ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜   作:たかしクランベリー   

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31話・成敗される悪

 

 

『さぁ、チームの大幅入れ替えを

実施した帆呂雷中。

対するは絶好調の栄都学園ッ!

先の読めない後半戦、

今っ、キックオフですッ……!!』

 

ピーーーッ!

 

ホイッスルが鳴り響く。

いつの間にかFWラインまで

移動してたガンマが、

ボールをくれるよう指示した。

 

助っ人としての彼らが

どれ程の力を持ってるのか。

あたい自身も興味があった。

 

「あいよー、ガンマっ!」

「フッ、

案外良いパスするじゃあないか。」

 

助っ人のくせに態度がデカいな。

どれ……見せて貰おうじゃん。

 

「おいガンマぁ! さっきは

よくも馬鹿にしてくれたなァ!?

相手に不足はねェ。

俺も全力で行かせて貰うぜ!」

 

あのベータの表情……マジだ。

おいおいおい、あんなに怒らせて

勝ち目あんのかよ。

 

「ベータ、君は僕からしたら

不足だらけだよ。

そんなのに操られてる時点でね。」

 

「来いっ、『虚空の女神・アテナ』

——〝アームド〟」

 

来ちまったぺこな。

化身を纏う奇妙な技……アームド。

アームド状態のヤツは

通常より身体能力が格段に上がる。

 

通常時の奴らにすら

苦戦したのに、

どうする気なんだ。

 

「君さぁ、エルドラド離れて

化身の質まで落ちてんじゃん。

……あとさ、

ゴーストミキシマックスだっけ?

あれ、僕も使えるんだよね。」

 

「何だと……!」

 

「成り行きとはいえ、ザナークとの

ゴーストミキシマックスを

経た僕は、修行の末……

感覚を掴んだのさ。

もうアレは、君の専売特許じゃないよ。

さ。長話も終わりだ。そろそろ

スマートに行こうか。

——はぁあああああっ!!」

 

ドクン。

 

彼は発現したオーラを分散させ、

ぺこーら達に纏わせた。

……瞬間。

身体の内側から力が溢れ出した。

 

「なんやコレ!?

パワーが漲ってくるで!

今ならイケる気せぇへんか、

ぺこら先輩……!!」

 

「あぁ、タダの助っ人では

なさそうぺこだな。」

 

「当っ然ッ! 僕は、

エルドラドエージェントの中で

最もスマートだからね。

僕1人加われば、戦局なんて

幾らでもひっくり返せる。

だが、油断は許さないよ。

帆呂雷中の諸君。」

 

「油断してんのはテメーだぜ

棒立ちオニオンっ!

ベラベラ喋って隙だらけ

なんだよおッ……!」

 

スッ。

 

ガンマは、予め読んでたかのように

ベータの奇襲を軽くいなした。

 

「なっ……!?

化身も無しでこの俺を——」

 

「何を驚く必要があるベータ。

そんなに

化身勝負がしたければ……

アルファに相手して貰うといい。」

 

パッ。 トッ。

 

ボールをトラップした

アルファは、表情一つ変えずに

淡々と愚痴る。

 

「全く、人遣いの荒い。

『天空の支配者・鳳凰』

——〝アームド〟!」

 

マジか、あの助っ人も

使えるぺこか……。

 

『ななななななんとォ!?

まさのまさかっ、

化身アームド使い同士が

対峙しましたァ!

なんという迫力と緊張感。

別次元の戦いが幕を開ける

のでしょうかッ……!!』

 

「おい、

俺もナメられたモンだなァ!

ガンマは何故化身アームドを

使ってこない!?

そして何でオメーが相手なんだッ!」

 

スッ サッ。  サッ。サササッ。

 

速すぎる。会話を交えながらの

高速ボール争奪戦。

注視しても、消え掛かった残像を

目に捉えるので精一杯……

フブちゃんが言った通り、

別次元の勝負ぺこだな。

 

「現にボールを

奪えないのが答えだ。

後は自分で考えてくれ。

此方の時間も限られている。」

 

フッ。

 

「——!?」

 

消えたっ!? ……いや、違う。

あの言い草からして、

アルファが

向かうとしたらただ一点。

 

DF陣の守備が甘い

ペナルティエリア近辺か。

 

「いつの間にあんな所にっ!

