ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました
今回はオリジナル回です


No.34 補給

翌日。

 

アヤネとセリカは午前中は柴関ラーメンの大将の見舞いやらなんやらで居ないため私は、保健室のテーブルの上に弾帯を広げ、PKPの弾込めをしている

薄い朝日がブラインドの隙間から斜めに差し込み、空気中の埃を白く浮かび上がらせていた。

静かな空間に、弾を込める音だけが響く。

 

7.62×54mmRを一発、リンクに押し込む。

 

カチ。

 

指先に伝わる金属の硬さ。

薬莢の縁がリンクに噛み合う瞬間の、わずかな抵抗。

それを押し切ると、きちんと嵌った感触が返ってくる。

 

カチ。

カチ。

 

一定のリズム。

呼吸と同じ速さで、無心に続ける。

 

(昨日、撃ちすぎたな……)

 

視線をアモカンへ落とす。

底が見えている。

 

まだ半分はあるはずだった。

計算上は、足りるはずだった。

 

最後の箱を開ける。

封を切る音がやけに大きく感じる。

 

逆さにする。

 

……落ちてこない。

 

軽く振る。

 

乾燥剤の擦れる音だけが、虚しく響いた。

 

 

「……終わりか」

 

 

弾帯は途中で途切れ、机の端からだらりと垂れ下がっている。

未完成のまま止まったそれが、妙に心に引っかかる。

 

銃は弾がなければただの鉄塊だ。

重いだけの、役に立たない塊。

 

私は小さく息を吐いた。

 

廊下に出て、丁度歩いていたホシノ先輩を呼び止める。

 

 

「おはようございます」

 

「うへー、おはようレインちゃん」

 

「ホシノ先輩、弾薬ってどこで売ってますか?」

 

「ん~? 弾切れ~?」

 

 

気の抜けた声。

でも、視線はちゃんとこちらを見ている。

 

 

「想定より多く消費しました」

 

「どんな感じか分からないけど、その感じは激戦だったっぽいねー」

 

「先輩がもう少し早く来てくれていたら、弾が残ってたと思いますよ」

 

「その件はごめんってー」

 

 

ホシノ先輩は笑いながら謝る。

 

 

「シャーレに頼めばいいじゃん。先生に頼めば持ってきてくれるよ~?」

 

 

一瞬、思考が止まる。

 

便利だ。

確実だ。

最短距離の選択。

 

でも。

 

 

「自分の装備、弾薬は自分で管理すると言いました。補給も自分でやります」

 

 

ホシノは少しだけ目を細める。

 

 

「へぇ~。レインちゃんのそういうとこ、嫌いじゃないよ」

 

 

そして軽く顎を上げる。

 

 

「じゃあコンビニかな」

 

「……コンビニ?」

 

「そう、コンビニ」

 

 

当たり前のように言われる。

 

私は軽く会釈し、学校を出た。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

校舎の廊下を歩く。

窓から差し込む光が床に長い影を落としている。

 

階段を降りるたび、ブーツの音が小さく反響する。

外へ出ると、砂混じりの風が頬を撫でた。

 

校庭を横切る。

乾いた地面に足跡が残る。

 

フェンスの隙間から街へ出ると、空気が一変する。

 

車の走行音。

遠くで鳴るクラクション。

露店の呼び込み。

誰かの笑い声。

 

人の流れに混ざる。

銃を持っていても誰も気にしない。

 

ショーウィンドウには制服、電子機器、そして銃の広告ポスター。

笑顔の少女が最新モデルを構えている。

 

(慣れないな、これは)

 

コンビニに入る。

自動ドアの開閉音と、冷房の冷たい風。

 

飲料棚の横、銃器コーナー。

 

透明なケースの中に整然と並ぶ銃やマガジン、オプティクスから整備用ツール。そして弾まで、結構な数が並んでいる。

 

そこから弾薬が並んでいる場所を見る

 

5.56×45。

7.62×51。

9mm。

12ゲージ

.45ACP

.380ACP

等々

指で棚をなぞり、種類を確認するが、どう見ても西側ばかりだ

 

 

「……ない」

 

 

レジへ向かう。

 

「すみません、7.62×54mmRが欲しいんですけど、取り扱っていますか?」

 

 

店主が顎に手を当てる。

 

 

「うちはNATO規格中心でねぇ。それしか売れないから東側は入荷してないんだよ」

 

「取り寄せは可能ですか?」

 

「できるけど数日はかかる」

 

「今日中に欲しいのですが…」

 

「そうくるか…あ、それなら――」

 

