戦闘狂の白狐   作:ぐちロイド

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第7話 創世の産声と、選ばれし者の帰還

 

 

体育祭の最終局面。スタジアムの熱気は最高潮に達し、空気は爆豪勝己が放つ硝煙の匂いで満ちていた。

 

 

爆豪「おい、暁……! テメェだけは、完膚なきまでにブッ殺す!!」

 

爆豪は全身から爆発を撒き散らし、文字通り弾丸となって連に突っ込む。対する連は、これまでの「ゲーム」では見せなかった、ある種の**違和感**を全身から漂わせていた。

 

連「……五月蝿いな。世界が、俺の声を聴きたがっている」

 

連が呟いた瞬間、スタジアムの空が黄金色に染まり、現実が歪み始めた。

観客席が幾何学的な粒子へと分解され、大理石の柱と神々しい装飾が施された**『デザイア神殿』**の光景が、現代のスタジアムを侵食していく。

 

プレゼント・マイク「な、なんだ!? 景色が変わって……!?」

 

実況席のプレゼント・マイクが絶叫する中、天から一条の光が降り注いだ。

 

その光の中から現れたのは、真紅の炎を纏った狐のバックル。――**ブーストMkII(マークツー)**。

まるで意思を持っているかのように連の周囲を飛び回り、「俺を使え」とばかりにその手に収まる。

 

連「……フッ。呼んでもいないのに、迎えに来たか」

 

連はそれをドライバーに装填し、ハンドルを回す。

**『BOOST MK-II!』『SET! ERASE!』『READY FIGHT!』**

 

真紅のアーマーが連を包み、彼の速度は「音」を超えた。

爆豪が爆破を放つよりも早く、連は彼の背後に立ち、軽く指先を触れる。それだけで、爆豪の全身に凄まじい衝撃波が走り、彼は抵抗すら許されず場外へと弾き飛ばされた。

 

プレゼント・マイク「勝者……暁連……!」

 

審判の声が震える。書き換えられた現実は、連が変身を解除すると同時に霧のように消え去ったが、人々の目に焼き付いた「神の如き力」は消えなかった。

 

---

 

 

体育祭終了後。世間は「暁連」という未曾有の才能に沸き立っていた。

雄英の職員室では、ミッドナイトこと香山睡が、鳴り止まない電話とメールの山を前に、頭を抱えていた。

 

ミッドナイト「ちょっと! これ、全部連への指名(スカウト)!? No.1からNo.10まで全員来てるじゃない……!」

 

エンデヴァーからの「あの力を詳しく見せろ」という高圧的な要求から、ベストジーニストの「教育が必要だ」という紳士的な誘いまで。

 

ミッドナイト「私の連をそんな危険なところへ送れるわけないでしょ!」

 

彼女は半分本気で嫉妬し、半分は「連の正体が世間にバレる(あるいは彼が世界を壊してしまう)」ことを危惧し、殺到するスカウトを必死に捌いていた。

 

---

 

 

教室でインターン先の希望を提出する時間。

 

相澤「暁、お前……これ、本気か?」

担任の相澤が、連の出した用紙を見て眉をひそめた。

 

連「ああ。問題あるか?」

 

そこには、名だたるトップヒーローの名を全て蹴り、ただ一行、**『ミッドナイト事務所』**とだけ書かれていた。

 

相澤「お前ほどの力があれば、エンデヴァーの元でさらに高みを目指せる。なぜ、ミッドナイトなんだ」

 

連「……理由は単純だ」

 

連は窓の外を見つめ、少しだけ口角を上げた。

 

連「身内で勝手が分かる。それに、俺の『理想』を邪魔しない女のそばにいるのが、一番効率的だからな」

 

放課後、ミッドナイト事務所へと向かう連。

事務所の奥の校長室のような豪華なソファで待っていたのは、スカウトの対応で疲れ果て、連を見るなり飛びついてきた香山睡だった。

 

ミッドナイト「連――っ! 本当に私のところに来てくれるなんて! もしかして、お姉さんと四六時中一緒にいたかったの?」

 

連「……勘違いするな。他に行くと、あんたがうるさいだろうと思っただけだ」

 

連は冷たくあしらうが、彼女に抱きつかれたまま、その頭を軽く撫でる。

 

ミッドナイト「インターン中は、たっぷり『実地訓練』をつけてあげるわ。夜の部も含めて、ね?」

 

連「……勝手にしろ。だが、俺を退屈させるなよ」

 

神の力を覚醒させ始めた少年と、彼を愛し、繋ぎ止めようとする女。

二人のインターンという名の「秘密の時間」が、激動のヒーロー社会の裏側で、静かに始まろうとしていた。

 

 

 

 

