ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.51 作戦会議

夕方のアビドス高校。

 

校舎の窓から差し込む夕焼けが、廊下を赤く染めていた。

風が吹くたび、校庭の砂がさらさらと流れる音が聞こえる。

 

私は校門をくぐり、校舎の中へ入った。

 

足音が静かな廊下に響く。

 

装備の重さが肩にかかる。

背中には、店主からもらったRPG。

 

廊下を曲がったところで、向こうから誰かが歩いてくるのが見えた。

 

先生だった。

 

先生もこちらに気づく。

 

 

「”あ”」

 

 

少しだけ驚いたような声。

 

私は立ち止まる。

 

 

「先生」

 

 

先生が近づいてくる。

 

 

「”レイン、今戻ったの?”」

 

「はい」

 

 

先生の視線が、私の装備に向く。

 

RPGの筒。

リュックの横に結ばれた弾頭。

 

少し目を丸くする。

 

 

「”……すごい装備だね”」

 

 

私は少し苦笑する。

 

 

「弾を買いに行ったら、色々増えました」

 

 

先生は小さく笑う。

 

 

「”なるほど”」

 

 

それから少しだけ表情が真面目になる。

 

 

「”みんな、もう集まってる”」

 

 

私は頷く。

 

 

「行きましょう」

 

 

先生と並んで歩き出す。

 

廊下の先、対策委員会室の前まで来る。

 

ドアの前で先生が軽くノックする。

 

コンコン。

 

中から声。

 

 

「どうぞー!」

 

 

先生がドアを開けた。

 

中に入ると、すぐに声が上がる。

 

 

「おかえり、先生、レイン!」

 

 

シロコだった。

 

 

「先生にレインちゃん、お待ちしておりました!」

 

 

その隣でノノミがぱっと笑顔になる。

 

 

「先生、レインちゃん!」

 

 

セリカが椅子から立ち上がる。

 

 

「先生…レインちゃん…」

 

 

アヤネもほっとしたように言う。

 

先生が軽く手を上げる。

 

 

「ただいま」

 

 

それからシロコが、じっとこちらを見た。

 

 

「先生」

 

 

そして短く言う。

 

 

「何か、つかんできた顔だね」

 

 

先生が小さく笑う。

 

 

「”うん”」

 

 

それから部屋の真ん中へ歩く。

 

みんなの視線が集まる。

 

先生が言った。

 

 

「”じゃあ、あらためて――”」

 

 

一呼吸。

 

 

「”ホシノを助けに行こう!!”」

 

 

その瞬間。

 

 

「……ん、行こう」

 

 

シロコがすぐに頷く。

 

 

「”ホシノを助けて、ここに連れ戻す!”」

 

「はい、そう言って下さると思っていました!」

 

 

アヤネが嬉しそうに言う。

 

先生が続ける。

 

 

「”助けて、その後は厳しく叱ってあげないと!”」

 

「うんうん!自分で言ったことを守れなかったんですから、お仕置きです!きちんと叱ってあげな

いと!」

 

 

ノノミがうんうんと頷く。

 

先生が少し笑いながら言う。

 

 

「”『おかえり』って言って、『ただいま』って言わせよう!”」

 

「うん…えっ!?何それ、恥ずかしい!」

 

 

セリカが目を見開く。

 

肩を震わせる。

 

 

「青春っぽい!!背筋がぞわっとする!」

 

「私はする」

 

 

シロコが真顔で言う。

 

 

「え、え!?」

 

 

セリカが振り向く。

 

 

「セリカちゃんがしなくても、私もします!」

 

 

ノノミも手を上げる。

 

 

「えっ、えぇっ!?」

 

「わ、私も。ちょっと恥ずかしいですけど…」

 

 

アヤネも小さく手を上げる。

 

 

「私もします。一番青春しているこの時期に青春っぽいことをしないともったいないですよ」

 

 

私も静かに言う。転生してきたからこそ言える。この時期は甘酸っぱいことをした方がいい。

 

セリカが顔を赤くしながら両手を振る。

 

 

「か、勝手にして!私は絶対、そんな恥ずかしいこと言わないから!!」

 

「あ、あはは…」

 

 

それからアヤネが咳払いをする。

 

 

「では、それはそうとして」

 

 

タブレットを取り出す。

 

 

