デスゲームエンジョイ勢 作:デンヴェル
誤字報告ありがとうございます。
「悪い! 間違えて投げちまった! そいつは俺の原付の鍵だ!」
「そのガキを今すぐぶち殺せッ!!」
シブヤ宝探しゲームを制したのはカナメだった。
宝は南口のコインロッカーに隠されており、ダイヤモンドのリングに記されていた番号がそのままパスワードになっていた。リュージが人質になったりしたがハッタリで王を騙し、隙をついてロッカーを解錠することに成功した。
カナメがイベントクリアしたことにより転移が始まりプレイヤー全員の身動きが取れなくなる。
「テメエの顔覚えたからなあッ!! 予告するぜッ!!テメエは俺がバラ肉にして豚に食わせてやる!!」
その声からは殺意、興奮、憎悪、様々な感情が滲み出ていた。こんな勝ち逃げのような結末に王は納得するはずもなく怒りを顕にする。
しかし、そんな彼の言葉に応えるように、
「残念だけどそれは叶わなねェよ。お前はここで俺に殺されるんだ」
そこにいたのは瞳を鈍色に輝かせた勝ち気な少女。彼女の手にはピンが抜かれた手榴弾が握られていた。
「転移中ならどんな異能を持ってようが使えねェし身動きも取れねえよなァ。喜べよ。お前が大好きな不意打ちだぞ」
「ハァ? お、おいちょっと待────」
王に会話の猶予は残されていない。
辺り一帯に閃光が走り、渋谷の夜に爆発音が響いた。
「ランキングから王の名前が消えています。あの爆破で倒しきれたと考えてよさそうですね」
「そうか。というかあんな攻撃して大丈夫だったのか? 俺は防弾装備があったから軽症だが、あんたの分身には自我が宿ってるんだろ?」
「即死だから痛みは感じないし生き返れるとわかってるから問題ないって。自爆特攻自体もひなのアイデアだし」
「随分と肝が据わってるな……」
イベントが終わった翌日、私達はシュカの家に集まっていた。目的はクラン「サンセットレーベンズ」の設立とクラン運営の方針についての話し合いだ。
レインちゃんの情報によると、エイスはリーダーと幹部が死んだおかげで空いたポストを狙った内部抗争が勃発しているらしい。なのでタイミングを見計らってクランバトルを仕掛けてエイスを潰し、渋谷に拠点を建てようという結論に至った。*1
こうして落ち着けるのも久しぶりだなと思い、これまでの出来事を振り返ってみる。未来をある程度知ってたから不安はあまり感じなかったし、異能のおかげで孤独感も無かった。加えてイベントの中で頼もしい仲間にも出会えた。
命の危機に晒された時もあったが考えてみると案外悪くないものだったな。私自身が楽観主義者だという事も相まってかなりエンジョイしていたようだ。
今後、他のイベントや文明崩壊などが控えているが心配することはない。此方にはサンセットレーベンズがいるんだ。
部屋の窓からは茜に染まった空が見える。地平線に沈む太陽はまた明日も同じ姿を見せるだろう。
一旦ここで一区切り。
次回は番外編の予定です。
評価、感想待ってます。