戦闘狂の白狐   作:ぐちロイド

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第2話 公私混同の境界線と、開演の合図

 

雄英高校の広大な演習場。

煙が立ち込める中、連は変身を解除した。背後では0ポイントの巨大ロボが、エンジンごと撃ち抜かれて火花を散らしながら沈黙している。

 

連「ふぅ……。まあ、慣らし運転にはなったか」

 

連が試験会場の門を出ると、そこには最新型のスポーツカーに寄りかかり、サングラスをかけた一人の美女がいた。18禁ヒーロー、ミッドナイト――香山 睡だ。

 

ミッドナイト「お疲れ様、連。凄かったじゃない、モニター室で先生たちみんな仰天してたわよ?」

 

連「……香山さん。迎えに来るなと言ったはずだ。目立つ」

 

連は周囲の受験生たちの「あれ、ミッドナイトじゃないか?」という視線を無視して、助手席に乗り込んだ。車が走り出すと、連は背もたれに深く体重を預ける。

 

連「いいか、念のために言っておくが、学校では俺がアンタの養子だってことは隠しておいてくれ。余計な注目は戦いの邪魔になる」

 

 

ミッドナイト「えー? 自慢の息子なのに、冷たいわねぇ」

 

 

連「それに、学校では『香山さん』じゃなく『ミッドナイト先生』と呼ぶ。公私混同はするなよ」

 

連の言葉に、彼女は不敵に微笑んだ。

 

ミッドナイト「分かったわよ。……『学校では』、ね?」

 

 

その夜。

香山のマンションに戻った連は、リビングで次戦に備え、**ゾンビバックル**の毒素循環効率をチェックしていた。そこへ、風呂上がりのキャミソール姿で、ワイングラスを手にした香山がソファにダイブしてくる。

 

香山「あーん、疲れたわぁ……連、肩揉んで?」

 

 

連「自分でやれ。……おい、さっきの約束、本当に分かってるんだろうな? 入学したら、俺はただの生徒として振る舞う」

 

香山「分かってるって。でもね、連。私、我慢できないタイプなの知ってるでしょ? あんたみたいな『極上』の原石が近くにいて、しかも身内なんて……学校でも可愛がりたくなっちゃうわ」

 

香山は連の首筋に顔を寄せ、悪戯っぽく香水を漂わせる。

 

連「……チッ。これだから自由奔放な女は……」

 

連は冷たく突き放すが、彼女は全く動じない。むしろ、その冷徹な瞳に見下ろされることに悦びを感じている節すらあった。

 

 

一週間後、連の元に雄英高校からのホログラムメッセージが届いた。

結果は言うまでもなく――**「実技試験歴代最高得点」での合格**。

 

連「さて……」

 

連は自室の机に、四つのバックルを並べた。

白の**マグナム**、赤の**ブースト**、紫の**ゾンビ**、そして紺碧の**コマンドジェット**。

 

連「ヒーロー教育か。俺を矯正しようとするのか、それとももっと深く血の底へ沈めてくれるのか。どちらにせよ、楽しめそうだ」

 

連は、特別に新調した雄英の制服に袖を通す。鏡に映るのは、端正な顔立ちの中に、隠しきれない狂気と覇気を宿した少年。

 

香山「連! 入学祝いに、今夜は特別なお・も・て・な・し、してあげるわよ!」

リビングから聞こえる香山の浮かれた声を聞き流し、連はデザイアドライバーを鞄に詰め込んだ。

 

翌朝、雄英高校校門。

連が歩いていると、背後から「連くーん!」という聞き慣れた、そして今ここで一番聞きたくない声が響く。

 

 

連「……ッ、香山、さん……?」

 

 

振り返ると、ヒーロースーツ姿のミッドナイトが、全生徒の前で堂々と連の腕に抱きついてきた。

 

ミッドナイト「もう、よそよそしいわね! 先生って呼びなさいって言ったでしょ? ほら、ネクタイ曲がってるわよ、**れ・ん・く・ん?**」

 

周囲の男子生徒たちの、殺意に近い羨望の視線が突き刺さる。

連「(……あの女、初日からやりやがったな)」

 

連は額に青筋を浮かべながら、腰のマグナムバックルを指で弾いた。

波乱の雄英生活。彼にとっての「デザイアグランプリ」は、今ここから、より混沌とした形で幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

