ある可能性のお話 〜名も無き少女に祝福を〜 作:wasirunoguchi
よろしくお願い致します。
デンジとレゼが再会した日の夜
カフェ「二道」にて
無事にデンジ君とレゼちゃんが再会出来た日の夜、私達3人はまだ「二道」に居た。というのもデンジ君とレゼちゃんが離れず、甘〜い空間を作っていたためだ。今は2人で注文したパフェを食べさせあってる。甘い、とてつもなく甘い。まるで身体の奥のザラメが溶けてゲロになりそうなくらい甘い。
マスター「…ねぇ、元気娘。あれ、どうすんの?かれこれ6時間はああしてるけど。会えて嬉しいのは分かるけど、あんなにかね?」
玲世「あはは…。私も予想外でした。まさかあんなに甘々な状態になるとは…。若いって凄いですよね…。」
デンジ「レゼ…。」
レゼ「デンジ君…。」
レゼちゃん、貴女変わり過ぎじゃない?なんか原作のあの儚い感じは何処へ行ったのか。こりゃ誰かが中断させないと、永遠にやってるよ。
玲世「あ〜ゴホンゴホン!2人とも〜!もう夜ですよ〜!晩ごはんの時間だよ〜!」
デンジ「…うん?……おお!?もう夜か!」
レゼ「え…。…あ!ご、ごめんなさい!玲世さん!マスターもお店お手伝いしないでごめん!」
マスター「いや、まぁいいんだけどさ。レゼちゃん、なんか雰囲気変わった?前はキャラを作ってたというか、そんな感じだったけど、今はもっと自然な感じ。ようやく年相応に見えたよ。」
マスターもなんだかんだで結構鋭い。レゼちゃんの雰囲気の違いに気が付いていた。
マスター「ま、いいや。明日からは遅れずに来てよ?給料のおまけはしないからね。」
レゼ「あ、マスター、その事なんだけど…。これからは公安で働く事になって…、もうアルバイトが出来ないっていうか、なんというか…。」
玲世「あ〜、マスター。実はレゼちゃん、すんごい身体能力でね。公安って人手不足だからどうかなぁって上の人に提案したらあれやこれやで私と一緒に働く事になっちゃって。…ホントごめんなさい!私の責任です!」
レゼちゃんが武器人間など言える筈もなく、私は誤魔化しながらマスターに謝る。マスターは腕を組み、しばし黙り込んだ。時計の音が静かな空間に響く。するとマスターは口を開いた。
マスター「レゼちゃん、学校はどうするの?今まで頑張って勉強してたでしょ?」
レゼ「…えっ、……えっと、休学…とか。こ、公安でも玲世さんとかが勉強教えてくれるって…。」
レゼちゃんがこちらを見る。私は激しく顔を縦に振る。公安には色んな人がいる。誰か教えてくれる人は…、いるかなぁ…?
マスター「別に親でもないからいいんだけどさ、…いつか聞いたよね、夢はないのかって。公安に入る事が、レゼちゃんの夢に繋がるのかい?」
レゼ「夢…。………はい、そうですね。公安でデンジ君と一緒にいることが、私の夢であり未来に繋がってると信じてます。」
レゼちゃんは正面からマスターに向き合う。私の知らない2人の物語があったのだろう。口を挟むのは憚られた。デンジ君と一緒に成り行きを見守る。
マスター「そっか…。じゃあ俺がこれ以上言う事は何もないね。頑張りなよ。」
ぐぅ〜〜〜
感動的な空気に水を差すように、私のお腹から盛大に音が鳴った。
玲世「……あはははは……。そういえばお昼からなにも食べてなくって……。」
マスター「…プッ。ア〜ハッハッハ!元気娘は腹ペコみたいだ。…レゼちゃんのアルバイト卒業記念だ。3人とも夕飯になにか食べていきなよ。」
デンジ「お!いいのか!?じゃあ俺はカレーとスパゲティとアイスと…、あ、あとチャーハン!!」
レゼ「え?えっと、モ、モーニングセットで…?」
玲世「お腹が鳴るなんてレディがはしたない…。えっと、私は…、あ、オムライスがある。新作ですか!?これで!!」
マスター「…なんとまぁ色々と。ちょっと待ってなよ!」
マスターが呆れながらも嬉しそうにキッチンに消える。するとお店の扉が勢いよく開けられる。