どないなってんねん!?」

「ヴィヴィちゃん。

ただ一つ分かる事があるぺこ。

あの助っ人2人……かなり強い。」

 

アルファは高速回転しながら

跳び上がり、

ボールに強度な

回転エネルギーをかける。

 

天より穿たれるは、

蒼き螺旋の砲弾。

 

「——〝シュートコマンド01〟」

 

スピニングトランザム。

 

「クルルッポォ……

クポァアアア!!」

 

パシュンッ。

 

『ゴーーーールッ!!

帆呂雷中の隠されし戦力。

その力を存分に発揮し

得点を決め込んだァ……!』

 

「馬鹿なッ、何かの冗談に

決まってる。」

 

「Not smart,

目を逸らせば勝ち筋は

減るばかりだぞベータ。

試合まで互いに踊り尽くそう

じゃあないか。」

 

ピーーーッ!

 

『試合再開のホイッスルぅ!

ここで帆呂雷中、

逆転の狼煙を上げていくの

でしょうかッ……!?』

 

しかし。

このまま頼っりっぱなしは

良くねェぺこな。

 

違うだろ。

帆呂雷中の今までやってきた

サッカーはこんなモンじゃない。

 

そもそも、

あたいが始めた戦いなんだ。

信じて着いてきたみんなに

 

 

「おいアンタ達ィ!」

 

「「「「——!?!?」」」」

 

「サッカーは11人でやるものぺこ!

どんな状況でも、

アタイらなりのサッカーを

貫いて行こうぜ!!」

「せやなぺこら先輩!

みんなでやったろうや!!」

 

「はっ! ちょっとばかし

力貰った程度で図に乗んなよ。

勝つのは俺ら……」

 

「——〝真空魔〟っ!」

「!?」

 

隙をついてヴィヴィが

真空魔をかます。

見事不意打ちが決まり、

歯茎スマイルを

見せつけ挑発する。

 

ヴィヴィめ。

なんだかんだぺこらに

似てきたな。

 

「へいへーい♪

ヴィヴィの勝ちぃ〜。

悔しいんならかかってきぃや。」

 

「雑魚がぁっ!」

 

シユッ。  パッ!

 

「しまった!?」

 

ボールは千速ちゃんの方へと

渡った。

 

それを予期してたかのように、

ガンマが声をかける。

 

「そこの黒髪。君の

プレースタイルは聞いたぞ。

是非、僕を旋律で

エスコートしてくれないか。」

 

「分かっただよ!

——必殺タクティクス

『神のタクト』」

 

この指揮、この音色。

千速ちゃんの演奏力が格段に

上がってる。

 

ぺこらの見ない所で、

結構鍛えんじゃねぇの。

嬉しいぺこだぜ。

 

『出たぁああっ。

必殺タクティクス〝神のタクト〟。

洗練された指揮と旋律で

敵の追随を許さないパスルート。

ボールはリズムに乗り、

どんどん敵陣へ

接近していきますぞォ……!!』

 

パシッ。

 

最終地点に先回りし、ボールを

トラップするガンマ。

 

「うん。良い手応えだ。

ラグナロク戦を思い出すよ。」

 

「クルッポォオオ!」

「そう焦らないでいい、鳩くん。

今すぐ、僕がスマートに

決めてあげるよ。」

 

「クルルッ……」

「——〝シュートコマンド13〟!」

 

ガンマストライク。

 

様々な光粒子を集約したボールが、

爆発と共に力強く放たれた。

 

パシュンッ。

 

『ゴーーーーーールッ!

怒涛の2点GET!

僅かな時間で恐るべき

追い上げッ。

これは、まさかまさかの

展開がありえるかも

しれませんぞォ……!!』

 

「何故っ、何故だあっ!?

そんな急拵えのチームで

何故そこまで戦えんだァ!!」

 

「これがウチらのサッカーぺこ。

急に仲間ができたって、

ボールを通じて分かり合える。

そして、いつも通り

全力を尽くす。

……ただそれだけぺこ。」

 

「分かった風な口を!

強い2人にぶら下がってるだけの

雑兵って事、

分からせてやるよ。」

 

ヒュォォオオ。 パキパキ……

 

「——〝アイスグランド〟」

「なっ!」

 

パキィンッ!

 

真空魔は既に警戒されてるだろうが、

ラミィちゃんの

不意打ちはケア出来なかった

ようぺこだな。

 

「ナイスぺこだぜ

ラミィちゃん。

このまま畳みかけるぞぉ!」

 

「分かってます!」

「ふふっ、ラミィちゃん。

遂に、はじめちゃんと3人で

練習したアレ……やっちゃう?」

 

「当然でしょ、ねねち!」

「おっしゃぁ!」 

 

「道中のコースアシストは

任せろぺこ!」

「せやで! みんなで行けば、

怖いモノはあらへん!」

「風真、勝利の果てまで

助太刀致すでござるよ。」

 

パッ パッ ダダッ。 ダダッ。

 

『なんという事だァ!?

