ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが? 作:NK7
保健室の蛍光灯の下、AK-12のマガジンに一発ずつ弾を押し込む。
5.45×39mm弾の金属音が、やけに乾いて響く。
(残りは……足りないですね)
明日、もしまた交戦になれば消耗は避けられない。
補給ルート、在庫、価格。頭の中で数字が巡る。
(買い足さないと。でも資金は……)
指先にかかる圧を強めた瞬間、廊下から声がした。
二つの影。
ドアをほんの少しだけ開ける。
見えたのは、ホシノ先輩と先生。
話し声は聞こえない。
けれどホシノ先輩の横顔は、いつもの間延びした笑みじゃない。
真剣で、どこか……決意したような顔。
なにか、嫌な予感がする
胸の奥がざわつく。
話が終わったのか、先生がこちらを向いた。
反射的に顔を引っ込める。
心臓が跳ねる。
足音が近づき、保健室前を通り過ぎる。
……止まらない。
(ばれていない)
安堵の息を吐いた瞬間。
「レインちゃ~ん、ばれてないと思った?」
「ひっ!?」
背後から声。
振り返ると、ドアの隙間からホシノ先輩がのぞき込んでいる。
「ハハッ、流石ですねホシノ先輩」
平静を装う。
でも内心は、落ち着いていない。
「話してる内容、聞いた?」
「いえ。聞き取れなかったです」
本当だ。
聞こえなかった。
でも――聞こえなかったことが、逆に怖い。
「そうなんだ。レインちゃん、さよなら。また明日ね」
その言い方。
軽いはずなのに、妙に静かで。
(違う)
胸が締めつけられる。
足が勝手に動いていた。
ホシノ先輩の手を掴む。
「うわっ、いきなり何なのさ。レインちゃんっぽくないよ~」
振り向いた顔は、いつもの笑顔。
でも目の奥が、少しだけ揺れている。
「…ホシノ先輩、どこにも行かないで下さい」
自分でも驚くほど、声が真剣だった。
一瞬、沈黙。
廊下の空気が冷える。
(言ってしまった)
らしくない。
冷静さが売りの自分が、感情で掴んでいる。
でも離せない。
「何か、するつもりですよね」
問い詰めるつもりはない。
ただ、確認したい。
「一人で何とかしようとしてませんか」
ホシノ先輩は少し目を細める。
「レインちゃんは、勘がいいね~」
軽い声。
でも否定はしない。
胸の奥が冷たくなる。
(やっぱり)
「私は、戦力としてここにいます。盾でも、矛でも、汚れ役でも構いません」
言葉が、止まらない。
「でも……勝手にいなくなるのは、許しません」
それは命令でもお願いでもなく、ほとんど本音の叫びだった。
「学校を守るために、ホシノ先輩がいなくなるなんて、そんなの本末転倒です」
ホシノ先輩の腕を、無意識に強く握っていることに気づく。
慌てて少し力を緩める。
(怖い)
もし今ここで「うん、行くよ」と言われたら。
止められる自信がない。
ホシノ先輩はしばらく黙って、それから小さく笑った。
「レインちゃんさ~」
その声は、いつもより少しだけ柔らかい。
「おじさん、そんなに信用ない?」
「信用してます」
即答だった。
「だから、怖いんです」
信頼しているからこそ。
自己犠牲を選ぶ人だと、分かっているから。
廊下の窓から夜風が吹き込む。
沈黙。
やがてホシノ先輩は、軽くため息をついた。
「……大丈夫だよ」
ぽん、と私の頭に手を乗せる。
「どこにも行かない。少なくとも、今夜はね」
“少なくとも”。
その限定が引っかかる。
けれど、さっきよりは呼吸が楽になる。
「ホシノ先輩。一人で抱え込むの、禁止です」
私は静かに言う。
「ホシノ先輩だけじゃない。私も、先生も、みんないます」
少しだけ視線を逸らしながら付け加える。
「……私…置いていかれるのは、嫌ですから」
自分の弱さを認める言葉。
でも、隠す余裕はなかった。
ホシノ先輩は一瞬きょとんとして、それからいつもの調子で笑う。
「も~、レインちゃんは心配性だなぁ」
くるりと背を向ける。
「じゃあ本当に、また明日。今度こそね」
その背中を見送りながら。
胸の奥で、まだ不安が消えないままベットに入り、眠りにつく。
翌日
生徒会室にホシノ先輩の姿は無く、机の上にポツンと退部届と手紙だけ置かれていた
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続きません
レインの設定って書いたほうがいいですか?
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いる
-
いらん