ホロメンイレブン〜雷門をぶっ倒ぉおす!〜   作:たかしクランベリー   

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5話・ダンス番長を誘い込め!

 

〜side『兎田ぺこら』〜

 

ヴィヴィの野郎が

新たなサッカーフレンズ

3人を連れてきたあの日から

4日が経過した。

 

一度アクションを起こす前に、

彼らの情報を頭で振り返ろう。

 

木曽路・兵太……

アイツはサッカーを齧ってたのか、

ルールもしっかり把握してるし

動きも中々に良い。

ま、ぺこーら程ではないが。

 

ヴィヴィ、輪堂・千速、虎金妃笑虎。

この3人は初心者も初心者。

しかし上達速度は

目を見張るモノがある。

 

ガチで猛特訓させたら、

そこそこやれる選手には

なりそうだ。

 

……が、問題はそれ以前だ。

 

サッカー部員は最低でも

11人は欲しいのに。

近頃、ヴィヴィが新しい仲間を

連れてくる気配がない。

 

(特訓の終わりがてら、

緊急タイマン会議でもするか。)

 

「はーい、アンタたちー。

今日の特訓はここまでぺこ。

但しヴィヴィ、お前は残れ。」

「ほぇ?」

 

「「「――お疲れ様でしたぁ!!」」」

 

日も沈みかける刻。

サッカーフレンズの面々が

立ち去り、計画通りヴィヴィとの

サシになった。

 

「あのぉ……ヴィヴィなんか

やらかしました?」

 

どうやら、事の重大さに

気がついてないらしい。

困ったちゃんだな。

 

「ああ。日本一目指そうってんなら、

部員は早く集めるべきぺこ。

人見知りのぺこーらに頼らずな。」

 

「あ、人見知りだったんですね先輩。

通りで同級生のサッカーフレンズが

居ない訳ですわ。」

「失言やめてね。」

 

ヴィヴィが、柄にもなく

しんなりした顔で俯いた。

 

「………………。」

「なんだよ、黙り込んで。

やっぱ難しいぺこか。」

 

「……はい。気の弱そうな子に

フォーカス当てて誘うてみたんやが、

タイパが悪いだの、プライベートに

時間を充てたいだの御託並べとって。

結構難航してるって感じやねん……。」

 

「ふーん。ま、

あの3人はマジモンの

レアケースぺこだしな。」

「――力になれなくてすみません!」

 

悔しそうに謝罪を述べるヴィヴィ。

が、ぺこらとしてはその答えは

ハナから求めちゃいない。

 

「何を言うかと思えば、

そんなちっぽけな事ぺこか。

そもそもの話、ヴィヴィちゃんが

始めた物語だろ?」

「……あ、はい。」

 

イメージ通り、

真っ直ぐすぎるが故に大損してるな。

 

「どうせ、押しに弱いからって

フォーカスを

クラスカースト3〜4軍辺りに

絞って数打ったぺこだろ。

あたいに言わしちゃねェ、

その判断が甘々の甘ちゃんなのよ。」

 

「うっ……。」

 

図星だったようで、

苦虫を噛んだ表情で唸った。

 

「こういう時こそ、

頭を捻って逆転の発想を活かせ。

寧ろさ、広告打つんなら

中小規模のブログより

テレビメディアに1発打った方が

遥かに効率的ぺこだろ。」

 

「つまりは……

〝一軍を利用しろ〟って事ですか?

でもヴィヴィ、帆呂雷中の

有名人1ミリも知らへんで。」

 

「だろうな。ヴィヴィは

入学してまだ日が浅い。

……当然、それも織り込み済みぺこ。」

「知ってるんですね、ぺこら先輩っ!」

 

「ああ。全国ダンス大会・ジュニア部門

で、とんでもねぇ記録を

毎回叩き出す天才ダンサーが居る。

……味方にすれば、多数の生徒から

注目を得られるだろうな。」

 

「勿体ぶらずに、もっと教えてや!」

 

言われなくても教えるつもりだ。

そこまで詳しくないがな。

 

「学校にて『ダンス番長』という

異名で名を馳せ、

多くの生徒に慕われてる。

まさしく雷神の踊り子……

――その名も『轟はじめ』。

アイツぁすげェぺこだぞ……!」

 

「なんやて!?