 

紙とペンを取り出し、地図を書き始める。

 

さらさらと線が引かれる音。

 

 

「知り合いが経営してるブラックマーケット近くの銃砲店。ここなら旧東側規格も扱ってるよ」

 

「ブラックマーケット“近く”ですか」

 

「中じゃないよ」

 

 

にやりと笑う。

 

 

「信頼していい店だよ。保障する」

 

「ありがとうございます」

 

 

外へ出ると、太陽(?)の光が強い。

一瞬、目を細めながらも、歩き始める

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

1時間ほど店主からもらった地図を見ながら歩き、地図の通りブラックマーケットの近くを歩き続ける

 

大通りを外れ、細い路地へ入り込み、さらにブラックマーケットに近づいていく

建物同士が近く、影が濃い。

 

壁には無数の貼り紙。

非公式な依頼、装備買取、情報交換。

 

進むにつれ、空気が変わる。

 

視線を感じる。

 

通りの奥、露店に並ぶのは正規流通では見ないパーツや改造キット。

銃身、トリガーユニット、刻印の消されたレシーバー。

 

(ここが“近く”か)

 

一瞬だけ足を止める。

だが、引き返す理由はない。

 

地図通りに角を曲がると、ひっそりとした店があった。

 

木製の扉。

古びた看板。

 

深呼吸し、押し開ける。

 

鈴が鳴る。

 

店内は静かで、油と金属の匂いが落ち着く。

 

 

「いらっしゃい」

 

「すみません、7.62×54mmRが欲しいんですけど、取り扱っていますか?」

 

 

店主が目を細める。

 

 

「……君、SRTの生徒か?」

 

「…?いえ、アビドス高校の生徒です」

 

 

SRTという単語にはてなを浮かべる。自分が着ているような装備の生徒が多い学校なのだろうか

 

 

「アビドス?」

 

 

意外そうに眉を上げる。

 

 

「失礼。その装備でSRTじゃないのは珍しいと思ってな。たまに来るんだよ、SRTの生徒がね」

 

 

その瞬間。

 

 

「こんにちはーっ!おじさん、例のやつ入ってる?」

 

 

勢いよく生徒入ってきた。彼女はフレクターパターンのプレートキャリアにブーニーハットを身に着けている。先ほど言っていたSRTとやらの生徒なのだろう

ということはSRTという学校は戦闘などを中心に教えている学校なのだろうか

 

 

「噂をすれば。低倍率のやつだろ、奥に取り置きしてあるぞ」

 

 

彼女はが棚に向かい、箱を取り出し、ぱちりと開封する。

中から取り出したコンパクトな低倍率スコープを手に、くるりと私の方を向いた。

 

 

「……あれ?見ない顔。キミSRTの新入り?」

 

「違います。アビドスです」

 

「え、ほんとに?」

 

 

さっきぶり二回目である

彼女の視線が私の装備をなぞる。

 

 

「うん、完全にうちの匂いするけどなぁ」

 

「匂いってなんですか」

 

「装備の選び方。実戦で“使う前提”の組み方してる」

 

「そうですか…」

 

 

彼女は私の隣の椅子に座り、スコープを片目で覗き込み、明るさを確認しながら話を続ける。

 

 

「学校支給の光学機器ってさ、性能は悪くないんだけど……無難すぎるんだよね」

 

「無難?」

 

「そう。どの分隊が使っても問題ない平均点仕様。悪く言えば“尖ってない”」

 

 

スコープをAK-12に軽くかざしてみせる。

 

 

「私、中距離担当なんだけど、もうちょっと視界の抜けが欲しいとか、レティクルの太さが好みじゃないとか、そういう細かい不満が出てくるわけ」

 

「それで、自腹で?」

 

「うん。自腹カスタム」

 

 

あっけらかんと笑う。

 

 

「一応ね、持ち込みもできるよ。入学の時に一緒に申請すれば楽なんだけど、在学中の審査めんどくさい。なんせ時間かかるし、“それ本当に必要?”って教官から絶対聞かれるんだよねー」

 

「……必要なんですよね?」

 

「必要。私にとっては」

 

 

即答だった。

 

 

「だから申請せずにそのまま使う。」

 

「バレたらどうするんですか?」

 

 

肩をすくめる。

 

 

「ちょっと怒られる」

 

「ちょっと、で済むんですか」

 

「基本反省文とかで済むけどね。何回も書いたよ」

 

「それでも買うんだから物好きだ」

 

 

店主が苦笑する。

 

 

