東雲家次女の日常   作:白雪琉衣

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私のミューズは家にいる——東雲絵名の溺愛記録

東雲絵名にとって、妹の星名は、自分の絵のインスピレーションの源であり、世界で最も自慢したい存在です。

1. 「いいね」より重い妹愛

絵名のスマホのフォルダは、自分の自撮りよりも星名の写真で埋め尽くされている。

星名が料理をしている後ろ姿、読書中にふと見せた横顔、寝ぼけて髪を跳ねさせている瞬間。

「……ちょっと、今の角度最高。セナ、そのまま動かないで!」

「えっ、お姉ちゃん? また撮るの?」

絵名は納得いくまでシャッターを切り、厳選した一枚をSNSにアップする。

フォロワーからの「妹さん可愛すぎ」「天使かな?」というコメントに、絵名は画面越しにドヤ顔を決める。

(当たり前でしょ。誰の妹だと思ってるの? 私が見つけた、私だけのミューズなんだから。……あ、でもこのリプライ、「可愛い」が一つ足りない。ブロックしちゃおうかしら)

2. 鉄壁のガード(VS モブ)

神山高校の文化祭。星名がクラスの出し物(喫茶店)でウェイトレスをしていた時のこと。

一目見ようと詰めかけた他校の男子たちが、星名に連絡先を渡そうとしているのを目撃した瞬間、絵名の目が獲物を狙う「ハンター」に変わった。

「……ちょっと、そこ。あんたたち、うちの子に何か用?」

絵名が男子たちの背後に立ち、圧倒的な威圧感(と美貌)で睨みをきかせる。

「えっ、あ、いや……」と怯む男子たちに対し、絵名は星名の肩をがっしり抱き寄せた。

「この子に触れていいのは、特別な才能があるか、私に許可された人間だけよ。……あんたたちにそんな資格、あると思ってるの? さっさと消えなさい!」

星名は「あはは、お姉ちゃん、そんなに怒らなくても……」と困り顔だが、絵名の中では「セナを悪い虫から守る」のが、その日の最優先ミッションだった。

3. セナ・バフによる覚醒

絵名がスランプに陥り、「もう何も描けない!」と自室で筆を投げ出した夜。

星名が夜食として、絵名の好物のホットケーキを運んできた。

「お姉ちゃん、頑張りすぎだよ。……はい、これ食べて、少し休んで?」

星名が優しく微笑み、絵名の頭をそっと撫でる。

その瞬間、絵名の中に凄まじいインスピレーションが走った。

「……っ! セナ、今、そのままの笑顔でもう一度! ……あ、違う、やっぱり描くわ! 今のあんたの優しさ、この色じゃないとダメなの!」

それまでのスランプが嘘のように、絵名は猛烈な勢いで筆を走らせ始めた。

「あの子がいるだけで、私の指先は魔法がかかったみたいになるの。……やっぱり私には、セナっていう特効薬が必要なのよ」

4. シスコンゆえの「嫉妬」

瑞希や咲希が、星名と仲良く自撮りをしてSNSに上げているのを見つけた時、絵名は露骨に不機嫌になる。

「……ちょっと。瑞希とセナ、なんであんなに密着してるの? セナの隣は私の指定席なんだけど」

「彰人、あんたもよ! なんでセナとパンケーキの新作食べに行ってるの? 私が先にセナと行くって決めてたのに!」

彰人には「うるせぇよ」と一蹴されるが、絵名にとって「星名の一番近くにいる人間」という称号は、絶対に譲れないプライドだった。

夜、星名のベッドに潜り込み、「お姉ちゃん、狭いよぉ」と言われながらも、「いいの、今日はセナの匂いを補給しないと明日から頑張れないんだから」と強引に添い寝するのが、絵名なりのストレス解消法になっている。

  絵名のシスコン行動リスト

• 通知設定: 星名のSNS(があれば)はもちろん、星名に関係しそうなワードはすべてエゴサ対象。

• 洋服プロデュース: 星名に着せる服を、自分の衣装並みの熱量で選ぶ。「セナの透明感を引き出すのは、この淡い青以外にありえないわ」

• 彰人への牽制: 彰人が星名を「守る」のは認めるが、星名が彰人に甘えるのは少し気に入らない。「彰人、あんたそこ代わりなさいよ」

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