ。」

 

「ふざけんなや!

どうせパチモンやろそんな技。

ヴィヴィは認めへんで……!」

「ならば止めてみるとよい。

あと107つある

妾の奥義をな。」

 

 

[得点表]

帆呂雷中  /  栄都学園

3 <1st> 6

0 <2nd> 0

3   <total> 6

 

ピッ ピッ ピーッ!!

 

『こぉこで前半終了だァアア!

なんという力量差。

栄都学園の本気に帆呂雷は

蹂躙されてしまったァ!

果たして、

最後の粘りで試合を

覆せるのでしょうかッ!?』

 

「らでんは……

絶対……諦め……」

 

ドサッ。

 

倒れかけたらでんちゃんを、

りりかちゃんが

駆け寄って支えた。

 

「らでんちゃん……

らでんちゃぁあああああんっ!」

 

ぺこら達の実力不足は

痛いほど沁みた。

 

皇帝ペンギン1号。

24号、33・4号、44・5号。

66・6号、101号のゴールを

許してしまった。

 

その他のペンギンシリーズを

抑える為にみんなが

身体を張った結果。

悲惨な程に

ボロボロな身体となった。

 

特に、6点分シュートを

直に受けた

らでんちゃんの身体状況なんて

言うまでもない。

 

そんな中。

 

観客席で

怪しいローブの男が呟く。

 

「所詮はこの程度か。

つまらん余興だったな。

……残りは、見るまでもない。」

 

男がその場を去ろうと

足を進めたその時。

 

ジャラララララ、ガシッ。

 

「——!?」

 

男は、突如現れた電子の鎖に

拘束された。

 

「これは……」

 

「——補足完了です。マスター。」

 

タッ、、タッ。タッ。

 

動揺した男に歩み寄るのは、

エルドラドの総監督。

サカマキ・トグロウだった。

 

「よくやった『レイ・ルク』。

……やぁ『ミミーチン』。

私の可愛いエージェントが

世話になったねぇ。さて、

落とし前はつけさせて貰うよ。」

 

「どうやって私を嗅ぎ付けた?」

「異星人の協力者が

手を貸してくれてね。

思いの外早く事が運んだのさ。」

 

「そう言う事だ。

吾輩の田舎侍も世話になったぜ。

改造闇商人ヤロー。」

 

「フッ、してやられたよ。

私は予期せぬ敵を生んだようだ。」

 

「逃げれると思うなミミーチン。

最後まで試合を共に観戦し……

自供して貰おう。

ついでに、鬱陶しい

流砂のステージも廃止だ。」

 

「…………好きにしろ。」

 

『おおっと、ここで緊急速報。

帆呂雷中は控え選手と

スタメンを大幅に

交代するようです!』

 

[帆呂雷中サッカー部]

 

監督-花園さやか

マネージャー陣-AZKi、博衣

 

FW-風真、兎田、轟

MF-ヴィヴィ、木曽路、

アルファ、ガンマ

 

DF-輪堂、桃鈴、雪花、

GK-高嶺ルイ

 

「待ったかね、帆呂雷中諸君。

援軍だよ。説明は省くけど、

取り敢えずこの人たちは

信用して良い。

それと、コレを食べてくれ。」

 

いきなりチームに割り込んで来た

ルイちゃんが

ウチらに手渡したのは

謎の豆だった。

 

「これは何ぺこ?」

「SEN豆って言ってね。

食えば1時間だけマ●オの

スター状態みたいになれる。」

 

「それ副作用大丈夫ぺこなんか!?」

 

「そんなモン気にしてる

場合じゃないでしょう。

アナタ達には、最優先で

倒したい敵が居る。違うかい。」

 

「……だな。悪ぃ。

追い詰められて動揺してた。

みんなぁ!

後半で巻き上げて行くぺこよ!」

 

「「「「おーーー!!」」」」

 

カリッ。

 

SEN豆を食って、

前半のダメージを

さっぱり消し飛ばした。

 

(よし、気持ちを

切り替えていくぺこ。)

 

サッカーコートとで

持ち場に着こうとすると、

援軍の人たちが

何やらベータと会話していた。

 

「あらぁ♪ 私が心配で

来てくれたんですかぁ〜?

あまりにしつこいとぉ、

嫌われますよぉ?」

 

「相変わらずの減らず口ですね。」

「言わせておけアルファ。

どーせ僕より格下なんだから。」

 

「んだとコラぁ!!」

 

「おっ、ようやく本性見せたかい

ベータちゃん。それより……

いつまでその〝陳腐な首輪〟に

操られてるつもりだい。」

 

 

『さぁ、チームの大幅入れ替えを

実施した帆呂雷中。

対するは絶好調の栄都学園ッ!

先の読めない後半戦、

今っ、キックオフですッ……!!』

 

 

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