ある可能性のお話 〜名も無き少女に祝福を〜 作:wasirunoguchi
原作とはかけ離れたイメージのキャラクターが出現致します。読者様のイメージには沿わない可能性がありますが、ご了承頂ければ幸いです。
???にて
サンタクロースによりデパートにいた皆が地獄に落とされたれ私は暗闇の中を降りていく。しかし、私はふと疑問が湧いた。確か原作ではサンタクロースの言葉の後に、皆が暗闇の中にいて巨大な六本指の手が上から降りたと思ったら地獄にいる、という流れの筈だ。
だけど私は1人で暗闇の中を降りて行っている。もしかしたら漫画では一瞬だったけど、実際はこんな感じだったのかな?と思った。そんな事を考えていたら、足の裏に感触があった。足を動かすと水の音がするので、まるで暗闇で水の上に立っている感覚だった。
玲世「ここは…?皆〜!何処〜!?」
声を上げるが反応は無い。光は無く、周囲は暗闇だが、私の体自体は何故か見えている。原作に無い状況に私は少し焦り始めた。
玲世「あ〜、もう!こうしてる間に皆が闇の悪魔にやられてたらどうしよ〜!!」
ケーちゃん「玲世様。どうか落ち着いて下さい。」
玲世「うひゃあ!!………な、なんだ。ケーちゃんか…。脅かさないでよ〜。」
ケーちゃん「申し訳ありません。ここは私の出番かと思いまして。」
私の胸元からケーちゃんの声が聞こえ、驚きのあまり飛び上がってしまった。ケーちゃんは胸元から出て来ると私の肩に乗る。
ケーちゃん「マップアプリ連動中…、照合完了。玲世様、ここはどうやら地獄でも狭間でもない闇の空間、と呼ばれる場所の様です。」
玲世「闇の空間?それって闇の悪魔がなんかしてるの?ていうか、ケーちゃんそんな事出来たんだ…。」
ケーちゃん「はい。進化によるバージョンアップにより私の内部にあったアプリとの連動が可能になりました。ご要望とあらば、マップでの検索機能や言語翻訳、メールを使用した文章の連絡等が使用出来ます。電波等は用いず、悪魔の力での事なのでこの様な場所でも問題はありません。」
玲世「そう…。その内、私より凄くなりそう…(ボソッ)」
ケーちゃんは元々少しづつ進化をしていたが、私がボンちゃんと一体化し、悪魔になってからもそれは変わらなかったみたい。ますます元の世界のスマホ、というかそれ以上になってる。………確かにイーちゃん、クーちゃんと比べると能力は余り変わらなかったけど…。
玲世「えーと、マップが使えるならこの空間に出口とかあったりは…」
ケーちゃん「「出口」を検索………検索終了。駄目ですね、半径10kmまでに出口は見当たりません。」
玲世「…だよね…。」
ケーちゃん「ですが、何者かが約1km先にいます。何者かまでは分かりませんが…。」
ケーちゃんが前方を指差す。目印となる物は無く、暗闇が広がるばかりだが、このままでは事態の進展はないと思い、ケーちゃんを信じてその方向に歩き出す。少し進んだ所でケーちゃんが話し出す。
ケーちゃん「申し訳ありません。私の力が及ばぬせいでこの様な不確定な事を…。ボンちゃん様に笑われてしまいますね。」
玲世「何言ってんの。そんな事言ったら私だって助けて貰ってばっか。ケーちゃん達がいなかったら今頃どうなってたか。今の状況だってそう。…ほーんと、私は皆に助けて貰ってるって実感してる。」
ケーちゃん「我々は玲世様の眷属で御座います故、お助けするのは当然の事です。存分に使い倒して頂ければと。」
玲世「使い倒すって…。私はケーちゃん達にも生きててもらいたいからね。以後、そんな事は言わないように。わかった?」
ケーちゃん「………承知致しました。重大任務の1つとして設定致します。」
玲世「頼んだよ〜。ケーちゃん達いなかったら私すぐに死んじゃうからね~。」
ケーちゃん「御冗談を。」
ケーちゃんと話しながら暗闇を突き進む。体感で10分程歩いた時にケーちゃんが警告を出す。
ケーちゃん「玲世様、ご注意を。先程の何者かが前方にいます。」
玲世「あれは…、なんだろう?黒い人?なんか…手、振ってる!?」
暗闇の中で黒い人影がこちらに向かって手を振っている。暗闇で黒いと見えないんじゃないかと思うが、漫画の様に白い縁取りがされており、そこにいることが分かる。
人影「縺薙s縺ォ縺。縺ッ縲ゆサ・蜑阪?∝慍迯?〒莨壹▲縺滉ココ髢薙?」
玲世「えっと…、なに?ごめん、何言ってるかわかんない。」
ケーちゃん「玲世様、私にお任せを。…翻訳アプリ起動。謎の人よ。もう一度お願いします。」
謎の人影は言葉を発するが、色々な音が混ざり合っている様に聞こえ、内容が理解出来なかった。そこにケーちゃんが翻訳しようと試みる。謎の言語みたいだけど大丈夫なの…?
