プロローグ
やっと・・・終わった
目の前で滅び去る諸悪の根源を眺めながらそう思う。
ここは異界の地『ジ・エンド』その最奥。
突然ジ・エンドなど言われても何のことだかさっぱりだと思うので最果ての地とでも思ってくれれば幸いだ。
ああ待ってくれ、これはよくある異世界転生の小説ではない・・・何でこんなメタい事を言ったんだろ、まあいいか。
先程「終わった」などと口にしたのは訳がある、今までこの世界は崩壊の一途を辿っていたが先程倒した化け物が親玉だったなので消滅すればこの世界は救われるだろう。
「はぁはぁ・・・ゲホッ」
クソっ、流暢に説明していたら血を吐いてしまった、早く回復しなければ。
それもそのはず俺ことスティーブは身体中傷だらけの出血中だったので腰に下げていた赤い液体の入った瓶に口をつけ中身を一気に呷った。
すると魔法のように身体中の傷が消え顔色も良くなった。
すまない、話の続きを話そう。
元々俺は
そして俺をこの世界に呼び込んできた存在がいる、その名も転生神、よくある異世界転生を司っている神だ、だが俺は死んでない、いや正確に言えば死にかけていたが。
彼のスカウトもとい救護でこの世界にやってきた。
その後、救護する時の約束で『この世界から元の世界に帰りたかったらこの世界の問題を片付けてからにしろ』と言われていた、そして目の前で諸悪の根源が死んでいる、なのでそろそろ連絡があると思うのだが・・・
そんな事を考えていると頭の中で声が響いた。
『おめでとう!君ならいつかはやってくれると信じていた!』
『そりゃどうも、転生神さん。』
『早速で悪いが・・・元の世界に返してくれるか?』
『いいよ、世界を救ってくれた英雄との約束だからね。』
『やめろ・・・褒めても何も出ないぞ。』
そんな事を脳内で話し合っていると目の前に見たことがないポータルが出現した。
なるほど、これが元の世界に繋がっているのだろう。
『あ、そうそう。』
『何だ?まだ何かあるのか?』
『いや。そう言う訳ではなくて、
『そうか、ありがとう、世話になった。』
『いやいや、僕は何もしてない、ただ君を拾ってきただけさ。』
『・・・そう思う事にするさ。』
『ではまたいつか。』
『あ、困ったら呼んでね。』
『分かった。』
そうして俺は嬉しさ半分、妹への心配半分でポータルをくぐった。
元の世界に帰って来て3日が経過した。
この3日で色々びっくりしたことがあったので記しておく。
一つ目は俺があっち、つまり3日前にいたあの世界『オーバーワールド』と俺がもともと住んでたこの世界との時差があまりなかったことだ。
とは言っても5.6年経っているが・・・
二つ目は俺の家が用意されていたこと。
これは「何言ってんだこいつ」となるかもしれないがよく考えてみてほしい。
先程まで行方不明だった奴に家などあるのか、否、無い。
家族の家を当たってみたが、そこはもう売られていた、なのでどこにいるのか分からない。
警察に行けばいい?試したがまだ審査中、審査の内容は俺が本当に行方不明者だったのかという感じだ。
その間どこに身を置けばいいのか、と途方に暮れているとポケットの中にメモ書きが入っていた。
そのメモの内容は非常に短く、同時に分かりやすかった。
『家は用意したから自由に使ってね。 by転生神』
用意された家がこれまた大きい、流石に専門知識が無くても分かる、この家は高いと、それもそのはずここは日々移り変わる東京都、土地の相場は分からないが高かったと記憶している。
鍵?玄関付近の植木鉢の下にあった。
家の中は綺麗に保たれていて埃一つ無かった。
一番驚いたのは地下室があったことだな、少しワクワクした。
そして三つ目はノイズの出現位置が分かるようになっていた。
まあ、
ここでノイズについて簡単に説明しよう。
俺が知っていることは13年前から国連に認識され始めた特異災害で人間だけを襲い、自身諸共灰にして殺害するヤバ気なモンスターだ。
それ以外にも現代兵器が効かないなど色々あるが今は省いておこう。
何よりノイズが出てきているのだから。
「はあ・・・家族探しはノイズを殺してからだな。」
言い忘れていた、俺の本当の名前は立花瑠璃、異世界の英雄らしい。
英雄は家族を求める、自身の休息の為に