ミッドナイト事務所でのインターンは、世間の喧騒とは裏腹に、連にとって「勝手の知れた」心地よい時間になるはずだった。しかし、彼の持つ「創世」の力は、もはや日常の枠に収まりきらなくなっていた。

 

 

インターン数日目の朝。連がふと「今日は移動が面倒だな、天気が良ければいいが」と呟いた翌日、一週間続くはずだった予報の豪雨が嘘のように消え、街は不自然なほどの快晴に包まれた。

またある時は、連がミッドナイトの淹れたコーヒーを飲み「少し甘いものが欲しい」と思えば、翌朝には入手困難な幻のスイーツが玄関前に届けられている。

 

ミッドナイト「……連、これ。あんたがやったの?」

 

香山睡(ミッドナイト)は、テーブルに並ぶ「奇跡」を前に、指先を震わせた。

連が願えば、因果が捻じ曲がり、現実が書き換わる。それはヒーローの「個性」という概念を超越した、絶対的な神の権能。

 

ミッドナイト(恐ろしい……でも、なんて美しい力なの。この子は本当に、世界を書き換えてしまう……)

 

香山は、連の底知れない力に恐怖を覚えながらも、その神々しさに抗いようのない魅力を感じ、より深く彼に溺れていった。

 

 

 

そんなある日、事務所の応接間に、この世界の住人とは思えないほど整った容姿の女性が立っていた。白と黒を基調とした未来的なドレスに身を包んだ女性――ツムリだ。

 

ツムリ「お迎えに上がりました。創世の神、暁連様」

 

 

ツムリは恭しく一礼すると、一つのデバイスを差し出した。

 

 

ツムリ「女神様より伝言です。『しばらくそっちの世界で楽しみなさい。ツムリも側に置いておくから』……とのことです。こちらは、あなたの新たな力となります」

 

 

受け取ったのは、銃型のデバイス――レーザーレイズライザー。

 

連「……フッ、あの女(女神)、余計な世話を」

 

 

連はそれを受け取ると、隣で呆然としているミッドナイトを振り返った。

 

 

連「香山さん。こいつも今日から家に住ませる。いいな」

 

ミッドナイト「はぁぁ!? ちょっと待ちなさいよ! いきなりこんな美少女を連れてきて、一緒に住むなんて……私の独占時間が減るじゃない!」

 

 

ツムリ「ナビゲーターとして、連様を支えるのが私の務めですので」

 

 

ツムリが無表情に淡々と答える。

 

 

連「……文句があるなら、この世界を『アンタ以外の女が消える世界』に書き換えてもいいんだぞ?」

 

 

ミッドナイト「それは……! それは困るけど……! ……分かったわよ、もう! 私がしっかり監視するんだからね!」

 

 

こうして、ミッドナイト、連、そしてツムリという、奇妙な共同生活が幕を開けた。

 

 

 

インターン後半。保須市で発生した脳無襲撃事件の最中、連は飯田天哉の危機を察知し、ミッドナイトの待機命令を無視して路地裏へと向かった。

そこには、重傷を負った飯田と、刀を振り下ろそうとする「ヒーロー殺し」ステインの姿があった。

 

 

ステイン「偽物には粛清を……!!」

 

 

連「……その古臭い説教、聞き飽きたな」

 

 

暗がりに連の声が響く。

 

飯田「暁……くん……逃げろ……こいつは……!」

 

飯田の声を無視し、連はレーザーレイズライザーを手に、ブーストMkIIバックルを装填した。

『BOOST MK-II!』『LASER BOOST!』『GET READY FIGHT!』

 

ステイン「何者だ、貴様も……歪んだ社会の犠牲者か」

 

ステインが殺気を放つが、連は一瞬でその懐に潜り込んだ。MkIIの速度にライザーの演算能力が加わり、ステインの動体視力すら置き去りにする。

 

 

連「信念だの粛清だの、矮小な人間が語るな。……お前の『理想』など、俺が今ここで上書きしてやる」

 

ドォォォン!!

連の加速を乗せた一撃が、ステインの腹部に直撃する。

ステインの刀は触れることすら許されず粉砕され、彼の掲げる「信念」という名のプライドごと、連の圧倒的な暴力によって路地裏の壁に叩きつけられた。

 

ステイン「ガハッ……貴様……その力……何のために……」

 

連「俺が楽しむためだ。……お前のゲームは、ここで終了(リタイア)だ」

 

ステインがこれまで積み上げてきた狂気すらも、連の前では赤子の手をひねるような児戯に過ぎなかった。

駆けつけたヒーローたちが目にしたのは、立ち上がることもできず、ただ圧倒的な「力の差」に絶望して震えるステインと、その首筋に冷たく銃口を向ける連の姿だった。

 

 

 

ナルトの二次創作で見たい尾獣の能力は?

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