普通すぎる男が聖杯戦争を壊すまで   作:笑嘲嗤

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第16話 そして運命が始まる

 ノクティラリアとライダー&セイバーのバトルは相変わらず激しい。

 

「硬いな。だが!ふん!!」

 

「ぐぅ!!?」

 

 ライダーがノクティラリアの鎧を掴んで締め技を決める。そして無防備になったところにセイバーが剣を振り下ろす。

 

「だめ?!刃が通らない!?やっと当たるのに?!」

 

 セイバーの剣がちっとも通らない。なんでだ?ライダーの攻撃はわりとダメージになってるのにセイバーが駄目な理由がある?

 

「セイバーは円卓の騎士だネ?」

 

「……ええ。そうだけど」

 

 アサシンが九十九に話しかける。アサシンはなんか気づいてるっぽい。

 

「三郎くン。害獣に登録したと言ったね?なんの獣かネ?」

 

「そりゃ熊よ。日本で害獣って言ったら熊だからね。熊の個体識別名にノクティラリア・ギギ・アプスって名前を申請して通ってる」

 

「なるほド。なら道理でセイバーが役に立たないわけダ。神話の論理がセイバーを弱体化させてル」

 

「どういうことなの?熊相手に弱るような騎士ではないわよ」

 

 九十九が抗議をする。そりゃ騎士からすれば熊なんて大したことなさそうだけど。

 

「いいヤ。円卓の騎士では熊は難しイ。君たちは誤解をしていル。円卓の王であるアーサーは竜の化身と世間では誤解されているがネ。本来は熊ダ。アーサーという名はアルトス。熊という意味だヨ。アーサー王は本来熊の化身だ。アヴァロンに行くのは冬眠のメタファーだヨ」

 

「え?じゃあ……」

 

「セイバーは騎士だ。主君に剣を向けられるかネ?騎士としての忠誠がセイバーを弱らせるのだヨ」

 

 ありゃぁ。ガバガバ神話理論がここで発動しちゃったよ。これは想定外。どうしたもんかね。

 

「だが熊ならバ。私が適任だろウ」

 

 そう言うとアサシンは地面に剣を突き刺して、手の指で印を組んだ。

 

「女神の随従たる獣の王よ。静まり給え。まつろい給え」

 

 するとアサシンを中心に魔方陣が広がってそれが広がってノクティラリアの足元まで広がる。するとノクティラリアが目を見開いた。

 

「あたしがまた弱くなった?!なんでぇ?!どうしてなのぉ!?」

 

 ライダーをぶん殴って吹っ飛ばしても飛ぶ距離が前より短い。明らかに筋力が落ちてる。

 

「タイプアース・プロトタイプは今この瞬間に熊と擬制されている。ならば私の支配下にすぎなイ。では私も参加するとしよウ」

 

 アサシンが消えるとノクティラリアの背後に現れて、その首に剣を突き立てる。

 

「きゃぁ!?」

 

「少し浅かったカ。だが一回ではないヨ」

 

 ノクティラリアの首に傷が入った。実にアサシンって感じ。またアサシンは消えて今度はノクティラリアの足首を斬る。強いんですけど。こわぁ。

 

「本来は暗殺が生業だがネ。私は狩りも得意なのだヨ」

 

 アサシンは剣についた血を振るって落とす。そして弱ったところにライダーとセイバーが殴りかかる。

 

「我が愛馬よ!力を振り絞れ!!」

 

 ライダーが思い切り拳を振るう。そして胸に思い切りストレートをぶち込んだ。すると鎧が少し砕けた。

 

「鎧さえなければ!!やぁあああああ!!」

 

 そしてそこに右手の剣をセイバーが差し込む。鎧は完全に砕けた。胸の防御が空いた。ノクティラリアが少し距離を取る。

 

「ふん。もともと鎧になんて期待してないの。だからあたしはまだ戦えるんだからぁ!!……えっ……?」

 

 森の中にひときわ大きい音が響いた。そしてノクティラリアが膝をついた。胸から血をダラダラと流す。

 

「血?え?あたしの?なんで?!そんな?!あたしが血を流すはずなのにぃ?!なんでぇ?!」

 

 きっと初めて怪我をしたのだろう。ノクティラリアは恐慌状態になってる。体を震わせて怯えている。

 

「嘘……佐藤君それって……」

 

 俺が手に持っているのは猟銃だった。お巡りさんから事情を話して借りてきたものだった。だってさ熊退治なんだぜ。猟銃を持ってくるのは当たり前だろう。

 

「ノクティラリア。もうおしまいにしよう」

 

 熊は猟銃で倒れる。そう世界の人間だれもが信じてるし、何より事実だ。神秘は事実の前にいま膝をつく。

 

「もしもは言わない。恨んでくれていい。……またね」

 

 そして俺はノクティラリアの心臓を狙って引き金を引く。大きな音が響いてノクティラリアが後ろに倒れる。

 

「ありえない!なんでなんでなのぉ!?タイプアースプロトタイプよ!神代ですら叶わない最強の姫がなんでそんなもので死んじゃうのよ!!?」

 

 キャスターが泣きわめいている。だんだんと姿が薄くなっていく。どうやらノクティラリアが死んだのでサーヴァントも消えるらしい。

 

「ああ。カルナ!ごめんなさい!お母さんは何もできなかった!ああ!許して!カルナぁ!カルナぁああああああああああああああああ!!」

 

 そしてキャスターは消え去った。ノクティラリアの遺体だけが残った。こうして俺たちの狩りは終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遠くの樹の上から見ていたシスターは戦いの終わりを見届けて激しく怒り狂っていた。

 

「ちっ!何ですか?!何なのですかあの倒し方は?!神秘もロマンスも何もないではないですか?!堕落も高揚もなにもない!ただの処理じゃないですか?!」

 

「くくく!あーはははは!だから君たちには言っただろう!君たちの探しているものは見つからないとね!くはははは!」

 

 ルーラーは実に楽しそうに笑う。それがシスターをさらに苛立たせる。

 

「型月ってやつは何処に行ったんですか?!うがぁあああ!!」

 

「いやちゃんと型月してたよ。神秘という巨大な暴力に知恵と勇気と屁理屈で挑んで勝利した。実に型月だ。まあ彼の物語はFateだった。月姫じゃないんでね。吸血鬼のお姫様はここでご退場だよ。くくく」

 

「わたくしが見たかったのはこんなものじゃないのにぃ!佐藤三郎!!あの男はぁ?!」

 

「さあこれで君たちもわかっていただけたと思う。ここに君たちが探しているものはない。だけどこれはしっかり型月なんだよ。そしてFateである。さあはじまるぞ。アニメならここでやっと真オープニングだ。タイトルはFate/Still Ordinary」

 

 そして物語はようやくはじまる。Fate/Still Ordinary 君たちが楽しんでいただけるなら幸いだよ。

 

 




やっとタイトルコールできたよ('Д')

なおキャスターさんの真名はあえて出しません。三郎はその情報に興味がないので。まあカルナって時点でわかると思うけど。
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