ごっつイカつい人やろーけど、

会うのが楽しみやな!」

 

ごっつイカつい?

まさか異名と名前の字面だけで

変な先入観

抱いてないだろうな……。

 

いや、今余計な指摘をするのは

やめておこう。

 

「まぁ、ここでウダウダ言ったって

何も始まらんぺこだし。

ヴィヴィちゃんには

ガンガン攻めて貰おうかね。」

 

「ぺこら先輩は何もしーひんの?

あっ!

相手が番長やから、焼きそばパン

パシられんのが怖いんやろ!?

あっははっ♪ わーかったよ!」

「失言やめてね。」

 

ズカズカ失礼な事言いやがって。

ヴィヴィちゃんらしいっちゃ

らしいが。

もうちょっと何とかならんかね。

 

「ほな、何するんです?」

 

「役割分担ってヤツぺこ。

行動っていうのは、

適材適所ってモンがある。

ぺこーらはダンス番長について

SNSや人伝で情報収集を行う。

ゆくゆくはアプローチプランに

役立てるって訳。分かったかい。」

 

「なんか難しい事を、ヴィヴィの

代わりにしてくれるんですね!?

おおきに!」

 

「そーゆーこと。

っつー訳で、明日から頼んだよ

ヴィヴィちゃん。」

「はい……!!」

 

 

 

〜SIDE『轟はじめ』〜

 

ピーッ!!

 

体育館内にて、

終了のホイッスルが響き渡る。

 

「はい。今日はここまで!

皆さん。今年の夏季ダンス大会に

備えて、引き続き

練習頑張ってくださいねー。」

 

顧問の井月先生が解散の激励をして、

部員らは更衣室へと散り散りに

向かっていく。

 

はじめはその様を、

ただボーッと見ていた。

 

「はじめ先輩っ!」

「…………。」

「はじめ先輩ってばぁ!」

 

ブンブンブン!

 

いきなり手を掴み上下に

激しく振る元気な後輩。

こんな事してくるヤツは、

我が部に1人しかいない。

 

「お……ぼーっとしててゃごめん。」

「ホントですよ!?

やっぱり最近変ですよはじめ先輩!」

 

稲妻のようなアホ毛を

ぴょこぴょこ振りそう訴えるのは、

新入部員の後輩……水宮枢。

 

なんでも、はじめのダンスに

惹かれて入部を希望したらしい。

 

(変……か。)

 

自分でも分かってる。

いつもの様に踊ってても、

どこか満たされない空虚な気持ち。

でもそれは、

はっきりと言葉に表せない。

 

「そう感じゃるんだ。枢ちゃんは……」

 

「はい。ダンスの上手さが

衰えたとかじゃなくて、

なんて言うか

爆発的な煌めき、感情、生命力? 

兎も角、枢がかつて見てきた中で

惹かれてた大事な何かが

今は見えないんです……!」

 

そこまで見透かされてたか。

でも、はじめにも分からないよ。

この靄の正体は。

 

「そっか。

……ま、安心してゃ枢ちゃん。

はじめ、きっと見つけるかりゃ。

自分が失った大事なモノ。」

 

「はい! はじめ先輩なら

すぐに見つけて、克服して、

もっともっと

成長するって信じてます……!」

 

「……ありがと。」

 

ダダダダ、キュキュッ!

 

後輩の温かい励ましに気が楽になった

直後、猛スピードで走り

体育館に侵入する奴が現れた。

 

バスケ部の特訓かよってくらい、

床がキュッキュと音を立てる。

 

「調べたでェ! 今ダンス部は

ここで活動しとるらしいやん!

おい『ダンス番長』とやらァ、

顔を出さんかいワレぇ!」

 

現れた侵入者は、力強い声と

気迫ではじめを呼びつける。

何が何だか分からないが、

スルーすると後々メンドそうだ。

 

少々構ってやるか。

 

「はじめ先輩……あの人ヤバいですよ。

さっさと帰りませんか。」

「んにゃ、行ってみりゅ。」

「正気ですか!?

