ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが? 作:NK7
廊下を進むたびに、視線が絡みついてくる。
ざわつく空気。ひそひそとした声。
その中心にいるのが私だということは、嫌でも分かった。
(……やっぱり目立ってるのかなぁ)
転校生というだけでは説明がつかない視線の量。
原因は明白だった。
(服装と装備のせいだよな…これ)
デジタルフローラ迷彩に加え、明らかに過剰な武装。
この学園でも“普通”ではない。
(落ち着かない)
思考を整理したいのに、視線がそれを邪魔する。
無意識に肩の力がわずかに抜けきらず、周囲の気配を拾い続けている自分に気づく。
(……警戒しすぎかな)
だが、それをやめる理由もない。
人の流れから外れるように、廊下の突き当りへ向かった。
階段の踊り場。
少しだけ空気が軽くなる。
だが――
「だーかーらーさー!このままだとずっと3人じゃん!どうすんの!!」
元気すぎる声が響いた。
視線を向けると、同じ迷彩服を着た3人の生徒が話し込んでいる。
(……小隊の話)
自然と足が止まり、壁の後ろに隠れる。
(ちょうどいい)
探していたものが、向こうから現れた形だった。
「仕方ないだろう。条件に合う人材が簡単に見つかるわけじゃない」
Ash-12を持った生徒が腕を組み、冷静に言う。
(中心にいる……判断が早い)
声に無駄がない。迷いもない。
状況を正確に把握しているタイプ。
「でもさー!4人いないと模擬戦とかできないしさー!成績絶対不利じゃん!」
KS-23と大型シールドを持った生徒が不満そうにシールドを床に軽く叩く。
勢いはあるが、裏を返せば分かりやすい。
「……私は、ちゃんと戦える人がいい」
ギリースーツを身に着け、巨大なガンケースを二つ持った生徒が、静かに言葉を落とす。
だが、その一言には重みがある。
自然と評価している自分に気づく。
「それじゃあ無理やり誘って入れるか?」
Ash-12を持った生徒が問いかける。
「えー、でも変な人だったらどうするの!?連携取れなかったら終わりじゃん!」
KS-23を持った生徒が身振り手振りを大きくする。
「そうなるだろ。だから相性のいい人を探さないといけないんだ」
淡々と返すAsh-12を持った生徒。
「……最低限、戦える人」
大型のガンケースを二つ背負った生徒がぽつりと補足する。
連携を重視。
個人能力も最低ラインを求める。
どこの小隊でも求めているところだろう。
その時だった。
KS-23を持った生徒が、ふとこちらを見る。
一瞬、時間が止まる。
視線が合った瞬間すぐに身を隠す。
(……見つかった)
次の瞬間。
「……あ」
そして――
表情が一気に変わる。
(……分かりやすい)
「ちょっ、ちょっと待って!!キミ!!!あいだぁ!!!」
ドタドタと階段を降り、足を踏み外し転がり落ちてきた。
「そこのキミ!!小隊入ってる!?!?!?」
目をキラキラさせながら一気に距離を詰めてくる。
反応が一瞬遅れる。
だが、危険は感じない。
「入ってなかったらでいいんだけど――」
ゴッ。
「ぐへぇ!!」
鈍い音が鳴った直後KS-23を持った少女はKS-23とシールドを床に捨て、殴られた場所を抑えていた。
「……落ち着け」
Ash-12を持った生徒が少し怒った表情で拳を下ろす。
近くで見ると、レッグホルスターにRsh-12が刺さっている。
「いったぁ!?なんでぇ!?」
涙目になりながらAsh-12を持つ生徒を睨みつける
「いきなり距離を詰めるな。引かれるだろ!」
「だって!!見つけたじゃん!!めっちゃ“当たり”っぽい人!!!」
(当たり、か)
その言葉に、わずかに思考が止まる。
(……評価されている)
理由も分かる。
装備、立ち方、視線。
(見られているのは、お互い様)
ガンケースを持った生徒が静かに近づく。
足音がほとんどしない。
