「いい、二人とも。今日のコンセプトは『冬のひだまりに舞い降りた天使』よ。妥協は一切許さないから!」
白石杏の鼻息は荒かった。彼女の前には、少し気恥ずかしそうに、けれどお互いの姿を見て「可愛い……」と呟き合っている星名とこはねがいる。
1. 杏のこだわり抜いた「お揃いコーデ」
杏が数日前から瑞希に相談し、自分でもセレクトショップを駆けずり回って用意した服は、色違いの「くま耳付きのボアコート」と、チェック柄のプリーツスカートだった。
• 星名(シロクマver.): 真っ白なボアコートに、淡いブルーのチェック。彼女の透明感が際立ち、雪の精霊のような神秘的な可愛さに。
• こはね(茶グマver.): ミルクティー色のボアコートに、赤系のチェック。小動物のような愛らしさが爆発し、抱きしめたくなるような暖かさに。
「……っ、よし! 完璧!! 全人類に感謝!!」
杏は自分の心臓を押さえながら、必死にシャッターを切った。
2. ショッピングモール、騒然
いざ街へ繰り出した三人(+物陰から監視する彰人)。
星名とこはねが手を繋いで歩くだけで、周囲の通行人が足を止める。
「ねえ、あの子たち見て……妖精さんかな?」
「白と茶色のくまさん……尊い……」
そんな囁き声を聞くたび、杏は「でしょ!? うちの自慢なのよ!」とドヤ顔で内心絶叫していた。
「あ、星名ちゃん、見て! あそこにあるアクセサリー、星名ちゃんの色に似てるよ」
「本当だ……。じゃあ、こっちのピンクの石はこはねちゃんの色だね」
二人がお互いのためのアクセサリーを選び、付け合っている姿を、杏は「これ、動画で残さなきゃ末代までの損失だわ」とプロ根性で記録し続けた。
3. カフェでの決定打
休憩のために立ち寄ったカフェで、二人は期間限定の「くまさんココア」を注文した。
マシュマロのくまが浮かぶココアを、ふーふーしながら飲む二人。
「あ、こはねちゃん、泡が鼻についてるよ」
「えっ、あ、本当だ……。えへへ、恥ずかしいな」
星名が指先でこはねの鼻を拭い、その指をペロッとする(無自覚)。
それを見た杏は、持っていたストローを噛みちぎらんばかりの勢いで悶絶した。
「(……アッ……今のは……ダメ……心臓が止まる……誰かAED持ってきて……)」
4. 結末:夕暮れの帰り道
日が落ち、少し肌寒くなってきた頃。二人は満足げに手を繋いで歩いていた。
「杏ちゃん、今日は素敵な服を選んでくれてありがとう。とっても楽しかった」
「私、こんなに可愛い格好でお出かけしたの初めて! 杏ちゃん、ありがとう!」
二人に両側から抱きつかれ、杏は真っ白な灰になった。
「……うん。……もう死んでもいい……。いや、嘘。この写真を現像して部屋中に貼るまでは死ねないわ……」