教会の奥の私室にて大きなモニターにギギ・アプスとキャスターに対峙するバーサーカー、アーチャー、セイバーの戦いが映し出されていた。ギギ・アプスは圧倒的な暴力で神代の英雄たちを一方的に弄っていた。それを見てシスターはほくそ笑んでいた。
「何度見てもいいですわ。英霊さえも膝をつく圧倒的な夜の姫。美しいですわ……」
英霊たちが圧倒されるという絶望的光景さえもシスターにとっては心温まる私服の愉悦の時だった。そんなところにルーラーが姿を現す。
「クラリッサ。佐藤三郎がセイバーとアサシン組と組んでお姫様に挑むようだよ。彼もとうとう本気を出したらしい」
「そうですか!素晴らしい!ああ!どんな悲劇が待っているのかしら!ヒーローに堕落するのかしら!?それとも超越種と生きることを選んで人の上に立って勝利に酔うのかしら!?ああ!素敵ぃ」
「くくく、そうだね。君たちが望む型月的展開ってやつに見えるねぇ。ふふふ」
クラリッサはルーラーを見て首を傾げる。
「君たち?ここにはわたくししかおりませんが?それに型月とは何です?」
「おっと。口を滑らしてしまった。まあなんだ。型月とはみんなが大好きな物語ってことさ」
「そうですか。ええでしたら今の佐藤三郎の状況は実に型月とやらなのでしょうね。美しい人外の姫との出会いとロマンス。彼女を殺して世界を守るヒーローになっても良し。彼女と共に生きて超常の世界で堕落しても良し。素晴らしい展開ですわ。うふふ」
そしてクラリッサは立ち上がり、私室を出ていく。
「どこへ?」
「見に行くのです。型月とやらを愉しむためにね。あなたもついてきなさいな」
そしてクラリッサは私室を出ていった。ルーラーが一人部屋に残る。
「君たちは期待してるんだろう?だが私はすでに伏線を張ったのに気づいているかな?忘れているものも多いだろうからまた言っておく。君の望みは見つからないだろう。太陽神シャマシュが不死の探究の旅に出た英雄王ギルガメッシュに送った言葉だよ。一度原典を読むことをお勧めする。かの英雄王の物語は素晴らしいからねぇ。では失礼する」
そしてルーラーも部屋から出る。そして誰もいなくなった。
リモートで作戦会議は開催した。森に連れ出してライダーとセイバーでボコるというのが作戦だ。それは明日決行することにして俺は予備校に向かった。そんな時だ。
「ちょっといいかしら?ライダーのマスター。佐藤三郎君」
褐色の肌の美しい女性が俺の前に姿を現した。現代的なドレスを身にまとってる。古めかしい格好してないのね。まあ女性ならむしろおしゃれするのか。
「キャスターさんだね?何か用?これから予備校なんだ。あとにして欲しい」
「私は聖杯にかけなければならない願いがあるの」
「話聞いてる?」
「私は哀れなる息子を……あんな悲惨な死に追いやってしまった。捨てるだけじゃ飽き足らず、あの子の父以外との間に産んだ我が子があの子を殺してしまった……息子を助けたい悲惨な運命から……あの子を今度こそ私の傍で育てて我が子だと誇ってあげたいの」
「そうですか。それは悲惨ですね。でも俺に関係はないですよね?何が御用で?」
「ライダーを捨てて私のマスターのノクティラリアのところに来てちょうだい。あの子は寂しがってる。安心して頂戴。私はあなたのことを守ってあげます。私の願いはごく個人的なこと。あなたとノクティラリアは二人で永遠に二人で幸せになればいい」
まったく話にならない。どいつもこいつも俺に勝手なことばかり押し付けてくる。だから嫌味の一つでも言いたくなった。
「あのさ。あなたがなんか息子さんを助けたいのはわかりました。だけどそれ息子さんに許可取ってます?」
「なっ?!」
「なんだ許可取ってないんだ。あなたがどこの誰かは知らないけど、なんか悲惨な伝説なんでしょうね。で息子さんは悲劇の死を遂げた。それを改変したい。まあいいです。お気持ちは理解しました。で、許可取ってるの?その息子さんが言ったんですか?自分の人生を変えてくれて?そうあなたに望んだんですか?」
キャスターは顔を渋く歪めて俺を睨む。
「やっぱりそのお願いは勝手な自己満足では?じゃあ俺は失礼します。ああ、ちょうどいいや。明日ノクティラリアと北の森に来てください。俺はそこで待ってるってお伝えください」
「あなたは……冷たい子みたいね。あの子が好きになったのは何かの間違いだわ」
「俺もそう思いますよ。では失礼」
そして俺は予備校に入る。今日も夢に向かって頑張るために。
キャスターの真名予想頑張ってください!
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