もう一度、生きたいと思えるように。   作:紅葉555

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バッと押しのけ飛び込んだ 瞬間トラックにぶち当たる

血飛沫の色 君の瞳と軋む体に 乱反射して


カゲロウデイズ

 

「っ!?」

 

 暗い部屋の中、俺は叩かれるようにして勢いよく体を起こす。

 

 カーテンの隙間からは、まだ薄い日光が漏れており、時間なんか確認しなくても目覚めるべきでは無い時間だということをハッキリと理解した。

 

 焦点の合わない目を凝らし、自分の体をよく確認すると、やや湿っているのがわかる。

 

 どうやら俺は相当うなされていた様だ。

 

「風呂……入るか」

 

 先程まで見ていた夢の内容を忘れるかのようにして、俺は足早に部屋を後にした。

 

 人間ってのは、忘れたい過去ほど簡単には忘れられないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体を整わせ、YouPipeで時間を潰したあと、俺は台所に立ち朝食を作る。メニューは鮭の塩焼きに昨日の余りの味噌汁、頂き物の漬物に卵焼きだ。

 

 これは俺のこだわりの1つ。朝食は必ず和食にしたいというものの現れ。

 

 特に魚と漬物は好物でもある為、どちらかは必ず食べるようにしたいと言うのが俺なのだ。

 

 それに…………

 

「あ〜! 凄く良い匂いがする! タイミングバッチシだね!」

 

「そろそろ来る頃だと思った」

 

 我が家のように普通に上がってくる梁芦の分まで用意し、そそくさと盛り付けた食器達を配膳していく。

 

「今日はシャケ? 良いね〜」

 

「ほら、持ってけ」

 

 半年くらい前からだ、美味しいご飯が食べられないとコイツが泣いて喚いて仕方無かったのは。

 

 どうやら梁芦は料理が苦手らしく、一人暮らしをキッカケに手料理にも挑戦してみた様子だったが…………1ヶ月と続かず、スーパーの惣菜生活になったらしい。

 

 そしてその生活にも限界を迎え、飯を食わせてくれと頼まれたのが始まりだった。

 

 小学生の頃から料理人を夢見ていた俺は、当時から両親に料理を教わっており、まぁ普通くらいの腕前はあった、と思う。少なくとも梁芦よりも完成度は高いらしい。

 

 1度飯を作ってやったら、野良猫のように毎日来るようになり、いつの間にか梁芦の両親にもその話が行き渡り、コイツの食費まで受け取ってしまった。

 

 勿論、毎日3食共に過ごすわけではない。だから全てを貰ってはいないが……いや、そんなことはどうでもいいか。

 

「あれ? 蓮太、大根おろしは?」

 

「……ほら」

 

「さっすが〜! コレないと美味しさ半減だもんね〜」

 

 俺たちにとって、すっかりこれが当たり前になってしまったのが少し面倒なところだ。

 

 一人でゆっくりとする時間が作れるかもと思っていたのだが……その全てを梁芦が壊してゆく。

 

 本当、こんなはずじゃなかったのにな。

 

「ほーひへはへふは、ひょふほはふほふはふへへはひほへ」

 

「口の中の物、飲み込んでから喋れよ」

 

「んっ……コクッ…………」

 

「……ちゃんと噛めよ」

 

 なんでこう、コイツは落ち着きがないというか、なんというか。良くも悪くも女の子らしさが無いのだろう。

 

 普段からこうなのだろうか? 

 

「今日の約束、忘れないでね〜?」

 

「ああ、パンケーキだろ? わかってるよ」

 

「よろしい! 忘れたとか言い出したら、北斗残悔拳するとこだったよ」

 

「66代伝承者がここにいたよ」

 

「いや、私は閻王だけど?」

 

「蒼天の方かよ」

 

 そんなくだらない話をするのが、すっかり日課になっていた。

 

 この日常が、この当たり前が、面倒だとも思いながらも心地よくもある。結局俺の心は繋がりを求めているのかもしれない。

 

 1人になりたいと言いつつも、こうして梁芦とは共に過ごしている。それが少しの時間だとしても。

 

 それは恩故か、どうなのかわからない。ただ1つ確実なのは……

 

 一人でいるよりもずっと楽だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 忘れ物と言って大慌てで家に戻って行った梁芦を置いて、一人で大学へ向かっている間、俺は今朝に見た夢のことを考えてしまう。

 

 確かに心の奥にはずっと眠っていた記憶。忘れたくても忘れられない、でも思い出したくない記憶。

 

 それを夢に見ることなんて最近はなかった。当時こそ悪夢にうなされ、毎日のように脳裏にこびりつき、眠れない夜も多かったが……何で今更あんな夢を……

 

 なんて思い込んでいると、前も見ずにボーっと歩いていたせいで何かにぶつかってしまった。

 

「痛っ……悪い、すんません」

 

 軽く手を挙げて、適当に一言謝罪をして道を開ける。日本人らしさがプンプン香るその仕草をして先を急ごうとすると、背後から声をかけられた。

 

「大丈夫ですよ〜、でも、先を行かれるのは少し困ります」

 

「……?」

 

 普段なら無視してテクテク進むところだが、予想外のセリフが返ってきたことに疑問を抱き、くるりと後ろに振り向く。

 

 そして俺が振り向いた理由はもうひとつ。

 

 何か声がめっちゃ可愛かったから。

 

「私としては、お話したいことがあるので付き合って頂きたいな、と」

 

 が、立ち止まったことを直ぐに俺は後悔する。

 

 目の前に立っていたのは、ほぼ白に近い程に薄い金髪の女の子。しかしその見た目は、白と黒でまとまったスーツに近い見慣れない服装を身につけており、いかにも怪しい雰囲気を漂わせている。

 

 偏見かもしれないが、このあやしいオーラは宗教勧誘とかによくある、何となく近づきたくないものだ。

 

「…………」

 

 それを勝手に察知した俺は、返事も返さずに進むべき方向へと体を向き直し、再び足を進めた……のだが。

 

「ああ! 待って下さい! なんで無視するんですか!?」

 

 案の定食い下がられた。

 

「宗教勧誘なら結構です。新聞も要りません。お金も持ってません」

 

「私そんな風に見えちゃってます!? 違います違いますから! 私は貴方が今日死んでしまった事とかを伝えたくて────」

 

「十分胡散臭いじゃないか」

 

「違いますってば〜!」

 

 それが俺の運命を変えた死神との出会いだった。





血飛沫の色

血飛沫の色

血飛沫の色

ちぃ〜し〜ぶきの〜⤴︎︎︎

ヒロインって誰が好きですか?(ただ気になっただけです)

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  • カロリー0さん
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  • 即落ち2コマお姉ちゃん
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