戦闘狂の白狐   作:ぐちロイド

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第23話 雨の檻、神の傍観

 

 

全面戦争は終わった。だが、そこにあったのは「勝利」という名の、壊滅的な敗北だった。

連が書き換えた「青いバラの庭園」の裏側で、街の半分は砂となり、人々のヒーローへの信頼は、崩壊したビル群と共に塵に消えていた。

 

 

 

死柄木「……あ、あは……。まだ、俺の指は動くぞ、ギーツ……」

 

暗い地下の潜伏先。死柄木弔は、ミスター・コンプレスの手によって回収された、ベロバの遺物――**「ジャマトの核」**を、自身の剥き出しの心臓へと埋め込んだ。

ジャマトの異常な再生能力と、死柄木の「崩壊」。正反対の理(ことわり)が、AFOの器の中で悍ましく融合していく。

 

死柄木「壊して、創って、また壊す……。俺自身が、この世界の巡り(システム)そのものになってやる」

 

死柄木の肉体は、植物のような蔦と、崩壊を放つ灰色の皮膚が混ざり合い、もはや人とは呼べない**「終焉の魔王」**へと変貌を始めていた。彼は静かに、連という神を屠るための牙を研ぎ澄ます。

 

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数週間後。雄英高校を去り、ボロボロのコスチュームで雨の街を彷徨う影があった。緑谷出久である。

 

 

緑谷「……これ以上、誰かを巻き込んじゃいけない。僕が、一人で終わらせなきゃ」

 

死柄木に狙われる「ワン・フォー・オール」の宿命。その重圧が、彼の心を削り、孤独な戦いへと駆り立てていた。刺客との連戦で泥にまみれ、意識を失いかけた彼の前に、聞き慣れた声が響く。

 

爆豪「……てめぇ、どこまで一人でヒーローごっこしてやがる」

 

爆豪勝己を筆頭とした、A組の全員がそこにいた。

 

 

緑谷「皆……どうして……来ちゃだめだ! 離れてくれ!!」

 

 

緑谷が叫ぶが、クラスメイトたちは一歩も引かない。飯田が、お茶子が、轟が、それぞれの言葉で緑谷の孤独を否定し、彼を「雄英」という居場所へ連れ戻そうとする。

 

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その光景を、近くのビルの屋上から傘も差さずに眺めている男がいた。暁連である。

隣には、静かにタブレットを操作するツムリ。

 

ツムリ「連様。行かなくてよろしいのですか? 緑谷出久のメンタル指数は、限界点を下回っています」

 

連「……フン、馴れ合いか。だが、一人で死ぬよりは、多人数で足掻く方が多少は攻略難易度が上がるだろうな」

 

連は屋上から飛び降り、雨を切り裂いて緑谷たちの前に降り立った。突然現れた「神」の姿に、A組の面々が息を呑む。

 

連「……緑谷。お前の『孤独』は、ただの自己満足だ。この世界のシステムを壊そうとしている死柄木に対し、アンタ一人の出力で何ができる?」

 

緑谷「暁くん……」

 

連は緑谷の胸ぐらを掴み、その濁った瞳を覗き込んだ。

 

 

連「……お前が守りたいのは自分のプライドか、それともこの世界の明日か? 戻りたければ戻れ。だが、次に見苦しい姿を見せたら、お前の『聖域(雄英)』ごと、俺がこの手でリセットしてやる」

 

突き放すような言葉。だが、それは「一人で抱え込まず、利用できるものは全て利用しろ」という、連なりの不器用な発破でもあった。

 

連「……行け、デク。お前が『一人の人間』に戻るための時間は、俺が創ってやる」

 

連が指を鳴らすと、周囲の雨が黄金の粒子に変わり、緑谷を蝕んでいた疲労と傷が瞬時に癒えていく。

緑谷は、爆豪の手を取り、立ち上がった。

 

