東雲家次女の日常   作:白雪琉衣

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キャンバスを彩る休日——東雲姉妹のショッピング

「ねえ、セナ! 今度の休日、空けておきなさいよ」

絵名の一言で決まった、久しぶりの姉妹水入らずのショッピング。東雲家の「可愛い」と「儚い」が街へ繰り出します。

1. 渋谷の喧騒と、お姉ちゃんのプロデュース

週末の渋谷。絵名は流行のセレクトショップへ星名を連れて行きます。

「セナはいつも落ち着いた色ばっかりなんだから。たまにはこういう、明るいパステルカラーも着てみなさいよ」

絵名が次々とハンガーから手に取る服を見て、星名は目を白黒させます。

「え、えぇ……っ? お姉ちゃん、これ……フリルが、多すぎないかな……?」

「いいのよ! あんたは肌が白いんだから、これくらい華やかな方が映えるんだって。ほら、試着室入った!」

絵名に背中を押され、星名は観念して試着室のカーテンを閉めました。

2. 試着室のカーテンが開くとき

数分後、おずおずとカーテンを開けた星名の姿を見て、絵名はスマホのカメラを構えたまま固まりました。

淡いラベンダー色のワンピースに、繊細なレースがあしらわれたカーディガン。それはまるで、絵名がいつも描こうとしていた「理想の少女」そのものでした。

「……お姉ちゃん? あの、やっぱり……変かな……?」

不安げに上目遣いで尋ねる星名に、絵名は我に返ってシャッターを連打します。

「変なわけないじゃない! 最高! 完璧! ちょっと、そのまま動かないで、自撮りアップするから!」

「あ、SNSは……恥ずかしいよぅ……っ」

顔を赤くして手で隠そうとする星名でしたが、絵名は「あんたの可愛さを世に知らしめるのよ!」とノリノリです。

3. 甘いご褒美と、小さな本音

買い物の後は、絵名お気に入りのパンケーキショップへ。

「ほら、ここのパンケーキ、SNSでバズってるのよ。写真撮ったら食べていいから」

絵名が真剣な表情で写真を撮るのを待ちながら、星名は山盛りのホイップクリームを見つめます。

「お姉ちゃんとこうして出かけるの、……私、すごく、嬉しい」

「……何よ、急に。あんたが着せ替え人形に付き合ってくれるから、私も楽しいわよ」

絵名は少し照れくさそうに顔を背けましたが、その口元は緩んでいます。

「ねえ、セナ。今度……私の絵のモデルになってくれない? 今日のあんたを見てたら、新しいイメージが湧いてきたの」

星名は目を輝かせて頷きました。

「……うん! お姉ちゃんの絵の、お役に立てるなら……喜んで」

4. 帰宅後の、もう一人の東雲

両手いっぱいの紙袋を抱えて帰宅した二人を、リビングで彰人が迎えます。

「おかえり。……なんだよその荷物の量は」

「彰人、見て! 星名に買ったこの服、可愛いでしょ! ほら星名、彰人に見せてあげなさい」

絵名に促され、星名が今日買ったばかりの(絵名好みの)甘めなコーディネートを披露すると、彰人は一瞬言葉を失いました。

「……あー。……似合ってんじゃねぇの。……っつーか、絵名。お前、星名に無理やり着せてねぇだろうな」

「何よ! セナも喜んでたわよね?」

「……うん。彰人、……お姉ちゃんが選んでくれたの、……お気に入りだよ」

星名が幸せそうに微笑むのを見て、彰人は「……そうかよ」とぶっきらぼうに呟き、照れ隠しに冷蔵庫へ向かいました。

  ショッピングの後の「戦利品」

• 絵名のスマホのフォルダ:

今日一日で撮った星名の写真が100枚以上。「奇跡の一枚」を選別するのに徹夜する勢いです。

• 星名のクローゼット:

自分では絶対に選ばないような、可愛らしい服が仲間入り。それを見るたびに、お姉ちゃんの温かい手の感触を思い出します。

• 絵名のSNS:

「今日は最高のモデルとショッピング♡」という投稿に、過去最高の「いいね」が。コメント欄には「姉妹揃って可愛すぎる❤︎.*」というコメントが殺到しています。

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