ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.23 チンピラ

次の瞬間。

 

最初に動いたのは――屋根上の敵だった。

 

乾いた連射音が降り注ぐ。

コンクリートが弾け、破片が足元に散る。

 

 

「上です!」

 

 

アヤネの警告と同時に、一歩横へ滑る。

 

弾丸が、さっきまで立っていた場所を正確に撃ち抜く。

 

(狙いは甘い……けど数が多い)

 

AK-12を構える。

 

――短く二点射。

 

屋根上の一人が驚いたように身を引き、武器を落とす。

もう一人は慌てて伏せる。

 

 

「屋上、抑えました」

 

「ナイス!」

 

 

セリカが即座に前へ踏み出す。

アサルトライフルが火を噴き、路地裏から突っ込んできた敵を吹き飛ばす。

 

 

「もう、数で押せばいいと思ってるでしょ!」

 

 

砂埃が舞い、視界が白く濁る。

 

その隙間から――通り奥の集団が突撃してくる。

 

 

「来るよ」

 

 

シロコの声と同時に、アサルトライフルの銃声が響き渡る

 

連続した発砲音が空気を震わせ、敵の前列が慌てて遮蔽物へ飛び込む。

 

視線を素早く巡らせる。

 

その時――

 

背後の屋台の影から、一人が回り込んでくる。

 

自分は振り向きざまに銃口を向ける。

 

――発砲。

 

敵の足元を撃ち抜き、体勢を崩させる。

そのまま前進し、銃床で軽く押し倒す。

 

 

「後ろ、クリア」

 

「助かるよー」

 

 

ホシノは軽く手を振りながら、ショットガンを肩に当てる。

眠たげな目のまま、正確な射撃で敵の進行を止めていた。

 

 

「うへ~数はそこそこいるねぇ」

 

「ですが、統制は取れていません!」

 

 

アヤネが端末を操作しながら叫ぶ。

 

 

「各個撃破で十分対処可能です!」

 

 

(同意)

 

レインは素早く位置を変える。

露店の金属棚を遮蔽物に利用し、斜め射線を作る。

 

――二連射。

 

敵が慌てて伏せる。

 

その動きに合わせて、セリカが横から突っ込む。

 

 

「はい、そこ!」

 

 

爆ぜるアサルトライフルの音。

敵が慌てて武器を手放す。

 

自分は再び通りを確認する。

 

残っている敵は――数名。

 

 

「撤退だ撤退!一時撤退!」

 

 

誰かが叫ぶ。

 

 

「敵、後退しています!だけどこのままでは…」

 

 

敵の足並みが崩れ、視線が散り始めているのが分かる。

完全撤退――ではない。

これはおそらく増援を呼ぶための時間稼ぎだ。

 

 

「仲間を呼ぶつもり?いくらでも相手してあげる」

 

 

勝てない戦いではない。

今の戦力差なら、押し切れる。

 

 

「ま、待ってください!それ以上戦っちゃダメです!」

 

 

ヒフミの声が、空気を切り裂いた。

 

 

「ん?どうして?」

 

 

銃を下ろさないまま、耳を傾ける。

 

 

「だ、だって…ブラックマーケットで騒ぎを起こしたら、ここを管理している治安機関に見つかってしまうかもしれません!」

 

 

(治安……機関?)

 

一瞬、理解が追いつかなかった。

 

こんな場所に?

銃声が日常で、取引が裏で回るこの街に?

 

こんな無法地帯に治安機関が存在するとは思いもしなかった。だが…こんなに騒いでおいて来ないのは警備はザラなのだろうか…

 

(来ていない、じゃない)

 

(――まだ、来ていないだけ)

 

背中に、じわりと嫌な汗が浮かぶ。

 

 

「あうう…そうなったら本当に大ごとです…まずはこの場から離れて…」

 

 

ヒフミの声は震えているが、言葉は現実的だった。

 

(正しい判断)

 

チンピラ共との戦闘は勝てても、

その先で何が起きるかは分からない。

 

 

「ふむ…分かった。ここのことはヒフミちゃんのほうが詳しいだろうから、従おう」

 

 

ホシノの即断に、レインは小さく息を吐く。

 

(助かる……)

 

自分が止める役をしなくて済んだ。

その事実が、少しだけ心を軽くする。

 

「ちぇっ、運のいい奴らめ!」

 

敵の吐き捨てるような声。

 

 

「こっちです!」

 

 

ヒフミの背中を追いながら、最後に一度だけ振り返る。

 

路地。

屋根。

影。

 

――追撃なし。

 

AK-12を下げ、歩調を合わせる。

 

(ブラックマーケット)

 

(ここでは、撃たなかった判断のほうが……生存率が高い)

 

胸の奥で、戦闘とは別の緊張が静かに脈打っていた。




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