肉はとても美味しかった。特に牛肉。なお牛肉を食べているときにミノタウロスがこっちをじーっと見ているのがなんかしんどかった。
「セファールとの戦いは本当にきつかったよ。ナルトたちはどんどん死んでいくし、なんとか相打ち覚悟で突っ込んで滅ぼせた。まあ後の世にアッティラとしてよみがえったようだがね。もっともそれでボロボロになって神々に粛清されたんだからたまったもんじゃないのだが」
酒が入ってバーサーカーは昔語りをしみじみ続けていた。セファールって何なのかがわからないけど大変だったらしい。
「剣を抜いてはいけないよ。ろくなことにならない。セイバー。君も剣を抜かずに済む方法があるなら可能な限り考えてみるべきだよ」
「そうですね。すこしまえのわたしなら反発してたでしょうけど、そう思います」
英霊同士共感しあうところがあるのだろう。セイバーの勉強も実って欲しい。だって俺もじゅ……じゅ、なんだ?何かを目指していたような?まあいいか。
「やあ私の店を楽しんでくれてるかな?」
そんなさなかエプロンを着たランサーが現れた珍しく槍を持ってる。なお槍にはなんか焼けた肉がいっぱい刺さっていた。
「当店名物のシュラスコタイムだ!皿を出したまえ!肉をよそうぞ!」
「ここ焼肉屋じゃないのかよ……」
俺はツッコミ心が疼いた。だけどセイバーとバーサーカーは気にせずに皿をランサーの方に差し出した。そしてランサーは槍に刺さった肉を包丁で切れにそぎ落として皿に盛った。
「ふむ。美味いな。こんなに牛肉とは薫り高く甘いものだったかな?素晴らしいよランサー」
「すごく美味しいです!円卓のみんなに食べて欲しいです!とくに我が王に!」
そんなにうまいんかい。でもツッコミたい。
「なあその槍って神から貰った必中の槍の宝具だよね?何してんの?」
「ふん!ゼウスから貰ったものなどいらぬ!だがね、最近知ったのだ!この槍に肉を刺すと……美味しく焼けるとな!!」
「宝具の使い方ぁ!人生の集大成ちゃうんかい!!?」
「後付けの神話に興味はない。だが使えるものは使うだけだ。サブロー君もどうかな?」
「……いただきます」
俺も肉をよそってもらう。槍から切り離された肉はぶ厚いのに柔らかくて旨みが爆発しまくっていて、すごく美味しいです……。
「ふふふ。牛肉万歳!」
『『『『『牛肉万歳!!』』』』』
他の客たちやミノタウロスまで手を挙げて叫ぶ。ノリのいいお店だった。
そしてお会計。
「6万3960円だ」
「なに?!え?うそだろ?!」
バーサーカーがレジの前で茫然としている。え、まさか奢るとか言って兼ねないパターン?
「ほう。我が迷宮に金もなしに入って来たのか。不届きものめ。ジャッジメント!!」
ランサーが現れてガーベルを叩く。
「判決!バーサーカーことバドラズ!無銭飲食の罪で皿洗い!!」
そしてミノタウロスにがっちりつかまれたバーサーカーはずるずると店の奥に連れて行かれる。
「放してくれ!無実だ!マスター呼ぶから!だから放してぇ!!」
きっちり落ちがついたな。
「あ、俺ちょっとトイレ」
「じゃあ外で待ってますね」
セイバーを待たせてから実はタッパーに仕舞っていたシュラスコ肉をトイレに持ち込む。そしてGPSを起動させてとあるトイレの個室のドアを開ける。そこは草原だった。遠くに湖があった。そこに向かって歩き、白いドレスのアルトリアさんとあった。
「あ、どうも」
「また来たんですか?!なにしに?!」
「いや、うちのセイバーがさ、この肉をアルトリアさんに食べさせてやりたいっていうから持ってきた。はい、どうぞ」
俺はタッパーを渡す。
「こ、これは……ごくり」
「どうぞ食べてください」
「い、いたたきます……ふぁあああああああああああああ!!」
アルトリアさんは顔をほころばせて悶えている。
「これがあればブリテンは永遠に戦えたのにぃ!!」
「まあどんまいです!じゃ失礼します」
そしてデリバリーが終わったので俺は大人しく帰ったのだった。
ゴールデンウィーク中に完結まで持っていけるように頑張ります!