ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.47 アビドス攻防戦

市街地に出た瞬間、戦場の光景が広がっていた。

 

砂煙。

燃える車。

逃げ惑う市民。

 

そして――無数のカイザーPMCのオートマタ。

 

私はPKPを構え、通りの真ん中に立つ。

 

心の奥はまだぐちゃぐちゃだ。

ホシノ先輩の手紙。

敵になるという言葉。

置いていかれた悔しさ。

 

全部、まだ整理できていない。

 

それでも。

 

引き金を引く。

 

ドドドドドドドドドドドッ!!

 

重機関銃の弾幕が通りを薙ぎ払う。

オートマタの装甲が弾け、次々と倒れていく。

 

 

「こんにゃろっ!!」

 

 

セリカが叫びながら射撃する。

 

ノノミのグレネード。

シロコの精密射撃。

アヤネの指示。

 

市民の避難が進む。

 

最後の避難車両が遠ざかるのを確認した瞬間、レインは小さく息を吐いた。

 

(……よかった)

 

その瞬間だった。

 

オートマタが止まる。

 

まるで命令待ちのように。

 

アヤネが警戒する。

 

 

「何者かの接近を確認…カイザーの理事です!」

 

 

通りの奥から、一人の男が歩いてくる。

 

背後にオートマタ部隊。

 

男は余裕の表情だった。

 

 

「ふむ。学校まで出向こうと思ったのだが、お出迎えとは感心だ」

 

 

ノノミが前に出る。

 

 

「これは何の真似ですか?企業が街を攻撃するなんて…いくらあなたたちが土地の所有者だとしても、そんな権利は無いはずです!」

 

「それに、学校はまだ私たちアビドスのものです!進攻は明白な不法行為!連邦生徒会に通報しますよ!」

 

 

続いてアヤネが異議を申し立てる。

 

私は男を睨んだ。

 

(こいつらが……)

 

ホシノ先輩を連れていった。

 

胸の奥が熱くなる。

 

 

「スカウトなんて、最初から嘘だったってこと?…いや、それよりもホシノ先輩はどこ?」

 

 

シロコが冷静に聞く

 

 

「この悪党め…ホシノ先輩を返して!」

 

 

セリカは叫ぶ

 

 

「…くくくっ、何を言ってるのやら。連邦生徒会に通報だと?面白いことを言うじゃないか、今すぐにでもやってみたらどうだ?」

 

 

奴は笑った。

 

余裕の声。

 

 

「君たちはこの状況について、今まで何度も連邦生徒会に嘆願してきたのだろう?それで、一度も動いてくれたことがあったか?」

 

 

その言葉に。

 

誰も答えられなかった。

 

私も。

 

ここに来たのは最近のため、ほとんど分からないが、ずっと支援を要請していたのだろう。

 

奴は続ける。

 

 

「無かったはずだ。何せ連邦生徒会は今、動けないからな」

 

「連邦生徒会でなくても良い。今までどこか他の学園が、君たちのことを助けてくれたことはあったか?」

 

 

沈黙。

 

私の胸が重くなる。

 

「…そろそろ分かっただろう?」

 

奴は笑う。

 

 

「誰一人、君たちに手を差し伸べる者はいない」

 

 

空気が重くなる。

 

(……違う)

 

私の胸の奥で何かが軋む。

 

 

「アビドスの最後の生徒会メンバー、小鳥遊ホシノが退学した。アビドスの生徒会は、もう存在しないも同然」

 

 

その言葉。

 

胸が強く痛む。

 

 

「君たちはもう、何者でもない」

 

 

拳が震える。

 

 

「公的な部活も、委員会も、生徒会も、自治区すらも無いアビドスは、学園都市の学校として自立・存続が不可能だと判断…」

 

 

私の呼吸がどんどん荒くなる。

 

 

「仕方ないな、この自治区の主人である我がカイザーコーポレーションが、あの学校を引き受けるとしよう」

 

 

(……)

 

頭の中で、何かが切れた。

 

 

「そうだな、新しい学校の名前は…」

 

 

その瞬間。

 

私は動いていた。

 

PKPの銃床を振り上げ、

 

ガンッ!!

 

理事の頭に叩きつける。

 

男はそのまま地面に倒れた。

 

 

「ふざけるな!」

 

 

私の声が通りに響く。

 

 

「私たちの学校をお前らみたいな頭の悪い企業になんか渡すものか!!」

 

 

私はそのまま理事の体に乗る。

 

そして――殴る。

 

ガンッ!!

 

PKPで頭を殴る。

 

ガンッ!!

 

もう一度。

 

ガンッ!!

