ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.13 柴関ラーメン

翌日。

いつも通りランニングを終え、生徒会室に向かう。

 

(……空気、重くない?)

 

ドアを開けると、机に顔を沈めている先生と、それを慰めるノノミ。

そして、なぜか微妙な距離感で見守っている他のみんな。

 

(あ、これは……やらかしたな)

 

なぜそんなに落ち込んでいるのかを聞いてみると、昨日の放課後、ずっと追いかけていたら

「しつこいわよこのストーカー!!!!」

と、しっかり怒られたらしい。

 

(……そりゃそうだ)

 

私は先生の横に立ち、軽く頭を撫でる。

 

(戦場では冷静なのに、こういうとこだけポンコツなのは何なんだろう、この人)

 

「それは先生が悪いですね。先生やめたらどうですか?」

 

 

と言いつけてやる。

 

先生は、目に見えてさらに落ち込んだ。

 

(……言い過ぎた?いや、でも事実だし)

 

 

「そういえば、セリカって放課後すぐ帰るけど、どこに行ってるんだろうね?」

 

(話題転換が雑すぎる)

 

「言われてみれば、モモトークの返信も遅いですよね」

 

「たしかにー」

 

 

アヤネが言う「モモトーク」とやらはなんだろうか…?ディスコとかそんなものだろうか?

 

 

「じゃあ皆さん、放課後セリカちゃんの後ろをつけてみるのはどうですか?」

 

 

一瞬、室内が静まる。

 

 

(……あ、決まった)

 

「さんせーい」

 

(全員一致か……)

 

 

要するに、皆でストーカーすることが決まり、そのタイミングでドアが開く。

 

 

「おはよー」

 

……なんとも言えない空気感。

セリカは首を傾げていた。

 

これからみんなにストーカーされるとは全く思っていないだろう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後。

セリカに対するストーカー作戦が開始された。

 

一つ思う。作戦名がどうみてもアウトだと思う。もう少しマシな名前は無かったのか?

 

 

「ホシノ先輩、こちらレイン、目標は未だ直進中。ドウゾ」

 

「りょうかいー。そのまま監視よろしく、レインちゃん」

 

「了解。オワリ」

 

自分はSVCh-8.6のスコープを使い、

ビル群の屋上からセリカを追跡し、無線で報告している。

 

(……何で私、対人索敵の要領で後輩を追ってるんだろう)

 

そんなことを考えていると、

目標がとある店に入っていった。

 

 

「ホシノ先輩、こちらレイン、目標は柴関ラーメンに入りました」

 

(……よりによって)

 

「おっけー。レインちゃんはそのまま紫関ラーメンの前で待機しててー」

 

「了解。オワリ」

 

 

無線を切り、パイプを伝って屋上から降りる。

 

(前々から行ってみたかった店なのに……

 こんな形で初来店するとは思わなかった)

 

(でも……いい匂い)

 

みんなと合流し、ホシノ先輩を先頭に店に入る。

 

 

「いらっしゃいませ!柴関ラーメンで…わわっ!!」

 

入って真っ先に飛び込んできたのは、大将が柴犬の姿で、犬がラーメン作ってる!?ちょっと理解できない

 

 

「あの~☆6人なんですけど~!」

 

「セリカちゃん、お疲れ…」

 

「お疲れ」

 

「み、みんな…どうしてここを…!?」

 

セリカは顔を真っ赤にしていた。

 

(これは……かわいそうになってきた)

 

「全員で追跡してきた」

 

「”どうも”」

 

(どうも、じゃないよ先生)

 

「せ、先生まで!?やっぱストーカー!?」

 

「うへ、先生は悪くないよー」

 

(いや、原因の八割は先生です)

 

 

 

席に着くまでの混乱の中、先生がギャルゲーのような選択肢に追われている。

 

シロコとノノミ、どちらの隣に座るかという選択だ

 

 

(……これ、見てる分には面白いけど、当事者だったら胃が痛いやつだ)

 

「’’レ、レイン?さ、先に決めてもいいよ…’’」

 

 

自分は悪ノリで

 

 

「私は、先生が座って空いた場所に座ります」

 

 

と言いつけた。

先生はかなり困った顔をしている

 

先生は悩んだ末、シロコの隣へ。なので私はノノミの隣に座る。

 

結構狭い…もう少し横に行ってくれないだろうか…

 

 

「狭すぎ!シロコ先輩、ノノミ先輩、そんなにくっついてたら先生とレインちゃんが窮屈でしょもっとこっちに寄って!」

 

 

正直、助かる。さっきから肩と装備がぶつかって落ち着かなかったし、こういう日常の距離感には未だに慣れない

 

 

「ん、私は平気。ね、先生?」

 

平気そうに見えるのが余計にすごい。どんな時でも、シロコの距離の取り方はブレない

 

 

「レインちゃん、窮屈ですか?だったら私の膝の上にでもどうぞ~」

 

「い、いや私、体重に加えて装備の分もあるのでかなり重いですよ…」

 

 

冗談だって分かってる。でも、心臓に悪い。

それに――この装備、ほんとに重い。ノノミの綺麗な太ももを傷つけるには容易い。

 

流石にこんなに重たい装備のまま人の膝の上に乗るのは気が引ける

 

というか、色々な意味で耐えられない

 

 

「ちょっとシロコ先輩、ノノミ先輩ここ人の店なの分かってる!?空いてる席たくさんあるじゃん!ちゃんと座ってよ!」

 

(セリカの正論が、今日一番安心する)

 

