「そんなの、居るわけ無いじゃん」
そう言ったれな子の顔は酷く歪んでいて私、王塚真唯は生まれて初めて言葉に詰まってしまった。…がそれがただの一般人なら言葉につまりその後の空気は地獄になるが、今この場に立っているのは
「そうか。君は好きな人がいるのだな、この私と天秤にかけて尚そちらを選ぶということは相応に仲を育んだのだろう。しかし
「…っ、い、いいないっていってるじゃん!」
「そうか。それでもいいさ、でもね、れな子。私は君のことが好きだ。大好きだ。そんな君が悩み苦しんでいるのを見るのは悲しい。だからこの、王塚真唯が君を救ってみせよう。そして幸せになった君にもう一度告白しよう。」
「…っ、はは。…やっぱり真唯はかっこいいね。おかげで少しだけ胸のシコリが取れたかも、ありがとねっ、真唯!」
「…てかさ、ふと思ったんだけどさ好きになったとか言ってたけどさ。早すぎない?昨日の今日だよ?」
「そうなんだよ。れな子にも言ったが弱音をさらけ出すのはあれが始めてだったんだ。そんな中君は私を受け入れてくれただろう?君の顔を思い浮かべると胸のドキドキが収まらなくてな」
「それで気づいたんだ。君が好きだと」
「流石に大げさだよ…だって王塚真唯がへこんでたら誰だって慰めるでしょ?」
「あぁ。だが、君だった。私の前にいたのは他でもない君だったのだ」
「そんな、刷り込みみたいな…てかそんなので好きになるとかいくらなんでもチョロすぎでしょ…!」
「…やはり両思いだったか、照れるな」
「違うから!てけさっきあんな話したのに良くそんなこと言えるな!」
「はて?さっきは好きな人など居ないと言っていたが」
「くっ、良いように言いよって…!…とにかく!私は友達として!友達としてあんたのことが好きなのっ!」
「ふっそれは勘違いだよ。れな子君は恋人として私が好きなんだ」
「あんたほんっとに厄介極まりないな?!」
こいつと喋ってると洗脳されそう…!気をしっかりもたなきゃ!
「渋っているのは私が女だからか?」
「それは、別に…しらないけど!」
そもそも前の恋人が女の子だったし…!女の子が恋愛対象にはなるけど、これは口を滑らせたら駄目だ。この女はすぐつけ上がるから!あ、私自身が好きになるかは別としてね!
「ふむ、なるほど。脈がないわけではなさそうだな。」
「ない!ないから!ムリだから!」
「あのね…私恋人より友達のほうが欲しいの!学校生活はもちろんこれからの人生もずっと仲の良い親友が欲しいの!」
「あえてか?」
「あえてとかじゃないから!というか恋人は親友の上位互換じゃないからな!全然違うものだから!」
「しかしれな子、好きな相手に告白されたのに親友の方が良いとは付き合ってないカラダで関係を結ぶのが好きなのが?」
「それは不誠実じゃないか?」
こいつ話通じねぇ!!
「バカ!なんで私があんたのこと好きかって話してるの!」
「私のこと好きじゃない人間がいると?」
「ああもうばか!このばか!王塚真唯!」
「…これから3年間高校生活続けていくんだよ?それなのに…恋人なんて不安定な関係はお断り!」
「なるほど。君の不安も理解できる。だが大丈夫だ!私たちは別れない!」
「そんな上手くいく筈ないんだって…好きな気持ちが急にどっかに行くって本当に辛いんだよ。こっちはまだ好きっておもってるのにさ」
「なるほど嫌にリアイリティのある話だな。そういう経験が?」
「…ありませんけど?」
「世間一般的にはそういうもんなの!私は又聞きしただけ!だいだい、真唯はどうなの!」
「無論。誰とも付き合ったことはないさ」
「ほら!やっぱり!私の方が正しいの!」
「私の恋人は初めての相手が最初で最後の相手と決まっているからな」
「それを机上の空論って言うのーっ!」
「はぁはぁ、何処までいっても平行線だよ…これじゃあ」
「そうだな。私は別れないと確信しているが君はどうせ別れると言い張っている。親友の方が素晴らしいものだと思い込んでいる」
「…言葉のチョイスが引っかかるけど、まぁそうだよ」
私が恋人付き合い?絶対ムリでしょ。人生で初めて好きになった人とすら別れたのに。その点友達同士ならまだ希望がある。私だって友達くらいはいたことあるし前の恋人だって付き合う前は友達だったんだ。恋人になる不安定さを真唯にも分かってほしい。私たちは恋人なんかじゃなく親友になるべきなんだって。
「よし。ならば折衷案といこう。」
「…なにそれ?」
「私は恋人関係をれな子は友人関係を望んでいる。だが実現には互いの協力が必要だ。」
「それは…まぁ」
「ここで私が恋人になれない以上友達とかムリだ。学校では話しかけないでくれ。と言ったら君は困るだろう?」
「え、それは、…こ、困る…」
「はっ!すまない今のは例え話だ。君を傷つける気などない」
「まぁそのなんだ、恋人などになれないと断られた相手にいつまでも優しくし続けれなければならないという私の辛さも分かってほしかったのだ。」
「…だから折衷案?」
「そうだ。ある日は恋人、ある日は友人。そうやって交互に試してみようじゃないか。それぞれ恋人、友人の素晴らしさを教えてその上で君がどうしてもムリなら私は大人しく身を引こう。君を落としきれなかった私の魅力が足りなかっただけだからな」
親友の日はその逆で私が親友の素晴らしさを教える。それを交互に繰り返していって、やっぱりこっちの関係性の方がいいねと思わせた方が勝利。そういうゲームだ。
「はぁ…とんでもないことなっちゃったなぁ」
まぁ私が恋人関係を認めるのはないから、負けはあり得ないとして………
「いや!もう二度とあんな事ならない様に勝ち取るんだ!最高の学園生活を!」
「えい、えい、おー!!」
「?お姉ちゃん…やっとまともに戻ったと思ったのに」
こうして私と真唯の一ヶ月の戦いが幕を開けたのだった
前回切るところミスったせいで最初からクライマックスみたいになっちゃいました申し訳ねぇーです。本作は最初は原作準拠で紗月ちゃん編から変えていく予定なのでそこんとこよろしくです