「救出のための準備を…」

 

 

画面を操作する。

 

 

「でも、今の私たちだけじゃ勝てない」

 

 

シロコの言葉で部屋が少し静かになる。

 

アヤネは続ける。

 

 

「誰か協力者を…」

 

 

セリカが言う。

 

 

「便利屋は?」

 

 

ノノミが少し考える。

 

 

「確かに私たちのことを助けてくれましたが…もう一度お願いしても良いのでしょうか?」

 

 

セリカが腕を組む。

 

 

「大丈夫だって!またどこ行ったんだか知らないけどさ、ここまで散々迷惑かけられてきたんだか

ら、これくらいのお願いは聞いてもらわないと!」

 

 

その時。

 

先生が口を開く。

 

 

「”……私に考えがある”」

 

 

全員の視線が集まる。

 

アヤネが少し首をかしげる。

 

 

「え…?えっと、それはどういった…?」

 

「”私から、風紀委員会と便利屋に掛け合ってみる”」

 

 

先生が言う。

 

 

「えっ、風紀委員会!?」

 

 

セリカが驚く。

 

「それって……つまり」

 

 

アヤネが目を見開く。

 

 

「”カイザーの動きは、もうアビドスだけの問題じゃない。キヴォトス全体の秩序に関わる”」

 

 

先生が頷く。

 

 

「だから風紀委員会」

 

 

シロコが静かに言う。

 

 

「”うん。前のこともあるからね。協力して貰おうと思ってる”」

 

 

「”それに、便利屋68も”」

 

先生が続ける。

セリカが腕を組む。

 

 

「あいつら…」

 

 

ノノミが微笑む。

 

 

「きっと来てくれますよ」

 

 

私は静かに口を開いた。

 

 

「私も、来てくれるか分かりませんが」

 

 

部屋の中の視線が一斉にこちらに向く。

 

 

「少しだけ伝手があります」

 

 

シロコが小さく頷き、セリカは腕を組んだまま少し首をかしげる。

ノノミは興味深そうにこちらを見て、アヤネはタブレットを持ったまま目を瞬かせた。

 

先生がゆっくり頷く。

 

 

「”ありがとう、レイン”」

 

 

その声は落ち着いていて、どこか安心感があった。

 

先生はそのまま部屋の全員を見渡す。

 

対策委員会の五人。

そして自分。

 

夕焼けの光が窓から差し込み、部屋の床と机を赤く染めていた。

 

先生が言う。

 

 

「”決まりだ”」

 

 

一呼吸置く。

 

 

「”協力者を集めて――”」

 

 

そして、静かに、でもはっきりと言った。

 

 

「”ホシノを助けに行こう”」

 

 

その言葉に、誰も反対しなかった。

 

シロコが短く頷く。

 

 

「……ん」

 

 

セリカが拳を握る。

 

 

「絶対連れ戻すわよ」

 

 

ノノミが微笑む。

 

 

「きっと大丈夫です」

 

 

アヤネも力強く頷いた。

 

 

「はい!」

 

 

部屋の空気が少しだけ変わる。

 

決意が、静かに広がっていく。

 

私はその様子を見ながら、静かに息を吐いた。

 

(協力者……)

 

頭の中に、一人の顔が浮かぶ。

 

明るい髪。

少しギャルっぽい雰囲気。

ぐいぐい来る先輩。

 

「後輩」

 

そう呼びながら笑っていた顔。

 

ポケットの中のスマホの存在を、指先で少しだけ確かめる。

 

あの時の会話が頭をよぎる。

 

“ちゃんと生きて帰ってきなよ、後輩”

 

“先輩命令”

 

私は、誰にも気づかれないように小さく視線を落とす。

 

(……スズカ先輩)

 

みんなには言わない。

 

でも、心の中で決める。

 

この後、連絡を取ろう。

 

来てくれるかどうかは分からない。

 

SRTは簡単に動ける組織じゃない。

 

それでも――

 

(聞くだけ、聞いてみるか)

 

もし、少しでも力を貸してくれるなら。

 

それだけでも、戦いは変わる。

 

私は顔を上げる。

 

夕焼けの光が窓から差し込み、対策委員会室を赤く染めていた。

 

もうすぐ夜になる。

 

そして、その先には。

 

最後の戦いが待っている。




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