絶対エラいコトになりますよ?」

「うん……。」

 

「行くんですか……

枢、止めませんからね。」

 

枢ちゃんの忠告を押し除け、

ヤバそうな子にコンタクトをとる。

 

「よォ嬢ちゃん。

如何にも、ダンス番長・轟はじめとは

あたしのコトでゃ。

一体、何の様ですきゃ」

 

「滑舌終わっとんな自分!

てかダンス番長ってホンマかいな!?

イカつい子分を数人従えてる訳でも

あらへんし、体格も華奢やんけ!

雷神の踊り子っちゅーか、

静電気の妖精やろ自分!」

 

「偉大な先輩に何たる失言ッ!?

おいお前、名を名乗れェ!」

 

「――綺々羅々ヴィヴィや!

てか、小学生まで連れ回すとか

番長として

恥ずかしくないんか自分!?

やってええ悪とあかん悪の

区別もつかへんの!?」

 

「枢は中学生だわッ!?

てゆーか、

はじめ先輩と同じ部員だから!」

 

ガチのヤバい奴だった。

出会ったばかりの人間に対し、

ここまで息を吐く様に失言言えるの

最早一種の才能だろ。

 

番長の概念が平成中期あたりで

止まってるのも意味不明だ。

 

「その子の言う通りでゃ。

はじめは何も悪いコトしてにゃい。

で、要件は何。」

 

「その件はすまへん。

えーと、要件はなぁ……アレや!

サッカー部に入部してくれへんか。」

 

「『サッカー部』でゃと?

そんにゃ部活はこにょ学校にない。

妄言も程々にすりゅんだな。」

「これから作るんや!

その為には、はじめ先輩の力が

必要不可欠なんやッ。頼む……!」

 

「そりゃ、本気で言ってんのょか。」

「はい!」

 

サッカー部か。

よりにもよって、

1番バットなお誘いだな。

 

「断る。アレは悪魔のスポーツでゃ。

はじめがサッカーボールに

触れるなんてゃ、以ての外だにょ。」

 

「はぁぁっ!?

何がサッカーは悪魔のスポーツや!

触りもせーへんクセに

一丁前にサッカー語んなや自分ッ!!

ほな、何が悪いか言うてみぃ……!」

 

「はじめの大事な大事なダンス仲間、

『忍原来夏』から

〝ダンスを奪った〟。

これ以外の理由なんてにゃい。」

 

そうだ。思えばあの日からだ。

自分のダンスに満足がいかない

日々が続く様になったのは……。

 

「はぁっ!? それだけ!

ホンマにその忍原さんと

ちゃんと話して向き合ったんか自分!

サッカーのせいに

してるとちゃうん!?

ダンスなんか、どこでもいつでも

出来るやろがい!!」

 

「……………何が分かる。」

「?」

 

「お前みたいなやちゅに

はじめの何が分かるって言うんだよッ!」

「――知らへん。

ヴィヴィ初対面やもん。」

 

「「――!?」」

 

「だからこそ、

腹割って全部話してみぃや。

それでヴィヴィが納得出来たら、

大人しく手を引く。

どや? 悪い話やないやろ。」

 

「はじめ先輩……」

 

確かに、彼女の言う通りかもしれない。

勝手に1人で話を進めて

向き合おうとしなかったのは

はじめ自身……。

その可能性も大いにある。

 

それを証明するには、

過去を振り返るのが1番早い。

 

枢ちゃんやヴィヴィたんの

客観的な視点が加われば、

この靄の正体だって気が付けるかも。

 

「その話、乗った。」

 

「本気ですかはじめ先輩……

ヴィヴィちゃんの

策かもしれませんよ!?」

 

「だとしても、はじめには

今〝必要な事〟だと思ってりゅ。

だから、話させて貰うにょ。」

 

「分かりました!」

「その意気やで!」

「オメーはさっきから

何様のつもりだよッ!」

 

「ふっ、ヴィヴィ様や。」

「ウッ……ザ!!」

 

「そう。あれは―――」

 





【後書き】

どうも、たかしクランベリーです。
新キャラ加入になると回想やりたがる果物です。
しかし、ご安心ください。
近々ちゃんと超次元サッカーする予定です。

ちなみに、
残り半分くらいの新メンバーは木曽路ちはニコ並の
スピード感で加入しますし、
ホロデバイス縛りとかしてません。
よろしくお願いします。
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