Ash-12を持った生徒が一歩前へ。
「うちの連れが失礼した」
短く、丁寧に切り出す。
「私たちの小隊は見ての通り、一人不足しているんだ。あと一人で正式に認可してもらえる。未所
属なら、加入を検討してほしい」
余計な言葉がない。
条件提示が明確。
「てかさ!絶対いいじゃんこの人!装備見た!?やばくない!?」
KS-23を持った生徒がテンション高く割り込む。
「…少しは黙ってくれ…ホントお前は…何事も判断が雑だな」
「でも合ってるでしょ!?」
「否定はしない」
「……強そう」
ガンケースを持った生徒がぽつり。
(全員、拒否していない)
むしろ歓迎している。
私は三人を見る。
(近距離二人ともう一人はたぶん遠距離)
(……足りないのは中距離)
自分の位置が自然と見える。
(なら――問題ない)
「……分かりました」
言葉に迷いはなかった。
「私も丁度小隊を探していました。入らせてください」
一瞬の静止。
空気が変わる。
「やったーーー!!!」
KS-23を持った生徒が両手を広げ、感情を爆発させる。
「本当に感謝する」
Ash-12を持った生徒が頷く。
「……よかった」
ガンケースを持った生徒も小さく息を吐く。
私は一歩前へ出る。
「白鷺レインです。よろしくお願いします」
その瞬間、自分の立場が切り替わる感覚があった。
(個人から、チームへ)
「風見アイラ!よろしくね!!」
「霧島リディアだ。よろしく頼む」
「……白峰ミラ。よろしく」
三人も、それぞれ名乗る。
その直後――
「でさでさ!!隊長どうする!?」
(早い)
思考が追いつく前に話が進む。
「今まで私たちでやってきてよく感じたのだが、私たちに小隊長は向いていない」
リディアがこちらを見る。
なにやら嫌な予感がする。
「レイン、君が小隊長をしてほしい」
「…え?私?」
一瞬、脳がフリーズした。
「いやいや、私は今日転校してきたばかりで…皆さんみたいな専門的な戦術は何も習っていないですし…」
「アイラは見ての通りバカだし、ミラは指揮を取るのが苦手で、私は直接指揮するよりアシストの方が得意なんだ。戦術とかは私がワンツーマンで教えてやるから、頼む…!」
頭を下げながら懇願してくる。なんだかかなり苦労したんだなと感じる。
「……分かりました。引き受けます」
口に出した瞬間、責任が明確になる。
(隊長)
軽い言葉ではない。
だが、不思議と重すぎるとは感じなかった。
(やるべきことがはっきりしただけ)
「転校初日なのに引き受けさせてしまって申し訳ない…!」
「隊長よろしくー!!」
「……よろしく」
そのまま事務室へ向かい、小隊登録書類を受け取る。
小隊名の欄で、ペンが止まる。
(名前……)
少しだけ考える。
(バラバラで、それでいてまとまるもの)
短く、強く、覚えやすい。
頭の上に閃光が走ったかのように思いつく。
「ハスキー…とかどうですか?」
口に出した瞬間、妙にしっくりくる。
「いいじゃんそれ!!かっこいい!!」
「問題ない」
「……いいと思う」
(受け入れられた)
小隊名を書き書類を提出し、ハスキー小隊は正式に登録された。
廊下へ戻る。
さっきまで感じていた孤立は、もうない。
(……変わった)
ほんの数分前まで、一人だった。
今は――
(隣にいる)
三つの気配。
それぞれ違うリズム。違う強さ。
(扱いは難しい)
だが同時に――
(組めば、強い)
静かに息を吐いた。
胸の奥にあったわずかな緊張が、少しだけほどける。
(悪くない)
このメンバーで、この三年間を乗り越えていく。
そう、決意した
感想お待ちしてます
続きません
レインの設定って書いたほうがいいですか?
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いる
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いらん