ミッドナイトの「公開処刑」じみたスキンシップを強引に振り切り、連は足早に校舎内へと向かった。

「あの女……帰ったらただじゃ済まさない」

苛立ちを隠さず、赤い瞳を鋭くさせて廊下を歩く連の姿は、すれ違う上級生たちが思わず道を譲るほどの威圧感を放っていた。

 

その時だった。

 

耳郎「わっ……!?」

 

前方を歩いていた女子生徒が、廊下の段差か何かに足を取られ、派手につんのめった。彼女の耳元で揺れる細いプラグ――**耳郎響香**だ。

 

連は無意識に、だが戦闘狂らしい洗練された反応速度で一歩踏み出し、彼女の細い肩をガシッと片手で支え、もう片方の手で彼女が落としそうになった鞄を掴み取った。

 

連「……危ないぞ。前を見て歩け」

 

耳郎「あ……ご、ごめん。……助かった」

 

耳郎は、自分を支える手の力強さと、目の前にいる少年の整いすぎた顔立ちに、一瞬言葉を失う。

 

連「……お前、1-Aか?」

 

耳郎「えっ、あ、うん。そうだけど」

 

連「なら、さっさと行くぞ。迷うのは時間の無駄だ」

 

連は彼女の肩を離すと、鞄を差し戻し、そのまま並んで歩き始めた。

 

耳郎「……あんた、名前は?」

 

連「暁 連だ」

 

耳郎「あたしは耳郎響香。……なんか、あんた凄まじい雰囲気出してるね。どっかの有名人?」

「ただの『ゲーム』のプレイヤーだよ」

 

意味深な答えを残し、二人は1-Aの巨大な扉を開けた。

 

 

 

教室内は、既に集まっていた生徒たちで騒がしかった。

眼鏡の生真面目そうな男と、逆立った髪の爆発的な気配を纏う少年が言い争っている。連はその光景を「有象無象(モブ)か、少しは使えそうなやつか」と一瞥し、適当な席に腰を下ろした。

 

すると、ガラリと扉が開き、床を這う寝袋のような物体から、不健康そうな目をした男が姿を現した。

 

相澤「……友達ごっこなら他所でやれ。ここは、ヒーロー科だ」

 

担任、**相澤消太**。

その合理的で無駄のない視線が教室内を射抜く。連は直感した。この男は、ミッドナイトとは別のベクトルで「話が早い」。

 

相澤「時間は有限。お前らは合理性に欠ける」

 

相澤は寝袋から這い出すと、全員に体操服を放り投げた。

 

相澤「これ着てグラウンドに出ろ。今から**個性把握テスト**を行う」

 

 

グラウンド。

「個性を使っていいテスト」と聞き、クラスメイトたちが湧き立つ中、相澤は冷淡に告げた。

「最下位は『除籍』。……見込みがないと判断した者は、即刻切り捨てる」

 

その瞬間、場に戦慄が走った。だが、暁連だけは違った。

彼は一人、口角を吊り上げ、悦悦とした表情でドライバーを腰に巻く。

 

連「……いい。実にいいルールだ。そうでなきゃ攻略(クリア)のしがいがない」

 

相澤「暁、お前。入試の実技トップだったな。中学のソフトボール投げの記録は?」

 

連「……さあな。そんな退屈な数値、覚えていない」

 

連は円の中に立つと、ポケットから**ブーストバックル**を取り出した。

 

連「だが、この場所ごと吹き飛ばすくらいなら簡単だ」

 

**『BOOST!』『READY FIGHT!』**

 

連の腕に真紅の強化装甲が展開され、マフラーから轟々と爆炎が噴き出す。

重力を無視したようなプレッシャーが周囲を圧圧し、相澤の目が興味深そうに細められた。

 

相澤「……やってみろ。お前の『理想』とやらが、どれほどのものか」

 

連はボールを握りしめ、ブーストの点火タイミングを調整する。

周囲の生徒たちが息を呑む中、連の瞳は「テスト」ではなく、既に「狩り」のそれへと変わっていた。

 

 

ナルトの二次創作で見たい尾獣の能力は?

  • 炎系
  • 雷系
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