普通すぎる男が聖杯戦争を壊すまで   作:笑嘲嗤

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第5章 大いなる秩序の胎動
第29話 ド正論


  いつも通りの昼休み、勉強を邪魔されてみんなとランチ。もう慣れた。しかし屋上勝手に入ってるのに何で怒られないんだろう?魔術師は汚い……。

 

「これで聖杯戦争はうちのセイバー、あなたのライダー、そしてアサシンの後半戦になったわけね」

 

「もうこのまま終わりでよくない?戦うのやだよー」

 

「そうも言ってられないのよ。みんな聖杯が欲しいんだから」

 

「俺は要らないんだけど。むしろ邪魔なんだが?」

 

「あんた以外は欲しいの」

 

「九十九も根源とか言うところに行きたいんだっけ?まあ知らんけど」

 

「……いいえ。ちょっと考えてる……魔術師の宿願なのにね。あなた見てたら価値があるように思えなくなったわ……不思議よね」

 

 あれ?なんか心境の変化?まあ願いなんてコロコロ変わるよね。俺だって東大はいった後にはきっと別の目標建てると思う。モテそうだから弁護士目指そうと思ってる。

 

「ライダーは何か願いはあるのかしら?」

 

 九十九がチキンを食べてるライダーに問いかけた。

 

「聖杯に願うことなどない。ワタシは……ワタシは……粛清装置だ。それ以外の願いなどない」

 

 ライダーは聖杯に興味なし。じゃああれかな?セイバーは願いあるんだよね?そろそろ気になるところだ。

 

「セイバーは願いあるの?何お願いするの?なんか理想とか言ってたけど」

 

 俺はおにぎり食べてるセイバーに話しかけた。セイバーはおにぎりを食べるのをやめて俯く。

 

「……もうわたしの真名は把握していますよね?」

 

「いや。知らんけど」

 

 俺がそう言うと空気が微妙になった。相手のプライバシーは掘らない方がいいってこの間思いましたので。

 

「わたしは調べればわかると思いますが、円卓の騎士の一人。ギャラハッドです」

 

 知らねぇ……。って言ったらおこられそうなので言わないけど。九十九もセイバーに口止めしなかったってことは宝具の名前でわかるのか。

 

「で、どんな願いなの?」

 

 まあとりあえず聞いてみる。

 

「……選定の剣を抜いた者として我が主君アーサーに代わりブリテンの王となること。わたしが彼の王の理想を果たします」

 

「んん?うーん?」

 

 俺にはぴんと来なかった。アーサー王伝説の人ってことはわかってる。アーサー王はまあ国滅ぼしちゃったよね。その代わりになりたいってこと?

 

「ハーメルンって二次創作サイトあるの知ってるか?」

 

「え?はあ。まあ聖杯の知識にはありますけど」

 

「自分が活躍する神話が欲しいならそこでそのストーリー描いたらいいんじゃない?面白かったらみんなが読んでくれるよ」

 

 九十九とセイバーの目が微妙。どういうことなの?アーサー王伝説ってフィクションじゃん。

 

「わたしの願いは過去に戻ってブリテンの王になることです。アーサー王は理想の騎士王でしたが……父が壊しました……ブリテンを崩壊から救えるのはわたしだけです」

 

「んん?んーん?……ふむ」

 

 アーサー王伝説はフィクション。だけど史実だと信じているということだね。ふむ。まあその妄想を否定しても聞き入れちゃくれないだろう。だけど過去に戻られると困る。タイムパラドックスで俺が東大受験できなくなったらヤバくね?ブリテンってイギリスやろ?世界史に影響デカすぎだろ。これはあかん。止めないと。

 

「過去の改変はやめてくれないかな?俺が東大受験できなくなったらどうすんのさ?責任取れる?」

 

「ええ?よりによってそのアプローチなの?!うわ?!まじで普通だこいつ!!」

 

 俺の言葉にセイバーが微妙な顔をする。

 

「え、いやでも……わたしには選定の剣を抜いたのに聖杯と共に逃げ出した過ちがあります。わたしは王になる定めから逃げたのです……果たさなくてはいけないんです!!」

 

「だから過去改変とかまじで全人類の迷惑じゃん!ブリテンが大事なのはわかったけどさ!ブリテンと今の世界どっちが大事さ?!過去なんて改変したら今の世界で生きてる人間全員に影響出るんですけど!」

 

「そ、それは。だからわたしには選定の剣が選んだ王権を果たす責任が!危険の席に座ったのもきっとわたしが王になる定めだったから!なのにわたしはそこから逃げて!聖杯と共にサラスの地で勝手に昇天したのです!……逃げたのです。逃げてはいけなかったのに!」

 

「あのさぁ。マジレスするけどさ。そもそもなんで選定の剣とやらを抜いたら王様なの?ブリテンってどういう統治機構してるんだよ。それで民衆納得するの?民主主義って知ってる?王様は国民に支持されてるから王様なのよ?剣抜いたから王様ってロジックが通らないよ。それはおかしくない?」

 

 九十九が俺をあんぐり口を開けてみている。そんなに驚くこと?日本だって一番権力ある総理大臣は選挙で選ばれてるんだよ。天皇陛下は象徴だから世襲でいいけど。

 

「佐藤君。選定の剣はブリテンの王を選ぶすごい神器なのよ。神秘そのもの。選定の剣を抜いた者はブリテンの大地そのものが王だと認めるのよ」

 

「でもノルマンコンクエストあったじゃん!土地が選ぶより実力でしょ!それに今のイングランドは民主的に一番偉い奴選ぶ民主主義国家なのよ!勝手に過去行って剣抜いたから王様ですなんて誰が納得するんだよ!そして俺の東大受験の邪魔!歴史変わったら世界史覚えなおしなんだよ!」

 

「受験からあくまでも離れないのが逆にロックに見えるわ……でもなんだろう。正論過ぎて反論できない……」

 

 セイバーはなんか唇かみしめて俺を睨んでる。あちゃー。女の子泣かしたら俺が悪党じゃん。男女平等どこ行った?女の涙は卑怯!だけどとりあえず袋からコンビニのお高めのプリンをセイバーに差し出す。

 

「まあその言い過ぎた。これで許してくれ」

 

「それはワタシのプリンなのだが……」

 

 ライダーが俺にテレパシーで(´・ω・`)を送ってくる。すまないライダー。あとでもっと美味しいプリンを奢ってやるから今はスルーしてくれ。

 

「……わたしはそれでも理想を果たします……そうしなければ……罪は雪がれないのだから……」

 

 セイバーはプリンを食べながらそう言ったのだった。




セイバーは実は選定の剣を岩から抜いているエピソードがあります。

あれ?アルトリアさーん。staynightで他の人に選定の剣を抜いてもらうって言ってたけど!円卓の騎士の一人がすでに抜いている件について何かコメントを!!
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