人影「……縺薙s縺ォ縺。縺ッ縲ゆサ・蜑阪?∝慍迯?〒莨壹▲縺滉ココ髢薙?」
ケーちゃん「演算処理による言語変換開始。…強制翻訳、完了。「こんにちは。以前、地獄で会った人間。」…時間は掛かりますが私を通じて会話は可能の様です。」
おおぅ…。未知の言語が翻訳されてしまった…。とりあえず害意は無いのかな?会話が出来るならしてみよう。
玲世「こ、こんにちは…。アナタは…誰ですか…?それにここは…。」
人影「ワタシは闇の悪魔。ここはワタシの空間。ワタシが人間を此処に呼んだ。ワタシに敵意を持たない方が良い。敵意に反応して、勝手にワタシが動いて殺してしまう。」
玲世「え……?」
ケーちゃん「…闇の悪魔様。私はこの方の眷属、ケーちゃんと申します。こちらに敵意はありません。何故この様な場所に招かれたのですか?」
ケーちゃんを通じてちょっとカタコトっぽいが会話が成立した。なんと目の前の人影は闇の悪魔。私が地獄で出会った悪魔であり、超越者と呼ばれる一度も死を経験していない「根源的恐怖の悪魔」。漫画では地獄に落とされた皆がなす術も無く倒されていき、あのマキマさんでさえ撤退を余儀なくされた。その悪魔がなんでか私を此処に招いた?なんで?というか姿が違う?
闇の悪魔「その人間に興味が湧いた。それだけ。」
玲世「へ…?興味?」
そういえば監理の悪魔が「闇の悪魔も見ている」って言ってたっけ…。
闇の悪魔「今迄色んなヤツが地獄に来たけど普通の人間が地獄に来た事のは初めて。見に行ったら爆弾のヤツもいたからワタシも気合を入れて出ていった。けどオマエが何か言って直ぐにチェンソーが来たから帰った。アイツ、嫌い。人間、ワタシの事知ってるみたいだったから、気になって人間の影からずっと見てた。」
もう何がなんやら。整理すると
普通の人間(私)が地獄に来たのは初めてで、見に行ったらボンちゃんがいたから気合を入れて出てきた。けど私が助けを呼んだからチェンソーマン(ポチタ)が来て、嫌いだから直ぐに帰った。初めて見る人間(私)はなんでか自分(闇の悪魔)を知ってるみたいだったから影からずっと見てたと。
あの登場の仕方は只の気合入れた演出?感覚が違い過ぎて恐ろし過ぎたけど!?何、両断された宇宙飛行士の列って!?
闇の悪魔「オマエ、面白い。人間かと思ったら爆弾のヤツと一緒になるし、もう1人の爆弾のヤツに負けそうになったら悪魔になった。オマエ、どうなってる?」
玲世「い、いや、どうなってると言っても…。」
ケーちゃん「闇の悪魔様。よろしければ私がご説明させて頂ければと。」
グイグイ来る闇の悪魔に押され気味の私をケーちゃんが助ける。闇の悪魔はケーちゃんを手に取り2人は話し始める。私は混乱する頭を落ち着かせ、ケーちゃんと話している闇の悪魔を見る。原作ではあの強烈な強さの描写しかないが、今は何故か恐怖を感じない。
玲世「とりあえず大丈夫そうだけど…。これからどうなるんだろ…。」
私の呟きは暗闇に溶けていった。
数十分後、地獄にて
地獄。
それは悪魔の生まれる世界。
地獄。
それは現世とは隔絶された世界。
地獄。
それはーーーー
「根源的恐怖の悪魔」が住まう絶望の場所。
アキ「なんだ…。ここは…!?」
姫野「なによ、もう!いきなり!……ってアキ君だ!お〜い!」
コベニ「え…?姫野先輩、なにっ……、早川先輩達だ…。」
アキ「先輩?デパートの外にいた筈じゃ!?」
姫野「いや〜、先生に言われてコベニちゃん達と人形潰しまくってたんだけど、なんか上から押さえつけられて真っ暗!と思ったら此処にいてアキ君達がいたの。」
アキ達は姫野達と合流する。周りにはあの場にいた日下部達公安メンバーとクァンシ達がいた。
大家「これまたおかしな場所に出たわね…。って言うかもしかして此処が玲世ちゃんの言ってた…。」
レゼ「デンジ君!大丈夫!?……え〜と、そうだ!」
ヴヴン!
