ニーゴ+星名の作業中、瑞希が最近流行っている「MBTI診断」を持ち出しました。
「ねえねえ、星名ちゃんもやってみてよ! きっと面白い結果が出ると思うんだよね♪」
1. 診断結果:INFJ-T(提唱者)
数十分後、画面に表示された結果を見て、星名は不思議そうに小首を傾げました。
「……INFJ-T。……提唱者、さん……?」
そこに並んでいた言葉は、まるで星名の心の奥底を覗き見したかのような内容でした。
『理想主義と洞察力の組み合わせ』
『他者の感情に圧倒されることもある』
『自信のなさや批判への恐れ』
『自分自身の改善に向けて常に努力する完璧主義』
自分の内面にある複雑な感情が、客観的なデータとして突きつけられたような、不思議な高揚感と気恥ずかしさがありました。
2. 絵名と奏の「納得」
その結果を共有すると、まず絵名が声を上げました。
「ちょっと……これ、セナそのものじゃない! 特にこの『他者のニーズに圧倒される』ってところ。あんた、いつも自分のこと後回しにして、誰かのためにボロボロになるまで頑張っちゃうでしょ?」
絵名は呆れたように、でも愛おしそうに星名の頭を撫でました。
一方で、奏は診断文の後半をじっと見つめていました。
「……『他の人が気づかないようなポテンシャルを見出す才能』。……そうだよ、星名さん。あなたは、私の音楽の誰も気づかないような深いところを、いつも絵にしてくれる」
奏の言葉に、星名の顔がパッと華やぎます。INFJ特有の「深い共感力」が、奏の孤独な旋律を救っていることを、奏自身が認めてくれた瞬間でした。
3. 彰人の「懸念」と「誓い」
後日、この話を家で聞いた彰人は、診断結果にある『ストレスを内面化する傾向』という一文を二度見しました。
「……おい。星名、お前……。悩みがあるなら、溜め込まずに俺に言えっていつも言ってんだろ」
「……えへへ。彰人、心配性だね。……でも、この診断にも書いてあるの。……『セルフケアも大切に』って」
星名は少し照れくさそうに、でも誇らしげに診断結果を彰人に見せました。
自分の「弱さ」が、実は「レアな才能」と表裏一体であることを知った星名の笑顔には、以前よりも少しだけ自信の色が混じっていました。
4. ファインダーの中の「理解」
「……私、INFJで、よかった」
星名は一人、部屋でスマホの画面を見つめながら呟きました。
一人の時は、理想と現実のギャップに悩んでしまう自分。
けれど、誰かのために「提唱者」として力になりたいと願う時、自分でも驚くような「強さ」が湧いてくる。
そのギャップこそが、自分というキャンバスを彩る一番の個性なのだと、星名は受け入れることができたのです。
その後のエピソード
• 星名のメモ帳:
診断結果の「セルフケアを大切に」という部分に、蛍光ペンで線が引かれました。彰人やお姉ちゃんに甘えることも、立派な「戦略」だと自分に言い聞かせています。
• ニーゴの反応:
瑞希は「やっぱり、ボクの目に狂いはなかったね! 星名ちゃんは特別な存在だよ」と喜び、まふゆは「……複雑な感情……。私にも、いつか分かるのかな」と、星名の内面に少しだけ興味を持ったようでした。