ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが? 作:NK7
カイザーPMCの第一陣を薙ぎ払い、私たちは施設の外周を突破した。
崩れた壁。
散らばる薬莢。
黒い煙。
施設の入り口のシャッターは半分吹き飛び、鉄骨が歪んでいる。
私はゆっくり息を整えながら周囲を見た。
耳の奥がまだ少しだけ響いている。
さっきまでの銃撃戦の余韻だった。
(……突破できた)
ここまでの戦闘は想定より激しかった。
カイザーPMCのオートマタ、重火器班、固定機銃。
それでも――
全員、無事だった。
「みなさん、大丈夫ですか?」
アヤネが通信越しで質問する。
「ん」
シロコが静かに頷く。
「全っ然大丈夫!」
セリカが肩を回しながら言う。
むしろ少し楽しそうなくらいだ。
「まだまだ行けますよ~」
ノノミがミニガンを構え直しながら微笑む。
アヤネはタブレットを確認している。
「先生に教えていただいた座標はもう目の前なので、もう少しの辛抱です…!」
その声には少しだけ緊張が混じっていた。
ホシノ先輩が、もうすぐそこにいる。
私の胸の奥も、少しだけ速く鼓動していた。
(……近い)
ここまで来た。
もうすぐだ。
私は背中のRPGを一度触る。
残弾は、あと一発。
RPG-28。
今回貰ったものとは別の、使い捨て式。前にここに来た時の余りである。
その時、通信機にノイズが入る。
アヤネの声だった。
「前方に敵を発見しました!!」
全員がすぐに構える。
「距離は2km、もうすぐ接敵します!」
タブレットを操作する音。
「みなさん、対処の準備を…!」
私はRPGを肩から下ろす。
筒を肩まで持ち上げる。
重さが体に乗る。
照準を前方の施設群に向ける。
(これで道を開く)
そう思った、その瞬間。
――――ギィィィィン!!
空を切り裂くような音。
次の瞬間。
ドォォォォン!!
前方の建物群が巨大な爆発に包まれた。
衝撃波がこちらまで届く。
砂と煙が空に舞い上がる。
私は思わず目を細めた。
「……あれは?」
セリカが目を丸くする。
「支援射撃?」
シロコが煙の向こうを見つめる。
アヤネがタブレットを見て、はっとした声を出す。
「……L118!」
驚きが混ざる。
「トリニティの牽引式榴弾砲です!」
私は思わず眉をひそめた。
(L118……?)
聞いたことがある。
確か――
イギリス軍やアメリカ軍で採用されている牽引式榴弾砲。
軍用の本格的な火砲だ。
(なんで学園がそんなものを…)
その時。
通信機に小さな声が入る。
「あ、あぅ……わ、私です……」
少し聞き覚えのある声だった。
セリカがぱっと顔を明るくする。
「あっ!ヒフー」
通信からすぐに慌てた声が聞こえる。
「ち、違います!私はヒフミではなく、ファウストです!」
通信越しでも分かるくらい焦っていた。
私は少しだけ肩の力が抜けた。
(……あの人か)
ブラックマーケットで出会った子。
ノノミが頭に「5」と書かれた紙袋を被せ、銀行強盗に巻き込んでしまった生徒。
ノノミが嬉しそうに言う。
「わあ、ファウストさん!お久しぶりです!」
少し笑いながら続ける。
「ご自分で名前を言っちゃってましたが、そこはご愛敬ということで☆」
通信の向こうで慌てる声。
「あ、あれ!?あぅぅ……その、このL118は、トリニティの牽引式榴弾砲ですが……」
少し声を潜める。
「ト、トリニティ総合学園とは一切関係ありません!」
必死な言い方だった。
「射撃を担当している皆さんにも、そう伝えておきましたので……」
小さくなる声。
「す、すみません、これくらいしかお役に立てず……」
「ううん、すごく助かった」
シロコがすぐに言う。
「はい!ありがとうございます、ファウストちゃん!」
ノノミも明るく言う。
通信の向こうで少し安心した声。
「あはは……えっと、みなさん……が、頑張ってください!」
通信が切れた。
私は少しだけ空を見上げる。
煙の向こう。
遠くの空。
(……L118)
確かイギリスやアメリカなどで採用されている榴弾砲。
それを学園が保有している。
普通に考えれば、おかしい。
(……まあ)
私は考えるのをやめた。
ここはキヴォトスだ。
学園が戦車やロボットを持っている世界だ。
今さら榴弾砲くらいで驚く必要はない。
それよりも――
私は煙の向こうを見る。
爆撃を受けたカイザーPMCの陣地。
兵士たちが混乱しているのが見える。
(チャンスだ)
シロコが静かに言う。
「火力支援の直後に突撃」
少し笑う。
「定石通りだね」
「はい!」
アヤネがすぐに答える。
タブレットを操作する。
「敵は砲撃により混乱状態です!」
声が少し強くなる。
「今のうちに突破しましょう!」
セリカが銃を構える。
「よっしゃ!」
ノノミも前を見る。
シロコはすでに走り出す姿勢だった。
私はRPGを背中に戻す。
(……あと少し)
ホシノ先輩。
もうすぐだ。
胸の奥が強く鼓動する。
でも、不思議と怖くはなかった。
ここまで、みんなで来た。
対策委員会。
先生。
そして、遠くから支援してくれる人たち。
トリニティのファウスト及びヒフミさん。
もしかしたら――
スズカ先輩も、どこかで見ているかもしれない。
私はAK-12を強く握る。
「……行きましょう」
そう言って、前に出る。
「今なら突破できます」
そして私たちは――
混乱しているカイザーPMCの陣地へ、一斉に突撃した。
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レインの設定って書いたほうがいいですか?
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