ある可能性のお話 〜名も無き少女に祝福を〜   作:wasirunoguchi

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対アメリカの刺客専用コベニカーまでの話となります。
よろしくお願い致します。。


第24話 嵐の前の騒動

 

町中、公園にて

 

 

デンジ「ああいう鳥って捕まえて食ってもいいのかなぁ。」

 

 

パワー「ワシが大統領なだったら許可するがのお…。」

 

 

玲世「いや、ダメでしょ…。」

 

 

レゼ「ダメだよ…。」

 

 

デンジ君とパワーちゃんがおにぎりを食べながら公園の池にいるカルガモの親子を見て食欲優先の事を話している。そこはカルガモの親子の可愛さにほっこりする所でしょう。あまりの酷さに私とレゼちゃんがツッコミを入れる。

 

 

デンジ「じょーだんだよ、じょーだ…、あ。落としちまった。…………あ〜ん。」

 

 

日下部「信じられないぞ…。落ちたものを食べるな!」

 

 

金髪オールバックに黒縁眼鏡の人がデンジ君の手を抑える。そう、私達の他にも姫野さんやアキ君や天使君、宮城公安の日下部さん、玉木さんや民間の吉田ヒロフミ君がいる。大所帯だがこれはデンジ君の護衛、という名のデンジ君を餌にした各国の刺客をおびき出す作戦だ。

 

本来であれば私とレゼちゃんはおらず、京都公安の黒瀬さん、天童さん、スバルさんという方が応援に来るのだが、東京に向かう途中でアメリカの刺客3兄弟に殺されて顔を真似られてしまう。原作では作戦が漏れていたのかは分からないが、みすみす殺されるのを黙って見ている訳にはいかず岸辺さんに相談したら

 

 

岸辺「代わりにお前等が入れ。京都公安には、いずれ来る銃の悪魔に対しての戦力を分散させなくて良いと言っておく。不安ではあるがお前が言う、死体を増やさない事でマキマの力を間接的に抑えられるからな。アメリカの刺客は姿を真似るだけなら確認の仕方は幾らでもある。」

 

 

と、鶴の一声があった。マキマさんは死んでいようがお構い無しに「支配」し、その人の契約悪魔の力を使える。原作でも死んでいた黒瀬さん、天童さんの罪の悪魔の力を銃の悪魔戦で使用していた。マキマさんが原作で死体を確保していたのはそういう事だ。

 

最近、困ったら岸辺さんに頼ってしまう事が多く、申し訳無いと思う。助けてキシえもん、なんて冗談はさておき、未だデンジ君に説教をしている日下部さんをなだめて巡回を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

町中にて

 

暴力の魔人「コベニちゃん、お疲れ様。お陰で早く終わったよ。」

 

 

コベニ「いえ、私なんて微力過ぎて居なくても良かったかも…。」

 

 

暴力の魔人「んな事ないない。大体、普通の女の子が包丁で悪魔と戦えないから。それ、包丁の悪魔とかかい?」

 

 

コベニ「…秘密です。それよりこれ…、何の悪魔で報告しますか…?」

 

 

暴力の魔人「……ブドウ?ま、悪魔渡したら休憩しよう!」

 

 

コベニ「賛成です!」

 

 

コベニと暴力の魔人は悪魔を後続部隊に引き渡した後、休憩として町中を歩く。途中、アイス屋があった為、暴力の魔人はコベニにアイスクリームを買ってあげた。

 

 

コベニ「またアイスを奢ってもらってありがとうございます。」

 

 

暴力の魔人「そんな事気にしない。俺がやりたいからやってるだけさ。コベニちゃんが笑顔ならそれでいい。」

 

 

コベニ「……あの、どうして私にそんな…。」

 

 

暴力の魔人「え、あ〜、う〜んとね。…まぁ罪滅ぼしみたいなものかな。コベニちゃんみたいな子をこんな血生臭い戦いに巻き込んでるんだ。なんか申し訳なくてね。」

 

 

暴力の魔人はコベニを見ずに前を向いて答える。マスクの下の顔は見えないが、コベニはふと以前のバディの事が頭をよぎった。

 

 

コベニ「……前にバディだった人に言われた事があるんです。私が動く事で助かる命があるって。それに玲世さんも言ってくれました。「コベニちゃん達が避難誘導してくれたから台風の悪魔の被害を抑える事が出来た」って。だからこれは私が望んでやってるんです。暴力さんが気にする事はありませんよ。」

 

 

暴力の魔人「コベニちゃん…。…………うん、そうだね。ごめん、俺の早とちりだった。これからもよろしく。」

 

 

