東雲家次女の日常   作:白雪琉衣

23 / 39
一番星と小鳥のランウェイ——杏の完璧なるプロデュース

「いい、二人とも。今日のコンセプトは『冬のひだまりに舞い降りた天使』よ。妥協は一切許さないから!」

白石杏の鼻息は荒かった。彼女の前には、少し気恥ずかしそうに、けれどお互いの姿を見て「可愛い……」と呟き合っている星名とこはねがいる。

1. 杏のこだわり抜いた「お揃いコーデ」

杏が数日前から瑞希に相談し、自分でもセレクトショップを駆けずり回って用意した服は、色違いの「くま耳付きのボアコート」と、チェック柄のプリーツスカートだった。

• 星名(シロクマver.): 真っ白なボアコートに、淡いブルーのチェック。彼女の透明感が際立ち、雪の精霊のような神秘的な可愛さに。

• こはね(茶グマver.): ミルクティー色のボアコートに、赤系のチェック。小動物のような愛らしさが爆発し、抱きしめたくなるような暖かさに。

「……っ、よし! 完璧!! 全人類に感謝!!」

杏は自分の心臓を押さえながら、必死にシャッターを切った。

2. ショッピングモール、騒然

いざ街へ繰り出した三人(+物陰から監視する彰人)。

星名とこはねが手を繋いで歩くだけで、周囲の通行人が足を止める。

「ねえ、あの子たち見て……妖精さんかな?」

「白と茶色のくまさん……尊い……」

そんな囁き声を聞くたび、杏は「でしょ!? うちの自慢なのよ!」とドヤ顔で内心絶叫していた。

「あ、星名ちゃん、見て! あそこにあるアクセサリー、星名ちゃんの色に似てるよ」

「本当だ……。じゃあ、こっちのピンクの石はこはねちゃんの色だね」

二人がお互いのためのアクセサリーを選び、付け合っている姿を、杏は「これ、動画で残さなきゃ末代までの損失だわ」とプロ根性で記録し続けた。

3. カフェでの決定打

休憩のために立ち寄ったカフェで、二人は期間限定の「くまさんココア」を注文した。

マシュマロのくまが浮かぶココアを、ふーふーしながら飲む二人。

「あ、こはねちゃん、泡が鼻についてるよ」

「えっ、あ、本当だ……。えへへ、恥ずかしいな」

星名が指先でこはねの鼻を拭い、その指をペロッとする(無自覚)。

それを見た杏は、持っていたストローを噛みちぎらんばかりの勢いで悶絶した。

「(……アッ……今のは……ダメ……心臓が止まる……誰かAED持ってきて……)」

4. 結末:夕暮れの帰り道

日が落ち、少し肌寒くなってきた頃。二人は満足げに手を繋いで歩いていた。

「杏ちゃん、今日は素敵な服を選んでくれてありがとう。とっても楽しかった」

「私、こんなに可愛い格好でお出かけしたの初めて! 杏ちゃん、ありがとう!」

二人に両側から抱きつかれ、杏は真っ白な灰になった。

「……うん。……もう死んでもいい……。いや、嘘。この写真を現像して部屋中に貼るまでは死ねないわ……」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。