戦闘狂の白狐   作:ぐちロイド

14 / 24
第14話 害虫駆除と、悪女の誘惑

 

 

死穢八斎會の本拠地周辺。治崎(オーバーホール)がエリを連れ戻し、計画を再編しようとしていた矢先、空の色が不気味な紫色に染まった。

 

 

 

治崎「……何だ、この化け物は」

 

 

治崎の目の前で、地面から不気味な蔦が這い出し、それは瞬く間に人型の異形――**ナイトジャマト**へと姿を変えた。死柄木がベロバから受け取った「種」が、八斎會の縄張りで産声を上げたのだ。

 

ジャマト「ギギギ……!」  

 

 

ジャマトは個性を凌駕する圧倒的な腕力と、受けたダメージを即座に「進化」へと変換する異能を持っていた。応戦した八斎衆の個性攻撃を物ともせず、一撃で壁ごと彼らを粉砕する。

 

治崎「汚らわしい……。得体の知れない『病』が増えたか」

 

治崎が地面を分解し、巨大な岩の棘で貫こうとするが、ジャマトはそれを素手で受け止め、逆に岩を腐食させていく。

 

そこへ、上空から一条の極光が降り注いだ。

 

**『LASER BOOST!』『READY FIGHT!』**

 

連「……騒がしいな。俺の庭で勝手に雑草を増やすなと言ったはずだ」

 

黄金の光を纏った連が、音速を超えてジャマトの脳頭に蹴りを叩き込む。衝撃波だけで周囲の瓦礫が霧散した。

 

治崎「暁、連……! なぜここに!」

 

 

連「勘違いするな、オーバーホール。アンタを助けに来たわけじゃない。……ただ、この『害虫』の出所が気に食わないだけだ」

 

連はレーザーレイズライザーを抜き、至近距離から極光の連射を浴びせる。ナイトジャマトが再生しようとする端から、次元の熱線が細胞そのものを焼き尽くし、消滅させていく。

 

連「ジャマトか。ベロバの女、随分と安売りを始めたな」  

 

 

連は圧倒的な力でジャマトを文字通り「駆除」し、一瞥もくれずに空へと消えた。治崎は、自分の「分解」すら通じなかった怪物をゴミのように処理した連の背中に、初めて底知れない「格差」を感じて立ち尽くしていた。

 

---

 

 

 

パトロールの帰り道、夕闇に包まれたビルの屋上。

そこには、パラソルを広げ、優雅にメロンソーダを飲むベロバが待っていた。

 

ベロバ「あはっ! 見事な手際ね、ギーツ。せっかくプレゼントしたあの子を、あんなにあっさり殺しちゃうなんて、相変わらず冷たい男」

 

連「……ベロバ。小賢しい真似をするな。死柄木に種を渡して、この世界のシナリオをかき回すのがアンタの『楽しみ』か?」

 

連は変身を解除し、ポケットに手を突っ込んだままベロバの前に立った。その瞳には、彼女の挑発を意にも介さない、絶対的な余裕がある。

 

ベロバ「そうよ。不幸な結末こそ最高のエンターテインメント。あなたが大切にしているこの箱庭(世界)が、泥濘に沈んでいく姿が見たいの。ねえ、もっと私を楽しませてよ、ギーツ」

 

ベロバが甘い声で誘うが、連は鼻で笑い、彼女に一歩近づいた。

 

連「……アンタ、勘違いしているぞ。俺はこの世界を『大切』になどしていない。ここは俺が望む結末へ書き換えるためのキャンバスだ。アンタが持ち込むジャマトも、死柄木の狂気も、俺から見れば『攻略難易度を少し上げるためのギミック』に過ぎない」

 

連はベロバの顎を指先で持ち上げ、冷徹な視線を至近距離でぶつけた。

 

連「楽しませろ、だ? ……いいだろう。アンタが用意する絶望が、俺の『創世』にどれだけ耐えられるか、見せてみろ。だが覚えておけ。俺を退屈させたら、その時はアンタという観客ごと、このゲームの全データを消去してやる」

 

ベロバ「……! あはっ、いいわね。その傲慢さ、ゾクゾクするわ」

 

ベロバは頬を染めて笑うが、その瞳には初めて「捕食者」を見るような緊張が走った。

 

連「俺は神だ。アンタが望む『不幸な結末』も、俺が指先一つで『ハッピーエンド』に書き換えてやる。……それが俺なりの、アンタへのファンサービスだ。せいぜい特等席で指をくわえて見ていろ」

 

連はそれだけ言い残すと、背を向けて歩き出す。

背後でベロバが「次はもっとえぐい絶望を届けてあげるわ!」と叫ぶが、連はその声を、心地よいBGM程度にしか聞いていなかった。

 

---

 

 

 

寮に戻る前、一度だけ香山のマンションに立ち寄った連。

 

香山「連! お帰りなさい! もう、パトロールが長すぎるわよ。ツムリちゃんと二人で、寂しくて死にそうだったんだから!」

 

 

香山が玄関先で連に飛びつき、その首筋に顔を寄せる。

 

ツムリ「連様、おかえりなさい。夕食はベロバ様との接触によるストレスを考慮し、精神を安定させるハーブティーと、お好みの肉料理を用意してあります」

 

 

ツムリが静かに、しかし完璧なタイミングで連を迎える。

 

連「……ああ。退屈な害虫と、五月蝿い観客の相手で疲れた。……香山さん、少し静かにしろ」

 

香山「えー! 冷たい! でも、そんな連も大好きよ!」

 

香山に抱きつかれ、ツムリに傅かれながら、連はソファで目を閉じる。

死穢八斎會、死柄木、そしてベロバ。

全ての役者が揃い、物語は「解体」から「創世」へと、急速に加速し始めていた。

 

---

 

 

 

 

 

 

ナルトの二次創作で見たい尾獣の能力は?

  • 炎系
  • 雷系
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。