普通すぎる男が聖杯戦争を壊すまで   作:笑嘲嗤

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第3章 剣の大地
第22話 学究


 昼休み。例によってみんなでランチ。

 

「これで残るはバーサーカー、ランサー、アサシン、うちのセイバーとライダーということになったね。前半戦にして長かったわね……」

 

「まだ続くのか。勘弁してほしい」

 

 この調子で続いたとしよう。すると俺の偏差値は何処まで下がるんだ?想像するだけで鬱になる。

 

「嫌がらせしていい?」

 

「なによいきなり」

 

「セイバーの真名、アーサー王だろ!!実は女の子だったんだな!エロいソシャゲーみたいだね!」

 

「それはセクハラなのかしら。一応言っておくけど違うわよ。アーサー王じゃないわ」

 

「え?でもカリバーンって言ったじゃん!ググったらカリバーンはアーサー王の抜いた選定の剣って出てきたけど?」

 

「とにかくアーサー王じゃないわ」

 

「ですか」

 

 俺がセイバーの顔を伺うとどこか暗い顔をしていた。何かを思い出しているような感じだけど。果たして。願いに関わるのかな?まあ死んだあとも願いを持ってるんだからなにか人生の後悔に関わるんだろうけどね。あんまり思い詰めて貰っても、なんか寂しいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 例によって予備校に行く。その途中で繁華街の本屋を寄ろうと思ってアーケードを通っていたのだが、なんか牛のような角をつけた帽子を被った若者たちとすれ違った。流行ってるのかな?そして本屋によって欲しかった参考書を買って、レジに向かうと途中でなんか特集コーナーがあった。

 

「市立博物館とのコラボ?」

 

 考古学フェアをやっていた。ピラミッドやらメソポタミアやらの遺跡の写真やなんか原始人のポスターとか張ってあった。

 

「面白いな。へぇ」

 

「君も神代の栄光に興味を持つのか?」

 

 振り返るとラピスさんがいた。手にはアステカ文明の写真集があった。

 

「神代はよくわかりませんけど、受験科目が世界史なんで」

 

「そうか。感心するね。歴史を学ぶことによって神代の神秘に近づける。それは人にとって誇らしいものだよ」

 

 神代っていうのがそもそもよくわからないんだけども。

 

「人が神々と共に生きていた時代にはこの星の至る所に神秘が溢れていた。そのころの奇跡には限界がなかった。なぜそうあったのか。どうしてそうできたのか。そこには学問的な輝きがある」

 

「人は何処から生まれ何処へ行くのかってやつですか?」

 

「ああ、そうだな。僕はそれを知りたいから神代を学んでいるんだ。なぜ人は生まれたのか。なぜこの星を征したのか。それが知りたい……」

 

 学者さんって感じだ。

 

「だから僕は聖杯を使って神代の復興を行う。そして人が進化した神代の空気を調べ尽くすんだ」

 

「すごい夢ですね。頑張ってください」

 

「ああ、頑張るよ。だから君が邪魔なんだ……」

 

 ラピスさんは真剣な目をしていた。ああ、このパターンか。他で潰し合えばいいのに、俺はつくづく魔術師って奴らから嫌われているらしい。

 

「決闘をして欲しい。もちろん挑む側は僕だ。だから君がいつどこでやるかを指定してくれていい。もちろんセイバーたちを連れてきてくれもいい。この間の雪辱は君も晴らしたいのではないかな?」

 

「俺はそれには興味ないなぁ。もちろん断れないんですよね?」

 

「断るなら。まあ言わせないでほしい。だが君を否定しない限り私たち魔術師は平穏を得られない。そのためならば多少の犠牲は容認する」

 

「はぁ……土曜日でいいですか?あとセイバーも呼びます。あなたのバーサーカーめっちゃ強いし。対策も練りますからねその時間が欲しい」

 

「かまわないよ。もちろん君の対策ごと踏みつぶさせてもらう。ではまた」

 

 そしてラピスさんはレジに行って本をスマホの電子マネーで買ってから去っていった。俺も参考書を買って予備校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 予備校が終わった後に九十九に電話した。

 

「なにかしら?そう言えば土曜日暇?なら……」

 

「土曜日に決闘入ったぞ。バーサーカーと戦うことになった。九十九達も参加ね」

 

「え?ちょっと?!勝手に決めないでよ!」

 

「ちょっと前は雪辱戦やりたがってたでしょ。リベンジマッチだよ」

 

「むー。そう言われると断りづらいわね!」

 

「で、聞きたいことあるんだけどさ」

 

「神秘って言うのは神話とか伝説がより古い方が強いっていう認識であってる?」

 

「ええ、基本的にはその理解であってるわ。もちろん逸話や伝承によっては多少の差が出るけど」

 

「ふむ。なるほど。わかった。でさぁ。ちょっと気になるんだけどバトラズってアーサー王の源流って言ってたけどどういう意味?」

 

「バトラズはアーサー王伝説のモチーフの一つと言われてるわ。アーサー王が剣を泉に投げた後に息を引き取ったように、バトラズも剣を海に投げ込ませてから死んでるの」

 

「アーサー王伝説はパクリってこと?」

 

「その言い方は失礼じゃないかしら。あくまでも参考でしょう。神話なんて相互にパクりまくりなんだから言ってもきりがないわ」

 

「まあそんなもんか。じゃあさそちらのセイバーにはバトラズと同じモチーフの一部があるんだよね?なにか対抗策ない?」

 

「……あ?そう言えば……あるわ!うちのセイバーならバトラズ相手に行ける!!あるわ弱点を突く方法!!」

 

「そりゃよかった。じゃあ作戦なんだけどね」

 

 俺は九十九相手に作戦を話す。

 

「またハックしてるぅ……信じられないんだけど!?」

 

「イケるっしょ?」

 

「うん。大丈夫だと思うけどね。……魔術って何なのかしら……あなたが次々とハックしていくのを見ると自信が揺らぐわね……」

 

「まあ学問は奥深いし究めるなんて無理だからさ!どんまい!」

 

「はあ。まあいいわ。じゃあ土曜日はよろしくね」

 

「うん。ところで何か言いかけてたよね?土曜日暇とか」

 

「忘れなさい。じゃあね」

 

 そして九十九に電話を切られた。決闘は決まった。あとはあれさえ手に入れれば大丈夫だろう。俺はベットに寝ころんでもう眠ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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