マークされた

アルファ、ガンマ、輪堂に

代わって……帆呂雷中、

大勢のメンバーでボールを

前線に繋ぎ進めて行くゥ!』

 

雑兵だと?

……フッ。大いに結構。

 

それに、的を得ているぺこだな。

そうさ。

今まで戦ってきた相手チームは

サッカー経験値が

格上の上級兵。

 

個々で剣戟を交えたとて、

勝てないのは

火を見るより明らか。

 

でもな。

雑兵には雑兵の戦い方がある。

個々の力が

相手の『1』に足らないからこそ、

より結束が求められる。

 

雑兵らしく泥臭く戦って、

全力で力振り絞って。

唯一無二のチームワークと戦略で

勝ちを掴み取ってきた。

 

力を多少貰ってるとはいえ、

あたいらのやるサッカーは

変わらない。

 

しかも、お相手さんよォ……

まんまと策に

嵌ってるぺこじゃんか。

 

千速ちゃんを固めにマークし

視界の強制シャットアウト……

神のタクトを機能停止。

攻撃的プレーヤーの

アルファとガンマも

徹底マークで攻め筋を弱める。

 

その他が雑兵と見積もるならば、

素晴らしい戦略と云えよう。

残念ぺこだが……

そういう認識ごと、食い潰す。

 

ガンマもそれを見越して

勝負に出たんだ。

 

「フッ、スマートじゃないけど。

偶にはこういうお膳立ても

悪くないね。

なぁ? アルファ。」

「……ええ。」

 

よし、

見せてみろぺこ。

アンタ達3人のとびっきりを。

 

ピュイーッ!

 

はじめちゃんが口笛で

ペンギンを呼び出し、

後の2人は前方へ飛び上がる。

 

「「「——〝皇帝ペンギン2号

feat.シャーク〟!!」」」

 

空に打ち出したボールとペンギン。

それらに、ねねちとラミィちゃんが

蹴りを合わせて

新たなるパワーを宿す。

 

ムカデの様な獰猛性と、

鋭い冷気を帯びたサメが

シュート威力に拍車をかけ

ゴールへ迫る。

 

(良い技、

持ってるぺこじゃねぇの。)

 

「クルルアッ……!?」

 

パシュンッ。

 

『ゴーーーールッ!

帆呂雷中、

新技ペンギンシュートで

またしても得点を決めたァ!

誰もが予想だにしない同点。

残り1点、一体どちらが

勝利を手に

するのでしょうかッ……!』

 

「有り得ねェっ!

何故だ。そんな力……

どっから湧いてくんだよォっ!!」

 

自分が追い詰められた事を

未だ信じ切れず、

声を荒げるベータ。

 

それに応えたのは、

まさかのヴィヴィだった。

 

「勝ちたいっていう気持ち。

みんなで成し遂げたいっていう

気持ち。そして信じ合う気持ち。

……それら全部や。

ここまでこれたんは

彼らの助力だけやない。

今までのウチらの積み重が

あったからこそやねん。」

 

「綺麗事だけじゃ

勝負は勝てねぇんだよォ!

その余裕ぶっこいた顔、

今すぐぶっ壊してやらぁ……!」

 

「…………。」

 

なんてお人よしだよ

ヴィヴィちゃん。

あの真っ直ぐな瞳……

気づかせようとしてんだな。

彼女に。

 

サッカーは恨みや使命を

果たす為の

道具なんかじゃないって。

 

(言いたい事大体言われたけど、

悔いはねぇぺこな。)

 

ったく、とんでもなく

成長したじゃねぇか。

ヴィヴィの野郎。

 

と、心の中でふと呟いた時だった。

 

ガンマはヴィヴィの方を見て、

サラッと問いかける。

本当はそれを、ぺこらが

言うべきだったろう。

 

「なぁ、そこの関西弁女……」

「なんや自分。」

 

「サッカー……『楽しい』か?」

 

「当然やろ!

自分らのおかげで、

改めてわーかったよ!!

せやからさ、みんなで

とことん走ろうやないか!!」

 

「ヴィヴィ……」

 

カッ!

 

「「「「!?!?」」」」

 

清々しい笑顔を浮かべた

その矢先、ヴィヴィの身体が

眩い光を放ち始めた。

 

『おおっと何だ何だァ!?

