ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが? 作:NK7
二階での制圧を終えたあと、私とリディアはすぐに一階へ降りた。
足音がわずかに響く室内。
さっきまでの激しいやり取りの余韻が、まだ空気に残っている。
(……終わった直後だ)
だが、気を抜く時間はない。
視線を巡らせると、RABBIT小隊のメンバーがそれぞれ体勢を整えていた。
レインはその中から、小隊長――ミヤコの姿を見つける。
床に座り込んだ状態。
だが、姿勢は崩れていない。
(立て直しが早い)
レインは迷わず歩み寄り、その前で足を止めた。
そして、手を差し出す。
ミヤコは一瞬だけその手を見て――軽く握り返した。
ゆっくりと立ち上がる。
その動作に無駄はない。
「お見事でした」
ミヤコが先に口を開く。
落ち着いた声。
だがその視線は、レインではなく――別の方向へ向いていた。
「ですけど、あの子」
視線の先。
アイラ。
まだ興奮が抜けていないのか、シールドを構えたままリディアと何か話している。
「……あんなに耐えられるとは思いませんでした」
率直な感想。
(……同感)
レインはわずかに視線を逸らす。
「正直に言いますと、私もです……」
小さく、苦笑混じりに答える。
(想定以上だった)
「しかも」
ミヤコが続ける。
「ドアではなく、壁に穴を開けて突撃してくるとは……」
「流石に予想外でした」
一瞬、思考が止まる。
「……えぇ?」
私はゆっくりと振り返る。
視線の先。
閉じられたままのドア。
その隣――
大きく抉られた壁。
(……やったのか)
一瞬、言葉が出ない。
(聞いてない)
(というか、想定してない)
軽く頭を押さえたくなる衝動を抑える。
(後で確認しよう)
「……申し訳ないです」
とりあえず謝る。
ミヤコは小さく首を振った。
「いえ、問題ありません」
そして、少しだけ表情を引き締める。
「話はこれくらいで」
空気が変わる。
「次は勝たせてもらいます。HUSKY小隊の皆さん」
静かな宣言。
だが、その奥にある意思は強い。
私も自然と姿勢を正す。
「いえ」
短く返す。
「勝ち越します」
一歩も引かない。
「覚悟しておいてください」
視線がぶつかる。
数秒。
そして、ミヤコは小さく頷いた。
「楽しみにしています」
そのまま、RABBIT小隊は建物の外へと向かっていく。
背中が見えなくなるまで、私は視線を外さなかった。
(次は、防衛)
気持ちを切り替える。
「それで、次の作戦はどうする?」
リディアが隣に立つ。
(即切り替え)
私は小さく頷き、通信を開く。
「こちらHUSKY1。聞こえますか?」
すぐに反応が返る。
「聞こえてるよー!」
「……問題なし」
「次の作戦です」
頭の中で組み立てたものを、そのまま言葉にする。
「建物内の防衛指揮はHUSKY2に一任します」
一瞬、間。
「私はHUSKY4と共に後方支援に回ります」
(外から削る)
「建物には出入口にはワイヤートラップなど、簡易的な罠を設置してください」
「侵入速度を落としてください」
短く、要点だけ。
「「「了解」」」
重なる声。
通信を切る。
私はリディアの方へ向き直る。
「アイラの制御は大変でしょうが」
少しだけ苦笑する。
「ここの指揮は任せます」
リディアは肩をすくめる。
「任された」
迷いのない返答。
「そっちこそ」
わずかに口元を上げる。
「私たちの出番が無いぐらい頑張ってくれ」
(期待されている)
小さく息を吐く。
「……そうですね」
「そうなるように頑張ります」
言い切る。
そのまま建物を出る。
外の空気。
さっきよりも静かに感じる。
その麓で――
ミラが待っていた。
すでに周囲を観察している。
(準備はできてる)
「……レイン」
ミラが静かに口を開く。
「次の武装、どうしますか?」
(選択)
レインは周囲の草木を見る。
視界の通り方。
隠れやすさ。
そして――相手の装備。
(迷彩ではない)
「そうですね」
小さく頷く。
「今回は迫撃砲は使いません」
ミラの目がわずかに動く。
「狙撃に集中しましょう」
(精度で削る)
「相手の服装は、この環境では目立ちます」
「発見は難しくないはずです」
ミラは静かに頷いた。
「……そう、ですね」
納得している。
私はそのまま、自分の装備に手をかける。
「少しこれ持っていてください」
AK-12を外し、ミラに渡す。
「あ、はい」
ミラはスムーズに受け取る。
その間に、レインはSVCh-8.6を取り出す。
「それを、今これがしまってあった場所にしまえますか?」
ミラは無言で頷き、私のリュック側面にAKを固定する。
動きに無駄がない。
(慣れている)
装備が整う。
軽く息を吐いた。
「よし」
視線を上げる。
「頑張りましょう」
「……はい」
短いやり取り。
それだけで十分だった。
二人は視線を交わし、すぐに別方向へ散開する。
草木の中へ。
足音を消し、姿を低くする。
(見つからないように)
(そして――見つける)
静かな戦いが、もう始まっていた。
感想お待ちしてます
続きません
レインの設定って書いたほうがいいですか?
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いる
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いらん