ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.46 校舎防衛戦

廊下に出た瞬間、空気が変わった。

 

校舎の中にまで、戦場の匂いが入り込んでいる。

焦げた匂い。火薬の匂い。遠くで鳴り続ける銃声と爆発音。

 

私はPKPを握り直した。

 

心の中は、まだ整理なんてできていない。

ホシノのこと。手紙。敵になるという言葉。

どれも頭の中でぐるぐる回り続けている。

 

それでも――足だけは前に進んでいた。

 

(……守る)

 

その言葉だけが、かろうじて体を動かしていた。

 

曲がり角を曲がった瞬間。

 

ガシャッ――

 

金属音。

 

カイザーPMCのオートマタが三体、廊下の奥から現れる。

機械の目が青く点灯し、銃口がこちらに向く。

 

こんなところで止まるわけにはいかない

 

 

「……邪魔」

 

 

PKPを肩に押し付ける。

 

引き金を引く。

 

ドドドドドドドドドドドッ!!

 

廊下に機関銃の咆哮が響いた。

 

7.62mm弾が一直線に叩き込まれる。

オートマタの装甲が弾かれ、火花を散らしながら後ろへ倒れる。

 

それでも一体が前に出てきた。

 

距離が近すぎる。

 

 

「――っ!」

 

 

PKPを振り上げた。

 

ガンッ!!

 

オートマタに銃床を叩きつける。

オートマタの頭部が横に弾かれる。

 

機械の腕が伸びる。

 

私の肩を掴もうとする。

 

 

「どけっ!!」

 

 

体当たりで押し倒す。

 

二人――いや、一人と一機が床に転がった。

 

そのままオートマタに跨る。

 

拳を振り上げる。

 

ドンッ!!

 

金属に拳が叩きつけられる。

 

ドンッ!!

 

また殴る。

 

ドンッ!!

 

「……っ!」

 

もう一度。

 

「なんで――!!」

 

ドンッ!!

 

拳が何度も振り下ろされる。

 

 

「なんでなんですか!!」

 

 

ドンッ!!

 

怒りなのか。

悲しみなのか。

自分でも分からない。

 

 

「なんで……」

 

 

ドンッ!!

 

金属が歪む。

頭部のセンサーが砕ける。

 

でも…止まらなかった。

 

 

「なんでいなくなるんですか!!」

 

 

拳を振り下ろす。

 

何度も。

 

何度も。

 

何度も。

 

(止められたのに)

 

(昨日、止められたのに)

 

(分かってたのに)

 

(気づいてたのに)

 

胸の奥が焼ける。

 

悔しさが溢れる。

 

「……っ!!」

 

拳を振り上げる。

 

その時だった。

 

「レイン」

 

腕を掴まれた。

 

シロコだった。

 

「そいつ、もう動いてない。壊れてる」

 

拳の下のオートマタは、完全に沈黙している。

 

青いセンサーの光も消えていた。

 

呼吸は荒く、肩が大きく上下している。

 

「……」

 

数秒。

 

何も言葉が出なかった。

 

拳を見つめる。

 

わずかに震えている。

 

(……何してるんだろ)

 

こんなことをしても、ホシノ先輩は戻ってこない。

 

こんなものを壊しても、何も変わらない。

 

ゆっくりと拳を下ろす。

 

 

「……すみません」

 

 

声は小さかった。

 

シロコは静かに言う。

 

 

「大丈夫」

 

 

短い言葉。

 

それだけだった。

 

でも、少しだけ呼吸が整う。

 

私はPKPを拾い上げた。

 

重い。

 

でもさっきよりは、ちゃんと持てる。

 

廊下の奥では、セリカとノノミの銃声が響いている。

 

外からは爆発音。

 

市街地が燃えている。

 

玄関の方を見る。

 

 

「……行きましょう」

 

 

まだ心の中はぐちゃぐちゃだ。

 

悲しい。

悔しい。

怒っている。

 

全部混ざっている。

 

でも。

 

足は止まらない。

 

シロコが頷く。

 

二人は並んで歩き出した。

 

正面玄関の扉を押し開ける。

 

外に出た瞬間――

 

アビドスの市街地から、黒い煙が上がっていた。

 

遠くで銃声。

 

爆発。

 

逃げる人々。

 

カイザーPMCのオートマタ部隊。

 

レインはPKPを構える。

 

胸の奥で、まだ痛みが残っている。

 

それでも。

 

小さく呟いた。

 

 

「……ホシノ先輩」

 

 

風が砂を巻き上げる。

 

 

「あなたが守ろうとした場所です」

 

 

安全装置を外す。

 

 

「だから――」

 

 

引き金に指をかける。

 

 

「絶対に守ります」

 

 

私は、市街地へ走り出した。

 

 




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