ロシア装備でサバゲーしていた俺がいつの間にかブルアカの世界に転生してTSしていたんだが?   作:NK7

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続きました


No.8 突然の来客者

翌朝、まだ太陽が本格的に昇りきる前の時間帯。

砂漠の空気は冷たく、吸い込むたびに肺の奥をひやりと刺した。

 

昨晩、恐る恐る確認した腕。

至近距離で9mmを受けたはずの場所は、赤みすら残さず、元の肌色に戻っている。

 

(……やっぱり、夢じゃない)

 

昨夜は「普通の人間ではない」という事実を、どうしても受け入れきれなかった。

だが、ここまで綺麗に治ってしまえば、否定のしようもない。

 

(受け入れるしか、ないよね)

 

気持ちを落ち着かせるためにも、装備を着込む。

昨日と同じルートを、同じペースで走ることにした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ……」

 

校区内を二十周。

最後は速度を落とし、歩きながら呼吸を整える。

 

昨日は調子に乗って百周という正気を疑う距離を走り、結果的に遅刻した。

今日はその反省を活かし、現実的なラインで切り上げられた。

 

(……進歩、かな)

 

走っている最中、またしても視界に入る柴関ラーメン。

相変わらず、美味しそうだ。

 

(今度、絶対行こう…お金ができたら)

 

そんなことを考えながら、生徒会室へ向かう。

 

 

「おはようございます」

 

 

扉を開けると、いつものメンバー。

……いや、いつも通りとは言い切れないか。

 

 

「そのバイザー付けたまま入るのやめなさいよ!!」

 

 

即座にセリカに怒られる。

 

 

「すみません……」

 

 

次から気をつけよう、と心に刻む。

 

室内を見渡すが、ホシノ先輩とシロコの姿がない。

ホシノ先輩は昼寝だろう。

シロコは……ロードバイクかもしれない。

 

そう考えつつソファに腰掛け、PKPの整備を始める。

 

――その時。

 

扉が開いた。

 

 

「ただいま」

 

 

シロコだ。

だが、その背中には――

 

(……ん?)

 

スーツ姿の大人が、おんぶされている。

 

 

「おかえり、シロコせんぱ――……い?」

 

 

思考が一拍遅れる。

 

 

「ちょっと待って!? おんぶしてる人、誰!?」

 

「わぁ〜シロコちゃんが大人の人を拉致ってきました〜!」

 

「拉致!? もしかして死体!?」

 

「速やかに死体を隠す場所を探すわよ! 体育館裏に――」

 

「はい、そこの一年二人組、落ち着こうか」

 

思わずツッコんだ。

 

シロコも、少し困ったような顔をしている。

 

(……なんで真っ先に犯罪を疑われてるんだろ)

 

私にはそう見えないが、アビドス的にはこれが通常反応なのかもしれない。

 

 

「普通に生きてる大人だから。学校に用があるんだって」

 

「え、死体じゃなかったんですか?」

 

「拉致じゃなくて……お客さん?」

 

 

シロコは大人をそっと下ろす。

 

 

「こんにちは」

 

「あ、喋れるんだ」

 

「あんた、お客さんに対して失礼よ」

 

(さっき死体とか埋めるとか話してた人が言うの、それ)

 

 

心の中でだけ突っ込む。

 

 

「シャーレの先生です。よろしくね」

 

――シャーレ。

 

 

その言葉に、全員の空気が変わる。

 

(……あ)

 

 

確かに、アヤネが支援申請を出していた相手。

 

 

「連邦捜査部『シャーレ』の先生!?」

「支援要請が……受理されたんですね!」

 

 

喜ぶ皆の横で、胸の奥が少しだけざわつく。

 

その直後だった。

 

ダダダダダダダダ――――!

 

外から、連続した銃声。

 

(……来た)

 

嫌な予感は、外れない。

 

窓の外では、赤と黒のフルフェイスヘルメットの武装集団が蠢いている。

 

 

「カタカタヘルメット団が接近しています!」

 

「あいつら……!」

 

 

(……補給が切れてる今を狙った、ってところかな)

 

冷静に、状況を整理する自分がいる。

 

(この世界じゃ、喧嘩は拳じゃなくて弾丸が飛んでくるんだな)

 

セリカがホシノ先輩を起こしに行き、すぐに戻ってくる。

 

相変わらず眠そうなホシノ先輩だが、

手にする装備は迷いがない。

 

(……眠そうでも、完全に戦闘員だ)

 

 

「レインちゃん、無茶はしないでね」

 

 

その一言に、少しだけ胸が温かくなる。

 

 

「はい。分かっています」

 

 

――本当に?

 

自分に問いかける。

 

昨夜、撃たれても死なないと知った。

銃を持つ覚悟はある。

でも、「撃つ」覚悟は?

 

それでも。

 

ホシノ先輩が走り出し、皆が続く。

 

(……今は、考えても仕方ない)

 

私は、装備の重みを確かめながら、歩き出した。

 

この世界で生きるなら、

この「当たり前」に、少しずつでも足を踏み入れるしかない。

 

――引き金を引く覚悟を

 

 




乾燥お待ちしています
続きません

レインの設定って書いたほうがいいですか?

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