「物好きじゃなくて最適化だよおじさん。戦場で0.1秒迷うの嫌だもん」

 

 

そう言って、スコープをもう一度覗く。

 

 

「無難ってさ、“誰でも60点”なんだよ。でも私たちが欲しいのは80とか90」

 

 

私を見る。

 

 

「君もそうでしょ?」

 

 

一瞬、言葉に詰まる。

 

「……まだ、分からないですね」

 

「ふーん。だけど、いつか分かるよ」

 

満足そうに頷く。

 

「うちは基本自由度高いけど、規律は厳しい。だからこういうのはグレーゾーン」

 

スコープを箱に戻しながら小声で言う。

 

「正直ね、怒られるの分かってても、使い慣れた装備のほうが安心するんだよ」

 

その言葉は、妙に真っ直ぐだった。

 

軽く笑う。

 

 

「あのさ、SRT来ない?」

 

 

彼女は私に顔を近づけて話す

 

 

「いきなりですね」

 

「装備も補給も潤沢。カスタムも、まあ怒られるけど許容範囲」

 

 

冗談めかしているが、目は本気だ。

 

 

「君の銃と装備、もっと活きると思う」

 

 

頭の中に浮かぶ別の景色。

 

整備された射撃場。

体系化された訓練。

十分な弾数。

 

心がわずかに揺れる。

 

 

「……今はアビドスです」

 

「“今は”、ね」

 

 

鋭い。

 

 

「縛られなくていい。選択肢は多いほうが楽しいよ」

 

 

彼女は会計を済ませ、扉へ向かう。

 

 

「来るなら歓迎する。うちの小隊火力担当、空いてるから」

 

「名前、聞いてもいいですか?」

 

「ん~入ってからのお楽しみ☆」

 

 

悪戯っぽく笑う。

 

 

「じゃあね、またどこかで」

 

 

鈴が鳴り、静寂が戻る。

 

胸の奥に、小さな波紋が残ったまま、店の中には私と店主だけが残される

 

そんな中、店主が箱を運び、カウンターに置く

 

 

「よっと。ほい、7.62×54mmR700発。確認してくれ」

 

「分かりました」

 

 

蓋を開ける。

20発入りの紙箱が35箱並んでいる。

 

 

「アモカンとかあるなら箱捨てて、中身だけ詰めていくけど、あるかい?」

 

「お願いします」

 

「店の中自由に見てていいからしばらく待っててな」

 

 

リュックから空のアモカンを店主に渡し、店内を回り始めた。

東側ならAKシリーズやPKシリーズはもちろんRPG-7やAN-94、AS-ValやSV-98などが、西側ならAR-15系列からSCAR、G36、minimiやXM8やXM29など名銃から珍銃まで揃っている…買う人はいるのだろうか

 

次にオプティクスの棚を見ると一つのサイトが視線に止まる。

 

1P87コリメーターサイト。

隣に1P90マグニファイア。

 

ロシアで採用されているドットサイトとマグ二ファイアが売られている。

 

気が付けば手に取り、中を覗いていた

 

 

「ああ、それか。長年売れてなくてな」

 

 

店主が1P87と1P90を指差す。

 

 

「在庫処分で半額以下でいい。どうせ倉庫の肥やしだ」

 

「……本当ですか?」

 

「その代わり、ちゃんと使えよ」

 

 

少し迷う。

 

だが、頷く。

 

 

「……買います」

 

 

会計を済ませ、アモカンをリュックに入れ、1P87と1P90をAK-12のトップレールに乗せる

 

リュックを担ぐ。

 

ずしり、と肩にかかる重みを久しぶりに感じる。

 

 

「まいどありー」

 

 

店を出る。

 

路地を戻る。

行きより足取りが軽いのは、重みのせいか、それとも。

 

大通りへ出ると、太陽(?)の光が街を白に染めていた。

 

歩きながら、アモカンを一つ取り出し、中を確認する。

 

中にはもちろん弾と乾燥剤が入っている。

 

その下に、一冊のパンフレット。

 

『SRT特殊学園 学校案内』

 

 

「……抜かりないな」

 

 

小さく笑う。

 

砂だらけの校庭。

ぼろい校舎。

並んで戦ってくれる仲間たち。

 

私はパンフレットをリュックに押し込む。

 

 

「今は、まだ」

 

 

弾の重みとこれからの進路の悩みを新たに背負い、アビドスへ戻っていった。




※今作のSRTは、まだ閉鎖されていません。ですがどっかのタイミングで閉鎖されます
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続きません

レインの設定って書いたほうがいいですか?

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