「わ、分かった」

 

「冗談ですよ~☆」

 

 

この二人の冗談は冗談には見えないんだよなぁ

 

 

「セリカちゃん。バイトのユニフォーム、とってもカワイイです☆」

 

 

話は変わり、セリカのバイトのユニフォームの話になった

 

セリカは頭に三角巾を巻き、腰に紫関と書かれたエプロンを着ている

確かに似合ってる。ここらへんは年相応で……どの世界でも同じなんだと思える

 

 

「いやぁーセリカちゃんってそっち系か。ユニフォームでバイト決めちゃうタイプ?」

 

「ち、ち、ち、違うって!関係ないし!こ、ここは行きつけのお店だったし…」

 

 

必死に否定してるけど、顔に出てる。こういうところ、本当に分かりやすい。

 

 

「ユニフォーム姿のセリカちゃん、写真撮っとけば一儲けできそうだねー。どう?一枚買わない、先生?」

 

「変な副業はやめてください、先輩…」

 

 

……ホシノ先輩のたまに出てくるこの犯罪臭が漂う発想はどこから来るんだろうか…まさか…本当におじさんなのか?

 

 

「バイトはいつから始めたの?」

 

シロコが質問を投げつける

 

 

「い、1週間ぐらい前から…」

 

「そうだったんですね☆放課後に姿を消していたのは、バイトだったということですか!」

 

「も、もういいでしょ!ご注文はっ!?」

 

 

逃げた。分かりやすい。

 

 

「「ご注文はお決まりですか」でしょー?セリカちゃーん、お客様には笑顔で親切に接客しなくちゃー?」

 

 

……楽しそうだな、みんな

 

 

「あうう…ご、ご注文は、お決まりですか?」

 

 

こういう光景を見ると、不思議と胸が温かくなる。ここにいるみんなが銃を持っているのが嘘みたいだ

 

 

「私は、チャーシュー麺をお願いします!」

 

「私は塩」

 

「えっと…私は味噌で…」

 

「私わねー、特製味噌ラーメン!炙りチャーシュートッピングで!」

 

……ホシノ先輩が頼んだメニュー、カロリーがすごそう。でも、今日はいいか

 

「先生とレインちゃんも遠慮しないで、ジャンジャン頼んでねー。この店、めちゃくちゃ美味しいんだよー!アビドス名物、柴関ラーメン!」

 

こうして名前を呼ばれるのも、少しずつ慣れてきた

“チームの一員”として、ここにいる感じがする

 

「…ところで、みんなお金は大丈夫なの?もしかして、またノノミ先輩に奢ってもらうつもり?」

 

 

という事はこういう店に行くたびにノノミに奢ってもらっているのか?

 

 

「はい、私はそれでも大丈夫ですよ☆このカードなら、限度額までまだ余裕ありますし」

 

 

限度額て…どんだけ金持ちなんだよノノミさん…

 

 

「いやいや!またご馳走になるわけにはいかないよー。きっと先生が奢ってくれるはず。だよね, 先生」

 

 

視線が、一斉に先生へ向く

 

 

「ゴチになります、先生」

 

 

自分は迎えにいる先生に対して頭を下げた

 

 

(ここは、乗るしかない。流れ的に)

 

「”え、初めて聞いたんだけど…”」

 

「…え?初耳だって?あはは、今聞いたからいいでしょ!」

 

(容赦がない)

 

「”チョットヨウジヲオモイダシタカラカエリマスネー”」

 

(逃げる気だ)

 

「そうはさせないよー」

 

「先生、逃げないでください」

 

 

自分とホシノ先輩が引き止める。正直いつもの戦闘より簡単な包囲だと思う…当たり前か

 

 

「うへ〜大人のカードがあるじゃん。これは出番だねー!」

 

「大人のカードを使うような場所でもなさそうですが…」

 

「先生としては、カワイイ生徒たちの空腹を満たしてやれる絶好のチャンスじゃーん?」

 

(……観念した顔だ)

 

 

笑っていない先生に対してノノミが何やらボソボソと話している。よく分からないが、誘いは断ったようだ

 

(戦場では頼れる大人。こういう時は……うん、先生だ)

 

 

自分たちは食事と会計を済まし、店の外に出た

 

正直、めちゃくちゃ楽しかった。自分がしばらく足りていなかった時間はこういう楽しむ時間なんだなと感じさせられた

そして頼んだラーメン、紫関ラーメンも絶品だった。いままで食べていた軍用レーションなんかとは比べ物にならない。これはどうにかしてお金を集めて、リピーターにならなければ…!

 

 

「いやぁー!ゴチでしたー、先生!」

 

「ご馳走様でした」

 

「うん。お陰様でお腹いっぱい」

 

「ご馳走様でした。またお願いします」

 

「早く出てって!二度と来ないで!仕事の邪魔だから!」

 

(言い切った……)

 

「ホント嫌い!!みんな死んじゃえー!!」

 

「あはは、元気そうで何よりだー」

 

(……元気、か)

 

 

帰り道。

笑いながら歩くみんなの背中を見て、私は思う。

 

(昨日まで、学校が消えるかもしれないって話をしてたのに)

 

(それでも、今日こうして笑ってる)

 

胸の奥に、わずかな違和感。

 

(……この日常)

 

(また、壊される気がする)

 

嫌な胸騒ぎ。

理由は分からない。

でも、銃を撃つ前と同じ感覚だった。

 

(備えろ、ってことか)

 

私は、無意識にリュックのストラップを握り直していた。




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