パワー「パパパパワー!!ワシ復活じゃ!デンジやナナシの匂いを辿ってきたが…、小さい店じゃのお!!」
デンジ「パ…!はぁ、パワーかよ…。驚かせんな。」
玲世「あ、パワーちゃん…。」
そうだ。パワーちゃんは捕縛作戦の時にゾンビの血を大量に摂取してパワーアップしちゃったから血を抜いてたんだっけ。正直言って今まで完全に頭から抜けていた。ごめん、パワーちゃん…。
パワー「ぬ?なんじゃ、ナナシ。そうだこんな奴いたなぁ〜、みたいな顔しおって。…まさかキサマ、ワシを忘れていたのではあるまいな…!?」
玲世「あはは…。い、いや、そんな事、ナイヨ?ワスレルナンテソンナ…」
デンジ「おい、パワー。いきなり来てナナシに絡むんじゃねぇ。レゼ………俺ら忙しいんだからよ。」
デンジ君が私の為に仲裁に入ってくれた…、と思いきや多分レゼちゃんとの時間がなくなるのが嫌なだけだ、これ。
パワー「なんじゃなんじゃ。ワシを蔑ろにしおって。…ん?なあんじゃ、その花!?ワシに似合いそうじゃのお!差し出せ!!」
よりにもよってデンジ君がレゼちゃんに渡した花束をパワーちゃんが欲しがった。チラっとレゼちゃんを見ると…、ヒィ!!薄っすら笑いながら瞳のハイライトが消えてる!!こ、怖い!!このままじゃパワーちゃんがレゼちゃんに殺される!!私はメニューをパワーちゃんの目の前で慌てて広げる!!
玲世「パ、パワーちゃん!?今ちょ〜〜ど晩ごはん食べるとこなんだけど!!なにか食べない!?ていうか食べよう!!ほらほら!!選んで選んで!!」
パワー「?…まぁよいか。ところで、デンジの隣に座っておるお前は誰じゃ。ワシを血の魔人パワーと知ってのことか。デンジのバディはワシじゃぞ。ぽっと出の女は邪魔じゃ。」
レゼ「フフフ…。たかが「仕事」のバディさんがなんか言ってるけど、それなら私はデンジ君の「人生」のバディです〜!今は仕事中じゃないんで、仕事でしか関わり合いの無い人こそ邪魔なんですけど!?」
デンジ「お…おぅ。あ、あんまりよ、店の中で喧嘩はよくねぇと」
レゼ「デンジ君は黙ってて!!」
パワー「デンジは黙っとれ!!」
デンジ君を挟んでレゼちゃんとパワーちゃんがバチバチと火花を散らす。デンジ君が仲裁に入るが、2人に一瞬で蹴散らされてしまった。あ、珍しくデンジ君がしょんぼりしてる。
マスター「…なんか人が増えてるけど…、お友達かい?頭に変わったアクセサリーつけてるね。」
玲世「すみません、騒々しくて。彼女も公安の仲間なんですけど…、デンジ君を巡って女のバトルが勃発中です。」
マスター「なんともまぁ…、罪作りな少年だねぇ…。」
マスターが席に料理を置いていく。3人はまだ修羅場中。先に新作オムライス頂きま〜す。
パワー「む!おい、ナナシ!キサマどっちの味方じゃ!ワシがデンジのバディじゃよな!?こんなぽっと出女に言ってやれい!強くて美しくてカッコよいパワー様がバディに相応しいとな!!」
レゼ「玲世さん!貴女が私を助けてデンジ君と再会させてくれたんですから責任取ってください!こんな魔人なんかより私の方がデンジ君とお似合いですよね!?」
パワーちゃんとレゼちゃんがオムライスを食べようとした私に矛先を向ける。なんか息ピッタリだな、この2人。
玲世「あ〜、…喧嘩する程仲が良いって言うし、2人でデンジのバディって言うのは…」
パワー「ない!」レゼ「ないです!」
玲世「…だよね~………。」
その後、閉店時間でマスターに叩き出されるまで2人はいがみ合っていた。ちなみにオムライスは普通の味でした…。
名も無き少女は夢を得たーーーー
ガラスの上を裸足のまま歩く生き方ではなくーーーー
チェンソーの少年と共に生きる夢をーーーー
故に、ジェーン・ドゥはもういないーーーー
更新が遅くなり申し訳ありません。
リアルで悪魔(仕事)と戦うのが忙しく…。
次回もまたよろしくお願い致します。