デンジ「イったあアあアアアア!!糞!アア!!」
大家「あらあら、レゼちゃんってば激しいわね。」
レゼが死んでいたデンジの胸のスターターを引くと、短いチェンソーがデンジの頭から生えて蘇生される。しかし返信はせず、生身のままだった。
クァンシ「完全なデンノコ男にならないな。血が足りないんだろう。」
レゼ「近寄らないで!デンジ君は渡さない!!」
アキ「!!」
クァンシが冷静にデンジの状態を察知するが、レゼがデンジを抱きしめ、アキ達がクァンシの前に立ち塞がる。
クァンシ「一時休戦だ。魔人達の様子がおかしい。」
大家「そのようね。ここはそんな事をしている様な場所じゃないと思うわ。」
アキ「大家さん…?」
大家「早川君、姫野ちゃん。全員で周囲の警戒を。油断したら死ぬと思いなさい。」
姫野「了解です…。ゴーストも反応無いし、こりゃ余程のヤツがいるのかな…?アキ君達も気を付けてね。」
アキ「分かりました、先輩。まさか七篠さんが言っていた…。」
クァンシの言葉に大家が答え、アキ達に警戒の指示を出す。魔人達は皆、挙動不審となっていた。ピンツィ、龍、パワー、暴力の魔人、ビーム、天使の悪魔。全員の様子がおかしかった。
ピンツィ「どうして!?どうしてここに…?」
龍「あ、あっああっあ!」
パワー「…………」
暴力の魔人「うぅ…。くっそ、気持ち悪い…!」
コベニ「どうしたんですか、暴力さん!?」
ビーム「…うぅ〜。」
天使の悪魔「…………」
アキ「おい天使!ここが何処なのかわかるか?まさかとは思うが…!」
アキの言葉に天使の悪魔が冷や汗をかきながら伝える。
天使の悪魔「僕たち終わりだ…。ここ、地獄だ…。地獄の匂いだよ…。信じられないけど、なにか悪魔の力で地獄に落とされたんだ。」
デンジ「ぐっ…、アアアア…、いってぇぇぇ…」
大家「やっぱりね…。レゼちゃん、デンジ君に血を。」
レゼ「デンジ君、私の血を!」
デンジ「っああぁ…。………わりぃ、レゼ。助かった…。ここ、なんだ…?…まさか…。」
デンジがレゼの血によって復活したが、誰もが天使の言葉に驚いており固まっていた。大家だけがこの空間にただならぬ気配を感じ、臨戦状態にいた。
クァンシ「龍、ピンツィ。ここから逃げる方法はあるか?」
龍「あう、あう」
ピンツィ「キ…ク…クァンシ…様。あっ頭オカシクなりそうです……。ずっと見られていますぅ…。わたわワタシ達ヤバい悪魔に見られていますぅ…。」
ピンツィの声が無音の草原に響く。そして誰もいない方向を見て、言葉を続ける。
ピンツィ「ここからずっと先に…、銃の悪魔なんかよりずっとずっとヤバい…、根源的恐怖の名前を持つ悪魔達が私達を見ています…。彼らは超越者です…。一度も死を経験していない悪魔達…。う…!私達は彼らに敵意を向けられた瞬間死にます。」
ピンツィの言葉に全員に緊張が走る。敵であるピンツィの言葉。しかし、この場所に漂う不穏な空気に誰一人疑いの声を上げる者はいなかった。
ピンツィ「クァンシ様ぁ…。じじ…じっじ…自殺の許可を…。」
クァンシ「…馬鹿!私がどうにかする…。」
ピンツィ「…あ!ああ〜!!終わっちゃった!終わった!終わった!来た!来ちゃった!あ…、来る…。」
大家「クァンシ、来るわ。だけど敵意は向けないで。殺されるわよ。」
クァンシ「大家…?何を言ってる…?」
ピンツィが狂った様に声を上げ、上空一面に広がる扉に目を向ける。その中の1つが音を立てて開く。
ガチャ
ピンツィ「闇の悪魔…。」
それは黒い液体のように見えた。コールタールのようにドロリとした液体。それが扉から垂れている。ゆっくりと地面に向かって垂れている。そして液体が地面に着いた瞬間。
周囲を闇が包み、それが姿を現す。
人間が絡み合う様な形容し難く、まるで闇の恐怖を具現化したかのような姿。そこにいる誰しもに死を連想させる圧迫感。誰かの歯がカチカチとなる。誰かの身体が震える。それは人の根源的恐怖の現れである。それは
闇の悪魔と呼ばれる者だった。
闇の悪魔は興味を持って玲世を呼ぶーーーー
闇の悪魔は恐怖を纏いデンジ達の前に姿を現すーーーー
果たして地獄から生還出来る者はーーーー
闇の悪魔再登場回となります。闇の悪魔は原作とはかなり違うキャラクターとして設定している為、何卒ご容赦頂ければと思います。次回もよろしくお願い致します。