あらすじ
主人公帰還!
ノイズの気配を感じ取り、急いでノイズの出現場所に向かう。
当然走っているが、その場所が問題かもな。
俺は今、民家の屋根を蹴りながら突き進んでいる。
理由は下道を使うより速いからだ、それに今回のノイズの出現位置は人が大勢いるらしい、早く行かねば。
俺はさらにギアを上げた。
家の屋根を渡り継ぐこと数分、目的の場所に着いた。
そこはデカいコンサート会場の様だ、途中『ツヴァイウィングのライブ会場はこちら』と看板があったのだから間違いない。
一旦地面に下りて周囲を見渡す。
コンサート会場から逃げて来たのだろうか人々が走って逃げている。
「おい、何があった?」
俺は逃げている一人に話し掛ける。
「あ、あんた警戒警報聞いてないのか!ノイズだよノイズ!ツヴァイウィングのコンサート会場にノイズが現れやがったんだ!」
「そうか、分かった。」
「あんたも早く逃げた方がいい、コスプレしてる場合じゃないからな!」
(コスプレ・・・あ、着替えたけど服はオーバーワールド産のものだったわ。)
そんな事を考えていると、飛行型ノイズが話していた男性の方に向かって体を細く尖らせ突進した!
「ひ、ひぃぃ!!」
恐怖で足がすくんだのか男は倒れ込み目をつぶった男にノイズが触れ・・・無かった。
「・・・?」
男は目を恐る恐る開ける、すると信じられない光景を目にした。
「今はこの人と話しているんだ、邪魔は許さん。」
男の視界にはコスプレ男によって何処から取り出したのか分からない剣でノイズが切り裂かれ灰になっていた。
「あ、あんた・・・何者だ?」
「名乗るほどの者ではない、それよりも早く逃げたらどうだ?」
「あ、ああ、気を付けろよ!」
「分かった、善処しよう。」
(とにかくコンサート会場の中がノイズだらけそうだな、急ぐか。)
男の目の前のコスプレ男は凄まじいコンサート会場の方に消えていった。
瑠璃sids
あの後飛行型ノイズを何匹か切り捨ててコンサート会場の屋根に辿り着き、コンサート会場を見下ろした。
「ざっと五百か・・・ん?アレは・・・」
瑠璃の視線の先にはノイズが灰になっている様子を見ることが出来た。
そこで瑠璃は少し驚いた、まさか自分以外にノイズを破壊することが出来る者がいるとは思わなかったのだ。
「何で戦うか・・・まあスタンダードな剣で良いだろう。」
そう言うと何も無い所から剣を取り出す。
「立花瑠璃・・・行く!」
そう言うと屋根を蹴り戦場に突撃した。
瑠璃sids out
地獄、その単語一つでこの惨状を説明出来た。
ノイズによって身体を炭素化されてしまい命を落とす者。
どちらが先に逃げるかで揉めて
または逃げる際転んでしまい人の波に引き殺される者。
そんな中でも希望はあった。
「気を付けて!奏!」
「クッソ、時限式じゃあここまでかよ!」
ノイズと戦う少女が二人、だがそれもノイズの波に飲まれる寸前あまり長くは持たないだろう。
「危ない!奏!」
「うわっ!」
奏と呼ばれた橙色の髪を持つ少女(以後奏と呼ぶ)がノイズの突進攻撃で弾き飛ばされアリーナの壁にぶち当たる。
「いてて・・・」
「大丈夫!?奏!」
吹き飛ばされた少女は頭をさすりながら立ち上がる。
だがそうしている最中でも彼女が着ている装備品の色がどんどん、くすんでいきノイズの攻撃を防ぎきれなくなっていく。
一方蒼い髪をしている少女の着ている装備品はくすむ事は無かった。
如何やら奏だけの様だ。
その時アリーナの壁が崩れそこに立っていた少女が戦場に落ちてきた。
落ちてきた少女の方にノイズが殺到する。
「くそったれ!」
奏は少女を守るためにノイズの攻撃でボロボロの体を引きずり色褪せた槍でノイズを両断する。
だが奏の体が限界を迎えるより先に装備品に限界を迎えてしまった。
バギン!
「えっ」グシャッ
壊れた槍の欠片が少女の胸に無慈悲に突き刺さり血がまき散らされる。
「おい!大丈夫か!目を開けてくれ!お願いだ!生きるのを諦めるな!!!」
すぐさま奏が駆けつけ少女に止血処置を施す。
その言葉に反応したのか少女はうっすらと目を開けた。
「良かった・・・」
奏は目を開けた少女の様子に安堵しそして覚悟を決め歌を歌う。
・・・だがそれは一人の男に遮られた。
「一度・・・心を空っぽにして歌ってみたかったんだ。」
そんな中だ“彼”が来たのは。
「何だ?自分以外助かればみんなOKってか?」
ドガン!
「なっ!?」
「そんなの俺が許さん。」
「あ、あんた誰だよ!」
「まあまあ、怪我人はそこでその子でも守ってろ。」
「まて!ノイズに普通の武器は効かない!自殺行為だ!」
何処からともなく現れた男が直剣片手にノイズの群れに突撃する。
はたかれ見ればそれは一種の自殺行為、奏は止めようとしたが少女の安全のためにも傍を離れるわけにはいかなかった。
蒼い髪の少女は膨大な数のノイズたちにより阻まれて声を掛けるしか出来なかった。
だが目の前で予測不可能なことが起きる。
「ほっ!」
斬!
「なぁっ!?」
「案外安物でも戦えるものだな。」
男が直剣を振るい突進してきたノイズを切り裂いた。
「馬鹿な!」
「だがもう限界だな。」ブン!
ノイズを切り裂いた時に出来たのか、もう既に直剣はボロボロの刃毀れ状態だった。
もう既に使い物にならない直剣をノイズに向かって投げ捨て飛行タイプのノイズを何体か巻き込みながら消えていった。
「ならこれでも使うか。」
どこからか剣を取り出した男、その剣は先程と同じ直剣タイプだったが何か違うように奏は思った。
「【ダイヤモンドの剣】エンチャント、“爆発”“謎の共鳴”」
男が何やら呟くと紫色の怪しい光が直剣を鞘ごと包み込んでいく。
「よし、取り敢えずはこれでいいな。」
準備が完了したのか直剣を鞘から抜き放つ。
直剣は剣とは思えない光を放っていた。
「さあ、反撃の時間だ。」
男の姿が消える。
「ど、何処に!?」
直後ノイズが爆ぜる。
「な、何が起きている!?」
「一対多は俺の領分だ。」
男の姿が辛うじて見えていた蒼い髪の少女は絶句する。
男は目にもとまらぬ移動速度でノイズを殲滅していた
前から来るノイズは斜めに切り捨て、横からやって来るノイズには切り払い、背後からやって来るノイズは突きで排除していた。
常に自分の周りに気を配りその上で敵を切り伏せている、そこには並大抵の努力では得られない“強さ”があった。
(これくらいでいいか。)
「爆ぜろ!」
男が指を鳴らすと滅ぼされたはずのノイズの残骸が光輝き
それでさらに多くのノイズが殺害された。
そして男は小さな紫色の人形の様なものを奏達の方に投げて寄越した。
「お前らそこの円の中から出るんじゃねーぞ。」
「えっ?」
「よし・・・」
男はしっかり円の内側に奏達が入ったのを確認し直剣を徐に地面に突き立てる。
「我が目の前の敵に爆破という制裁を、“共鳴爆発”!!」
何かを男が呟くと凄まじい光がコンサート会場を覆った。
英雄は家族と出会う、休息の地はすぐそこだ。