しばらく歩きながら休憩していた2人の前に急に車が止まる。運転席から傷だらけの公安が出てきた。何事かと暴力の魔人はコベニの前に立つ。

 

 

「…そのマスク!4課の魔人か?巡回中に謎の悪魔に襲撃された!本部に急いで知らせてくれ…!」

 

 

暴力の魔人「んん?誰だ?公安手ちょ」

 

 

「各国の刺客かも知れないんだ!急いで連絡してくれ!」

 

 

コベニ「ぼ、暴力さん。急ぎましょう!」

 

 

暴力の魔人「…分かった。アンタ、そこを動くなよ。」

 

 

2人は連絡の為、公衆電話を探しに行く。公安の男を残したまま。

 

 

アメリカの刺客「とりあえずは第一段階クリアか。チッ、京都の奴らの顔を真似られていればこんな面倒の必要はなかったが…。直前で変わるとは運の良い奴らだ。」

 

 

確かに京都から応援に来るはずだった黒瀬達3人は助かったが、アメリカの刺客は別の人間としてデンジ達に接触しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

夜、早川家にて

 

 

深夜23時まで巡回を行い、早川家に到着した。私とレゼちゃんは4課の仲間であり、デンジ君の護衛という事で早川家に泊まる様、日下部さんに言われた。その時のレゼちゃんの満面の笑みとパワーちゃんの苦虫を噛み潰したような顔の対比がすごかった。

 

 

レゼ「デ、デンジ君、大丈夫?」

 

 

デンジ「あぁ、大丈夫だけどよ…。ったく、23時まで歩かせやがって…。でも、これで分かった。いっぱい人数がいんのも護衛じゃなくて俺を餌として目立たせてぇんだろ、ナナシ。」

 

 

玲世「残念ながらその通りかな。その事で話があるんだけど、漫画だと明日、巡回中にアメリカの刺客がコベニちゃん達と一緒に来る 。本当なら京都公安の黒瀬さん達に化けてだけど、岸辺さんが京都公安に連絡してくれたから黒瀬さん達は来ない。だから別の誰かだとは思うけど…。」

 

 

パワー「要は近付く奴はぶっ殺しゃいいんじゃろ。簡単じゃ!」

 

 

アキ「馬鹿野郎。近付く人皆殺す気か。そうなればお前は処分されるぞ。」

 

 

パワー「ナナシ、後は任せた。」

 

 

パワーちゃんの支離滅裂な話に苦笑いをする。おっと、話が逸れちゃった。

 

 

玲世「話を戻すけど、その次の日にはドイツのサンタクロース、中国のクァンシが来るはず。確かデンジ君がお昼をデパートで、って言って入った所にサンタクロースに人形化された人達が来る。その後にクァンシが来るけど…、正直相手が悪過ぎて多分、大家さんか岸辺さんじゃないと無理なので、大家さんに協力をお願いした。」

 

 

デンジ「あのバァちゃんか…。」

 

 

パワー「オオヤ怖い…。」

 

 

レゼ「私も初めて見た時に勝てる気がしなかった…。変身しても…、どうだろう…?」

 

 

アキ「余裕があるなら師事したいけどな…。上には上がいる、か。」

 

 

玲世「本人は戦いに乗り気だったけどね…。」

 

 

大家さんに協力をお願いした時には、天使君から拝借していた槍を持ってノリノリだった。微かに戦闘狂の匂いがしたのは秘密だ。

 

 

玲世「あとは…、最後に地獄に行く事になるけど…、死にたくなければ絶対に闇の悪魔に敵意を向けないで。下手すると即死するから。闇の悪魔は…私がなんとかする。」

 

 

デンジ「その闇の悪魔ってヤツはそんなにつえーのか?」

 

 

玲世「うーん、漫画だとあのマキマさんが逃げるしか無かった、って言えば分かりやすいかな?どういう悪魔でどういう力なのかは全く不明。出会い頭に皆の腕が切られてた。一瞬で。」

 

 

レゼ「そんな悪魔相手に…、なんとかなるんですか?」

 

 

レゼちゃんの言葉に皆が固唾を飲んて私を見る。これだけハードル上げてればそれもそうか。

 

 

玲世「なんか監理の悪魔さんが言うには私の事見てるんだって、闇の中から。私だけ漫画にいなかったからそこら辺が気になってるのかな?最悪、なんとかならなくて私は死ぬかもだけど最後の手段はある。そうしたら後で生き返らせてね。」

 

 

アキ「いや、そんな簡単に…。」

 

 

デンジ「俺もレゼに殺されたけど、死ぬ程痛てーから覚悟しとけよ…!」

 

 

玲世「だいじょぶ。私もレゼちゃんに殺されかけたから。まぁそれで変身出来たんだけどね〜。」

 