緑谷「……ありがとう、暁くん。僕……みんなと一緒に、戦うよ」

 

連はその背中を見送ることなく、再びツムリと共に霧の中に消えた。

 

連「……ツムリ、最終決戦の招待状(デザイアカード)を死柄木に送っておけ。……この世界のエンディング、俺が最高の演出で飾ってやる」

 

暁連、緑谷出久、そして死柄木弔。

三つの意志が、最後の一点へと収束しようとしていた。

 

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世界が死の灰と絶望に覆われる中、暁連は富士の麓、広大な樹海の上空に君臨していた。

 

連「……これ以上、街を汚させるわけにはいかないな。ここは俺のゲームボードだ」

 

連が両手を広げ、白銀の光を解き放つ。

**『CREATION!』**

大地から巨大な岩柱が噴き出し、幾何学的な紋様を描きながら空へと組み上がっていく。現れたのは、富士の山頂をも見下ろす巨大な**「天空の闘技場」**。あらゆる破壊を無効化し、因果律を固定する神の領域。

 

連「全ヒーロー、ヴィラン、そして『魔王』。……この場所で、全ての決着をつけよう。ここがこの世界の、最終リザルト地点だ」

 

連の宣告と共に、生き残ったヒーローたち、そして異形へと進化したヴィランたちが、神の引力に導かれるようにその舞台へと集結した。

 

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闘技場の中央で、連は**ギーツIX(ナイン)**へと変身し、蔦と崩壊の権能を纏った「終焉の魔王」死柄木弔と対峙する。

 

死柄木「……消えろ、ギーツ! お前さえいなければ、俺はこの不快な世界を、完璧に終わらせられたんだ!」

 

死柄木の振るう触手が、空そのものを「腐食」させながら迫る。連は九本の尾を旋回させ、白銀の斬撃でそれらを次々と浄化していく。

 

連「お前の破壊は、ただの『わがまま』だ。……俺が見せてやる。本当の『創世』の意味を!」

 

連は自らの存在そのものをエネルギーへと変換し始める。

この世界の「暁連」という器を燃やし尽くし、世界中の人々の記憶から悲劇を消し去り、すべてを「平和な日常」へと強制再構築する、最大最強の奇跡。

 

**『BOOST IX VICTORY! MAXIMUM CREATION!』**

 

連の身体が透き通り、眩い白光が世界を包み込もうとした、その瞬間だった。

 

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?「――実に素晴らしい『力』だ。だが、その結末(エンディング)は僕のものだよ」**

 

不気味な声と共に、闘技場の空間が泥のように歪んだ。

再構築の光を切り裂いて現れたのは、死柄木の肉体を背後から「黒い液体」のように侵食し始めた**オール・フォー・ワン(AFO)**の意志。

 

緑谷「なっ……AFO!?」

 

緑谷が叫ぶ。死柄木の身体を依代に、ベロバが与えたジャマトの力さえも完全に取り込んだ「究極の魔王」が、連の奇跡の隙を突いて降臨した。

 

AFO「暁連……君の『創世』は、あまりに純粋すぎて隙だらけだ。世界を書き換えるその膨大なエネルギー……僕が全て喰らわせてもらおう!」

 

AFOの手から放たれた無数の「個性」の奔流が、再構築の光を強引に捻じ曲げ、連の胸元へと突き刺さる。

連の「存在」が、奇跡の途中で激しく点滅し、ノイズを上げ始めた。

 

連「……チッ、最後の最後で、薄汚い『バグ』が混ざり込んだか……!」

 

連は苦痛に顔を歪めるが、その瞳はまだ折れていない。

ツムリが祈るように連の名を呼び、香山睡やA組の面々が、神の窮地に自らの意志をぶつけようと走り出す。

 

世界の再構築か、魔王による全剥奪か。

最終決戦は、誰も予想しなかった「三つ巴の極致」へと突入した。

 

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ナルトの二次創作で見たい尾獣の能力は?

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