購買は思ったより空いていて、スムーズにお昼を買えたみたいだ。
せんぱいは自動販売機に千円札を入れ、横目でこちらを見る。
「好きなの選んで。」
「……あっ、はい……!えっと、じゃあ、オレンジジュースで!」
ガコン、と音がして缶が取り出し口に落ちる。
受け取ると、冷えた金属の感触が指先に伝わってきた。
…咄嗟にオレンジジュースとか言ったけど、お弁当と合わないよね?
白米かき込んでオレンジジュース飲む姿を想像する。
うん、普通に引かれそうだなこれ後で飲ませてもらおう。
「ありがとうございます!明日は私がせんぱいの分も買いますから!」
「……いや、だから後輩に奢られたくないって」
せんぱいはビニール袋からおにぎりを取り出した。ツナ、ツナ…え???
同じ種類を2個?なんで???
「とりあえず座れば?」
せんぱいは手近な椅子を引くとギッ…と腰掛ける。
軽く眉をひそめて、どこか所在無さそうにしてた脚を組んで落ち着けたようだ。…高さ合わなかったんだ。
てか脚なっが!?改めて見るとスタイル良いなこの人!
促された席に向かい合って腰掛けつつ、改めて観察してしまう。
漆のような艶のある黒髪に、琥珀色の瞳。日に透けるんじゃないかってくらい透明感のある肌…やっぱり綺麗すぎる。
同じ制服なのに、なんでこんなにも大人っぽく見えるんだろう。
「……え、なに何か付いてる?」
「いや相変わらず美人だなぁって」
「…そこらにいるわ」
「いてたまるかぁ!!」
美人って言われて目をちょっとだけ細めたの見逃しませんでしたからね!?絶対照れてましたよね!
こっち見てくださいよ顔背けないでくれます!?
あっ耳赤い可愛い…推しの過剰摂取で熱出たら保険効くのかな…医療機関に迷惑だからやめようね。
「あ、なんでせんぱいツナ2個なんですか?」
「…キミが誘ってきてから行ったから、もうあんま残ってなかったの」
「いやいや梅干し残ってたの見ましたよ私」
それを聞いたせんぱいはプイッと顔を背けた。
ははーんさては見逃してました?
言われてそういえば…って感じですか?
「…その、すっぱくて苦手」
「…ッ!?」
チラッと恥ずかしそうに呟く姿に呼吸困難になった。
肌白いから感情わっかりやすいなこの人!?えっかわ…はん?かわ…オァ…
「ちょっと待って、なぜ野口を出した?」
「ありがたやありがたや…」
「いや受け取らないし。ちょっと押し込むな待て…なんで小柄なのにこんな時だけ力強いの…ッ!」
ふふ。捩じ込んでやったぜ…
秒で顔に叩きつけられた。さもありなん。