東雲家次女の日常   作:白雪琉衣

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レンズ越しの二つの顔——儚き一輪と、咲き誇る星

東雲星名という少女は、カメラを向ける側からすると「二つの顔」を持つ被写体です。一人でいる時の彼女は、まるで触れたら壊れてしまいそうな雪の結晶。けれど、誰かの隣にいる時の彼女は、春の陽だまりのような温かさを放ちます。

1. ひとりの時:切り取られた「永遠の刹那」

絵名が新作のデッサンのために、公園のベンチに座る星名を遠くから撮影しました。

レンズの中の星名は、舞い落ちる桜の花びらを目で追い、どこか遠くを見つめています。その横顔は、この世の者とは思えないほど透き通り、今すぐ風に溶けて消えてしまいそうな「儚さ」を纏っていました。

「……あ。お姉ちゃん、撮ってたの?」

気づいて振り向いた時の、少しだけ寂しげな微笑み。それは見る者の胸を締め付ける、芸術的な美しさでした。

【絵名の独り言】

「ひとりの時のセナって、なんでこんなに……見てるだけで泣きたくなるような顔するのよ。放っておいたら、どこか遠くへ行っちゃいそうで、シャッターを切る手が震えるじゃない……」

2. ふたりの時:爆発する「愛の色彩」

場面は変わり、ショッピング中のカフェ。

「星名、こっち向け。……撮るぞ」

彰人が不器用そうにスマホを構えると、隣にいた絵名が「私も入る!」と星名の肩を抱き寄せ、頬を寄せ合いました。

その瞬間、星名の瞳にパッと光が灯ります。

「ふふっ……お姉ちゃん、くすぐったいよ」

お姉ちゃんに密着され、彰人にカメラを向けられた星名は、顔を赤くしながらも、これ以上ないほど幸せそうに、ふわっとした満開の笑顔を見せました。

一人の時の「消えそうな美少女」はどこへやら。そこには、家族への愛しさが溢れ出した、世界で一番「可愛い」女の子がいました。

【彰人の内心】

(……ったく。ひとりでいる時は危なっかしくて見てられねぇ顔すんのに、誰かといる時は……。こんな顔されたら、甘やかすしかねぇだろ。反則だわ)

3. 親友と撮る時:こはね・咲希の場合

放課後、咲希が「せーちゃーん、一緒に写真撮ろっ!」と飛びついてきました。

こはねも「私も……いいかな?」と恥ずかしそうに加わります。

三人でレンズを覗き込むと、星名は咲希に腕を組まれ、こはねと手を繋いで、これまでにないほど目を輝かせました。

「うん……! 咲希ちゃん、こはね……大好きっ!」

ピースサインを作る指先まで喜びが溢れ、普段の控えめな印象が嘘のような、キラキラとしたオーラを放ちます。その「可愛さの爆発力」に、通りがかった通行人たちも思わず足を止めるほどでした。

  被写体・星名の特性まとめ

• ソロショット:【静】と【儚】

• テーマ:透明感、孤独、冬の星、消えそうな美少女。

• 見る人の反応:「守ってあげなきゃ」という切実な保護欲。

• ペア・グループショット:【動】と【愛】

• テーマ:幸福、ぬくもり、春の太陽、愛されキャラ。

• 見る人の反応:「尊すぎて直視できない」という幸福感の共有。

  撮影後のメッセージアプリにて

絵名: [画像1枚(星名の一人ショット)]

絵名: 見てこれ、奇跡の透明感じゃない?

彰人: ……ああ。けど、次のこれの方がマシだろ。

彰人: [画像1枚(絵名と星名が笑い合っている写真)]

絵名: ……。……まぁ、そうね。こっちのセナは、なんか……「生きてる」って感じがして、安心するわ。

星名: お姉ちゃん、彰人、お写真ありがとう。宝物にするね。

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