 

レゼ「もう!2人共!」

 

 

パワー「こんな女に殺されるとはデンジもナナシも大したことないのお!ワシなら一捻りじゃ!」

 

 

パワーちゃんの挑発にレゼちゃんが無言で首のピンを抜こうとするのをデンジ君と2人で止める。明日以降、刺客は来るがこの様子なら大体は大丈夫だろうが不安材料は色々とある。賑やかな早川家を見ながら、どうなっても対応出来る様、私は頭の中で考えを巡らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

翌日、町中にて

 

 

暴力の魔人「おー、いたいた。」

 

 

デンジ君達と巡回中に暴力さんとコベニちゃんが見覚えの無い人を連れて合流した。どうやら昨日連絡があった謎の悪魔に襲われた公安の人らしい。十中八九アメリカの刺客だが、日下部さん達がいる中で攻撃するわけにもいかない。

 

そんな時にパワーちゃんがコベニちゃんとコベニカーに乗るのが見えた。皆が話している中、そ〜っと少し離れる。許して、コベニちゃん。コベニカーの犠牲は必然なの。

 

そして運命の時が訪れた。パワーちゃんの運転するコベニカーが急発進。瞬く間に歩道に乗り上げ、アメリカの刺客とデンジ君を挽いた。宙を飛ぶアメリカの刺客とデンジ君。不謹慎と思いつつも吹き出してしまった。レゼちゃんがデンジ君に駆け寄り、日下部さん達が正体がバレたアメリカの刺客に驚き、真っ青になったコベニちゃんにパワーちゃんが罪を擦り付けるというカオスになってしまった。

 

 

吉田「…………。」

 

 

そんな中、吉田君がその場を離れるのが見えた。多分、残りの兄弟の所だ。私はそれについて行く。

 

 

吉田「……七篠さん、だっけ。なんか用?」

 

 

ビルの路地裏の入り口で彼が振り返り私に問う。やっぱりバレてた。高校生だけど岸辺さんが認める程の実力者だ。このくらい訳ないだろう。

 

 

玲世「キミと同じかな。」

 

 

吉田「邪魔はしないで下さいね。」

 

 

吉田君がそう言うと同時に路地裏から男性が出て来る。確か3兄弟の次男だ。

 

 

次男「てめ……うぇ」

 

 

吉田君は蛸の悪魔の足で瞬時に全身を絡め取り、次男を潰してしまった。血しぶきが路地裏に広がる。吉田君はそのまま路地裏に入っていくのを私は追う。そこには嘔吐している中年男性が居た。

 

 

吉田「……大丈夫ですか?具合が悪いみたいですけど。」

 

 

中年男性「う……、さっき…さっき…あ…人身事故を見て…しまって…。」

 

 

吉田「…………プロはゲロ吐かないか…。」

 

 

吉田君が私の横を通り過ぎる。私は中年男性に近寄り小声で話す。

 

 

玲世「…………貴方、アメリカの刺客ですよね。お兄さん達が死んでしまった事についてはご愁傷さまです。…一言だけ言わせてもらうと、このまま仕事を続ければ貴方は確実に死にます。いや、死ぬ方がマシと思える事になります。」

 

 

中年男性「…………!!」

 

 

三男が驚きの表情でこちらを見る。私は言葉を続ける。

 

 

玲世「貴方はまだ引き返せる。人の死に対して後悔の思いがあるから。だから、彼を狙うのを止めてアメリカに帰って下さい。…………これは私の我儘です。これ以上は何も言いません。賢明な判断を期待しています。」

 

 

三男は涙目で少し考えると頷き、立ち上がる。後は彼次第だ。立ち塞がるなら戦うし、退いてくれるなら追わない。私は彼を残して路地裏から出た。

 

 

吉田「甘いですね。まるで3流、いや4流だ。」

 

 

玲世「なんでも良いよ。キミだってワザと見逃したくせに。後は彼が決める事だからよろしくね。」

 

 

吉田「わかりました。俺も報酬が貰えればなんでも良いです。」

 

 

そう言って吉田君はその場を離れる。私も戻ろう。皆に何も言わずに来ちゃったし。

 

空を見上げると少し曇ってきていた。まるで明日の雲行きが怪しいかの様に。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカの刺客は退けたーーーー

 

残るはドイツのサンタクロースと中国のクァンシーーーー

 

少しづつ、しかし確実に脅威は玲世達に近付いていたーーーー

 

 




牛歩の更新となり申し訳ありません。

アメリカの刺客は雑に退場です…。コベニカーの件はもう少し詳しく書きたかったのですが、漫画のあの瞬間の情報量が多すぎて…(笑)

次回もよろしくお願い致します。
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