俺と九十九とセイバーは学校のジャージを着て川辺のキャンプ場にやってきていた。
「やア。来てくれてありがとウ。では仕事を説明すル」
作業服のアサシンが俺たちの前に立って今日することを説明してくれた。近隣の県から来た中学生たちが林間学校しているそうである。そのお手伝いバイトを俺たちはする。森に詳しいアサシンがガイドを中学生たちの引率を教師たちと手伝う。
「中学の時を思い出すなー。カレーが結構うまくできてね。楽しかった。その夜キャンプファイヤーで告ってフラれたけどな!がはは!!」
俺は薪を運びながら楽しく昔の話をする。
「告白ねぇ。なんで男子って女の子の気持ちも考えずに突然告白してくるのかしらねぇ?断る方の身にもなって欲しいわ」
九十九の発言が俺のやわなハートをズタズタにした!
「え、なんか傷つくんですけど」
「まあ恋愛は難しいものですから……くそ親父とビッチ王妃め……」
なんかセイバーが遠い目をしている。アーサー王伝説は恋愛脳らしいしね。ていうか王妃が不倫しただけで国が壊れるとかどんな統治システムやねん。ガバガバやないか。
俺たちは中学生たちに食材配ったり料理のお手伝いをしたりしてバイトに励んだ。
「我々も食事にしよウ。食べ給エ」
アサシンに呼ばれるとそこには飯盒のライスとカレーの鍋があった。アサシンは俺たちによそってくれた。
「うめぇ!なんだこのカレー?!すごいんだけど?!」
「確かにすごく美味しいわなにこれ?」
「円卓の皆に食べさせてやりたいです!我が王よ!カレーはブリテンを救えますよ!!」
後でアルトリアさんのところに持って行ってやろう。食いしん坊だし二人前はあったらきっと喜ぶだろう。
「ランサーにえいきょうされてネ。私も料理に嵌ったのダ。カレーはいイ。スパイスの無限の組み合わせを楽しむことがなんと悦ばしいことカ。和が女神にも捧げたいものだヨ」
アサシンの女神ってどこの女神なんだろうか?そういえばアサシンの真名だけはついぞ知ることがなかったな。本人も特に語らないし、まあプライバシーは大事だよね。
「がおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
森の奥からなんか女の子の唸り声が聞こえた。なんぞ?俺は食べ終わった皿を置いて森の方へと歩いていく。だけどすっとアサシンが森に入ろうとした俺の前に立ちはだかった。
「森に入る必要はなイ。君は満ち足りているだろウ?」
「え、ええ。まあそうですね」
たしかにそうだ。
「がおおお!クマトリアにその美味しそうなものをよこすのだぁ!」
「あたしのもよこすのだぁ!」
なにこいつら?ノクティラリアはまあ神出鬼没だし、まあいい。熊の毛皮を被ったアルトリアさんは一体何?
「我が王?!なぜここに?」
「お前は誰クマ?クマトリアはクマトリアである!この森の王様クマ!」
アルトリアさんじゃなさそう。まあバーサーカーもアルトリアさんそっくりだし英霊業界ではきっとパチモンがいっぱいいる顔なのだろう。神話って著作権フリーだしね。
「はア。お前ら食エ。まったくクマトリア、君の仕事は森の守護なのだがネ。人里に降りてくるのはやめて欲しいのだガ?」
「もうドングリ生活には飽きたクマ!文明の味が食べたいクマ!」
まあドングリよりカレーの方がうまいだろうな。アサシンはしぶしぶと言った感じでクマトリアとノクティラリアにカレーを配る。
「おいしー!三郎!ご飯食べたら川に行こうよ!あたしと遊んでー!!」
「バイト中なんで!」
俺はそう言って断ろうとしたのだが、アサシンが口を挟んだ。
「かまわんヨ。……そのお姫様が暴れる方が困るシ」
おいこらアサシン。本音が漏れてるぞ?!
「よーし!じゃあ遊びに行こうよ!!」
カレーを食べ終わったノクティラリアが来ていたドレスをばっと脱ぐ。俺の目を九十九とセイバーが手でふさいだけど隙間からばっちりとその綺麗な肌が、ちょっとだけ見えた。というか水着着てた。
「可愛いでしょ?ね?」
「うん。可愛いね。……季節を考えてくれ頼むから」
もう冬に入るのよ?なんで寒くないの?でも男の子だから見ちゃう!ノクティラリアは大胆なカットの黒いビキニだった。白い肌に映えてる。あと着やせするタイプだったらしくて豊満なおっぱいとかキュッとしたくびれとかぷりんぷりんのお尻が。エッチです……。熊じゃなきゃなぁ……付き合ってるんだけどなぁ……。
「よーし川にダイブだよ!!」
「え?ちょっと待てぇ?!ぎゃあああ!!」
俺はノクティラリアに手を掴まれてそのまま引っ張られて川に思い切りダイブしてしまった。冷たい。だけどノクティラリアの暖かい笑顔は素敵だったんだ。
小ネタ 『どうして英霊エミヤはアヴァロンに至ったのか』
アラヤ「誰や?死後売り払えば英霊になれるとかいうバグ技世の中に広めたの( ゚ω゚ ) 英霊願望のワーカーホリックどもがわんさかワイんとこに来よって困るんやが?」
マーリン「あれって君が広めたんじゃないの?抑止力っていつも人手不足でしょ?」
アラヤ「ちゃう。確かに人手は欲しいんやが、欲しいんはやる気のある奴じゃなくて仕事する奴なんや。死後売り飛ばしてくる奴らが自己実現するために抑止力があるんやない。人理は正義じゃないんや、最悪の世界で最善を尽くした結果にすぎん。自己犠牲で守り続けるようなもんちゃうんや( ゚ω゚ )」
マーリン「まあ確かに人の歴史っていうのは、その場その場の人々が必死に足掻いて得た結果だからね。正義とか悪とかそういうくくりで捉えるものではないよね」
アラヤ「そうなんや。最近うちでバリバリ営業こなしてるエミヤとかいう奴なんかえらい消耗しててな( ゚ω゚ )そういう働き方求めとらんのや。おい妖精もどき」
マーリン「なんだい?」
アラヤ「お前んとこのアヴァロン、潰さんといてやるからエミヤ受け入れてセラピーさせろや( ゚ω゚ )」
マーリン「君って神秘嫌いじゃないの?だからブリテン潰したのに?」
アラヤ「神秘は人の足を止める。そんなものは人理にいらん。だが癒すのならまあ認めてやってもええわ( ゚ω゚ )」
マーリン「ふーん。照れ隠しかい?」
アラヤ「燃やすぞ妖精もどき。とにかくエミヤ連れてけや。うちは永久雇用なんてやっとらん。あいつはクビや。引き取って面倒見たれ。帰ってくるなっていっとけよ( ゚ω゚ )」
マーリン「はいはい。わかったよ。じゃあ連れてくね。うちのアルトリアもきっと喜ぶだろう。こういうご都合エンディングもたまにはいい」
アラヤ「人並みってやつを大事にする奴こそが人理に相応しい( ゚ω゚ )あいつらは人理から追放。さよならや。達者でな……」