ヴィヴィの身体が、

緑の光とオーラを

放ち始めたましたぞォ……!』

 

嘘ぺこでしょ……

いや、素質はあると思ったけど。

こんなに早く覚醒するとは。

 

間違いない。アレは……

 

「——『天衣無縫の極み』。」

 

この世で最も純粋に

〝何か〟と向き合い

心の底から〝楽しむ事〟で

発現する力。

 

「ふーん。円堂守と

松風天馬以外にも、

あの能力の使い手が居たのか。

……面白いね。」

「ガンマさん。僕も久しく、

胸の高まりを感じます。」

 

『——只今、審判より問題なしとの

報告がありました。

ではでは、気を取り直して

試合再開と行きましょう。』

 

ピーッ!

 

「はっ!

身体が発光しただけで

調子乗んじゃあねェ!

所詮、

ハリボテに決まってらァ……」

 

シュンッ。

 

「なっ!?」

 

マジかよヴィヴィちゃん。

化身アームドしたベータから

ボールをぶん取りやがった。

 

しかも、あの彼女が

反応出来ない速度で。

 

「ほら、行くでぺこら先輩っ♪

最後は2人で練習した

アレでシメようや!」

 

「フッ、世話の焼ける後輩ぺこだぜ。

失敗すんじゃねぇぞォ!」

「わーかったよ!」

 

ダッ。

 

『何というコンビネーション!

敵陣が手も足も出ず

あっさりと抜かれて行くゥ!

もしやもしや、

このまま

決め切ってしまうのかァ!?』

 

時は来たか。

……スゲェよ。

因縁の戦いだっつーのに、

この瞬間だけは。

 

何故だかあたいまで、

サッカーを

めちゃくちゃ楽しんでやがる。

 

空中で互いに手を取り合い、

両者の全力をボールに込める。

 

(決めるぞ。この一撃で。)

 

「「——〝エクストリームラビット〟!」」

 

3つに増えたボールが

自我を持つウサギの様に

跳ねながら、ゴールへ突撃する。

 

「グルルルルッポァ!」

 

パシュンッ!

 

『ゴーーーーーーールッ!!』

 

 

[得点表]

帆呂雷中  /  栄都学園

3 <1st> 6

4 <2nd> 0

7   <total> 6

 

ピッ、ピッ、ピーーーーッ!!

 

『こぉこで試合終了ぉおッ!

驚愕の大逆転。

手に汗握る大激闘ゥ!

決勝進出へと駒を進めたのは〜っ、

帆呂雷中だぁぁああああッ……!』

 

「「「「ォォオオオオオオ!!」」」」

 

 

 

「私の負け……か。ふふっ、

『破滅の未来』は、

どうやら私如きじゃ

変えられそうにないな。」

 

拘束された男は、

乾いた笑いと共に呟く。

 

「破滅の未来? ミミーチン君、

物騒な負け惜しみは

止してくれ。

……どの道、署でゆっくり

話を聞こうか。」

 

サカマキ・トグロウは

彼の肩に手を置き。

レイ・ルクにワープ指示を出す。

 

「アルファ、ガンマ。

後の始末は頼んだぞ。」

「「——YES BOSS。」」

 

サカマキはミミーチンを

本来住まう未来世界に

まで連行し、

彼に聴取をする事にした。

 

「さて、ミミーチン君。

私も暇人じゃない。

何故ベータを誘拐してまで

『兎田ぺこら』の妨害に

執着した?」

 

「ふふっ、ふはははははっ!

仕方がないだろう?

強い駒はそこら辺に

転がっちゃあいない。

破滅の未来を阻止する為には、

多少の犠牲も止むを得えん!」

 

「………………。」

 

「かつて〝サッカーを犠牲〟に

選んだ君たちエルドラドなら……

よく分かる筈だ。」

 

ガタァンッ!

 

サカマキは卓上を叩き、

厳しく詰める。

 

「ふざけるなっ!

何の大義があって貴様は

犯行に及んだ。私たちの過ちを

掘り返す為か!?」

 

ミミーチンは首を横に振る。

 

「——いいや違う。

兎田ぺこらを……

●●●にしない為だ。」

 

「——っ!?」

 

 

 





【後書き】
どうも、たかしクランベリーです。
最後の●●●については、
次回ちゃんと明かします。

ホロドリの料理ミニゲーム
下手すぎて難易度ノーマルクリアできません。
素材集めマジで苦戦しました。
よろしくお願いします。
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