 

何度も。

 

何度も。

 

 

「何か言いたいのなら、言ってみろやぁ!!理事様よぉ!!」

 

 

オートマタは動かない。

 

距離が近すぎるため、射撃できないのだろう。

 

理事はオイルまみれになりながら叫ぶ。

 

 

「貴様…使えると思っていたが…我々と戦争する気か!!」

 

 

私は笑った。

 

怒りで歪んだ笑いだった。

 

 

「かかってこいや!!クソ企業共が!!全員ぶっ殺してやる!!!!」

 

 

最後に理事の頭を蹴る。

 

ゴンッ。

 

そして体から降りる。

 

 

「理事!ご無事ですか!?」

 

 

PMC兵が駆け寄る。

 

理事の顔はボロボロだった。

 

レインは仲間の方へ歩く。

 

その瞬間。

 

気づく。

 

空気が重い。

 

みんな黙っている。

 

(……ああ)

 

さっきの話。

 

きっと。

 

誰も助けてくれなかったこと。

 

ホシノがいなくなったこと。

 

胸がまた重くなる。

 

その時。

 

ドォォォン!!

 

爆発。

 

北の空で爆炎が上がる。

 

 

「なっ!?き、北の方で大きな爆発を確認!」

 

 

PMCの通信が騒ぐ。

 

 

「合流予定のブラボー小隊が巻き込まれてーー!!」

 

「何!?」

 

 

さらに爆発。

 

ドォン!!

 

 

「東の方でも確認!合流予定だったマイク小隊も、大量のC4の爆発で…!!」

 

「何が起こっている!?アビドスの連中は、ここにいるので全員のはず…!!」

 

 

理事が叫ぶ。

 

叫ぶ声にノイズが走っている。

 

その時。

 

聞いたことのある声が聞こえた。

 

 

「全く…大人しく聞いてみれば、迷彩服の子以外何を泣き言ばっかり言っているのかしら…」

 

 

みんなが声の出どころを振り向く。

 

煙の向こうに、四人のシルエットが浮かび上がる。

 

 

「目には目を、歯には歯を。無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く…それが、あなたたち覆面水着団のモットーじゃなかったの?」

 

「…あ、あなたは!?」

 

 

煙から出てきたのは、便利屋68の連中だった

 

アヤネだけでなく、みんな驚いている。

 

 

「何をすればいいのか分からない、どうすればいいのかも分からない。やる事なす事、全部失敗に終わる…ここを潜り抜けたところで、この先にも逆境と苦難しかない…」

 

 

そして。

 

大声で叫んだ。

 

 

「だから何なのよっっっ!!!!」

 

 

アルが怒鳴る。

 

対策委員会が固まる。

 

 

「え、えっ…?」

 

「仲間が危機に瀕しているんでしょう!?それなのに、くだらないことばっかり考えて、このまま全部奪われて、それで納得できるわけ!?あなたたちは、そんな情けない集団だったの!?」

 

「いやいや、アルちゃんその辺で勘弁してあげなよ。メガネっ娘ちゃんは繊細なんだから、こういう時もあるって」

 

「ど、どうしてあなたたちが…!?」

 

 

アヤネが驚く。

 

 

「あはっ。それにしても、私の可愛いメガネっ娘ちゃんを泣かした罪は重いよ?だからもうこれは、迷彩服っ娘ちゃんの言う通り…」

 

「ぶっ殺すしかないよねっ!!!」

 

 

ムツキは叫んだ。

 

 

「ふふっ、ふふふふふ…準備はできています、アル様。仕込んだ爆弾もまだまだたくさんありますので…」

 

 

ハルカが静かに言う。

 

 

「はあ。ただ、ラーメン食べに来ただけのはずなのに……」

 

 

カヨコがため息をつく。

 

 

「埋めておいた爆弾で、敵の増援を遮断。その間に敵の指揮官を無力化させて、指揮体系を崩壊させる。これで相手集団を一気に瓦解させる…」

 

「本来なら、風紀委員会相手に使うはずの戦術だったけど。ま、予行演習ってことにしておこうか」

 

 

カヨは冷静に解説する。

 

 

「目を開けなさい。腑抜けた状態のあなたたちに今から、真のアウトローの戦い方を見せてあげるわ。ハルカ」

 

 

アルが命令する。

 

 

「はい」

 

 

次の瞬間。

 

ドォォォン!!

 

爆発が連鎖する。

 

瓦礫と煙で、対策委員会は分断された。

 

レインの隣には――便利屋68。

 

アルが振り向く。

 

 

「さあ、今こそ協業の時よ!合わせられるわよね、先生、迷彩服!?」

 

 

私は少し眉をひそめる。

 

 

「迷彩服呼びはやめてください。私にはレインという名前があります」

 

 

アルが一瞬止まる。

 

 

「ごめんなさい、レイン」

 

 

そして笑う。

 

 

「さあ、そこの腰抜けたちに、今こそ真のハードボイルドの力を見せつけてやるわ!」

 

 

先生が頷く。

 

 

「”…よし、やろう!”」

 

 

その言葉を聞いた瞬間。

 

PKPを握り直した。

 

胸の奥はまだ痛い。

 

ホシノ先輩のことも。

 

さっき言われた言葉も。

 

全部、まだ消えていない。

 

でも。

 

さっき理事を殴った時。

 

確かに思った。

 

(渡さない)

 

(絶対に)

 

前を見る。

 

カイザーPMCの部隊。

 

オートマタ。

 

煙。

 

戦場。

 

そして静かに言った。

 

 

「行きます」

 

 

次の瞬間。

 

先生の合図と共に――

 

私はクソ企業共のPMCへ突撃した。




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