ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが? 作:NK7
次の瞬間。
最初に動いたのは――屋根上の敵だった。
乾いた連射音が降り注ぐ。
コンクリートが弾け、破片が足元に散る。
「上です!」
アヤネの警告と同時に、一歩横へ滑る。
弾丸が、さっきまで立っていた場所を正確に撃ち抜く。
(狙いは甘い……けど数が多い)
AK-12を構える。
――短く二点射。
屋根上の一人が驚いたように身を引き、武器を落とす。
もう一人は慌てて伏せる。
「屋上、抑えました」
「ナイス!」
セリカが即座に前へ踏み出す。
アサルトライフルが火を噴き、路地裏から突っ込んできた敵を吹き飛ばす。
「もう、数で押せばいいと思ってるでしょ!」
砂埃が舞い、視界が白く濁る。
その隙間から――通り奥の集団が突撃してくる。
「来るよ」
シロコの声と同時に、アサルトライフルの銃声が響き渡る
連続した発砲音が空気を震わせ、敵の前列が慌てて遮蔽物へ飛び込む。
視線を素早く巡らせる。
その時――
背後の屋台の影から、一人が回り込んでくる。
自分は振り向きざまに銃口を向ける。
――発砲。
敵の足元を撃ち抜き、体勢を崩させる。
そのまま前進し、銃床で軽く押し倒す。
「後ろ、クリア」
「助かるよー」
ホシノは軽く手を振りながら、ショットガンを肩に当てる。
眠たげな目のまま、正確な射撃で敵の進行を止めていた。
「うへ~数はそこそこいるねぇ」
「ですが、統制は取れていません!」
アヤネが端末を操作しながら叫ぶ。
「各個撃破で十分対処可能です!」
(同意)
レインは素早く位置を変える。
露店の金属棚を遮蔽物に利用し、斜め射線を作る。
――二連射。
敵が慌てて伏せる。
その動きに合わせて、セリカが横から突っ込む。
「はい、そこ!」
爆ぜるアサルトライフルの音。
敵が慌てて武器を手放す。
自分は再び通りを確認する。
残っている敵は――数名。
「撤退だ撤退!一時撤退!」
誰かが叫ぶ。
「敵、後退しています!だけどこのままでは…」
敵の足並みが崩れ、視線が散り始めているのが分かる。
完全撤退――ではない。
これはおそらく増援を呼ぶための時間稼ぎだ。
「仲間を呼ぶつもり?いくらでも相手してあげる」
勝てない戦いではない。
今の戦力差なら、押し切れる。
「ま、待ってください!それ以上戦っちゃダメです!」
ヒフミの声が、空気を切り裂いた。
「ん?どうして?」
銃を下ろさないまま、耳を傾ける。
「だ、だって…ブラックマーケットで騒ぎを起こしたら、ここを管理している治安機関に見つかってしまうかもしれません!」
(治安……機関?)
一瞬、理解が追いつかなかった。
こんな場所に?
銃声が日常で、取引が裏で回るこの街に?
こんな無法地帯に治安機関が存在するとは思いもしなかった。だが…こんなに騒いでおいて来ないのは警備はザラなのだろうか…
(来ていない、じゃない)
(――まだ、来ていないだけ)
背中に、じわりと嫌な汗が浮かぶ。
「あうう…そうなったら本当に大ごとです…まずはこの場から離れて…」
ヒフミの声は震えているが、言葉は現実的だった。
(正しい判断)
チンピラ共との戦闘は勝てても、
その先で何が起きるかは分からない。
「ふむ…分かった。ここのことはヒフミちゃんのほうが詳しいだろうから、従おう」
ホシノの即断に、レインは小さく息を吐く。
(助かる……)
自分が止める役をしなくて済んだ。
その事実が、少しだけ心を軽くする。
「ちぇっ、運のいい奴らめ!」
敵の吐き捨てるような声。
「こっちです!」
ヒフミの背中を追いながら、最後に一度だけ振り返る。
路地。
屋根。
影。
――追撃なし。
AK-12を下げ、歩調を合わせる。
(ブラックマーケット)
(ここでは、撃たなかった判断のほうが……生存率が高い)
胸の奥で、戦闘とは別の緊張が静かに脈打っていた。
感想お待ちしてます
続きません
レインの設定って書いたほうがいいですか?
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いる
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いらん